STAGE.1

不意打ちキスじゃ奪えない

電柱を抱き締めるように手錠で縛り付けられ、中には異質物。いわゆる大人のおもちゃが振動し、僅かばかりの熱をじわじわと刺激され続けている。

幸い、隊服の上着が長いおかげで、下着が剥がされたままの下半身は晒されずに済んでいるが、この状態で一体どのくらいの時間を放置されているのか。


『………ん…』


もう何も考えれない。

名前の思考回路は完全に停止し、眼を閉じ、ただただ時が過ぎていくことを待った。

が、何事も起こらないはずもなく。


―――ザッ


誰かの足音が後方に聞こえた。


『…ッ……銀さん…』

「……お前」


振り返った先にいたのは、三人目の男。
万事屋 坂田 銀時、その人だった。

片手にはジャンプの束、もう片方には「資源ゴミ」と印字されたビニール袋を持っていることから、ゴミ捨てに来たのだろうが。

目の前の少女が置かれている状況に、寝惚けていたはずの銀時の両目が大きく見開かれていく。


「何だって、警察が手錠されてんだよ…」


驚きを隠せない様子で、ポツリと疑問を口にされるが、これまでの事を話せるはずもなく、名前は視線を反らしながら口ごもってしまった。


『それは…』

「あーいや、大方、てめーん所のサディスティック星から来た王子の仕業だろうが…待ってろ。今、外してやっから…」


銀時は名前の言葉をそう言って遮ると、両手に持っていた荷物を捨て、彼女の元へ駆け寄った。

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