2018/12/23
ぱいろっとのあぱーとのやつ
追記はボツ
「ハイ」
古き良き時代の飛行士の格好をした男性を見つけたものだから、声をかけてみる。振り向いた彼は持っている写真の人に似ていた。しかも服も昔のイギリス軍のものである。
「お兄さんイギリス人?古い軍服着てるけど、その服はコスプレ?パイロットなの?サー・ミック・マノックに似てるって言われない?」
そう足早に聞けば彼は眉間に皺を寄せて私を見下ろす。
「俺がミック・マノックだが」
その言葉になりきりさんだろうか、と考えて、まぁいいかと楽観的に考える。ガサゴソと彼の写真を取り出して、サインください!と言えば彼は固まったのだけど。ちなみにその後はちゃんとサインしてくれたのでいっしょに紅茶の美味しい喫茶店でケーキを食べました。話聞いてたらガチで行方不明になった本人っぽくてなりきりではないのでは?と思ってしまった。すごいなこの人。
「飛行機が好きなのか」
「好きですよ、私、こう見えてもパイロットなんですから!」
「お前が?スコアは?」
「あぁっと、戦争中ではないので撃墜させませんし、私は軍人とかそういうのじゃないパイロットですので」
「民間旅客機?」
「いえ、あれは頭のいい人しかなれないので。私は曲芸飛行とレースを少し」
苦笑いしながらそう告げる。そう言えば彼はレースなんてものがあるのか、とぼやきながらタバコを灰皿に押し付けた。まぁ、話はもうそろそろ帰るかという彼の言葉で遮られてしまったが。それにシュンとしながら彼を見上げる。
「サー・マノック、またお会いできますか?」
「……気が向けばな」
そう言って彼は私の勘定表を持っていった。最高にクールである。
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マノックさんが偶に会ってくれるようになったので、私の飛行機がある飛行場にやってきた。二人乗り用とかなら乗せてあげれるが、流石に一人乗り用は無理だけども。倉庫の中で色々と紹介していれば、湖に面した場所、その奥にあるものを見つけた彼は足を止めた。
「これは?」
「父親が趣味で作ったものです。飛行艇ですね。貴方達の時代の飛行機を水面上からの離着陸できるようにしたものといいますか」
もっと言えば、某アニメ映画に出てくるそれだ。飛行機技師の父親が作り上げた3艇のうちの一つである。私が乗りこなしたために私の機体になったものだ。もちろん木製である。ただ、カラーは私のカラーである白になっているが。ちなみにあと二つのうちの一つは父親が乗りたがっていたので二人乗りができるようになっている。
「二人乗りならできますよ。流石に免許無しで飛ばせるのはダメなので、乗せれませんけど」
そう促してみる。彼がジッと私の顔を見つめたので首を傾げた。まぁ彼を乗せたあと、なかなかいい腕だな、坊主と言われたので喜んでおこう。まぁ、私女なんだけどね。
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いつもの喫茶店で暇を潰していたら物凄い怖い顔したマノックさんがやってきて私の首根っこを掴むと私の勘定をすませて引きずっていく大量の?を浮かべていれば、立ち止まった先にあったのはアパートである。横に何か格納庫っぽいのがある。ひょこりと顔を出したのも見たことがある人達、のような気がする。なんだ少年か、解散!と言った傷のある男性を眺めて口を開く。
「シャルル・ナンジャッセ?」
その言葉に彼はくるりとこちらを見た。唯一いる日本人がピタリと固まった。他の人が誰かわかった瞬間、目をキラキラさせたのが自分でもわかった。
「わ、わ、わ、ジョルジュ・ギンヌメール!?エルンスト・ウーデット!?ロタール・リヒトホーフェン!?マンレート・リヒトホーフェン!?」
そう言ってからマノックさんをみる。
「マノックさん、これ大丈夫なんですか!」
「大丈夫なわけないだろ」
背景に暗雲が立ち込めている気がする。だろうな。唯一の日本人が「君は詳しいの?」と尋ねたので、首を傾げておく。詳しいがどこまでの範囲を言うのかがわからない。
「父親が詳しいのでその影響、ですかね、えっと」
「あぁ、ごめんね、僕はただのこのアパートの大家なんだ」
「お話はマノックさんから聞きました。色んな国のエースパイロットと会えるのは羨ましいような、……でも知らない人からしたらわけがわからない上に大変ですね!!」
