2018/06/11

↓改変

・なんか婆娑羅的な力を持って転生しました主

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あ、これやばいな、と思う。不意に巻き込まれた事件、母親に隠されている私である。視界の端に寄った光の粒子に、母親が私を見下ろした。だめよ、ダメ、今は!と願うように抱き寄せた彼女に、制御が追いつかない私はキラキラと光の粒子を散らす。ぎゅうぎゅうと抱き寄せられた体に、埋まる視界。近づいてくる足音に、私は母親から引き離される。なんだ、と思えば母親が離したわけでも犯人が離したわけでもなく、父親になる予定だった人物が引き離したらしい。彼の名を呼んだ母親に、彼は私を犯人たちの方へ突き飛ばし唖然とする母親を連れて建物の奥、人混みの中に埋もれて消えたのが見えた。コロコロと転がるように、ではなく、ダイレクトに落ちた私の周りにまた光が舞う。これは、いけない気がする。床と激突した体が痛くて随分と緩んでしまった涙腺はいとも簡単に涙を零す。それに乗じて光った体に、犯人と思われる人物は頭を引っ掴んだ。
「なんだ?このガキ、光ってんぞ?」
「離せ!」
犯人はケラケラと嘲笑うように私を掴んで立たせる。丁度いい、盾になってもらうか、と私をひっ掴んだ犯人に離せと足掻くが光の粒子を振りまくだけでおわる。いい加減にしろ!という声と共に頭に当てられた銃口に息を詰めた。
ーー痛みより、恐怖が勝ったのだとおもう。
大人しくなった私に犯人はご満悦らしい。ただ、周りに舞った光が強くなるのがわかる。怖いという気持ちが膨れるにつれ、光が強くなるのだから犯人は私を見下ろした。
「何するつもりだ!?」
ガチャリというその音に、目をぎゅっと瞑るのと男が目を見開くのは同時だったらしい。何かが割れるような音、目をつぶっているのにも関わらず視界が白く染まった。その瞬間、落とされた体は地面にまた叩きつけられることになる。そして、何かがたくさん倒れる音もした。
ゆっくり目を開くと男はのびていた。男だけではなく、周りにいた普通の人もだ。奥にいる人は私を恐れたようにみて、窓ガラスは割れている。そっと自分の体を見ればまだ光っているのがわかる。どうやら、私がそうしたらしい。ジリジリと後ろに下がる。恐れた人の中に母親の姿と父親になるはずだった人の姿が見えた。その表情にまた体が光だす。私をみてまた騒めいて逃げようとする人々に、私は逆に逃げ出した。奥へ奥へ、誰もいない場所へ。そうして見つけた物陰に入り蹲る。治れ、治れ、と念じても光が治まる気配はない。
「とまれとまれとまれ」
そう繰り返す。近づいてきた足音に肩を跳ねさせてそちらをみた。男性がこちらをみているのがわかる。下がることなどできないというのにずりずりと後ろに下がる。また光り始めた体に、男性は臆することなく近くとしゃがみこんで私に手を伸ばした。ぎゅっと目を瞑る。しかし、感じたのは衝撃ではなくぐしゃぐしゃと頭を撫でられる感覚だった。
「大丈夫だ」
聞こえた言葉に恐る恐る目を開く。
「取って食いはしない。悪いな、助けてやれなくて」
彼の告げた言葉に安堵する。それと同時に光が少し治まるのがわかった。
「話を色々聞きたいが、ここじゃあちょっとなぁ。親御さんは?」
その言葉になんと言えばいいかわからなくて言葉を詰める。私を軽々しく抱き上げた彼は、きた道を戻りはじめた。
「その年じゃあ一人で来れないもんなぁ、ってことはお父さんとお母さんがいるはずだしな……」
彼はそう言って警察に連れ出され始めていた人々を見た。何人かがギョッと私を見る。その中にいた母親に、私が反応したのに気づいたらしい彼は母親と父親になるはずだった人に近づいた。
「アンタがこの子のーー」
「ふざけないでくれ、そんな化け物、俺たちの子供なわけがないだろ」
そういったその人に私が動きを止める。私を抱き上げた男性が眉間にシワを寄せた。私が母親を見れば、母親は眉間にシワを寄せて顔をそらした。その仕草に体からまた光が舞う。
「おかあさん、」
私がかすかにそう言ったことに気づいた男性が私をみた。ポロポロと流れた涙に彼女は私をちらりとみた。
「知りません、私は、知りません。そんな化け物みたいな子!!」
そう叫ぶように告げた彼女に、父親になるはずだった人が行くぞ、と手を引く。おい!!と声を張り上げた私を抱き上げている男性は空いた手で彼を掴んだ。
「アンタの子なんだろ!?」
「知らないな、なぁ?」
同意を求めた彼に母親は声を張り上げた。
「知りません!!私の子供は、そんな化け物じゃない!!」
大粒の涙を零し始めた母親に、警察官がすっ飛んでくる。何してるんですか、大原さん!と彼を止めた警察官に、俺はアイツを殴る、と警察の前で彼は宣言した。
「ダメですって、ダメ!」
「離せ、巽の末っ子!」
そんなやり取りの中、母親と父親になるはずだった人は振り返ることなく人混みに紛れて行く。そこでようやく捨てられたのだと理解した頭に、涙が零れ落ち体がまた淡く光を散らした。
「え、?え、じゃあ、まさか、その子が?」
私をみて警官は目を白黒させる。大原と呼ばれた彼はため息をついたけど。

