2021/01/30

msuとturb(359成分強強)

・夢主はトリップだと思い込んでいる
・無双と刀剣のはずが三国成分が強くなった

いやー、まさか、三国に幼児化トリップきめてそこから遠呂智に巻き込まれて現実に戻ってきたと思ったら現実ではなく審神者になるとは思わなんだ。そりゃあ遠呂智世界では再臨以降は旅してくるね!と呉から飛び出して旅をしていた私であるが、そこまで正しい日本史が詳しいわけでも刀に詳しいわけでもない。三国の方が詳しい格率があるが、それも正しいかどうかは不明なんだよな。ちなみに三国からの持ち物は二胡だけだった。いや、第二武器というか、幼児期の武器ではあるけど、剣系統をくれ。張遼殿と戦った時の武器をくれ。そう思いながら小虎たちとゴロゴロする。刀剣達が帰ってくるのが見えた。

信長さんのイメージは曹操殿と戦してるイメージだし、小難しい言い回しとか二胡演奏してたら金平糖くれたイメージしかない。まぁ、武将については結構刀剣達のイメージとかけ離れるのがあるため、主はどの武将が好き?という話に周泰だとか張遼殿とか趙雲殿とか三国の面々を答えている私である。
「主が答える武将全然知らないんだけど」
「名前からして日本人じゃないよな?」
「いや、特定の日本人言うと贔屓になるかなって。あ、雑賀孫市はセーフか?あの人今で言う傭兵だよね。好きだよ、雑賀孫市」
そう言いつつ本を捲る。周りが微妙な顔をした。というか、そもそも結構張遼殿とか趙雲殿はポピュラーではなかろうか。みんな三国志知らないらしい。仕方ないと私はノロノロとコタツからでる。
「映画観ていい?」
「珍しいな、大将がここで映画みるの」
「いや、だってみんな張遼殿とか趙雲殿知らないっていうから」
そう言って自室に帰り、Blu-rayでもってるレッドクリフを持ってくる。なんか居間に戻ったらちょっと人が増えててびびった。とりあえず映画をセッティングし、私は映像眺めるとする。いやぁ、これ遠呂智に入って記憶がダブってるんだけど私合肥で張遼殿と戦って死んだんだよなー。兄様達にめちゃくちゃ怒られる気がするよね。戦国勢は遠呂智で私と張遼殿と仲良くしてるのを見て微妙な顔をしてたし。毛利さんには殺されるかもしれないのに?と尋ねられて、「でもそれって張遼殿が悪いんでも私が悪いんでもなく、時代が悪いですよね?」と尋ね返した気がする。事実、私は平和だったら張遼殿と仲良しだから。遠呂智世界でも仲良しだから。個人的に私は彼みたいなタイプが好きだ。一国の姫ではなくて、1人の武将として戦ってほしいといえば情け無用で戦ってくれるし殺してくれるからだ。姿は違えど、懐かしいものがあるなぁと見る。まぁ、私は赤壁の後の合肥で張遼殿に討ち取られて死にますけどね!!



私も見入ってたら結局結構な刀剣が集まって見ていたのでびっくりした。そのあと部屋にある三国志持ってきたら回し読みされている。


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「えっ?!名無!?」
甘味処で小豆パッパと団子を食べている時である。そんな声がして顔を上げる。なんだ?と首を傾げればその先にいたのは甲斐姫である。甲斐さん?と私もまた首を傾げれば彼女はズンズンとやってくる。
「やっぱり名無じゃない!アンタ今までどこにいたのよっていうかなんでここにいるのよ!」
「えっ……えっ??甲斐さんこそどうしているの??」
混乱である。甲斐さんはじっと私を見つめ、私は眉尻を下げる。はぁ、とため息をついた彼女をみて、小豆パッパが私に耳打ちした。
「あるじのしりあいかな?」
「たぶん?」
「名無、貴方、審神者してるのね?」
「はい、色々あってといいますか……目が覚めたら審神者になれと言われたといいますか……」
「そもそもどうして貴方が日本にいるの?貴方は三国……中国側でしょう?」
「いや……私、今日本人……」
「えっ、うっそ!?なんで!?」
「なんでと言われても……こんちゃーん」
そう言って手を叩く。ポン!と現れたこんのすけは私の膝の上に座った。
「主様?どうかされまし……うげげ」
「うげげ?」
「うげげってことは心当たりがあるのね、この管狐!!」
むんぎゅ、とこんのすけの頭を片手で握った甲斐姫に私はオロオロする。
「甲斐さん、甲斐さん、こんちゃんが死んじゃいます!」
「ちょっと!それどういう意味よ!というかね、名無!アンタこの管狐に多分騙されてるわよ!」
「こんのすけは騙しておりませんー!こんのすけは政府の言いつけ通りにしているだけでございますー!」
ピュッと私の後ろに回り込んだこんのすけに私は首を傾げるしかない。甲斐姫は私の手を引いて、小豆長光とついて来なさい!と私に告げた。

