2020/07/28

君僕主ifでも続く 1

・君僕if?君僕主の性格が丸い
・10台の姿でpwに現れた。博士に拾われて博士の護衛している
・何故か英語が喋れなくなって困っている
・ママルポットがボスの声だし懐いてる。ママルも何故かヘイティ認識しているが、『有り得ない』らしい。

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そもそも、その人物は私であっている。そう、あっているのであるが、私はもう死んだ扱いになっている。というか、私は死んでいる。どうして彼女が亡くなったのかは私は知らないが、彼女を元にして作られたAIは私を正しく私だと認識する。大きな筒のようなそれを見上げる。ナマエ、と呼んだ『彼女』に私は「どうかしましたか?」と尋ねるのだ。そうして些細な会話をしたり、歌を紡いだりする。それが発端になるなんて、恐らく誰も思わなかっただろう。私も、思わなかった。
「ジャックはいないのね」
「はい、いつかは、あえるといいですね」


私はストレンジラブ博士に拾われた存在である。コンテナ船事故があり、恐らくその時に投げ出されたのではないかとか色々な推測があがあったが私自身よく覚えていないのだ。大学生であったのに外見はどう見ても十代である。目の片方の色も謎に変わっているのだ。名前を覚えていない振りをしているため、名前はアマナと呼ばれている。今は博士の護衛的な立ち位置に落ち着いたが、当初は酷いものだった。まぁ、それもそうで何故か私は英語が簡単な言葉しか喋れず、理解もできず、ロシア語の方が堪能だったからだ。そりゃあスパイと間違える。まぁそれも『彼女』が私を見つけるまでの短い時間であったが。侵入者、と繰り返す。私はあまりこのコールドマンという男が好きではない。それは向こうもそうだろう。
「はかせ、エメリッヒ、つれていく、られた?」
「あぁ、そうだ。この男にな」
そう言って見せられたのは、紛れもなく、歳を重ねたジャックの写真である。私は眉間にシワを寄せて写真を指差す。
「くまちゃん、くまさん?」
「蛇だ」
「へび」
「エメリッヒを、つれもどしてこい」
そう言った彼に私はしぶしぶ頷く。そうして準備をするために私はストレンジラブ博士のラボに向かった。


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「ナマエ、どこへいくの?」
「へびにあいにいってくる」
ママルにそう返せば、彼女は、ダメ、と告げた。あなたはここにいなさい、とも。ストレンジラブ博士が私を見る。
「なにかあったのか?」
「はかせ、エメリッヒ、へび、つれてく、られた。冷たい男、しじする、わたし、つれてくる」
「放っておけ。彼女のいう通りだ。君がいく必要はない。君はここにいればいい」
本来ならそうしたいところであるが、エメリッヒ博士がいないと色々な面で大変ではなかろうか。ストレンジラブ博士の研究が、だが。
「すこし、ようす、みる。すぐ、もどる、ます」
そう単語を連ねてママルと博士をみる。
「私、かえる、ママル、博士のとこ、」
「だめよ、いけないわ」
『彼女』は悲しげにそう告げた。私は眉尻を下げる。この中に宿る『彼女』はボスの思考をしている。だから、たまにどうして私が任務に行ったのかと私に尋ねるのだ。恐らくそれはボスも思っていたのだろう。どうして貴方達だったの。その問いに答える術は私にはないのだ。今、『彼女』はスネークという言葉に反応している。だから引き止めている。事実、そうだ。私はジャックに会いにいく。そしてきっとまた殺される。私自身、もう少しここにいたいのだが、私の身の上じゃそれは恐らく許されない。CIAの兵士達がやってきて、私を罵り半分で急かした。
「ママル、ばいばい、」
「だめ――」
その声は、あの時の彼女と同じような、声だった。