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主な質問は大原さんが答えてくれました。多分なんらかの力を持つけど制御できてないんだろう的な推測もだ。で、私はこの巽の末っ子、こと、巽ダイモンさんに優しく尋ねられてるわけである。
「こわかった」
「うん」
「からだがきらきらしたから、おかあさんにいまはだめっていわれてぎゅってされてて」
「うん?」
「おとーさんよていのひとにひきはなされて、ほうりなげられたらあのおじさんのまえにおちた」
「え」
「つかまれてこわかったから、めをぎゅってしたら、まわりがまっしろになって、めをあけたら、みんなたおれてた」
「いろいろ待ってくれる?お兄さんパニックになりそう」
頭を抱えた彼に大原さんがため息をつく。
「恐怖心で力が暴走したってことだろ」
「ああ、なるほど」
「しかし、母親は知ってたんだな、お前の力」
「……うん、きれいだね、って」
そう言って両手を見る。普段は宙に光を舞わすぐらいなのだけれど。
「……おかあさん、きらわれちゃった」
「……そんなことないよ」
巽の末っ子さんも私の頭をグリグリ撫でる。家に帰ったら、きっといつも通りだよ。そう言った彼も頷いた私も様子を見守っていた大原さんも思わなかっただろう。母親と父親になるはずだった人が夜逃げの如く駆け落ちをするなど。あん時に殴っときゃあよかった、とは数年経ってもたまにぼやかれる言葉である。

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誰が予想しただろうか。もはや私の親代わりになっている大原さん改め丈さんがライブマンのイエローライオンとか、もはや家族がわりになりつつある巽家がゴーゴーファイブとか、私に制御を教えた姿さんがマスクマンの司令官(しかしながらオーラではないとはいわれた)だとか。特撮世界じゃん、と気づいた私は大原さんに無断であっちこっちに行き、怒られるを繰り返していたりする。いや、サージェスミュージアムとかいってみたいじゃん、デカベースとか恐竜屋とか色々さぁ!という理由はおいといて、表向きは探検したい!という理由である。行く場所行く場所でヒーローと会ってなんやかんや仲良くしてもらったりして他の人にヒーローホイホイと呼ばれる私である。
しかし、だ。
目の前にいる丈さんは私を安心させる為に頭をぐしゃぐしゃと撫でる。すぐ戻る、といった彼は仲間と合流して駆けていく。私はアカデミアからそれを見送るわけである、のだけど。これはもしかしてレジェンド大戦と呼ばれるそれではなかろうかと思うのだ。となると、しばらくの間、彼彼女らは変身できなくなるわけで。地下に行くわよと手を引いた研究員さんに頷いて地下にいった。

おかしい。何がって大量の艦隊がなくなったのに丈さん達が帰ってこない。ので、丈さんのスケボーを借りてボロボロになった街を抜ける。そのまま森に入り崖っぽい場所についたら色んな人が倒れてた。うわぁ、ヤベェ。まずはゴーゴーファイブを助ければなんとかなるかとたまたま近くにいたダイモンさんを揺すった。
「ん、……ナマエ?……って、は!?」
そう勢いよく起き上がった彼に私はマツリさんを起こしにかかる。目が覚めた彼女にまた、という形でゴーゴーファイブを先に起こせば彼らは他のレジェンドを起こし的確な処置を始めた。私もとりあえず起こせるだけ起こし(その時子供?と首を傾げられたのは仕方がない)ダイモンさんに駆け寄る。私に気づいた彼は屈んだ。
「ナマエ、ありがとな。でもダメだろ、危ない」
「音と振動がやんで時間が経ったから来た。ダイモンさん、丈さんは?」
「大原さん探しに来たのか」
そう言った彼に頷く。彼は周りを見渡した。ふむ、知らないとなると自分で探した方がいいかも。
「……自分で探すから、巽一家とか警察の人とか軍の人は先に街に行った方がいいかも」
その言葉に視線が一気に私に向いた。怖。変な奴は町にいないんだけどね、と前置きしてダイモンさんを見上げる。
「町が凄いぐちゃぐちゃしてる。多分避難は終わってるはずだからみんな無事だとは思うけど、シェルターの入り口に建物残骸が落ちてるとかはありそうだったし、アカデミアの地下も現に一つそうなってたし……もしかしたら避難してても怪我してる人いるかもしれないし」
「でも、ナマエ、俺たちは変身できないんだ」
そうポツリと言った彼に私は首をかしげる。
「でも、ダイモンさんはお巡りさんでしょ?巽一家はレスキューとか人命救助とかの知識はあるんでしょ?変身できるとかできないとか、関係あるの?」
「……!」
「私、よくわからないけど、町の中とおってきたとき、例えば瓦礫を動かす大きな車が乗れる人とか、燃えてる家を消火する消防士とか、病院に運ぶ人とか、お医者さんとか、看護師さんとか、町の人を誘導するお巡りさんとかが必要だと思ったよ。それに変身って必要?」
まぁ、確かに変身した方が効率はいいだろうけど。でも、それより先に指示を出して欲しいだけである。しばらく偉いさんも機能がストップしてるだろうから。
「とりあえず、私は丈さん見つけて、アカデミアに帰って、瓦礫をどうするか相談するね」
「俺ならここだぞ」
そう首根っこを引っ張られ、グリグリと頭を撫でられる。丈さん!と抱きつけば傷に触ったのか痛い痛いと言われた。ごめんなさい。その後ろから来たのはライブマンの方々ですかね。
「で、アカデミアがどうしたって?」
「西の第2棟が崩れちゃったから、西の第2棟地下に避難した人が出れなくなってる」
「あの建物古いからな……」
「あと、停電してるから、扉が開かない」
「お前どうやって来たんだ?」
「隣にいる研究員のお姉さんと科学実験して、反対にいたお兄さんがハッキングしてあけた。他も開けていくから大原くん呼んで来てって言われたからスケボーで来た」
そう言った私に、水色ワンコことデカマスターことドギーさんがやってくる。
「君はどの経路できたんだ?」
そう聞いた彼に端末を取り出してルートを表示する。同じく覗き混んだ人のレッド率の高さよな。わぁい、いつの間にかチーフもいるしアカレンジャーがいるぞ。丈さんが私の上から見下ろす形になり、私は端末の画面を地面に映した。
「ここはどうして迂回したんだ?」
「瓦礫邪魔で通れなかったよ。地下道の方も瓦礫で塞がれてたかなぁ」
「ナマエちゃん、病院は機能してた?」
「大規模な停電だからどうだろ……でも、病院って発電機あるんだっけ。怪我人の有無もわかんないや。火事がひどく見えたのはこっちの方向」
「住宅地の方だな」
「国は……偉い人は動いていたかな?」
「テレビ映んないからわかんないけど、私が来た時に消防車とかパトカーとかそういうのと一切鉢合わせしなかったよ」
そう答えればオーレッドに頭を撫でられた。さて、ウカウカしてられないな、と息を吐いたアカレンジャーは周りを見る。
「困っている人を助けるのが本来の務め、だからな」
そう私に笑ったアカレンジャーに、よろしくおねがいします!と子供らしき言っておく。
「あと、ありがとうございました!」
そう満面の笑みで言えば周りにふっと笑われたりいいってことよ!的なことを言われる。こちらこそありがとうと言われた言葉の意味は謎だ。

