2020/07/28
君僕主ifでも続く 2
一度少し距離を取り、相手を見る。まぁここまで素敵にやりあえるとなると、相手など決まってくるのであるが。彼は銃口をむけながら、アマナ?とか細く私の名前となっていた物を呼んだ。その言葉に私は銃とナイフをしまうと、隻眼の彼にタックルした。のけぞるだけで終わった彼は相変わらず体幹がよい。
「ひぐま!よかった!」
「あぁ、やっぱりアマナか」
そう言って彼は私の頭を撫でる。背が伸びたな、とつげた彼に、「あたりまえだ、きゅうねんたった!」と彼を見上げる。……?彼は、身長が、少し伸びた?いや、まさか。大人が伸びるはずがない。
「アマナ、何故ソ連兵に?」
「あのあと、こんてなせんにたすけられた。そこのせんちょう、それんのひとだった。そのひとのかぞく、それんのえらいへいたいさんだった。だから、そのままなった」
「……ソ連に保護されたのか」
そう言った彼は慣れた手つきで私になにかつけた。まさか、と彼を見る。彼は「悪いな、これも任務だ」と告げて両手を離す。その数秒後、浮かんだ体。そのあと、また同じ目に合うことになる。
「〜〜〜〜っ!!!」
だから!ヘリで!フルトンを!回収!するな!
「フルトンかいしゅうを、ヘリでするの、どうかと、おもうわけですよ」
カズさんに向かってそう告げる。追って帰ってきたスネークにも、べっと舌を出した。まぁ、カズさんに杖で頭を軽く叩かれたが。痛い。頭を両手で抱える。
「アマナ、何でソ連にいるんだお前」
「いろいろ、あった、それは、もう!」
私の発言に二人は私をみる。スネークが私を見下ろした。
「改めて助かったんだな。ヘリにいなかったからお前はもう……」
「あのとき、たいいんのいちにん……まちがえた、ひとりに、うみに、なげられて、たすかった。うんよく。パスが、たすかったばしょ、だからもしかして、と。わたし、いしきをうしなったの、ですが、おきたら、コンテナせん、それんの、でした。そこのせんちょうが、わたし、ロシアご、しゃべれるのを、かんじてーーちがう、りかいして、こどもーーようしにしてくれたんです。で、そのせんちょうのおにいさん、ソれんのへいし、えらいひとで、」
「ソ連の兵隊になった、ということか」
「はい。そのまえに、こくせき、あたえられた、ました。とびちで、できるーーうまれた子供として」
説明すれば、「まだ英語が苦手だな」とカズさんに鼻で笑われた。そりゃあそうだ。ソ連では主にロシア語である。英語は喋らない。
「……驚いたな、ボス、『』と知り合いだったのか」
その言葉に今まで黙っていた男性をみた。同じく二丁拳銃を使うのだろう。二つのホルスターには、リボルバー式の銃が収まっている。
「あぁ、俺も驚いた。うっかり殺すところだった。見たことがある戦い方だとは思ったんだが……なんせ、最後にみたアマナはこれくらいの身長だったからな」
そう言って身長を指し示す。そんなに小さくはない気がする。
「ひぐま、わたし、そんなに、ちびじゃない!」
「そうだったか?」
「ちびだったろ」
「かず、ひどい!」
「しかし、暗殺依頼が出るくらいには活躍してたんだな、おまえ」
「?……そうでもない」
私はだいたい潜入が多く、人に合わない。あっても部隊ごと暗殺したりするので基本的に生きている人にはあわない。と、なると、味方からの依頼の可能性が……そこで考えるのをやめる。
「……ま、いっか!ひぐま、カズ、あえた、うれしい、だから、いいや!あなた、ひぐま、なかま?」
「ひぐま?」
「ボスのことだ」
「蛇じゃなくヒグマか。まぁ、納得はできる例えだな」
「アマナ、こいつはオセロット」
そう紹介したスネークに私は目を瞬く。オセロット?あの青年が?でもそれもそうだ。何年経っている。大人になるなんて当たり前だ。それに、噂はきいている。彼はそれに目ざとく気付き、何か?と首を傾げた。
「あなた、しってる、ます、GRUの人、しょうさ、シャラシャーシカ。よろしく、おねがい、します」
そう英語で告げたところで彼はロシア語が通じたのでは、と思う。まぁいいか。カズさんが杖を鳴らしながら告げる。
「アマナ、置いてやるからキビキビ働け」
「はーい……あ、ストレンジラブはかせ、いる?」
「いや、いない。どうかしたのか?」
「てがみ、やりとり。でも、しばらくまえ、おんしん、つながらないーーふつう。ひみつぶたい、らちした、きいた、でも、それ、ない。だから、ヒグマのとこ、いる、おもった」
そう伝えれば、スネークはオセロットに何か知ってるか?と尋ねた。いや、知らないな、と彼は首を左右に振った。
「その拉致したというのは誰から?」
「えめりっひはかせ」
私がそう言った瞬間三人が眉間にシワを寄せた。というか一部が殺気だった。
「ふたり、おなじ、けんきゅう、さんか。えめりっひ、かわり、へんじ、くれた。それん、へいし、はかせ、つれていった。でも、ストレンジラブはかせ、ちがうてがみ、いった、えめりっひ、けんかする、した……ひぐまのところ、いない。それん、いない……」
「……なんの研究をしてると?」
「くわしく、しらない。たぶん、けんえつ、かかる、だから、いえない。でも、『かのじょ』、いっしょ、いる。だから、たぶん、AI。それいこう、てがみ、ふたりから、ない。おえない、わからない。さいご、じょうほう、ふたり、あふがにすたん。だから、しがん、わたし、きた。でも、あたらしいへいき、うわさ、きく。だから、いどう、そしたら、ヒグマに、みつかった」
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カズさんが殺伐としているのだが、まぁ昔と同じような感じで接してたら隊員達からすごいなと言われた。まぁ、うん、たまに真面目に怒られるが彼はいい人なのは変わりない。いい人なのだからそれだけ傷ついた。
「カズと仲がいいんだな」
ロシア語でそう告げたオセロットに首をかしげる。そうですか?とロシア語で返せば、彼はうなずいた。
「お前だけだ、あそこまでして許されるのは」
「彼は昔から兄みたいなものです。なんやかんや世話を焼いてもらえました。まぁ、私が子供で拙い英語しか話せなかったので加護欲が湧いたのかもしれません。そういう隊員が多かったのは事実です」
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