犯したキスの数だけ
不覚にも動揺してしまった自分を隠すように、沖田は名前の首元に顔を埋めた。
分かっている。
腕の中にいる彼女は、そういう人間だと。
どこまでも幼く、ただ快楽に従順なだけ。
でも、何だか癪な気持ちを払拭できず。
『総悟?……痛ッ!』
押し黙ってしまった相手に名前は首を傾げるが、すぐさま鎖骨に走った痛みに声を上げる。
歯を立てて強く吸われる感覚。
沖田は悪戯に彼女の身体に鬱血の痕を残すと、名前の腰を掴んで己から引き剥がし少し移動させた。
『あ…なに…』
困惑した表情を見せながらも、誘導されるがまま浴槽の縁に手をつくと、考える間もなく今度は後ろから一気に中を突かれた。
──── パチュン、と肌がぶつかる音が響き、思わず背が仰け反る。
湯船からは太股より上が出た状態で、腰は両手で掴まれ、その勢いのまま前後に揺さぶられた。
──── ジュプ、ジュプッ!
『あッ、は、あァ…!』
内壁を激しく掻き回されるように、沖田の動きは容赦なく名前を追い立ててくる。
熱く交わる二人の挙動で、浴槽に溜まった湯はジャブジャブと波打ち、漏れ出る声は浴室内にひどく反響した。
『ん、や…ァ…んん…!』
「ッ…ふ…」
腰を前後に打ち付けられる度に、ヌチュヌチュと卑猥な水音を響かせるソコは。
先ほどまでのジワジワと与えられる快感とは違い、まるで押し寄せてくる大波のように熱く激しい痺れに全身は支配された。