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甲斐姫の本丸はお城だった。びっくりである。小田原城を模しているのか、いや結構そのままの気がするな??とりあえずお城だった。隣にいた小豆パッパも「おだわらじょうににてるね」とのほほん告げた。彼女は当たり前じゃない!と城の中に入るとどんどん天守閣に近づいていく。まぁ、予想はしてた。ちなみにこんちゃんは尻尾が下がるを追い越してお腹とくっついて震えている。怖がっているが可愛い。おやかたさまー!と中に入った彼女に私はとりあえず襖の外で待機する。中からは男性の声がした。
「成田のせがれ、今日は城下に行くんじゃなかったのか?」
「せがれじゃなーい!大変なんです!まーた政府がやらかして!」
「政府がやらかすなんざいつものことだろう。また面倒ごと背負って来たんじゃねぇだろうな」
「これみてから言ってください!」
のしのしとこちらに足音が聞こえてくる。勢いよく開けられた襖の先、恐らく先に身長が高い小豆パッパが目に入ったんだろう。
「小豆長光の分霊じゃねぇか」
「そっちじゃなくて、こっち!」
そう言って私の腕を掴まれて私は一歩前に出る。その先にいた氏康公は目を瞬いてーー叫んだ。
「はぁ!?名無!?なんでテメェがここにいやがんだ!」
ドシドシと歩いて来た彼は私の肩を叩く。実体があるか確かめるんじゃない。小豆パッパがちょっと割り込んで睨んだけど。私は彼の服をポンポン叩く。
「小豆さん、いいよ、知り合いだし、なんていうか一周回って親戚のおじさんみたいな感じだから……お久しぶりです、氏康様」
「うじやす?あるじ、うじやすといえば、あのほうじょうのかい?」
「うーん、小豆さん、あとで説明するというか、私も今の事態がよくわかんないから、一緒に説明きこう?」
「……わかった、わたしはさがっておこう。あるじのしりあいとはしらず、しつれいした」
「いや、気にしてねぇよ。不用心に近づいちまった俺が悪い。……主っつーことは、名無は審神者してんのか?」
「はい、刀剣達と頑張ってます」
「……お前さん、今自分がどんな状況に置かれてるかわかってるか?」
「まったく?」
「だろうなぁ。おい、こんのすけ、黙ってたのか」
「こんのすけは何も知りませぬ……ただ、あるじ様は前の世の記憶を持つ特殊な人材なので周りには黙っていろと上から言われて……」
そんな認識なのね、と思う。ということは三国とか遠呂智とかは完璧前世扱いということか。ふるふる震えているこんちゃんの背中を撫でる。かわいそうに。
「よくわかりませんが、審神者になる前にわたしは思い出したといいますか」
「両親は?日本にいるってことは日本人か?」
「よくわかりません。覚えてないというか。気付いたら前世の記憶を思い出して病院にいたというか……」
「えっ?どういうこと?名無のお父上は孫堅様で母君は尚香と同じでしょう?」
「どあほう、三国志をよめ、三国志を」
「えっ!?」
「……いえ、私は赤子の時に拾われたので、正しくは血縁はありません。あの時代なので伏せられてはいましたが」
そう首を左右にふる。まぁ、孤児が珍しいわけではないからな。ちなみに私は船で死体と一緒に海を彷徨っていたのを父親が拾ったらしい。よく生きてたな私。
「はー……詳しい話は政府に問い詰めるとして、お前がまだ話せば通じる孫堅の娘でよかったぜ。これで曹操とかなら国際問題だからな」
やれやれと彼は息を吐く。私は首を傾げた。
「……先程から思うのですが、海を渡れば父上がいるのですか?」
「ああ、いる。というか、お前さんの家族だけじゃなくお前さんが面識ある奴はたぶん全員いる」
「本当ですか!いつか会いたい……あ、でも、めちゃくちゃ怒られる気がする」
「そうだなぁ。やらかしたことを考えれば、お前の家族や呉の連中……特に孫権や凌統はお前に怒るだろうな」
「う、……会いたくない気がして来た……」
「どあほう、叱られてこい」
そうがしがしと私の頭を撫でた氏康公に、私は三国メンバーがいるのであれば、と首をかしげる。
「……もしかして、張遼殿もいます?」
「……あぁ」
「なら張遼殿にもぜひお会いしたいです」
「復讐でもしようってのか?」
「いえ、お礼をいいたくて」
「はぁ??」
「張遼殿と一騎討ちになったとき、姫じゃなくて一人の将として扱ってほしいって言ったんです。一応姫なわけじゃないですか。だから気絶させて私を捕縛して後に対する人質にもできた。でも、あの人はちゃんと私の頼みを聞いて討ち取ってくれたんです。それは私にとって喜ばしいことでした」
史実なのかはわからないがwikiで調べる限り死体を嬲られることもなく、「貴殿は間違いなく孫呉の虎であった」と埋葬してくれたらしい。
「……お前は恨んでないのか」
「私はまったく。張遼殿が悪いわけではありません。悪いのは頼んだ私でしょう。もっと言えばあの乱世の時代が悪かった、それだけです。今ならば、あの仙人が作り上げた世界のように言葉をかわせましょう。しかし、あの方はそう言ったことをわざわざ説明される方ではないはず。孫呉から怨みだけかってるのでは」
「……そうさなぁ」
はーとため息をついた彼は頭をガシガシとかいた。私は疑問を尋ねるとする。
「こちらにいらっしゃるとなれば、氏康様も審神者なのですか?」
「みたいなもんだな。相模国あたりにいる審神者達の一番上司になる」
「偉い人ですね。私の上司だ。氏康様が相模国ということは戦国の皆さんはそれぞれ?」
「みたいなもんだ。中国も似たようなことが起きてるようでな。お前の親父達はそっちだ」
「そちらも刀剣を?」
「いや、向こうは違うらしい。まぁ、俺たちみたいなのは直接歴史に介入できるからな」
彼の言葉に首をかしげた。
「……日本において審神者が刀の付喪神を下ろすのは、俺たちみたいに歴史に介入できないからだ。と、いっても俺たちも歴史を変えるなんてことはできないように制約がある。あと一個人の武力的な問題もあるしな。なんにせよ、政府は俺たちを手元において監視させたいんだろうよ」
ふーん、と納得していれば、彼はまた口を開いた。
「とりあえず俺はお前のこんのすけの上司の上司あたりに駆け寄ってお前と親父達が会えるようにしてやるから大人しく審神者業しながら待ってろ」
「はい」
「甲斐、名無の本丸のコードを門に設定しとけ。あとまだ孫尚香には言うなよ」
「えー!なんでですか!尚香ずっと探してるのに!?」
「政府がワザと隠してる可能性もあるだろ」