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ママルの歌声が入ったカセットテープと、何かかすかに動くような音のテープを同時に鳴らす。そうして私はそこにきた誰かに襲い掛かれる位置に隠れた。足音をできるだけ消している人間がやってくる。そうして彼がその茂みをかき分け、偽物だという判断をする一瞬の隙に彼の背後から襲い掛かる。まぁ、十代の子供の身体だ。大人、しかも体格のいい彼の体には抵抗はできない。首元に銃のマガジンと一体化しているナイフを突きつける。
「エメリッヒはかせ、かえせ」
そう言えば彼の心拍が上がったようだった。私の腕を掴み、振り落とすように投げた彼に私はそのまま受け身を取り茂みに隠れて距離を取った。彼が英語で何か囃し立てるが大半が私には理解できないものだ。さて、まいった。恐らくコールドマンは彼に私を処分させるつもりなのだ。こうなった彼には隙が少ない。今となっては経験も彼の方が上だろう。銃口を構えて周りを見る彼は英語で囃し立てる。
他に気を向けた瞬間に私はまたナイフのついた二丁の拳銃を持って彼に襲い掛かった。でもまぁ、結果は見えている。見事に反応した彼は私の勢いをころすとcqcを使って私を地面に投げ落とした。受け身がきちんと取れなかった私は地面と激突する。痛い。が、彼が銃口を向ける前に彼の手の銃を蹴り落とし、こちらが銃口をむけた。彼は私を見て目を見開き、小さく「子供?」とつぶやいた。私はそれを無視して尋ねる。
「エメリッヒはかせ、どこ、かくした、かえせ!」
「エメリッヒ博士?ヒューイのことか?」
「ヒューイ、蔑称!いけない!博士、かえせ!」
そう威嚇したように彼の頬に霞めるように銃をうつ。それでも動じない彼は、何かを押し殺した彼は私をじっとみた。
「おまえ、できない、こたえる?冷たい、男、言う、おまえ、しってる!」
「英語が喋れないのか?何語なら話せる?」
「……」
「おれは、おまえと、はなしが、したい。どこの、くにの、ことば、わかる?エメリッヒはかせ、はなしを、しよう」
彼はわかりやすいようにゆっくりと区切って言葉を紡ぐと私を見下ろした。敵意は感じない。
「……ロシア語かフランス語」
そう言えば彼は「これならわかるか?」とフランス語で返す。私は小さく頷いた。ならば此方もフランス語で話すべきだろう。
「エメリッヒ博士は何処に?貴方が拉致したと聞いた。エメリッヒ博士を返してほしい」
「拉致?保護、の間違いだ」
「保護?保護だって?彼は身分も命も保障される立場にあるはず。どう考えても拉致だ」
「……おまえはCIAか?それともKGBか?」
「なんだそれは」
「知らないのか?」
「だから、なんだそれはと聞いている」
そう尋ねれば、彼は耳元に手を当てた。私はそれを見て、怪しいことをするなら撃つ、と告げる。彼は両手を上げる。
「エメリッヒ博士と話すだけだ」
「……」
ジト目だ。彼はまぁ事実、エメリッヒ博士と話すような形で喋っている。私をみて、イヤホンを外して、ほら、とうながす。エメリッヒ博士だ、と告げた彼に、私は困る。罠だ、100%罠だ。しかしながら、私は一応多少なりとも純粋な子供の振りをしているわけだ。
「エメリッヒ博士からの連絡だぞ。お前と直に話したいらしい」
「……」
「悩んでる暇があるのか?通信がきれる」
ほら、と促した彼に片方の銃口を下げた、瞬間、まぁ、掴み投げられますよね。と言うか抑えられますよね。
「だました!うそつき!はなせ!」
そうジタバタしてもまぁ離れないわけで。私を抑えている左腕を噛んでもびくともしない。それどころか右手で何かつけられる。
「おまえ!きらい!だいきらい!うそつき!へび、ちがう!くまおとこ!」
「話は後で聴こう」
手が離された、と、思った瞬間、体が浮き上がる。もしかして、フルトン回収と呼ばれるそれでは。ぐん、といきなり体は空に舞い上がる。ちなみにその衝撃で銃を落としたが、彼が回収するのが一瞬見えた。景色は一瞬にして広くなり、森が見え、また海が見える。綺麗な景色である、が、近づいてきたヘリコプターが私を捕まえた。こら、ヘリコプターでフルトンを回収するんじゃない。

「おまえきらい、へびちがう、くまおとこ!」
そういえば彼は「そうか」とだけ告げる。ちなみに他は熊男にツボっているのか肩を揺らしている。その中にエメリッヒ博士もいるのだから私は余計に口をへの字にした。
「で?エメリッヒ博士を連れ戻しにきたんだって?誰に頼まれた?」
つーん、と顔を背ける。一丁前に答えないつもりか、と告げた彼は私をみる。エメリッヒ博士が彼に何か告げる。数言会話して彼らは私をみた。
「記憶がないのか?」
べー、だ、と舌を出す。痛くしてもいいんだぞ、と告げた彼に私は黙ったままだ。彼はため息をついて、何か指示を出す。周りが一瞬戸惑ったが、彼は私を引っ張ると独房のような場所にいれた。