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とりあえず、私の力を知ってる人は私に灯がわりになるようにもとめてくるのはどうかとおもう。お陰で周りが?を大量に浮かべたわ。そりゃそうだろうなぁ、とは思うけど。
停電してるので夜は暗いし、星がめちゃくちゃみえるのを見つめる。何見てるの?と首を傾げたアラタさんに「星!」と言えば彼も見上げた。
「いつもこんなに見れないから、綺麗だなぁって」
そう言えば、近くにいたチーフも空を見上げたらしい。
「普段は町の明かりで見えないからな」
「もっといいものみせてあげよっか!」
そう言って立ち上がる。首を傾げた二人に、ありったけの力を右手に込めて光を貯め、空にそれを投げるようにする。たーまやー!という声を聞きつけた丈さんが来るのが見えたけど無視である。空に舞い上がった光の玉は弾けるように空から光の粒を舞い落とした。
「わぁ!すごい!」
「これは……」
「コォラ、このおてんば!」
そう私を羽交い締めにした丈さんなかジタバタともがく。
「アカデミアの中だけって言ったろ!」
「んー」
ジタバタすることなくそれを受け入れる。私は疲れて眠いのである。アラタさんが首を傾げた。
「さっきのナマエの力?」
「そうなんだよ、コイツちょっと変わっててな」
「護星天使の力とはまた違うけど、似てる気がする!」
んんん、護星天使の力だー!と言われること期待したけど違うらしい。ちなみに魔法でもないと言われてしまったし忍術も違うらしい。ホントになんなんだろうな、これ、婆娑羅っぽいけど婆娑羅なら違う世界なんだよなと思わなくもない。
「でも、きっと悪い力じゃないよ。あったかい光だから」
そうにこやかに笑ったアラタさんに丈さんが「当たり前だろ」と告げたのが印象的でした。

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ちらほらとゴーカイジャーの噂が流れ始めた頃、迷子のドンさんとアイムさんを見つけて案内した私は悪くない。その途中でマーベラスさんとか見つけて五人を目的地まで案内した私も悪くないし、途中でクレープを五人に進めてちゃっかり買って食べた私も悪くない。
「ナマエとか言ったな、お前お宝のありか、知らねぇか」
「またざっくりしてる質問だなぁ」
マーベラスさんの言葉にそう返した私は悪くないと思う。いや、どんなものを指してるかわからなくはないけども。大いなる力と言われないあたり、まだそこまでの段階ではないらしい。ドンさんが「そうだよね、ざっくりしすぎてるもんなぁ」と言ってくれてるけど。
「具体的に言ってくれれば手伝えるけど……海賊ならその過程も大事にするんじゃなく?」
そう首を傾げればマーベラスさんは目を瞬いたのちにわかってるじゃねぇかと頭をぐしゃぐしゃした。
「おっと、ここを抜ければ言ってた場所につくよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、私は帰らないと。また縁があったら」
ひらひらと手を振ってリュックにつけていたスケボーに乗って帰る。縁?と首を傾げた五人は一応手を振ってくれた。

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外でバスコちゃん見つけてしまって丈さんを研究室に押し込んだ私は悪くない。ライブマンの大いなる力、バスコちゃんに渡しちゃダメ絶対。というか今日は中々運が悪い。ゴーミン、ズゴーミンに追いかけられたり、バスコちゃんみたり。未だにバクバクしている心臓に丈さんが首を傾げた。
「ナマエ?」
「なんか良くない人がいたし紫円柱頭とかザリガニっぽいのがいたから」
そう言えば彼は納得したらしい。あんまり出歩かせない方がいいか、とボヤいた彼は私の頭をポンポンした。

