2019/11/03
カゲ改変没と現パロ
現パロは追記
・七班に組み込まれたバージョン。ちょっと設定チェンジ
気付いたら幼い孤児になっていて、気付いたら拾われたようである。忍の里ではあるのだが、伊賀や甲賀、はたまた飛騨などではなく木ノ葉隠れの里ときた。そこでああなるほどここはフィクションの世界なのかと納得した。元々参加していた任務が任務だ。不可思議なことが起きても違和感がない任務だったのである。大人しくされるがままになっていれば、アカデミーという忍術学校に入ることになった。飛び級制度はあるらしいが、どうも同い年は飛び級することもなくそのままである、し、忍術の仕組み自体が違うらしい。与えられた家でこっそりと試してみればなかなかに楽しかったので今では色んな忍術を扱えるようになったのは秘密である。とりあえずそんなこんな、私は違う世界にきたというのに、また忍の道を歩んでいるわけである。クラスでちょっと浮いてしまってるのはアレだ。精神年齢が高いからだと思いたい。成績は真ん中あたりをキープしているが。
夕暮れ時である。私が買い物袋を持って歩いていれば、公園にナルトくんがいたのを見つけた。ちょこん、とブランコに乗っている様は可愛らしいが表情があまりよろしくない。こちらとしては笑っている顔が好きだ。お腹でも空いたんだろうかと彼に近づき、ナルトくん、と声をかける。見上げた彼に「どうしたの?」と尋ねれば、「別になんでもないってばよ」と言われた。
「じゃあ話を変えよう。お腹空いてる?」
「え?」
「今から私ご飯作るけど一緒にどう?」
「いいのか……?」
「いいよ。一人で食べるより二人で食べた方が美味しいし」
そう促せば彼はキラキラとした目をして、おう!と拳を突き上げた。ラーメンがいいってばよ!のリクエストは叶えられそうもないが。主人公に関わったなぁ、と思うがああいう寂しそうな子供に私は弱いのだ。いつかはこうなっていただろう。結局は押しに負けてラーメンを作った。ナルトくんの悪戯の話は結構面白かったとだけ。
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お隣に住む人は忍である。だいたい留守だ。だいたい留守なのだが、偶に帰ってきた時に鉢合わせしたりする。名前は知らない。猫ちゃんみたいな目ですね、と言えばそれって褒めてるの?と複雑そうにされてしまった。今日は私が両手にいっぱい荷物を持っていれば、彼が現れて半分ぐらいをかっさらってくれた。視界がいきなり開けて頭の上の荷物が消えたので何事かと思った。どうも最近危機管理がうすくなっている気がする。
「ありがとうございます」
「ほんとキミって偶にとんでもないことするよね。危ないよ」
「いやぁ、安い時に買わないともったいなくって」
「それでも限度がある。腐らせるよ」
「大丈夫です」
料理した後はきちんと冷凍している。ちなみに解凍はもっぱらコンロや火遁である。はぁ、とため息をついた彼に私は彼を見上げる。
「一緒にご飯食べますか?」
「君の大事な食費を削るのはちょっとね」
「じゃあ奢ってくれてもいいですよ」
むしろかもん、と目をキラキラさせてみる。彼はそれを見て「仕方ないなぁ」と息を吐いた。
「これ家に置いてからね」
「はーい」
ニコニコと笑いながら彼の隣に並ぶ。名前も知らないこの人は今日も優しい人である。
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アカデミーでも運動会というか、親にお弁当作ってもらって云々の日があったりする。今度もそのようでナルトくんのお弁当を作ることになった。おにぎりをキャラ弁みたいにした私は悪くない。気分は弟や年下のちびっ子にお弁当を作る気分である。そういやうちはの唯一の生き残りとも名高いサスケくんはどうするのだろうか。一応多めにつくって持っていくとする。集合場所でとりあえずナルトくんにお弁当を渡せばまたもや目をキラキラさせて私を見た。可愛い。お礼を告げて駆け出した彼に苦笑いすればイルカ先生が私を見下ろした。