私は小さくため息をつく。抜け出して帰ったところで、だろう。空腹に耐えることはできるため、まぁ、我慢はできる。まぁ、ここにいる兵士達が私が子供なのをみて軽い食事や水は置いておいてくれるが手をつける気にもならない。そうして何時間か経った時、扉が開いた。
「喋る気になったか?」
そう言った彼に私は見上げる。私はもう一度ため息をついて地面をみつめた。そして、ロシア語で喋る。
「……私はエメリッヒ博士を連れ戻すように言われた。でも、博士はここに溶け込んでいる」
そう言えば彼は私に合わせて屈んだ。
「あぁ、俺たちは博士を助けた。コールドマンにアイツは突き落とされて起き上がれなくなっていた。恐らくあのまま行けばアイツは死んでいただろう」
「やっぱり」
そう言って私はうずくまる。
「誰に言われた?君は博士の護衛であるはずだとヒューイやセシールから聞いている。本来ならこんなことをするわけがないと」
「……きっとその人は『何処の誰かもわからない』私を、貴方に処分させたかった」
彼はその言葉に微かに動きを止めた。
「エメリッヒ博士から聞きませんでした?私には記憶がない、国籍も定かじゃない。何処の誰かもわからない。西側かもしれないし、東側かもしれない不確定なもの。だから彼らにはいらない。どちら側かも判別できない私には利用価値がない。私を大切に思ってくれるのはストレンジラブ博士達だけ」
ぼやくだけぼやいて黙る。沈黙だ。それを破るためにそもそも、と口を開く。
「東側だの西側だの、意味がわからないからすきじゃない」
「冷戦を知らないのか?」
「知ってる。博士達に習った。今はこう言う状況だって、だから私は怪しまれてるって。でも、そんな線引き偉い人が決めたことでしょう?」
「……そうかもしれないな」
私の言葉に彼は私に一応つけていた手錠を外す。
「今日からお前の居場所はここだ。ここには西側も東側もない。一部を除いて何処の誰でもない人間の集まりだ、お前がいてもおかしくはない」
「……私、博士達のところに帰る」
「……時期に連れてくることになる」
彼はそう言って私を引っ張り上げた。
「お前の名前は」
「……アマナ・プリーズラグって言われる。本当の名前は知らない」
「そうか、アマナ……ナマエ・クラウディアに聞き覚えは?」
そう問いかけた彼に私は「知ってる」とかえす。彼は私をみた。
「みんな、私をその人と間違える。知らない人」
「……そうか」
彼はそう言って私の頭を撫でた。医療キットを持った男性が私に寄ってきた。
「ありがとう、でも、くま、うそついた、それ、ゆるさない」
「くまじゃない、へびだ」
「へびちがう、くま、それも、ひぐま」
私の発言にメディックが肩を震わせた。

==話が飛ぶ


「ママル、だめ」
そう止めたって彼女は止まらないのだろう。お願いだから、やめてほしい。そんなことはするべきじゃない。とまれ、頼むから。大きな戦争は起こるべきではない。核戦争なんてものは特に。その引き金を彼女が引くだって?そんなことはあってはならない。
「ママル、お願い、やめて」
そう願っても機械である彼女は止まらない。残った銃口が此方に向けられる。ジャックが叫ぶ、でも彼女は心臓でも頭でもなく、私の足に弾を打ち込んだ。それでも私は言葉を紡ぐし、それでも私は足を止めない。両足を撃たれたって、這いずって近づいてやる。
「ボス、やめて、そんなことはやめて!そんなことをしたって平和になんかならない!そんなことをしたって世界は一つになんかならない!それは貴方が教えてくれたことじゃないか!」
だから、やめてほしい。カウントダウンは止まらない。
「あの人が、あの子が、私が望んだのは、あの任務についたなは、自分の名をけがしてまであそこにいったのは、『彼』に殺される運命をおったのは!こんな、報復を重ねる世界ためじゃない!やられたらやり返す世界のためでも、正義を掲げる国のためでもない!『貴方』が、『ジャック』が、『彼ら』が、国の人達が、幸せに暮らすためだ!戦争や核の怯えることもなく!道を踏み外してしまうこともなく!ただ、当たり前の日々を、過ごして欲しかっただけなんだ」
だから辞めて。そうさけぶ。あぁ、血を流しすぎた。意識が遠くなっていく。花が舞う。カウントダウンが止まる。向けられていた銃口が下がる音がする。歌が聞こえる。ボスの歌が聞こえる。『彼女』が立ち上がる。もう一度、『彼女』の方へ顔を向ける。ゆっくりと、『彼女』が湖に入っていくのが見えた。彼女が振り返る。さよなら、ナマエ、と、小さく告げられた気がした。私は目を伏せる。さよなら、と呟いて。そうして私の意識は闇に沈んだ。