そう言ったら深く頷かれた。おおっと本当に苦労しているらしい。彼は私からマノックさんをみる。
「と言うかどこで知り合ったんですか、マノックさん」
「仕事終わりに街を歩いていたら声をかけられた」
「へぇ、勇気あるなぁ。えっと」
「苗字ナマエです。サーマノックにはお世話になっています」
頭を下げる。シゲノタカユキです、と頭を下げた彼は、マノックさんがお世話にといいかけて言葉を止めた。
「険しい顔したマノックさんに連れてこられた時はどうなるかと思ったんですけど、何もなくて良かったです」
「悪いな、ミスターマノックが誰かと歩いているのを見たからからかってたんだが、まさか少年だとは思わなかったんだよ」
ああ、だから解散!と言う話になったのか、と理解する。流石に女好きである。あともう少年でいい気がする。海外でも少年少年いわれるし、海外の記事によっては少年扱いである。
「いえ、私もマノックさんに会いたかったので」
ニコニコと笑いながらそう言えば、慕われてるねぇと言われた。何か俺に用があったのか、とこちらを見下ろした彼に大きく頷いた。
「マノックさん、あのですね、今オフシーズンなんですけどね、広報というか周知イベントでレースみたいなのするんです!みにきてくれませんか!」
ガシリ!と彼の手を掴んでそう言ってみる。
「何時だ」
「明後日!お昼からです!」
「また急だな」
「友達に日本でやるのにお前がいないのは可笑しいって言われて急遽参加することになったんです」
「……ちょうど休みだ、行こう」
そうくしゃくしゃ私の頭を撫でた彼にヤッターと舞い上がる。周りが?を飛ばしてるけど無視だ。とりあえずチケットを彼に渡し、お友達つれてきても大丈夫なんで!と一応言っておく。ピロリンとなったスマホに、あ、今日約束あるんだったと思いだす。
「じゃあ、サーマノック!また明後日!!」
ひらりと手を振って後にした。
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マノックさんが手渡されたのはサイン入りのチケットである。覗き込んでみれば、なにかの展覧会とショーのチケットみたいだが、なんの展覧会かはサインで隠れて不明である。そのチケットをポケットに入れたマドックさんはそのまま何事もなかったように立ち去ろうとした。
「レースってことはあの子はレーサーなんですか?」
バイクだろうか。車だろうか。意外と競艇、はたまた競馬に競輪……色んな可能性がある。さぁなと告げてまたそのままアパートに行こうとした彼をまた引き止める。
「なんか面白そうだな!」
「連れて行かん」
って言ってたのにこうなるんだよなぁ、と険しい顔をしたマドックさんをみながら思う。僕らがへばりついてやってきたからか友人と見なされて入れた。ナマエくんの友人かー、いやぁ、多国籍云々と受付の人が言っていたけども。
「でも先に展示を見るよりショーの会場に言ったほうがいい。スケジュールが変わってな。時間が早くなった。そのチケットならいい席で見れるぞ」
グッドサインを見せた彼は誰かを呼び、現れたスタッフに連れていかれた先は見るからにVIP席である。よかった、全員普通の服着てもらってて。しかしながら、航空展示とレースが繋がらなくて「?」を飛ばす。そうこうしている間にアナウンスがはじまる。レディースアンドジェントルメンから始まったその言葉に周りがざわついた。
「まずはエアレースオフシーズンにもかかわらず、集まってくれた酔狂な選手たちの紹介を致しましょう」
そんなアナウンスに、背後から五機の飛行機が飛んでいってそれはバラバラに飛んで行った。
「まずは赤色の飛行機、白い星のマーク!初代世界王者にして、空の皇帝!ドイツ・イェン・グルーガー!」
一回転してみせた赤色の飛行機に、アナウンサーがまた口を開く。
「愛国心のトリコロール!コウノトリの再来!フランス・フランシス・ルクシュエリ!」
トリコロールの飛行機が観客席のそばをとんでいく。それに続き、「闇に乗じる黒の狩人!今日こそ白鳥を捕まえることができるのか!アメリカ・ジャック・サーランド!」と紹介が入る。いやいや、まさか彼がパイロット?と苦笑いしていれば、アナウンサーは「黄色の機体!元ワールドレコード所持者!女王の『道化師/王冠(クラウン)』!イギリス・リック・ブラウン!」
「そしてこの選手を見に来た人も多いのでは!?エアレース最年少ワールドレコード保持者!白の機体!世界最速の白鳥!ジャパン・ナマエ・苗字!」