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とりあえず私の本丸をみた甲斐ちゃんが一言、日本風だと名無住みにくくない?である。いや、でも慣れたし、刀剣達は日本だし、と言う説明をする。顔を覗かせた歌仙さんが首を傾げた。
「おや?主、友垣かな?」
「姉の友人的な……」
「よそよそしいわねー!アタシと名無は友達でしょ!」
「うん」
へにゃり、と笑えば歌仙さんは目を瞬いた。
「お茶を淹れよう」
「いやいや、お構いなく。アタシすぐ戻るんで」
「え?帰ってしまうんですか?」
「また遊びに来るわよ」
その言葉にしょぼんとする。彼女はそんな顔しないの!と私の頬をペチペチした。
「お姉さまによろしくお伝えください」
「うん、きっと。大丈夫、会えるわよ。おやかたさまとアタシを信じなさい!」
「……はい」
甲斐姫はそれだけ言って私に向かって手を振ってゲートを潜った。

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「氏康様は15年ほど前に日本海沖で起こった海難事故を覚えていらっしゃいますか?」
「ああ、確か結構デッケェ船が転覆したあれか?」
「彼女はその乗客の子供と考えられます。運良くなのか救助用の小船に乗った彼女は日本海を渡り、新潟県の砂浜に漂着したところを地元の一家が発見、保護されています。当時、名前も何もわからない状態だった。親はあの海難事故でなくなっており、誰も彼女の国籍を証明できる人はいなかった。この国にも、向こう側にも」
「だから日本人だと?」
「臨時的に、ですが」
「だからって黙ってる必要はないだろ」
「加えて、彼女は元々不安定な節があります」
「不安定?」
「一度、向こう側の誰かが彼女の人生を変えた。彼女を戦に出すことも、呉から出すこともなく一生を終えさせた」
「!」
「その結果、彼女の記述は三国の歴史から消え、無名の誰かになった。それをまた向こう側が正し、彼女は歴史にまた現れた。しかし、また彼女の存在が不安定になったため、こちら側の歴史干渉を受けないここにつれてきました」
「……審神者にさせたのは?」
「それは戦力になるかなって」
てへっととぼけた役人に氏康は無言でぐーをおとした。いたい、と呟いた役人に氏康は口を開く。
「向こう側の家族に連絡してもいいのか?」
「それは俺では判断できかねます。なので、貴方の判断に任せます」
「それを責任転嫁っていうんだぜ」