==

目が覚めたらマザーベースだった。そこにいた人物は寝息をたてている。モヤがかかっているように、何があったか詳しく覚えていない。足が負傷しているが、それが何故かはわからない。ただ、わかるのは彼女がさよならと告げたことぐらいだ。くま、ひぐま、といつものように呼んで彼を譲る。ゆっくり目を開いた彼は私をみた。
「……ナマエ?」
「わたし、ナマエ、ちがう、アマナ!」
そう首を左右に振る。彼はただただ私を見つめる。その意味がわからずに私は首を傾げた。マザーベースということは解決したのだろうか。
「ママル?はかせ?どうなった?」
私の尋ねた言葉に彼は小さく呟くように告げる。
「……覚えてないのか?」
「ない、おぼえる?なにを?よくわからない、あし、けが、いつ?」
困惑したようだった。私はそんな彼をみてケラケラと笑う。あぁ、おかしい。
「ひぐま、おかしい、へんな、ひぐま!きのこ、たべる、ましたか?それとも、ぬの、ない、ないからですか?」
ケラケラと笑いながらそう告げる。彼は「そうか、そうだよな」と頭を抱えて笑い声を上げる。そんなはず、ないんだよな、と彼は小さく泣きそうな声で告げた。
「アイツは、俺が、ころしたんだから、あるわけがない」
泣いている。恐らくは、泣いている。私は彼を抱き寄せる。小さな手で抱き寄せる。
「ジャック、ないてる?」
「ーー今、なんて……」
「ママル、言う、いつも。ナマエ、いる、でも、ジャック、いない。ママル、よぶ、わたし、ナマエ。ひぐま、ジャック?ならば、ジャック、私、うれしい。あえた。ママル、あんしん、うれしい!わたし、いる、いっしょ、ジャックと」
そう言って彼の頬に手を添えて覗き込み笑う。彼は私を見下ろしたと思うと、抱き寄せた。英語で何か言ったが、私にはそれが理解できず終わる。彼の髭がくすぐったくて、笑ってしまった。
「ひぐま、くすぐったい」
「あぁ」
「へんな、ひぐま」
それは、まるで、いつかのやりとりだった。

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「なぜ、ボスは、ひぐま、なんだ?」
そうジャックに似た声をつかい、ゆっくり優しい英語で告げたメディックに私は「おおきい、もじゃもじゃ、つよい」と答えてみた。会ったらまぁ普通は死ぬ。寝たフリをするのが一番いいと思う。
「しらない?ひぐま」
「知ってる。グリズリーという種類のひぐまがアメリカにいる」
「おおきい?」
「あぁ」
「つよい?」
「そうだな、まず普通の人間は勝てない」
「南、アメリカ、ひぐま、ちょっと可愛い。めがね、かける、くま。あなた、それ、にてる」
「俺もひぐまか?というか、それでいくとここにいるほとんどがひぐまだろう」
彼はそう言って私の足に包帯を巻く。まだ無理して動くな、ということであるが、普通に動くのが私である。まぁ、怒られるのだが。