丈さんと歩いていれば、階段から落ちるベビーカーに遭遇した。ベビーカーめがけてかけて言った丈さんに上からやってきたジョーさんとアイムさんを見る。もしかして:ライブマン回。とりあえずベビーカーを止めた彼らとアイムさんに近づいて、丈さん大丈夫?と聞けば、丈さんもジョーさんも「ああ」と返しアイムさんが「あら?」と首を傾げた。
「ナマエちゃん?」
「なんだ、名前の知り合いか?」
「前に、道に迷ってたので道を教えた」
そう言えばぐしゃぐしゃと頭を撫でる。母親に帰された赤ちゃんにちゃっかりベビーカーを上まで運ぶ二人はさすがだろう。お礼を言った母親に丈さんが手を振る。もう一人のジョーさんが私を見下ろした。
「ナマエ、お前確かスケボー得意だったよな」
「私はスケボー得意というか、移動手段に使ってるだけだよ?」
私の言葉に「技今だにヘタだもんな」と言った丈さんをぽこぽこしておく。ハイレベルな技を教えすぎなんだこの人。
「しっかし、お前もジョーっていうんだな。これも縁だし、名前教えてくれよ」
そう流れるようにはいったライブマン回に、丈さんは悲鳴聞こえてナマエは隠れてろ!と言って飛び込んでいくし海賊も入っていったので、私は手前で待つとする。まぁゴーミンがこっちからやってきてるとか思わなかったし、なんとか交戦して光で追い払えば慌てたように丈さんが出てきたけどな。それみた瞬間安堵してしゃがんだけど。
「ナマエ!大丈夫か!?」
「ビックリしただけだから大丈夫……」
私の背中をさすった彼に私は息を吐く。ちょっと休憩してかえる、と言えば丈さんが「仕方ないな」と言ったので「先に帰ってていいよ」と言っておく。アイムさんが頷いて、「私が落ち着くまでそばにいます」と言ってくれた。ちなみにこの後マーベラスさんが現れ、お前スケボー乗ってたな、という理由でガレオンに連れて行かれることになるのだけど。
「ナマエ、お前、スケボー得意だったな」
「……?マーベラスさん達、この子と知り合いなんですか?」
「僕とアイムが道に迷ってたのを助けてくれたんだよ」
ガイさんとははじめましてだな〜と思ってたらやっぱりライブマンか?と聞かれ、ガイさんがだから俺より年上なんですって!と説明してくれた。ありがとう。
「なに、海賊さん達、お宝探しからライブマン探しに変えたの?」
「変えたというか、お宝の為に必要なんだよね。何か知ってる?」
そう尋ねたドンさんに、私ではないよ、と言っておく。それはわかってるんだよなぁ、と頭をかいたガイさんに、このニュアンスの違いはアイムさんしかわからないだろうなぁと思いつつ彼をみた。
「そもそも、ライブマンの誰を探してるの?五人いるでしょ?」
「なに、地球人ってみんな戦隊に詳しいの?」
そうガイさんと私を見たルカさんに、私は首をかしげる。ガイさんは当たり前じゃないですか!と笑ったけどな。ちなみにライブマンの5分の4は只今様々な理由で海外である。屈んで私の目線に合わせてくれたガイさんはいい人だ。
「イエローライオンを探してるんだけど、何か知ってるかな」
「今日は忙しいと思うよ」
「知らないよね、って、え?」
「今日は忙しいから掴まらないと思う」
「ちょっと、ナマエ、知り合いなの!?」
そう私を揺すったルカさんに、私にスケボー教えてくれてるのイエローライオンだからと言えば、場所!と言われた。羨ましい、と言ったガイさんの言葉は置いといて。急に揺すられたことによりまた光が舞った私である。え、と言葉を漏らした彼らに、気にしないで、と笑っておいた。
「先程も外から光が漏れたと思って外に出たらゴーミン達が倒れていましたが、もしかしてナマエちゃんの……?」
「あんまり言っちゃいけないって言われてるから、内緒」
苦笑いして手を振る。大いなる力か?とガイさんに尋ねたマーベラスさんにガイさんは首をかしげる。
「多分違うと思います」
「じゃあ地球人はこんな力持ってたのか?」
「俺は持ってないので……なんとも。ってか、俺たちに内緒にしてもゴーミン達に使ったら意味がないからね!ザンギャックにバレた方が怖いことされるよ!」
「ああ、だから一人で出歩くなって色んな人に言われるのか!」
ぽん!と手を叩いた私にガイさんは頭を抱えた。そのキラキラで何ができるんだ?と聞くマーベラスさんに、自分でもわかんないとだけ言っておく。目を少し見開いた彼に、苦笑いしておいた。
「でも綺麗でしょ?宇宙にはいないの?」
「俺は見たことないな」
「なんだ、残念。そろそろ帰らないとみんな心配するかな」
私の宇宙人説は消えたなと思いつつ、でもどうやってかえるべきかを考える。相変わらず屈んだままのガイさんが首を傾げた。
「おくろうか?」
「んー、下までお願いできますかって言いたいところだけど、紫の円柱頭とかザリガニっぽいのとか放っておいていいの?」
「紫円柱頭……ゴーミンとズゴーミンのこと?」
「うん、ただ観戦のためだけにあそこにきたようには見えなかったから」
「ーーどういうことだ?」
「先程ーー」
そう告げたアイムさんに原作に戻ったな、と思う。それに安心しながら窓から下を見下ろした。一人で帰るのは無理だな。チーフどうやって忍び込んだんだ……話がまとまったらしい彼らに、帰りますと言おうとすれば、マーベラスさんに釘を刺された。
「おくってやるから大人しくしてろ」
イエスorハイしか答えられない感じだったので頷いておいた私は悪くない。

oo

とりあえず大原さんに海賊に保護されてます、送ってくれるそうですとメールを送る。ナビィを愛でつつ近くに落ちていたガラスのフラスコに光の粒子を注ぎ込んでふたをしておいた。綺麗だねぇ、と言ったナビィにでしょー?と言っておく。
「そうだ、夜にいいものみせてあげる!」
「いいもの?」
そう首を傾げたナビィを撫でる。機械なんだよなぁ、ナビィみたいな相棒つくれまいか……と思いつつ待つ。めちゃくちゃ揺れたなと思ったら変形したらしい。ほんとこの船どうなってるんだろう。大きな爆発音がしたと思ったら皆さん帰ってきた。ジョーさんがこちらを見て動きを止めたけど。
「なんでいるんだ?」
「私があのまま連れてきてしまいました」
「ここから降りれないから大人しく待ってました」
そう言いながらナビィを離す。じゃ、帰ろっか、と屈んだガイさんをナビィが突く。痛そう。
「痛いですよ!何するんですか、ナビィさん!」
ガイさんがそう言ってナビィをみる。私は先程のフラスコをマーベラスさんに渡す。なにこれ!綺麗!と言ったルカさんが引っ掴んだけど。
「これ、僕のフラスコだよね?」
「私のキラキラを閉じ込めました。この明かり、三年は持つので非常灯にでもどうぞ。ただ、割れたら消えちゃうみたいなので」
「へぇ、非常灯。おもしーー」
「ナマエ!外!夜だよ!いいもの見せて!」
ガイさんを突くのをやめたナビィがマーベラスさんに突っ込む。マーベラスさんがナビィさんを掴む。トリィ!と叫んだマーベラスさんに周りがいいもの?と首を傾げた。
「ナマエが見せてくれるって!」
「甲板でたい」
そう言えば連れていってくれるガイさんの優しさよな。

