2018/12/24

↓没

・年齢と性別バレた
・この世界じゃ私有地で飛行機の運転OKってことにしといてください

「マノックさんが寝れないと聞いて!」
そうやってきたのはナマエくん改め苗字ナマエちゃんである。手元に持っているのは安眠グッズだろうか。そういえば、彼女がきちんとここにきたのは初めてな気がする。
「本当だ、ひどいクマだ、アルコール飛ばしたホットワインとかココアとかホットミルクとか作りましょうか!?飛行機は逆効果か……!」
「ナマエちゃん、落ち着いて、ドードー」
「パイロットにとって睡眠不足は一大事なんですよ!」
私は一日8時間寝てます!と謎の宣言をした彼女にマノックさんが頭を抱える。誰に呼ばれたんだ、という言葉に彼女は首を傾げて、シゲノさんのスマホからナンジェッセさんに、と口を開いた。
「ナンジェッセ……」
「いやぁ、だって、酒は嫌なんでしょ?なら最後は女かなって」
親指を立てた彼に、彼女は首をかしげる。そういや彼女の知り合いが彼女は飛行機バカだからそういう色恋沙汰がない世界で生きてると言っていた気がする。
「私、抱き枕としては質が悪いですよ」
「えっ」
「少年と間違われる程度には胸ないし、筋肉質だから固いし、柔らかくない」
「……誰かと寝たのか」
「女友達に添い寝頼まれた時に言われました。あ、でもジャックさんとかはハグのまま寝たことあるし、王様は膝枕で寝たこともあるので大丈夫かも。膝枕しましょうか?」
「マノック少佐が断るなら俺頼んでいい?」
「おい」
「ナンジェッセさんは綺麗なお姉さんに頼めばいいでしょう。というか、騒音が原因では」
彼女はそう言ってマノックさんにBluetoothのイヤホンを渡す。何だこれという表情をした周りに、耳栓です、音楽がなる、と言った彼女は腰に手を当てた。
「私も偶に失敗して寝れなくなるので、そういう時はこれでクラッシック音楽を聞いてます。音楽セラピーですね。睡眠導入剤なんてものもありますが、貴方に渡すと色々と心配なので」
「……そうか」
「じゃあ私はマノックさん寝かせてくるので、出来るだけ静かにしておいてください」
「五月蠅くしたら?」
「ギンヌメールさん、ロタールさん」
「どうしたんだ?」
「お話はシゲノさんから伺っています。私の父は飛行機技師の傍、古い機体を飛べるように、または修理または現代技術と無理のない範囲で組み合わせるということをしています。そして今、父は手が空いている」
「!!静かにすれば……」
「はい、紹介、または、連れてきます。シゲノさん、南の島はお好きですか」
「え、ハイ、好きです」
「別荘が南の島にあるのでご招待しますね、黙っててくれたら」
「!!」
「……まぁ、私の別荘というより父の別荘というか、そんなものなんですけどね」
「そんなもの?」
「父の趣味が高じて作られた飛行機の格納庫と離着陸場なんです。私普段のオフシーズンは内陸で過ごしたあとはそこで父の手伝いやらなんやらしてるんですよ。そろそろ帰らないと心配されるので、ついでにはなりますが、皆さんを連れて行くことはできます。あと、もう一つ付け加えるならば、飛行機に乗りたいなら黙っててくださいね、ウーデットさん、ナンジェッセさん、レッドバロンさん」
そうウィンクをしてマノックさんの背中を彼女は押していく。彼の部屋をあけてマノックさんを押し込んだ彼女は手摺りによって僕らを見下ろした。
「私有地だと免許関係ないんですよね。私は昔からそこで練習してたので」
「!」
「私の機体も何機がそこにあるので数は足ります。ただ、やはり仕組みが違うので覚えてもらうことは多いですけど。では、おやすみなさい!」
ひらりと手を振った彼女に僕らは顔を見合わせる。叫び出しそうになった僕らは慌てて口に手を当てた。