「あー、最近ナルトがどこかで食べてると思えばナマエと食べていたのか」
「一人で食べるより二人で食べた方がおいしいので」
ニコニコ笑いながらそういえば、先生はフッと笑って私を見下ろした。サスケくんをみれば他の女の子がお弁当を差し出していた。なるほど、いらなさそうである。
==話が飛ぶ
人数の関係でまさかのナルトくんと同じ班である。ぼんやりとした知識ではナルトくんは主人公であるため、一番厄介な班に配属されたんじゃなかろうか。まぁ、ナルトくんのストッパーだろうとは思うけれど。他の三人をみればわかるが、三角にはならないけれど、矢印がお互いに向いていない図だ。私いらないのでは。
「じゃ、最後の子」
そう言ったカカシ先生に、苗字ナマエです、と告げる。
「将来の夢はアカデミーの教師です。嫌いなものはキクラゲが苦手です。よろしくお願いします」
そうしずしずと頭を下げれば、ナルトくんとサクラちゃんが目を瞬いた。恐らく将来の夢を始めて告げたからだろうけど。カカシ先生は普通の子だなと思っていることだろう。まぁ、成績も普通だしな。
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さて、鈴取り合戦である。どう考えても一対一は難しいので、協力しよう、と提案しようとしたらナルトくんが駆け出した。頭を抱える。サスケくんもきえた。頭が痛い。
「サクラちゃん、とりあえず一対一は避けた方がいいから一緒に考えよう」
「えー、でも、鈴三つしかないし、サスケくんが……」
「……わかった、じゃあサスケくんつれてきて、みんなで話し合おう」
「わかった!」
そう頷いた彼女に、まぁなるようにしかならないよなぁ、と思う。ナルトくんを回収せねば。私もとりあえずその場を離れた。
「なーんで個人プレーにいくかな……」
見事に捕まっているナルトくん、恐らくサスケくんとサクラちゃんが来ないのをみると撃沈したのでは。とりあえずナルトくんを助けるか、と段取りを組む。隣の忍者さんに教えてもらった影分身でなんとかしたいけれど、分身と影分身を用意てなんとかできないだろうか。鈴を取りに行くと見せかけて救出。荷が重いけどそれで行くしかない。こっちに向かってこられたら終わりだ。移動しながら影分身をし、サスケくんとサクラちゃんに化けてもらう他準備をし、私が仕掛けてくるのを待っているだろう。とりあえず皮切りに、と苦無を投げる。綺麗に避けられたそれ。向いた視線に作戦を決行した。
一瞬の隙だ。一瞬の隙に先生のそばを走り抜けクナイを取り出す。そのままナルトくんの縄をきり、彼の首根っこを引っ掴み出来るだけ離れる。ナマエ!?と叫んだ彼を離れたところではなした。
「さすがに一対一は無理だよ、ナルトくん。こっちはアカデミー出たペーペー。向こうは忍者を長い間やってるプロ。一対一、しかも真正面からじゃ無理だ。三対一、四対一がいいと思う」
「でも、鈴が三つしかないってばよ!」
「それは確かに気にかかるけど、本気で欲しいなら協力するべきだよ。力を認めてもらえれば合格できるかもだし、みんなで頑張っても一人が不合格になるなら私が不合格になる。とりあえず先生の動きをなんとか抑えないと動けない」
「……わかったってばよ」
と、そこまで行って気付く。ナルトくんはここまで物分かりが良くない。しかしながら、気づかないフリをしておこう。いやぁ、先生化けるのが上手いこと。
「とりあえずサクラちゃんにはサスケくん連れてきてって頼んだから……」
そう言って視線を自然に森に移す。ポン、となった音、掴まれた手に私は肩を揺らして後ろをみた。
「わぁ、カカシ先生だ」
どうやって距離を取ろうかと考えていればカカシ先生はあたまをかく。
「残念だけど、他の子捕まえちゃってるんだよね。残りは君だけってわけ」
「あー、やっぱり各自撃破されたのか……」
そんな会話をしていれば遠くで目覚ましがなる。
「なるほど、サクラちゃん達を待ってたぶん初動が遅れて、色々遅すぎたのか……」