とりあえず甲板ーーではなく、マストにある見張り台である。なにするんだ?と興味深々な周りに、手に光を込めて球をつくる。それを上に飛ばし、ガレオンの上だけに光の粒子を注がせた。雨のように流れる光に周りはそれを見上げる。綺麗だとか、感嘆の声を漏らす周りに、ガイさんが私を見下ろした。
「もしかして、これ、レジェンド大戦の後もやった?」
「やりました、アラタさん達に見せた。でもちょっとした騒ぎになったからみんなに怒られた」
「アラタって……お前ライブマンだけじゃなくてゴセイジャーとも知り合いか?」
私を見下ろしたジョーさんに首を傾げておいた。レジェンドと殆ど顔見知りですとは言わないでおく。きっとめんどくさい。
「え、ライブマン?」
「では、あの方が?」
「多分な」
「では、ナマエちゃんは……」
「まぁ、ジョーさんがイエローライオンと会えたから結果オーライ!」
向いた視線にそうジョーさんに親指を立てれば端末がピコン!となる。画面を見れば丈さんからである。門限過ぎてるぞ、早く帰ってこないと飯抜きと書かれてるそれ。覗き込んだガイさんはあちゃーという顔をした。とりあえず家というかアカデミアまで送ってくれた海賊は優しいなと思いました、まる。ちなみに夕ご飯は外食だった。

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そもそも、私の親だった人達はなにをしているんだろうか、とたまに思うことがある。丈さんはまだ若いわけであるし(といっても子供がいてもおかしくはない年だ)、巽一家も今や他に家族ができているのだから、そこに居場所を求めるのは違う気がするのだ。丈さんは里親というわけでなく、保護とか預かりだとかそういう延長の人だ。大原って名乗らせてくれるけどね。
なんとかザンギャックが倒され、ゴーカイジャーが旅立って四年がたった。ちなみに私は見送りに行き、非常灯として連れていかれそうになったのは丈さんには秘密である。数年に一度帰ってくるんだろうけどな、この宇宙海賊。そしてその度に「非常灯になる決心ついたか?」と言われる私である。まぁ、私が逸脱してるから宇宙いた方がいいだろ的なそれだろうけど。
さてさてなんでまたそういうことを考えているかというと、手元にあるお手紙である。苗字ナマエ様、と当てられた手紙はアカデミアのポストに入っていたらしいそれである。手紙をくれる人は(レジェンド関係で)たたいるが、この字に見覚えはない。渡してくれたお姉さんに首を傾げつつ丈さんの研究室に向かおうとして、そういや今日はゼミがあるんだった、と思いながら中庭のベンチに腰掛ける。飛んできた機械仕掛けの蝶が私の頭に止まったが無視だ。とりあえず手紙を開け、内容を数行読んで動きを止める。動揺して光が舞った。蝶がそれに驚いたように離れるが、周りは慣れてるのか気にすることはない。とりあえず内容を全て読めば読むほど混乱する。丈さんに報告するか否かを考え、先に断りに行くべきかも考えていれば、丈さんが私を呼んだので慌てて手紙を隠した。
「ナマエ、悪い急に会議が入ったから……って、何隠した?」
「あー、うーんと、」
「ラブレターでも貰ったか?」
ケラケラと笑った彼にそんなとこ、と言えば彼が真顔に変わる。
「何処のどいつだ、俺の娘にそんなものを送ったのは」
わぁ、ガチトーン。そう思っていたら手紙を奪われる。取り返すのもなんなので、大人しくしていれば、手紙にざっと目を通した彼は目をみるみる見開いた。
「これ、何処で誰にもらった?」
「いつもみたいに事務の人が私宛だよって。多分ポストに入ってたんじゃないかな」
動揺ダダ漏れである。舞う光の粒子に、丈さんが迷ったように目を泳がせた。そしてそっと息を吐いて私の頭を撫でた。
「自分のやりたいようにやればいい。とりあえず俺はこいつらをぶん殴る」
「捕まるよ」
「巽の末っ子寄越せば大丈夫だろ」
そんなことを告げた彼に頼もしいな、と思う。まぁ別の教授に「大原くん!会議!」と言われ、「今重要な家族会議中だ!」と言い返したけど「家族会議は夕方以降でもできる!」と引っ掴まれていった。ということは丈さんは夕方まで会議室拘束ルートですね、わかります。
まずは仕方ないからいって断るか、と息を吐いて端末の地図を開き、ルートを表示させる。スケボーにそのデータを転送して、端末の日付を確認した。
……これもスターニンジャーがもう来日してる時期じゃないかな。

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スケボーに乗ってとりあえずやってきました伊賀崎道場。手前でどうしたものか、と考えていれば「だれだろ?」という声が聞こえて振り返る。記憶が正しければ、キニンジャーとシロニンジャーである。
「うちがどうかしましたか?」と尋ねたシロニンジャーに、これ、と言って手紙を見せる。
「伊賀崎道場に行きなさいって書かれてたのできたんですけど」
「え?」
私の手紙を見た彼らは目を瞬く。ちょっとお父さんよんでくる!!とドタバタと中に入っていった彼女に、参ったなぁ、と遠い目をした。数秒して引きずられてやってきた男性に彼女は「お父さん!これ読んで!」と私の手紙を彼の顔に押し付けた。
「六人目の従兄弟がいるなんて聞いてない!」
そういうこと、である。彼女の言葉を聞いて玄関から顔をのぞかせていた四人も顔を見合わせた。男性は手紙を避けて私を見た。
「君は秋風の娘かい?!」
「え、やっぱ秋風おばさんの?ってことは従兄弟なの!?」
驚くキニンジャーにもがしりと私の肩を掴んだ男性にもちょっと引く。
「僕は旋風おじさんだよ、覚えてないかな?」
その言葉に首を左右に振った。グイグイくるなこの一族。
「まぁ、最後に会った時2歳くらいだったしね。覚えてなくても仕方ないかあ。それ以降は、秋風、連れてきてくれなかったしなぁ。ここにきたってことは、君もニンジャになりに?」
そうまくしたてるように告げた彼に一歩ずつ後ろに下がる。キニンジャーが「おじさん、がっつきすぎ!」と割り込んだけど。なんとか耐えた私偉い。
「とりあえず、断りに来たんですけど……」
「え?」
「ニンジャとかよくわからないし」
「秋風から聞いてないのかい?」
そう首を傾げた彼に、どう伝えるべきか迷う。恐らく母親は彼らとの繋がりはあるのだろい。奥にいたモモニンジャーが「叔父様とりあえず立ち話では何ですし、お茶でも用意しますよ」と言い、私は結構ですといったのに周りに手を引かれた。解せぬ。

