2019/07/17
スランプ脱却のために書きなぐってるだけ 13
「アーラシュ、なんか見たな?」
そう言ってナマエはアーラシュの目を覗き込む。魔術礼装作りは得意、レイシフトはできる、ただサーヴァントを呼ぶことができないナマエにやってきたアーラシュが動きをとめたのだ。そっと目をそらしたアーラシュに、ナマエは、笑いながら冗談だよ、と告げた。
「私はナマエ。一介の魔術師で魔術礼装作りは得意。レイシフトはできるけどサーヴァントは呼べないちょっと扱いに困るスタッフだよ」
そう手を差し伸べた彼女にアーラシュは息を吐いた。そうして何か紡ぎかけた言葉を彼は押しとどめるとその手をとって笑った。
「ナマエ、ナマエだな。俺は知っての通りアーラシュだ。よろしく」
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「その点ナマエの礼装はよくできてるよね」
「へへん、もっと褒めてもいいんだよ、マスター」
「いや、最初はどうしようかと思ったんだけど、これは一流物だよ」
「はい、ナマエさんの魔術礼装をつけていれば攻撃量が上がりますし、怪我もしにくくなります」
褒められてナマエは嬉しいらしい。へへん、と胸を張ったナマエにロビンがポツリとこれでサーヴァントが呼べたら文句はないんですけどね、とぼやいたことによりナマエが撃沈した。
「ロビンー、そこは落とすとこじゃないよ。あげるとこだから」
ほら、ほら、とロビンに言葉を催促するナマエであるが、ロビンがナマエの口にマシュマロを突っ込んだことによって止まった。
「ナマエとアーラシュって仲がいいね。大体一緒にいる気がする」
「まぁな。でもそろそろ俺も引き下がらないとなぁ」
そういったアーラシュにどういうことだろう?と首をかしげる。
「生きてる頃にそっくりな奴と会ったことがあってな」
ニカリと笑って告げたアーラシュに俺はそんな偶然もあるんだなぁと思うがそれは答えではない。
が、それは度々、古代あたりのサーヴァントから聞くセリフになる。どうも古代あたりのサーヴァントはナマエを知っている(というかそっくりな人)にあったことがあるらしく、ナマエに会った瞬間驚くことが多い。ナマエに聞けば、知らない、と返されるが。中世以後のサーヴァントは首をかしげるが。今日もヴラド公に絡みにいって咎められているナマエをみる。無下にしないのはナマエの礼装が優れているからだと誰かが言っていたが。
「ああー、ヴラド公の意地悪ー」
ナマエがズルズル引きずられていく。となりにいるアルジュナを見ればため息をついていた。
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「あら、双子の片割れはどこにいったのかしら?」
そう尋ねたのはステンノちゃんである。どうあがいても神さま(同類)見透かされるのが落ちねだなんて思いながら私は昼食をモグモグする。幸い近くにいるのはアルテミス嬢とオリオンという神話コンビだ。
「多分どこかしらにいるんじゃないかな。私はほら、いつも通りだし」
「あら、やっぱり、貴女は双子の片割れなのね。そうじゃないかと思ったのだけど」
「えっ、おい、えっ、はっ!?」
そう何か叫びそうになったオリオンの口にハンバーグを突っ込む。もぐもぐするさまは可愛らしい。
「ややこしいんだよ」
「そうなるでしょうね、貴女基本人間好きだし」
「相方も好きだよ」
「揃ってないのは問題じゃないの?彼怒ってくるわよ?」
「それはほら。毎度のことだから。たまに呪いぶっかけるけど、あの子にはそんなことしないでしょ。しかも忘れ去られてるから」
そうニコニコ笑いながらジュースを飲む。三人はなんとも言えない顔をした。
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「がらがらぴっしゃーん、ナマエの工房は本日お休みですー」
シャッターを閉める動作をしながらそう言えば藤丸がご丁寧に開ける動作をしながら「それをなんとか!」といった。やはりノリがいい。
「私の礼装は一人一つまででーす」
「う、わかってるんだけど!壊れちゃって……」
「……壊れた?」
「ご、ごめん!敵に狙われて、ナマエの礼装の効果か何かで全員でカルデアに戻ってきたんだけど……」
そう言った藤丸に、そう、と目を伏せる。ということはその特異点には双子の片割れがいるんだろう。双子の片割れと相対した時、または彼に敵意を向けられたときにその礼装は彼らを安全な場所まで運んでくれるのだ。確かに、ここは一番安全な場所ではなかろうか。
「仕方ないなぁ、もう一つだけだよ」