本来ならいくつか作戦をつくり、時間になったら移るべきであるがそれをしたら子供っぽくないのでやらない。悶々と考えている風にしていれば先生が口を開く。
「……さっき、なんで鈴を取らなかったの?取れたでしょ、あれ」
「ナルトくんを助ける方に荷を置いてたので」
「鈴を取る方が先決でしょーが」
「鈴は四人でかかればなんとかなるかなって」
「下忍になりたくないの」
「なりたいですよ。約束しましたし。でもそれとこれは話は別です。四対一、ないしは三対一じゃないと貴方を押さえられないと判断したまでです。私が一人で向かえば散々鈴を狙った二人を相手した貴方は鈴が目的だと思うでしょうし、その隙を違う方に使えば少しは虚は付けるでしょう?」
そこまで言えば彼は何とも言えない顔をした。
「アカデミーの時手を抜いてたでしょ?」
「そんなわけないですよ」
引きずられた先にはもう一人のカカシ先生と三人がいる。あー!ナマエー!と叫んだナルトくんに、偽物……?と首を傾げれば本物と言われてしまった。
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「お昼からの作戦会議しながらご飯食べよう」
そう言いつつお弁当をよける。二食ぐらいなら抜いても大丈夫である。お弁当を食べるサスケくんは視線をこちらによこし、同じく食べてるサクラちゃんが首を傾げた。
「作戦会議?」
「多少は作戦たてとこ。といっても、サスケくんもナルトくんも近距離が得意そうだしそれをサクラちゃんと私がアシストって形がいいとは思うんだ。いや、サスケくんは結構オールラウンダーか。ナルトくん特攻、アシスト私とサクラちゃん、サスケくんはその裏をつくのはどうだろう」
「……きかせろ」
ふむ、聞いてくれるらしい。
「その前にナルトくん解いてあげていい?」
「ダメ駄目ダメ!バレちゃったらどうするの?」
「飯くらいならいいだろ。今は近くにいねぇし、足手まといになられたら厄介だ」
そうご飯を差し出したサスケくんにサクラちゃんが周りを見渡してからじゃあと渡す。私もご飯を渡す。まぁ、ナルトくんが食べる瞬間カカシ先生がやってきて合格を告げてくれるのだけれど。
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「合格しました」
ニコニコと笑いながらお隣さんに報告してみる。かなり意外だったのか目をパチクリと瞬いた彼は「おめでとう」と私の頭をかいぐりかいぐりと撫でた。
「カカシ先輩は落とすことで有名だから落ちるかと思った」
「そうなんです?」
「そうなんだよ。慰めることになるかと思ったのに」
「そうならなくてよかったです」
もぐもぐと作ってもらったご飯を食べる。頬杖をついて私を眺めていた彼は「なりたくないのかと思った」と口を開いた。
「何にです?」
「下忍に」
「どうして?」
「アカデミーの時、バレないように手を抜いてたろ」
「?」
首を傾げる。惚けたってわかってるよ、と釘を刺した彼は箸先をこちらに向けた。
「ボクが教えた忍術を一日で使いこなせる子供がアカデミーの忍術を何日も何年も失敗するはずがない」
「それは教え方がよかったのでは」
「あぁ言えばこういうね、君は」
箸先が降りてため息をつかれてしまった。
「カカシ先輩にはバレると思うよ」
「今日既に聞かれました」
「ほら」
肩をすくめた彼は何かに気づくと私をみた。
「じゃあ、ボクは行くけど、簡単に人を家にあげちゃいけないからね、カカシ先輩の言うことは聞きなよ。あと、氷遁は使っちゃダメだからね」
「はーい、いってらっしゃい」
お母さんが、という言葉を飲み込んでそうつげる。彼は「いってきます」と告げて消えた。相変わらず猫目さんは忙しそうである。
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「簡単に家に人をあげるなって、隣の忍者さんがいってましたので」
玄関先での攻防である。カカシ先生が大きくため息をつき、オレ達は見知った仲でしょーが、と告げた。忍術で化けている風でもないので扉のチェーンを外し仲に招く。どうぞ、と言えば、どうも、と口を開いた。