鉢合わないように、ちょっと私が気を使ったというのに意味がなかったらしい。怪我をしたアルマジロ隊員の原因は私は知っているのでなんとも言えなくなる。まぁ、なんだ、教育に悪い。自分の恋愛事情もあれなのに、人の恋愛事情に首を突っ込む必要もなかろう。まぁしばらく冷めた目で見てしまうかもしれないが。
しばらくしたら大の大人が裸で乱闘していた。パスが引いていた。メディックは固まっていた。私は近くにあった海水入りのバケツを二人にぶっかける。あぁ!?と此方を見られたが私は冷めた目で二人を見下ろした。
「パス、こわい、する。ない、ゆかい。ふく、きる、なぐる、する」
英語でそう言っても無駄だろう。カズが助かったみたいな顔をしたからだ。
「パスが怖い思いをします。殴り合うのは目を瞑っても、服をきるか目の届かないところでしてください。不愉快です。付け足すなら数多の女性に声をかけるにしろ、相手がいない人にしては如何ですか」
「ーーえ?」
「最近私理解できる英語が増えました。みんなわからないと思って私に話したりしますが意味は理解できます。今まではあなたのためを思って黙っていましたが、ボスにばれたならもう仕方ないです……どうです?去勢ーー」
「アマナ!」
メディックがそう言って私の両眼を塞いだ。それをみてジャックがサウナ掃除を命じるのが聞こえる。あと、私が英語ができないだけで他の言語はできる、とも。私はそのままずるずるとメディックに連れて行かれたが。


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「アマナにとってママルは母親でも師でもある」
記憶のないあの子にとっては、ママルと人間と同じようなものだ。
そう告げた博士にジャックは私をみる。私は首を傾げた。

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「アマナはAIをどう思うんだ?」
「ドラちゃんと、アトムが、つくれたらいいな、って思う」
前から尋ねたらそう返すのだが、知らない人ばかりなのだからなんだそれ?と首を傾げられるのだが、カズさんが「おっ!?」と声を上げた。
「アマナはアトムを知ってるのか!」
「うん、知ってる」
「アトム?」
「日本の漫画にでてくるロボットだ。手塚治虫という作家が書いた『鉄腕アトム』。そうだな、あれもよくよく考えたらAIか」
「あぁ、そういう奴だったのか。何なんだろうとは思っていたんだ」
「アトム、子供の姿した、優しい、ロボット。科学、結晶!2013年、つくられる。原子力、モーター、動く。10万馬力、とべる。困ってる人、助ける。悪い奴、たおす!でも、たまに、人間じゃないって、悩む。みんなの、友達。作った博士の、死んだ、息子、かわり、作られる。でも、博士、アトム、サーカス、売った」
「それはどうして?」
「アトム、ロボット、成長しない。人間じゃない。でも、法律、変わる。感情ある、ロボット、市民権、得た。違う、博士、アトム、引き取る。アトム、家族できる、人間と暮らす!」
「それだけ聞いてたらデストピア小説みたいだけれど」
「話としてはまぁ子供向け勧善懲悪に近い。だがたまに大人が読んでハッとする話もある。日本じゃ人気なで子供がみんな歌を大合唱だ。ドラちゃんはわからないが……」
「ドラちゃん、どらえもん、ずんぐりむっくり、ねこ型ロボット!未来から来た、ねこ型ロボット!でも耳、ネズミに食べられてない!不思議な道具、いっぱいもつ。いじめられてるのび太、道具で助ける、道具で叱る、たまにカウンターされる。基本、困ったら、貸してくれる。たまに、困ってなくても貸してくれる。トラブルになること、たたある。でも、道具、空飛んだり、物を小さくしたり、扉でいろんなところ移動したり、できる。便利、とても便利」
「まさに漫画だな」
「ドラちゃん、正しく、ドラえもん。子守用ロボット、友達タイプ。のび太の友達、泣いたり、笑ったり、喧嘩したりする。ドラちゃん、可愛い。とても可愛い。2112年、作られる、予定。アトム、2013年作られる、予定」


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死んだと思ったのだが、生きていて自分でも笑った。というか、私は一か八かで他の隊員に海に投げ落とされたのだ。奇跡的に無事であり、そのまま近くを通りかかっていた船に助けてもらえたのである。ジャック達は大丈夫だろうか、と思う反面、あの時見えた人物は私をみて驚いていたのを思い出す。あの人は、恐らくーー。

ーージャックの音沙汰が途絶えた。死ぬはずはないと思う。でも、あの事件以来彼の噂話はぱったりと止んだ。未知の領域であるには変わりなかった。そもそも、あの、ピースウォーカーの事件の時点でもう未知の領域だったのだ。対策の立てようなんてない。そこには救いもない。ただ、彼の無事を祈るだけーー。


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