視線が痛い。とりあえず、大原ナマエです、と名乗れば、大原?と首を傾げられた。まぁ、赤いのにはナマエっていうんだな!と言われたけど。おかしいな、と考えた旋風さんに、眉尻を下げた。
「えっと、母はよくこちらに?」
「たまにお正月だけですけど……」
「……今まで秋風おばさんはお前を連れて来たことがなかったな、お前はどこに?」
これ、なんて答えるのが正解なんだろうか。アオニンジャーの言葉に、言葉を詰まらせておく。
「あの、私、長居するつもりじゃなくて、ニンジャになるの断りに来たんですけど……」
「なんでだ?」
「なんでって……色々聞いてませんし、」
「聞いてないなら今から知ればいいんですよ」
にっこり笑ったモモニンジャーにそんな問題じゃないと思う。ツッコミが欲しい。
「それに、断るだけなら手紙でもいいだろ」
そう告げた青に動揺を抑えた、けれど、手元が淡く光った。机の下でよかったとおもうが背後にはスターニンジャーである。
ため息をついて目を伏せる。いうしかないか、と覚悟を決めて彼らを見た。
「手紙で断るのは失礼でしょうし、ここに来れば母に会えるかなって思っただけです」
その言葉に彼彼女らは動きを止めた。会ってないのかい?と促した旋風さんに私は頷いて言葉を続ける。
「私は約十年ほど母に会ってません。大原という苗字は私を保護して今まで育ててくれている方の苗字です」
「十年も前だって?」
「はい。なので、いきなりニンジャがどうとか言われても困りますし、ニンジャになれって言われるのも違う気がします。あと、手紙を送ってきても困りますって文句を言いに来ました。いないならいいです、帰ります」
静まっている周りにそう言って立ち上がる。ぐっと引っ張られなんだなんだと思ったら赤色が引っ張っていた。
「じゃ、これからよろしくな!ナマエ!」
「ねぇ、お兄さんお話聞いてました?」
「いやあ、秋風おばさんがどうとかよくわかんないけど、従兄弟ってことは変わりないわけなんだし!これってラストニンジャになるライバル増えるってことだよな!燃えて来たー!!」
そう雄叫びを上げた彼に、この人言うこと聞かない行動派だとわかる。「だから私はニンジャにならないんですけど」と言って手を解き、じゃあ、ともう一度頭を下げて外に出てスケボーに乗った。ちなみにこのスケボー、コナンくん的なアレのナビ付きである。ダイモンさんとSPDにバレたらめっちゃ怒られるけどな。
逃げる為に結構な速度で走ってたら案の定センちゃんさんに見つかる羽目となった。
「猛スピードで駆け抜けていくと思えば、ナマエかぁ。どうしたの?それ」
「作りました」
そう言いつつパトカーと並走する。雑談してれば、後ろつけられてるみたいだけど知り合い?と首を傾げた彼は親切な人だと思う。
「知り合いというか、なんというか」
後ろをチラ見すれば隠れたらしい人にため息をつく。せんちゃんさんはそれを見て口を開いた。
「左に曲がりますか〜」
「はーい」

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なんとか撒いてアカデミアである。丈さんの研究室を開ければ、机に向かっていたらしい丈さんがこっちを向いた。
「おかえり、どうだった?」
「いなかったしお断りしてきた」
そう言いつつスケボーを立てかける。そうか、と何処か安堵したような彼に首を傾げておく。
「そう言えば、会議なんだったの?またお兄さんお姉さんがなんかした?」
「いや、そろそろ本部に顔出せって言われてな。面倒だし今までお前を理由に断ってたんだが、勇介とめぐみにそろそろ大丈夫だろって押し切られたんだよ」
その言葉にピシリと固まる。本部=海外であるし、私の現状、パスポートを持てないわけで。イコール、私はついていけないわけで。
「どれくらい?」
「最低半年」
「いつから?」
「明後日」
「はぁ!?」
ぽんぽんと私の頭を撫でた彼に、これは私は伊賀崎居候フラグが立ったな、とおもう。
「私も行きたい……」
「あのな、そろそろ俺離れしろよ。俺はずっとそばにいてやれるわけじゃないぞ」
ぐしゃぐしゃと私の頭を撫でた彼に、わかってるんだけどなぁ、とは思う。口には出さないけど。
「丈さんが本当の父親ならよかったのに」
ポツリと呟いた言葉に、彼は「何言ってんだ」と笑って肩を叩いた。
「俺はお前の本当の親より長くいるんだ、こりゃもう俺はお前の親だな」
そう言った彼はふと表情をかえる。
「……だからな、心配なんだよ。後先考えねぇで突っ走った結果、普通の学校にも行かせてやれなかったし、同い年ぐらいの関わりなんざ殆どない。それは、お前を信じずにここに閉じ込めてたのと同じだろ」
自嘲気味に笑った彼に首をかしげる。勇介さんたちに何か言われたのだろうか。
「……そんなこと、思ってないよ。丈さんが私を心配してくれてるのしってるから」
ね、と言えば彼はため息をついて私の頭をまたぐしゃりと撫でた。
「ホント、でかくなったな、ナマエ」