「いやぁ、ナマエのウチは片付いてんね。というか物が圧倒的に少ない」
「一人暮らしに必要なものって少なくありません?お茶入れますね」
「お気遣いなく……食器はいっぱいあるの?」
「ナルトくんにご飯つくったり、隣の忍者さんと食べたりします」
「隣の忍者さん」
「名前が分からないので。猫目さんとも言います。影分身とかを教わりました」
粗茶です、と言いながらお茶を出せば一瞬何か考えていたカカシ先生が「どうも」と口を開く。まぁそのあとに食卓に飾っていた写真をみたが。七班の写真と源との幼い頃の写真である。同い年の写真を持ってたはずなのだが、気がついたらこの写真に変わっていたわけだ。
「この子は?」
「双子の片割れです。多分世界のどこかで生きてます。最初は忍者にお金を出して探してもらったんですけど見つかりませんでした」
そう言いつつお茶をすする。
「彼に関しては死なないと思ってるんで」
「……そっか。ま、ナマエがナルトみたいな生活してなくてよかったよ」
話をまとめた先生は私の頭をクシャクシャと撫でた。
「……でも、名前も知らない人をうちにあげるのはどうなの」
「隣の忍者さん、カカシ先生の知り合いっぽかったですよ。あと、いい人です。簡単に人は家にあげるなとか、先生の言うことはキチンときくとか親みたいなことを言ってくれます。忙しそうですけど」
一瞬険しい顔をしたあと、上忍の誰かだと思ったのかなんとも言えない顔をした。
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・話が飛ぶ
やはり基本はスリーマンセルらしく、私は他の班と合同ね、と言われてしまった。解せぬ。が、カカシ先生が申し訳なさそうにしていたので許す。ま、ナマエならうまくできるでしょ、とも言われたので許す。どうやら他の里の同い年と組まされるらしい。その時点で予感はしてた。ということでそちらに行けばゲンがいた。向こうも向こうで私に気づいたらしい。のしのしとやってきた彼の首には霧の里の額当てがついている。なるほど。
「え、お前ら逆じゃね?」
そう声をあげたのは見知った顔である。同じ任務についていたのだから、そりゃあそうなるか。どこの里だよ、と思っていれば同じ霧の里のマークが入っている。私だけはみごらしい。それはそれで複雑である。マゴイチは私とゲンを指差しまた口を開く。
「お前ら逆じゃね?」
「知らん。生きてたようだな。おおかた木の葉に拾われたんだろうが」
「そうだよ、拾われたよ、忍者に捜索してもらったのに見つからないって何。節穴か。生きてるじゃん」
「どうせ子供の戯言だと聞き流されただけだろう。まさか他里にいるなんて思わないだろうからな。この阿呆。だから一人で行動するなと」
ぐちぐちというゲンに、マゴイチが「心配してたぞアイツ」と告げる。それにゲンがまた怒ったけど。とりあえず行くよ、と二人の背を押した。まぁ、七班が何か悶着起こしてたけどそれはうんまぁ頑張ろう。
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おおかた、マゴイチが逆じゃね?と言ったのは私が氷を好んで使い、ゲンが影を好んで使うからだろう。いやでも私木の葉とか火も使うし。木葉車輪燃やすじゃん。マゴイチも銃火器を扱うあたり、どうみても木の葉だと思う。なんでさっさと上忍にならなかったの、と聞けばその言葉そのまま返すと言われた。忍術のにも知らないマゴイチに付き合ってあげたんだろうとは推測がつくが。パパッと問題を解き明かす。ゲンも恐らくは解いただろうし、マゴイチもマゴイチで頭がいいので解いただろう。そんなこんなで時間が過ぎた。ナルトくんが怒ったのを見てニコニコしてしまう。さすが主人公である。周りの恐怖が飛んでいった。
マゴイチとゲン、私が組むとどうなるか。めちゃくちゃ楽に二次試験を突破できるのである。それでもまぁ先に何人かはいるのだけれど。現れた上忍だか分からないが、ゲンとマゴイチの知り合いは私とゲンを見比べた。なるほど、顔を隠しているゲンの顔を知ってるらしい。