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最近夢を見る。張遼殿に殺されない夢だ。今日も下げられた刃に私は彼に尋ねる。何故討ち取ってはくれないのかと。彼は答える。私は将ではなく姫であると。私はそれを聞いて絶望するのだ。だからあの手この手で死ぬ。隠し持っていた短刀で首を貫いた次の日の夢は彼は隠し持っていた短刀を奪った。いたちごっこのようだった。私が死んだ夢をみた次の日には彼はそれを止める。連れ攫われて処刑されれば、彼はそれさえも隠すようになった。何故殺してくれないのです、と私は夢で彼に尋ねる。彼は私を見て同じように答える。貴方は一国の姫なのですと。彼は私を殺してくれない。だから、私は兵士に頼む。私を哀れに思うのであればどうか殺してほしいと。そうして私は命を絶って目が覚める。きっと今日の夜にはあの兵士はもういない。

「それは歴史が改変されてるのではないか?」
私が三国志の記憶があるよ!と言われたら納得されてしまった。だから日本より向こうの武将に詳しいのかとか云々と。最終的に私は私だからいいという話に落ち着いたらしい。そんなこんなで最近見た夢をお茶を飲んでる小烏丸さんに言えばそんなことを言われた。
「おおかた、その張遼という将が主を殺さぬように誰かが働いておるのだろう」
「うええ……なんで……」
鶯丸さんが茶団子を私の口に入れる。
「まぁ、分からんでもないがな」
「んー?」
「俺たちは主にあの時主がどうしてそうしたか聞いたから理解はしている。だか、主よ、主の内心は主にしか分からぬものだぞ。その時相対していた敵も味方も知らぬだろう」
「ん……」
「我が子よ、大事になる前に止めた方がいい。主だから止められることもあろう」
茶団子を飲み込んで、私は息を吐く。とりあえず氏康さん……はダメだろうから甲斐さんにこっそり頼もう。

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「は?アンタの歴史が変わりそう?」
「夢で張遼殿が殺してくれなくなった。それも毎夜毎夜いたちごっこみたいでさ、短刀で首を切って死ぬ夢をみたら次には張遼殿それ止めてくるんだよね。それがもう何日も何日も続いてるから、刀剣に頼んだら刀剣がそうじゃないかって言われた」
「……それってあの張遼殿が変えてるってこと?」
「わかんないから確かめたいだけ。だから、おねがいします!甲斐さん!張遼殿に会わせて!」
そう頭を下げる。絶対氏康様にはダメだって言われるし、日本政府もダメダメいうだろうし、呉にコンタクトできてもダメって言われるだろうし、頼めるのは甲斐さんしかいない!と頼み込む。彼女は「ゔっ!」と声を上げた。
「あのね、名無、こう言うのもなんだけれど、私達にとっても、向こうにとっても歴史を変えるのは大罪なの。特に私たちについてはね。遠呂智の事件は、異世界だから許された、それだけ。向こう側は即刻死罪もあり得るわ。アタシはあの張遼さんが歴史を変えてるなら曹操さんが黙ってるとは思わない」
「曹操さんはしばらく黙ってるよ。黙って黙って、張遼殿が私を生かすのに成功してしまったら最後あの人は心を鬼にして処分すると思う。だからさ、彼が目を瞑って、黙ってる今がチャンスなのです。お願いします、甲斐姫。これを頼めるのは貴方だけです。あの時どうして私がそう言う行動をとったか。それを伝えるだけです」
そう真っ直ぐに彼女に告げる。彼女はしばらく私をみて、あー、もうわかったわよ!と声を上げた。
「言っとくけど!今回だけだからね!私も張遼さんがどこにいるかなんて分からないから、自分で探しなよ!」
「ありがとうございます!甲斐姫!」
彼女に抱きつく。彼女は「はー、お館様に怒られる」とぼやいた。