その声に、真っ白な機体はひっくり返ったまま観客席すれすれをとんでいく。確かにちらりと見えたのは彼である。「以上五機によるオフレコードのレースになります!」と締めくくったアナウンサーに、僕はぽかんとする。
「え、あの子、パイロットだったんですか」
「らしいな」
タバコをふかしながらマノックさんは空を見上げた。
「飛行機のレースなんてものがあるのか」
「おや、お兄さんたち何も知らないのかい。レースといっても、競馬や競輪、競艇とは違ってタイムを競うんだ」
「タイム?」
「空のF1ともいわれるね。スピードが早いからスモークなんかも焚かれるが、スクリーンでおった方がわかりやすい」
そう指さされた方には確かにスクリーンがある。
「しかし、驚いた馴染みのない人がこの席にいるのは珍しい。誰かの招待かい?」
「えぇっと、苗字選手の招待で……といっても、今パイロットであることを知ったんですけど」
そうぼやいた僕に周りがこちらを見た。なんだ。
「お兄さん達はあの白鳥の招待か!珍しい!」
「え、は、はぁ、」
「そんなにすごい選手なんですか?」
「あぁ、そりゃあもう!なんたってあの子は最年少ワールドレコード所持者だ!あの子は今や曲芸飛行集団の一人として活躍しているが、昔は違う!ただでさえ空軍出身や曲芸飛行士がのさばる中、白鳥は肩書きも何もない状態で優勝してみせた。しかも、ワールドレコードでな。当時はどのチームも目をひんむいたものさ!運営も不正をしたんじゃないかと疑ったが、不正なんか何もなかった!」
「あれは湧いたレースだったよ、なんせ決勝ドイツの皇帝、イギリスの王冠、フランスのコウノトリ、万年一位から3位に入る選手の中に入り込んだんだからな。白鳥はまさしく天才だよ」
「あれ、アメリカはいないんですか」
「さっきアナウンスで聞いただろう?アメリカは白鳥に魅入って次のレースからやってきた空軍出身の選手だ。だから着いた肩書きが狩人」
「まぁ、後の3機も白鳥を捕まえたいあたり狩人だが、白鳥が逃げ切りそうだな。そもそも今回は4機の戦いになる予定だったんだが、リックあたりが白鳥を呼んだんだろう」
そのまま周りは今日はどの選手が、という会話になる。詳しいルールはパンフレットを見ればいいといわれたのでそれを見れば確かにパンフレットに書かれていた。複雑そうである。
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見事に優勝というか、トップタイムで彼がいたというか。解散しつつある周りに現代のパイロット服のまま彼は両手を振ってかけてくる。マノックさーん!と犬ならば尻尾を振りながら来る様子に周りがギョッとしたけど。
「マノックさーん、一番だったよー」
「ドイツに勝ったのは良しとしよう。だが一位はイギリスに譲れ」
「それはヤダ」
「しかし、お前パイロットだったんだな」
「あれ、言ってませんでしたっけ?」
「聞いてないね。後で飛行機みせてくれるかい?」
「それなら私の格納庫来ます?乗らせることはできませんけど」
「君の飛行機はプロペラが着いてるんだな」
「はい、曲芸飛行用の飛行機なので。ルールなんです……というか、プロペラついてない飛行機は乗れません」
そんな会話をしていれば、周りの観客席にいる人が驚愕している。まぁ、そんな彼に違うパイロットが近づいてきて持ち上げたけど。彼が小柄だなというのが嫌という程わかる。
「やぁ、ナマエ。君がこちらに顔を出すなんて珍しい」
「リック、降ろして、めんどくさくなるよ」
「わぁ、君の大好きなサー・マノックのそっくりさん」
「聞いて驚け、本人だ」
「そうか、よかったねぇ」
そう猫可愛がりする彼は名前からしてイギリスだろうか。ナマエくんが死んだような顔をしている。
「おい、道化師、ナマエが嫌がっているだろう。離せ、そして俺に渡せ」
「ストーカーは下がってな」
「やぁ、ナマエ、どこにいるかと思えば。また胡散臭い道化師とストーカーに挟まれて、可哀想に」
「くたばれドイツ野郎」
「おいナマエの前だ。汚い口はよせ、アメリカ。こういう時はこう言うんだ。パイロンに接触しろ」
「ペナルティを重ねてしまえ」
あ、これみたことある。というか、よく聞く会話だ。
飽きた
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