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抱き枕になって一緒に寝てた。とりあえずマノックさんがスヤスヤしてるので良しとする。ということで私を抱き枕にすり替え、部屋を出た。時計を見れば3時間ぐらいだろうか。そして相変わらず部屋の前で待機している彼らに目を瞬いた。
「何してるんですか」
「静かに待ってる」
「マノックさんなら多分しばらく起きないですよ。抱き枕抱えてグッスリです」
「本当に?ならよかった」
安堵したシゲノさんに、ウーデットさんがナマエ!と手を取った。
「さっきの話は本当!?」
「さっきの……あぁ、はい、本当です。父親に確認もしたので。ただ、私がマノックさんマノックさん言い出す原因というか……」
「え、ドイツ嫌い?」
「いいえ、父はあなた方が大好きなんですよ。私一番末っ子なんですけどね、昔は割り当てがあって私はイギリス軍用機を模したものに乗りなさいって言われて。兄二人はフランスとイタリアで、父がドイツ機でした」
「へぇ、じゃあお兄さんもパイロット?」
「いえ、兄二人は母に連れられて何処かに行ったので、途中でいなくなりました」
「oh……お父さんはパイロットなの?」
「元々はね。空の神様に見放されたからもう飛ばないって言ってました」
そういえば何があったの、君の家族……となんともいえない顔をされた。いや、父親が母親より飛行機が好きで私も飛行機飛行機してた結果というか。まぁ、その結果、父親はさらに飛行機に目がいくようになり私も一人でフライトとかよくするようになったんだけど。
「まぁ、海外からも父の腕は評価されてますから」
「南の島まではどうやっていくんだ?」
「飛行機か船で近くの島までいって、そこから船ですね。普通の人は」
「普通の人は?」
「私は飛行機があるので飛んで帰ります。サリーとスワロフはもう運んだんですけど、あとロイスが残ってるので」
「浮気性だな」
「サリーとスワロフ、ロイスは用途が違いますからね。競技用飛行機はサリー、スワロフとロイスは飛行艇です」
そういえば、シゲノさんが飛行艇!?と目をキラキラさせた。
「飛行艇って、あの紅の豚の!?」
「はい、それを模したものです。スワロフはマルコのまんまそれの白なんですけど。ロイスは二人乗り用の用途です。ジーナの飛行艇。メンテナンスにそろそろ返してあげないと、いつレディが機嫌を損ねるか」
そう肩をすくめる。もう一人乗れることに気づいた周りによる騒ぎになるのはすぐのことで、マノックさんが起きるのもすぐのことである。本来なら全員出禁にしたいけども、幾分かクマがマシになっていたのでよしとしよう。

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丁度兄が私の格納庫に来ていたので、民間旅客機パイロットである兄に、家族と行くついでに島まで送ってもらうことにして私はあみだくじで勝ったらしい半分顔を青くしているシゲノさんをみる。
「飛行機苦手ですか?」
「苦手……です……」
「うぅん、出来るだけ海のそばを飛びましょうか」
「お願いします……」
となりに座った彼にシートベルトや云々をつけ兄を見る。
「お先にどうぞ、俺はエースパイロットのそっくりさんたちと出るよって言っても俺が追い越すか」
「エンジン差は大きいからなぁ。海の近くを飛ぶから先にそっちがつくかもね」
そうひらりと手を振る。いいフライトを、と手を振った彼に私も同じくいいフライトを、と言葉を返す。そのまま湖を滑走しーー空へと舞い上がった。
「あ、海まで我慢してください」
「う、わかった」

==没?

抱き枕となっている。マノックさんの抱き枕となっている。無だ。無になるのだ。胸をときめかしてはいけない。いやもう少年出ないことをこの人理解してるよな。娼婦ではないんだけどな。ぐるぐるといろんなことを考えるけども、この人に多分他意はないのだろう。私が恥ずかしいだけで。そう思いつつ寝返りを打ったら、マノックさんが起きてた件。ひぇっと声をあげる。これちょっとしたホラーだぞ。

==

「そういや、なんで肩書きが白鳥なんだ?」
「あー、度々スワロフで湖にいったり、海に行ったりしてたのを誰かに目撃されてたみたいで、度々航空誌で取り上げられてたみたいです。広めたのはイギリスの選手ですよ」
「ああ、白い機体が湖に着水するからか」
「恐らくは」

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多分帰った後は覚えてないらしいから、選手の誰かと結婚するし、別の何かでシゲノさんと知り合う



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雑多 

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