「お前の片割れは木の葉にいたのか」
「拾われたらしい」
「ゲンとマゴイチがお世話になってます」
そう頭を下げれば、微妙な顔をされたけど。姉のナマエです、と言えば「は?」とゲンに言われた。
「まて、俺が兄だろう」
「どう考えても私が姉じゃないかな」
「あー、ほら、先生困ってるからいくぞ」
マゴイチが背中を押して中に入る。まぁ開けた場所だ。カカシ先生と霧隠れの里の上忍がひらりと双方に手を振った。とりあえずお互い頷いてそれぞれの先生のもとに向かうとする。
「ナマエ、随分とはやかったじゃないの」
「うまく合わせることができたので」
ニコニコと笑いながらそういえば、カカシ先生は私の頭を撫でた。ゲンからの鋭い視線が飛んできたけどスルーに限る。
「ナルトくん達はまだなんですか」
「まだ。ナマエ達が二番目だよ」
「マジですか」
「マジマジ。だから驚いてる」
まぁ、マゴイチがサポートしてくれるからというのもあるし、私とゲンが慣れているのもあるだろう。まぁ私もゲンもお互い所属の里の関係や身分の関係で忍術縛りをしている今、やはりマゴイチのサポートが大変ありがたい。相変わらずニコニコしていれば、音もなく霧隠れの上忍がやってきた。人の良さそうな笑みである。右腕につけられた額当て、左腕には十字のマークがはいっていた。
「いやぁ、あの写輪眼のカカシさんとこの子でしたか」
「こりゃどうも、水風のバンサイさんじゃないですか。うちの子が世話になったみたいで」
それに対してカカシ先生はいつもの気怠そうな感じで答える。知り合いですか?と聞けば、知り合いというかお互い名の知れた忍者だよ、と先生が告げる。こちらを見たバンサイさんと呼ばれた人はちらりと私を見てカカシ先生を見た。
「一人だけか?」
「いや、普段はフォーマンセルを組ませてる。中忍試験がスリーマンセルだからネ。そっちはツーマン?」
「あぁまぁな。冷静な奴らで助かってる」
絵になる二人である。そこからぽんぽんと会話をする二人を近くにしゃがんで眺めた。寝たフリでもするか、と、うとうとするフリをする。それに気づいた先生が、ナマエ眠いの?と尋ねた。
「はい、ちょっと、先生がいたので安心して」
苦笑いしてそう答える。ぽん、と頭を撫でた彼は寝ていいよと言ったので私は寝ることにする。まぁ飛んできたゲンに水鉄砲をかけられたので追いかけるのは時間の問題なのであるが。
=
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そうなると思った。最後まで名前を呼ばれないんだから、そうなるとおもっていた。向こうも向こうでそうなんだろう。頬杖をついている彼は私をみる。審判が私とゲンを見て口を開いた。
「両者、下へ」
その言葉にやれやれと息を吐いてゲンは下に降りた。ナルトくんが「ナマエ、やっちまえってばよ!」というのを聞いて私は苦笑いして下に降りる。お互いどうしようと思っているに違いない。何故なら、本気をだすと下忍レベルはとっくに超える。はじめ!といった審判をみてから私はゲンをみた。
「なんとか穏便にできないかなぁ」
「そうだなぁ。それに越したことはない。……ジャンケンでもするか」
ゲンがそう言って拳を構える。私も拳を構える。審判が私たちをみて、バンサイさんが頭を抱えた。カカシ先生もなんともいえない顔をしているだろう。
「ゲン」
「ナマエ」
「バンサイ、俺にやる気を出させるならコイツを霧隠に引き込むぐらいないと無理だぞ」
「は?」
ゲンの発言に、バンサイさんが眉間にシワをよせ、いのちゃんサクラちゃんが黄色い声をあげた。そういう意味ではない。
「なんとも奇遇よなぁ」
ニタリと笑ったゲンに頭を抱える。やっぱりそうだよね、とやれやれすればナルトくん達が私をみた。ここからは適当に合わせればいい。
「マゴイチが何故俺たちが逆だというのかは理解した。おおかた片方がそちら出身だったんだろうが。まぁ、アイツは偶々巻き込まれた行商人の息子だからお前が顔を覚えていなくても無理はない」