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とりあえず短刀か脇差だけでも連れて行って、と言うことなので極から選抜されて今剣くんを装備してこんちゃんと向かうことになった。とりあえず甲斐姫が設定してくれたゲートをくぐれば私の服は中華風というか当時の平服になった。青の魏の中で赤い平服の私目立つな??何かあったら帰って来なさいよ!と言われたが、何かってなんだ。とりあえず誰か話の通じる人に会いたい。夏侯惇殿とか于禁殿に見つかった瞬間終わる気がする。できれば曹仁殿や蔡文姫殿に会いたい。とりあえず移動した方が得策か、と移動しようとすれば「おや?」と声がかかった。
「戦場外を繋ぐゲートが起動したから見に来てみれば、行方不明になっている孫呉の姫君ではありませんか」
「郭嘉殿」
「孫呉からは貴方はまだ見つかっていないと言う回答だったのですが」
「私は今日本でお世話になっていて……」
「それを孫呉は?」
彼の言葉に私は首を左右に振る。日本でも伏せられていることです、最近やっと甲斐姫にお会いできました、といえば彼は理解したらしい。
「あちらが黙っていたわけではないのですね」
「はい、私も最近皆様がいることをお聞きしました。段取りができたら伝えるとのことです」
「ならば、貴方にあったことは夢だと思っておきましょう」
「ありがとうございます」
「しかし、どうしてこちらに?」
「最近、おかしな夢ばかりを見るのでそれを仲間に相談したところ、こちらに赴いたほうがいいと判断したのです」
彼は少し驚いたように私をみると、私にずいっと顔を近けた。
「それはまさか――」
私は笑みを浮かべて、彼に人差し指を唇に押し当てて黙らせる。
「張遼殿に会わせていただけますか?私は彼に会って伝えなければいけないことがあります。一時の逢瀬です」
「……それは邪魔をできませんね。では、姫、こちらに」
そう言って外回り、人目がつかない場所の方に案内された。

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たどり着いたのは桃園だろうか。この時間はこの奥の建物に一人でいらっしゃいます、と郭嘉殿は告げた。私はそのさきの建物に向かう。窓から中を覗けば張遼殿がうたた寝をしているのが見えた。何か黒いものを纏っているように見えるのはなんだろうか。
「張遼殿?」
そう彼の名を呼ぶ。彼は緩やかに目を開き、窓から顔を覗かせる私の方をみた。名無殿?と小さく私の名を紡いだ彼に、私は窓からのいて扉に向かう。そうして扉をあけて、中にいる彼に駆け寄る。張遼殿。そう言って私笑う。椅子に座っているが故にこちらを見上げた彼は小さく、名無殿?と私を呼んだ。
「いかにも、私は名無でございます。孫家の娘の名無でございます」
私は彼の手を取って笑う。彼は少し目を伏せて「名無殿」と小さく告げた。
「――名無殿、私には貴殿に笑みを向けられる資格はござらん」
「なぜ?」
「何故、と。貴殿が一番よく知っているはず。私は貴方を討ち取ってしまった。捕縛するなりなんなり貴方を生かす方法はあった」
それを悔いているから彼はやり直すのだろうか。私の手を外した彼に私は首を左右にふる。だから、私はそれを否定する。
「何を仰るのです。貴方のことですから、きっと今の世になっても私が頼んだことを誰にも告げずに黙っていたのでしょう。私はずっと貴方に言いたかったのです。もし、今世でもお会いできたなら」
彼は私を見る。私は笑みを浮かべて口を開いた。
「ありがとう、張文遠、私の願いを聞き入れてくれて。あの時討ち取ってくれて」
彼は少し目を見開いた。
「貴方が討ち取ってくれたから、私のあの生は悲観に暮れることなく幸せな生で終えたのです。私の身が敵軍の手に渡ることもなく、人質として祖国に仇をなすこともなく、女として嬲り殺されるわけでもない。私は貴方に将として討ち取られ確かに幸せだったのです」
それがどれほど幸せなことかを彼らはわからないのかもしれない。でも、私はあの終わり方に満足したのだ。後世の人間が私を悲劇と言おうと、周りがそう判断しようと。彼はそっと私に手を伸ばす。大切そうに私を見た。
「そうだったのか、孫呉の姫よ」
優しく彼は声を漏らす。溢れた雫の意味を私は知らない。黒いモヤが霧散していく。そのまま彼がすやすや寝てしまった。睡眠不足だったのだろうか、と思いながら彼を机に伏せる形にしておいた。これでもう大丈夫だろう。多分。そっと息を吐いて部屋を後にする。桃園を抜けた先にいた郭嘉殿は「ありがとう」と私に告げた。

その日の夜の夢は史実通り。私は彼に討ち取られる。ありがとう、と小さくつぶやいて微笑めば彼は目を伏せたのだけれども。

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雑多 

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