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海外に丈さんがいる間どうしようと考えながら公園でうとうとする。昔なら巽一家に頼んで居候させてもらったりしたけども、お互い歳が歳である。サージェスミュージアム手伝うから住まわせてくれないだろうか。そんなことを考えながらうとうとしていれば、お前さんは、という声が聞こえた。目を開けばいたスターニンジャーに目を瞬く。
「お嬢ちゃん、こんなところでお昼寝でございやすか?」
「お昼寝というか、考ええごとを」
「考えごと……忍者になる決心はつきやしたか?」
「あぁ、えっとそういうものではなく」
言葉を濁せば彼は首を傾げ「となりに失礼しても?」という。まぁ頷く前に座ったけどな。
「父親がわりの人が、仕事で海外に行くんですが、その間どうしようかと」
「ついていきやせんので?」
「パスポートの問題がありまして、私グレーゾーンな人間なんで処理が色々と、ね。最低でも半年間いないわけですしどうしよっかなぁ、と」
そう言いつつ頬杖をつく。パスポート、と口を開いたスターニンジャーはずっと目を細め、凪坊ちゃん、お命頂戴!!と叫んでギターっぽいもので木を刺した。そこから飛び出したのはキニンジャーである。
「スターさん、酷いよ!もう刺客じゃないじゃん!」
「隠れて聞いていたのはそちらでございやしょう?」
「だってナマエちゃんとスターさんが見えて気になったんだもん。ナマエちゃん、ニンジャになる気はまだないの?」
まだってなんだ。
「今はそれより向こう半年の生活をどうするかが問題でして」
「最低半年でございやしょう?」
「丈さんのことだから半年で帰ってきてくれる」
むーとしながらいえば、キニンジャーが首を傾げる。それをみたスターニンジャー が「お嬢ちゃんがお世話になってる方がお嬢ちゃんを残して海外に渡航するようでございやして、」
「なんだそんなこと!ウチに来ればいいじゃん!」
「凪坊ちゃんならそう言うとおもいやした」
やれやれという風に告げた彼に私は苦笑いする。
「いや、でも、」
「忍者どうこうじゃなくて、従兄弟なんだからさ!そうと決まれば早速叔父さんやタカちゃん達に言わなくっちゃ」
スマホを片手に電話をかける彼の行動の早さに固まる。がしり、と肩を掴んだスターニンジャー は「今度は逃しやせんよ!」と言った。

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「丈さん、早速ですが、従兄弟と思われる方たちの押し売りにより丈さん留守の間は伊賀崎の道場に身を寄せることになったので、早く帰ってきてください」
そう準備をしている丈さんに声をかける。振り向いた丈さんにうー、と子供みたいな声を漏らして近くに置いてあるライオンのぬいぐるみを抱きしめる。
「わかんないぞ、案外俺がさっさと終わって帰ってきたらお前が帰りたがらないかもしれないし」
「それはない。むしろ、三カ月で帰ってきて」
そう却下した私に、彼はケタケタと笑う。それ、貸してみな、と言った彼に私の幼少期からの相棒であるライオンのぬいぐるみを渡す。「これをこうして」と言ってなにかをする丈さんを見てると、ぬいぐるみが動いた。それにピシリと動きをとめる。まさか。
「丈に電源を入れられるとは不覚だガオ」
「お前俺が直してやったのにそれはないだろ」
そんな会話に私は嬉しさに震える。光の粒子が舞った。
「ライちゃんが復活してる……!!」
ちなみにライちゃんとは丈さんが誕生日プレゼントに与えた喋るぬいぐるみである。曰く、丈さんが忙しい時に私の相手をしてもやうためのもの。謎の生き物だと思っていた私により彼は水洗いされ長い眠りについてしまったのだ。ナマエ久しぶりだガオ!と吠えた彼を丈さんから分捕り抱きついた。
「もう水洗いしない……!」
「いや、しても大丈夫なように変えた。これで半年はもつだろ」
あとほれ、と何かのケースを投げられる。
「どうしても、どーしても困った時に開けろ、いいな」
そう私に釘を刺した彼に首を傾げる。ライちゃんがオレが預かるガオ、と言って首元に付けられたポーチに入れるように言ったので言われた通りに入れておく。

翌日、空港まで見送りにいくもののマジ泣きした私に空港の位置を知るからと迎えに来させられたスターニンジャーに慰められた。まぁ、置いて行かれる側は何時も寂しゅうございやすからね、と呟いて私の頭を撫でたスターニンジャーにライちゃんが噛み付くのは時間の問題だ。
「ナマエに手出してんじゃねぇがお!」
「痛っ……くはないでございやすが、ぬいぐるみ??」
「ライちゃん〜」
私のリュックから飛び出したライちゃんに顔を押し付ける。
「ライちゃん……?」
「私の友達のライオンです」
「ナマエの世話係の間違いガオ」
「え、ああ、っと、そうでございやすか。あっしはキンジ・タキガワでございやす。伊賀崎の皆さんがお待ちしておりやすので、そろそろ向かいやしょうか」
困惑たっぷりにそう告げた彼に頷く。ライちゃんをとりあえずカバンに入れた。

「とりあえず、半年間よろしくお願いします」
そう頭を下げれば従兄弟だし気にすんなと言われたけど、あって二日三日だというのに肉親だからという理由でそういうのはちょっとどうなんだと思う。私が敵だったらどうするんだろう。
「あー、えー、と、こっちはぬいぐるみのライオンです」
一応紹介すればきょとん顔された。アオニンジャーとアカニンジャーだけがよろしくな、と言ったけど。先程動いたことをしっているスターニンジャーがマジマジとみる。ヒソヒソタイムに入ったキニンジャーシロニンジャーモモニンジャーにライちゃんをみる。
「もう喋らないんでございやすか?ライちゃんは」
つんつん突いたスターニンジャーにライちゃんが噛み付く。
「うお!動いた!」
「いたっ!……くはありやせんがやっぱ動けるじゃあございやせんか!」
「うるさいガオ!お前がライちゃんいうな!」
「え!喋った!」
「……妖怪か?」
「ヨウカイじゃないガオ。オレはナマエの世話係!」
グルグルと威嚇するライちゃんはスターニンジャーさんの手をハムハムと噛んだままだ。
「ライちゃん、大人しくしてよう?私達お世話になる立場だし」
そう言ってスターニンジャー の手からライちゃんを引き離す。
「ええと、タキガワさんすいません、二回も噛み付いてしまって」
「痛くないので気にしておりやせんよ。ライオンが好きなんでございやすか?skateboardの stickerもライオンがはってありやすが」
「まぁ、そうですね、好きです。鳥とかイルカとかも好きです」
「動物が好きなんですね、なるほど、また一つナマエちゃんのことが知れました」
そう笑ったモモニンジャーに困り顔を浮かべる。
「私はみなさんのこと何も知らないんですけどね」
まぁその言葉に周りの自己紹介が始まったのだけど。夜ご飯は美味しかったです。

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「ナマエちゃんはどこの学校に行ってるの?」
「あーえーっと、学校はいってないです。色々あって」
そう苦笑いすれば、周りは目を瞬いた。行ってない?学校に?という問いに頷く。ちなみに学校に入学する云々となると伊達さんが俺んとこ来たらいいぞ!と行ってたので多分そこにいくことになるだろうけど。顔を見合わせた周りは天晴さんを除いてヒソヒソタイムに移ったので、私は気にしないことにする。最終的に私が体が弱いのではないか?という話になったらしい。あんまり無理しちゃダメだよ!という話になった。いや、私は元気なんですけどね。