「……霧隠にいるということは、キミは父さんと一緒に東の方へ逃げたのか。通りで忍者に依頼しても分からないはずだ」
「まぁ最後はアイツと二人川に放り込まれたがな。においも途切れる。お前は母さんと西に逃げた。母さんは元気か」
「生きてたら孤児なんてしてないんだよなぁ」
そう言って苦笑いをしておく。ナルトくんが困惑したように、ナマエ?と尋ねる。バンサイさんとカカシ先生が小さくまさか、と呟いた。しゅるり、とゲンは顔を覆っていた布を外す。血は一応繋がってないけど似てるんだよなぁと私は思う。
「さて、血霧の再来でも俺はいいが、優しいバンサイが許さないだろうよ。だから霧隠に来い」
「お断りします。キミは私の性分をわかってるはずだよ。どうであれ私はこの里に拾われた。返すべき恩がありすぎる。そっちにはいけない」
「ならばその里で疎まれ物として過ごすか。父親譲りのソレは木の葉隠では異質だ」
「その言葉打ち返すよ」
「俺は知らん。周りの評価など気にしていない。さて、交渉は決裂か」
彼は影の中から刀を取り出す。シカマルくんが目を見開いた。まぁ、影ですからね。私もそっとクナイを触る。
「ーー一つ、言っておきたいことがあった」
「なに」
「昔、お前がだーいすきだった父親が買ってきた誕生日祝いの甘味をお前に変化して食べたのは俺だ」
ニヤリと笑った彼に私はクナイを触る。そのまま無言で投げた。弾かれたけど。
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きょうだい喧嘩、に、見せかけようとしたけれどぽんぽんとゲンが忍術を使ってくるので半ば諦めモードだ。影技まで使うなんて卑怯だぞ、と、それを避けながらおもう。仕方ないのでこちらも応戦するかと笛を取り出した。恐らくゲンは私に氷遁関係の技を引き出させ、霧隠に連れて行く流れにしたいはずだ。ならば、それ以外でやるしかない。笛を持ちながら印を組み、ゲンや他の忍と同じように口を開く。
「花疾風の術」
ひらひらと花びらと木の葉が舞う。そしてそれはゲンに襲い掛かった。チッと小さく舌打ちをした彼はそれを避ける。私はその間に影分身をしておく。
「影絵座秘術、影移り」
そう言って私の分身の影から現れたゲンは私の分身を切った。その瞬間印を組んで違う術を作動させる。ピシリと固まったゲンは眉間にシワを寄せた。
「おい、卑怯だぞ。花疾風と言った癖に」
「……」
「興がそれた。負けだ負け。幻術にはめられちゃ動けん」
そう手をあげて刀を影に落としたゲンに私は術をとく。私はチャクラ切れを装ってふらっとしておく。カカシ先生が支えたけど。というか、普通に疲れた。ちらりとカカシ先生をみれば、「ナマエ、ちょっとお話しよっか」といい笑顔でいわれた。なにやらゲンも怒られているようである。
「はたけカカシ、その子を連れて来い。話がある。保護者としてな」
「じゃあちょっと待ってくれる?うちの子に話聞かないといけないから」
「あぁ、もちろんだ。うちのにも話を聞く」
「俺にはバンサイに話すことなどな……いたい!」
ゲンは拳骨を落とされたらしい。大人しく受けてるのをみると懐いたようである。
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あれやこれやと先生にしょんぼりしながら答える。行動しやすかったからもしかしてと思っていたこと、でも
自分が依頼した木の葉隠れの調査では死んだといわれてたこと、親に忍術を教わってたこと、周りと同じじゃないと孤立すると思ったこと、あとはーー。
「隣の忍者さんに、見せちゃいけないよって言われました。ゲンは多分、みんなにそれを見せたかったんだと思います」
「見せちゃいけないこと?」
そう言った彼に顔を俯かせる。
「白さんと、同じことできるから……」
「白と……?」
首を傾げたカカシ先生に試しに物を凍らせてみる。カカシ先生は目を見開いて私を見た。