そうぐしゃぐしゃと藤丸の頭を撫でる。
本当にもう、一つだけだ。
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「ハァイ、後の一人はカルデアで礼装作りしてるナマエさんだよ」
レイシフトにのりこめば、そこにいたサーヴァントと藤丸、マシュが動きを止める。そして叫ばれた。耳がいたい。
「なんでここに……!」
「いや、礼装を壊した相手が気になって気になって。安心してよ。礼装フルマックスなローブ被っとくから!」
そう親指をたててローブのフードを被る。どう?と見せれば藤丸が「あ、それかっこいい」と意見をくれた。そのあとのマシュによる「先輩、違います!」の言葉にも彼は「でもナマエの礼装フルマックスがついてるなら大丈夫じゃない?」と言ってのける。彼はやはり好きだ。普通の少年すぎて。ケラケラと笑いながら彼のたびに同行することにする。
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老人、少年、エクセトラ。私の姿を見た人の言葉である。このローブがそういうものであるがため、私の姿が定まらないのだと思う。ただ、カルデアの人には今の私が見えるようにしてあるのだけど。
が、この王様は違うんだよなぁと思いながら謁見先で彼を見つめた。正しく昔の昔、私が名乗った私の名を呼ぶ彼に随分と大人になったものだなと思う。目を見開いて、柔らかな口調と共に優しさと懐かしさを含めた彼は恐らくは立派な王様になったのだろう。
「ステラトリス?」
「ーーいや、なに、懐かしき友によく似た人物がいると思っただけだ。其方はなんという?」
そう聞いた彼に、ナマエでーす!と告げる。よろしくお願いします、王様!と軽く言えば家臣は良い顔をしなかったが、彼はケラケラと笑った。
「あぁ、よろしくたのむ、ナマエ」
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「ステラトリスにイーアストスって言えば神話だな」
「神話?聞いたことありませんが……」
「アーラシュ達の時代の神話ってこと?」
「あぁ、そうだ。まぁ、神話というかは危うい話なんだけどよ」
そう頭をかいたアーラシュに首をかしげる。寝台のようなものに寝転んだナマエと話しているアルジュナ(ナマエのサポートとしてついさっきカルデアから呼び出した)が口を開いた。
「やはり、そうか……」
「お、そっちにもあるのか」
「同じ話かはわからないが、あることはあった。寝物語だ。ミレニアムという国でコメラトリスとステラトリスという双子の話だ」
「へぇ、どんな話?」
「コメラトリスとステラトリスは双子なんだが、まぁなんやかんやあってかたや王族としてかたや奴隷の身分になったんだ。コメラトリスはステラトリスを探すんだけどよ、それが戦争に発展していくんだ。多分この国名からすればその戦争後に作られた国だとは思うんだが……」
「ナマエがそのステラトリス?に似てるから間違えてのかな?」
「似てるというか、この礼装のせいじゃないかなぁ。この礼装来てるとコロコロ違う姿に見えるみたいだし」
ナマエはそう言ってローブをつまみ上げた。どうなってるんだろう。
「しかし、マスターの時代にはその話はないのですね」
「うーん、聞いたことないなぁ」
「はい、私も聞いたことがありません」
「無くなったんじゃない?」
ナマエがそうあっけらかんと告げる。
「多分、何かの神様と同一視されたか価値観が変わったことによって廃れたんだと思うよ。多分、現代人が知らないだけでそんな存在は山ほどいると思うよ」
「うーん、それはあり得ると思っちゃうのがなんとも言えないなぁ」
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「ステラトリス?」
ナマエがため息をついて振り返る。そこにいた男性は目を大きく見開いたままだ。手は宙に浮いたままだ。「私はステラトリスじゃないんだけどなぁ」という言葉は置いていかれ、男性はナマエの肩を掴んだ。
「ステラトリス!頼む、手を貸してくれ!コメラトリスの様子がおかしい!アイツはあんな奴じゃない!あんな力をただ振りかざすような奴じゃ、決してない!」
彼はそう言って縋るようにナマエを掴む。近くにいた王様が、彼を見て「ハルグナル」と声をかけた。
「ハルグナル将軍、その子はステラトリスじゃない。客人だ」
「リイギル?しかし……」
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