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なんか嫌な気配が近づいてきたなぁ、と思いながら玄関の方を見る。お兄ちゃんどうしたの!?天晴坊ちゃん!!みたいな声が聞こえて旋風さんと顔を見合わせた。入ってきた天晴さんは荒れているというか、タキガワさんと風花ちゃんに抑え込まれている。そのほか、凪くんもそうであるらしい。こちらは八雲さんと霞さんに抑え込まれてるけど。嫌な気配に目を細める。漂った黒い何かは見えてないのかも知れない。
「どうしたんだい?」
「敵の攻撃を受けてから、二人がおかしいんです!」
そう言った霞さんのそばで、きゃ!という声が聞こえ、風花ちゃんが振りほどかれて、それを止めようとしたタキガワさんが投げ飛ばされる。天晴!と叫んで止めに入ろうとした旋風さんをまた振り解き殴ろうとした彼に割り込み手を掴みあげ、合気道の要領で抑え込む。蠢いた何か黒いそれに眉間に皺を寄せた。これは間違いなく良くないものだろう。
「今から変なことしますが、気にしないで」
そう前に宣言し目を伏せる。そのままオーラを流し込む。暴れようとしていた彼の力が抜け、バタン、と倒れたのを機に目を開く。そのまま彼から退き、凪くんの額に手を当てて目を伏せ、同じく流し込む。同じく力が抜けた彼にそっと息を吐いて目を開けば私の光の粒子が凪くんにうつっていた。やってしまった。まぁ、それは徐々に消えたけど。
「ナマエちゃん、何したの……?」
「あー、と……」
どう説明すればいいのか、と考える。ライちゃんは何も言ってくれないらしい。そのかわりに告げたのは、私のおじいちゃんにあたるらしい好天お爺さんである。
「忍術ではない。そして、悪い力でもない。気、もしくはオーラと言われるものじゃな」
「気?オーラ?」
「人に宿る神秘の力じゃ。ナマエはその力が人一倍高い、まぁ、それだけではないだろうが」
そうちらりと私を見た彼に、彼は何か知っているのかと思う。彼にそれを尋ねようとすれば、天晴さんと凪くんが目を覚ました。
「あれ?道場?なんでた?」
「え?なんで帰ってんの?」
頭にクエスチョンマークを沢山浮かべた二人に四人がそちらを向く。手を見れば光の粒子が散るのがわかった。
「好天おじいさん、少しお話があります」
「なんじゃ」
「場所を移したいのですが」
「ここで言えぬならば話はなしじゃ」
このお爺さん結構熾烈である。少し手を見つめて周りを見、彼を見る。
「貴方は私が何者かご存知なのですか?」
そう尋ねれば彼は目を細めてこちらを見た。わちゃわちゃしていた六人と旋風もこちらを見る。
「私は周りから逸脱しています。伊賀崎の家の者がみんなそうなのかとも思いましたが、一ヶ月間彼らを見ていて違うとわかりました。私だけが異質だ」
光の粒子が周りに舞う。それを見て六人と旋風さんが私を見た。
「こんなの、彼らにはない」
「あぁ、そうじゃな。そして、」
「母親にもない?」
「それどころか、世界でお前だけじゃろうな」
そう告げた彼に、ひどく動揺したらしい。また周りに光が舞った。通りで誰に聞いてもわからないはずである。
「これは何ですか?どうして私だけが?どうしたらいいんですか」
「自分で考えよ。力は時として正義にも悪にもなる。使う人間によって力の意義は変わるからのう」
「そんなこと言ったって」
そう言って両手をみる。光の粒子の色が濃くなった。
「話はここまでじゃ、チャオ」
待って、と呼びかける前に彼は消える。うわぁ、すっげぇ!と私の手を掴んだ天晴さんは目をキラキラさせた。
「なんだこれ!どうやってんだ!?」
「わかりません、物心ついた時にはもうできたので」
そう首を左右に振る。ライちゃんが天晴さんの肩に登り、ナマエ、深呼吸ガオ、とやっと喋る。その言葉の通り深呼吸すれば光は治った。
「制御できてない、のか?」
「いや、普段はできてるガオ。ただ、感情が昂ぶるとああなるガオ」
「へぇ、なんか凄いな!」
「綺麗だしね!」
そう言った風花ちゃんに苦笑いしておく。ライちゃんがまた口を開く。
「綺麗で済まされないガオ。ナマエはこれがあるから学校に行けなかったし、両親に捨てられることになったんガオ」
はっきり言うなぁ、とライちゃんの口をきゅっとしめる。むがっ!と言ったライちゃんに、秋風が?と旋風さんが目を見開いた。
「ナマエちゃんを捨てただって?」
「仕方ないですよ、私は小さくて力が制御できなくて暴走させた。気味が悪いに決まってる」
「じゃあ、ナマエちゃんが秋風おばさんと会ってなかったのは」
「捨てられたんだと思います。ちょっと小さい頃に、立てこもり事件に巻き込まれてしまって、感情が昂ぶってこの力を抑えきれなくて暴走させてしまって……バケモノって……二人とも人混みに消えて」
感情がまた昂ぶってるんだろう。また光の粒子が舞う。
「親切な人に保護されて家に帰ったらもぬけのからで、何日も何日も何ヶ月も家に行ったけどかえってこなくって……そのまま今です」
ああ、いけないな、と切り替える。彼らにとって彼女は優しいおばさんなのだ。
「でも、いいんです。そのかわり、親切な人に育ててもらって、色んな人と知り合って、いろんなことを学びましたから。もはやその人達との方が付き合いながいですし。だから、貴方達がきにすることじゃない」
そう言って両手を叩く。暗い話はおしまい、と言って、ライちゃんの口から手を離す。ライちゃんは何も言わない。私の幼少期を知ってるからだろうけど。
「で、なんで天晴さんと凪くんは暴走してたんですか?」

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