「物を凍らせたり、氷や雪を操ったりできるから……でも、お隣さんに見せたら血相変えて見せちゃいけないって……よくわかんなかったんですけど、白さんの言葉を聞いて、あぁだからダメなんだって……」
「……そっか」
「先生、私は木の葉隠れにまだいられるでしょうか?」
呟いたのは本心だ。この里の一員として、私はまだいたいのである。元の場所に、帰るまでは。
「大丈夫、心配いらないよ」
「本当ですか?」
「あぁ、大丈夫」
ぐしゃぐしゃと撫でたカカシ先生に、その手をとって「ありがとうございます」と微笑む。信じてくれて、ありがとう。
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あの子が欲しい、あのこじゃわからん、相談しましょ、そうしましょ、べー。気分は花一匁である。火影様に報告をしたカカシ先生とバンサイさんが話している隣でペシペシと見えない喧嘩をする。ちなみに皮切りになったそれは、ゲンの兄さんが私にくれようとしていた高級甘味のことで、任務に就く前に私が食べる前に消えたものだ。
「率直に言うが、その子を霧隠に欲しい」
「あげるわけないでしょーが。じゃあ逆にその子こっちにくれるの?」
「やらん」
「ほらね」
恐らく何を言っても平行線だろう。バンサイさんはため息をついて私を見下ろした。私はとりあえずカカシ先生にしがみつく。そしてその視線をゲンに向けた。
「ゲン、話は水平線だ」
「なんとかしろ上忍」
「しがない医療忍者あがりの上忍がバリバリの戦忍上忍になんとかできると思ってるのか」
……医療忍者ってなんだ?ひょこりとカカシ先生の後ろから出てバンサイさんをみる。彼は気付かないが。
「役に立たんやつめ」
「言ってろ。そもそもこれは上忍同士で解決する話じゃない。しばらくははたけカカシに預かってもらうしかない」
「預かると言うか、ウチの子だからね。ま、確かに俺たちだけでどうこうする問題じゃない……ってナマエどうしたの?」
カカシ先生がこちらを見下ろした。
「先生、医療忍者ってなんですか?」
「あー、ナマエまだあったことないか」
「医療知識がある忍ということですか?」
首を傾げれば上忍二人がアイコンタクトをする。バンサイさんが私の視線まで屈んで腕の擦り傷に手を当てた。暖かい感覚がする、と、同時に治っていく。
「え、すごい、なにこれ」
「医療忍術だ」
「医療忍者はこれが使えるんですか!どうやってるんです?」
「……教えてほしいか?」
「はい!」
「なら霧がーー」
「ナマエ、木の葉にもいるから他里に聞かなくてもいいよ」
遮ったカカシ先生にゲンとバンサイさんが舌打ちしたのが聞こえた。似たもの同士ですか。
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修行をするもよし、休むのもよし、と言うことであるがみんな修行をしている。カカシ先生いわく、私にも火影様が人をつけてくれたからと言っていた。医療忍者だろうかとワクワクしていれば現れたのはお隣さん忍者である。やぁ、と手をあげた彼に、私も手を振った。
「君の師匠になるのは今更な気がするなぁ。話は火影様やカカシ先輩から色々聞いたよ」
「いろいろ」
「そう、いろいろ。氷遁が使えるってバレたんだって?」
その言葉に回れ右をしようとしたら木の柵が目の前にできた。解せぬ。振り返れば結構な至近距離に彼がいた。ちょっと殺気を込めた怖い顔である。
「ボクはダメだっていったよね」
「いいました……でも、つかってません、」
「つかってなくてもダメなものはダメだったんだ。君は賢いんだ。理由ぐらいわかるだろ?一番は君のためなんだよ」
それはわかっているので目を伏せる。血継限界はそれほど利用価値があるものなのだ。
「ボクが君の修行をみるのは君の護衛も兼ねてだ。しばらくは一緒に過ごしてもらうよ」
「本当ですか?」
「なんでそこで嬉しそうにするの?」
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