2021/06/21

文アル新サクラ ねただし


なんかイケメンしかいない図書館だなー、とおもってたが、これはアレでは。文アルというゲームでは。ということは、である。私は一応サクラ大戦に属しているわけであるし、えっ、クロスオーバーしてしまうがいいのだろうか。いや長続きしてる大正改め太正とかを考えると時間遡行軍もクソもないのだが。とりあえず、私は本を選ぶ動作に戻るとする。と、おもったら誰かが転倒する音がしてそちらを見れば本が散らばる大惨事である。仕方あるまい、手伝うか、と散らばった本を手にとれば淡く青色が光った……のを気づいてないフリをして、散らばった本を彼らーーおそらく館長とアカアオコンビに渡した。
「はい、これも落とされましたよ」
「あぁ、ありがとーー」
「おい、館長、光ってる!」
そのツッコミはいらないなぁとおもいながら、光ってる?ととぼけたフリをして本を見る。青い光はもうおさまっている。危ねぇ、と思いながら首を傾げていれば、お、苗字、と見知った声が聞こえた。そちらを見れば司馬くんである。
「司馬くんじゃないか。珍しいね」
「神山についでにアンタを迎えに行くように言われたんだよ。どうせアンタが忘れてるだろうからってな」
「今日なんかあったっけ」
「……神山と出かける話してなかったのか?」
司馬くんが苦笑いしながらそう告げる。私は少し考えて、あぁ確かにそんな約束した気がする。
「それみんなに譲ったんだよ。みんな神山さん大好きだからね」
「あぁ、あの騒ぎはそういう……みんなで出かけるって話になってたみたいだが」
「じゃあ戻ろうかな」
そう言いつつ一応館長(仮)に頭を下げる。彼は苦笑いをして、助かったよ、とだけ告げた。アカアオコンビがいいのか館長みたいなこといってるが、とりあえず置いておくとする。そのまま図書館をでれば、司馬くんが私をみたのだが。
「なんかあったのか?」
「いやー、自分に錬金術の才能もあったことに恐れ慄いている」
「はぁ?」
頭おかしいのかコイツみたいな顔をされた。い私は司馬くんの背中を叩いておいた。
「キミのそういうところ大好きだよ」
「アンタなぁ、神山争いに参加しなくていいのか?」
「神山さんは友人として好きだけど、しゅら……恋愛はちょっと……刺されてしまう」
「修羅場っていいかけたろ、アンタ」
「はははは」
笑いながら彼の背中を叩いて数歩先に進む。彼はため息をついてやれやれというふうに隣にならんだ。


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テイク2というか、アカアオコンビに捕まって引き摺られている。なんだ、冒険か物語の冒頭かと思っていれば、館長!と奥にある扉を開けた。うーん、従業員以外立ち入り禁止ではなかろうか。
「この前のやつみつけた!!」
「この前のひとをみつけました!」
そう宣言した彼らに館長と猫、そこにいた数人が私を見た。私は首を傾げつつ口を開く。
「えーっと?」
「アカアオ、また説明もなしに連れてきたのか?」
「だってこの前みたいに逃げられたら困るだろ」
「君達、そんな人を珍獣みたいに……」
苦笑いして彼らをみる。館長はため息をついて、申し訳ないと頭を下げた。
「君は錬金術師かな?」
「いえ、」
首を左右にふる。意外だったのか、彼らは目を瞬いた。
「は!?お前練金陣じゃねぇの!?」
「違いますよ。しがない……まぁ、警察みたいな感じです」
(対降魔の)治安維持がお仕事である。もったいねぇ!とはアカのセリフだろう。館長は少し考えて、少し話をしていいだろうか?と私に尋ねた。丁寧に出られるとお断りしますはできかねるので、首を縦に振る。まぁ、当たり前のように侵食の現状とかを語られるのだが。
「ふむ、文学が未曾有な危機になっているのはわかりました。しかし、私にどうこうする術はないと思うのですが」
「君が本を持った時、青白く光っただろう?あれをできる人はごく稀で、転生ということができる錬金術師にしかああはならないんだ。君にはその才能がある」
まぁぶっちゃけみんながマジックだと理解しているのは錬金術応用だったりするしな。しかしながら、私は花組にいる限り二足の草鞋を履いているわけだ。舞台で男役しつつ華劇団で戦ってるわけだし。
「まぁ、いきなり言っても君の仕事との折り合いもあるだろう。困るだろうから黙っておくかと思っていたんだが」
これはバレている。
「仕事の合間に手伝うぐらいはいいで……いやこれ勝手に返事して上司にキレられるのは嫌なんで一度保留にさせていただいても?」
「構わない。すまないな、君も忙しいだろうに」
「いえ。上司に顛末をコソッと話しても?」
「あぁ」
まぁ多分スミレさんは私が大丈夫なら大丈夫って言ってくれそうな気がするのだが。

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「あなたは3足履くわけだけれど、それでなんとかなるのかしら」
「まぁ、図書館の手伝いはこちらが休みのタイミングで、とは考えています」
「そんな甘い話ではないでしょう?」
それもそうなのだが、舞台は舞台で楽しいし、降魔相手云々は云々でストレス発散なのだ。だからやめるつもりはない。ので、大神さんみたいに敬礼してみる。
「粉骨砕身で頑張ります」
「……許可しますわ。最近、降魔の騒ぎも落ち着いているしね。ただし、舞台には手を抜かないこと、降魔の騒ぎがあればすぐ戻ること。いいわね?」
「はい」
「恐らく伏せた方が良さそうだから、社会見学のために図書館でのバイトを許可したと伝えておきますわ」
「ありがとうございます」
ビシッと敬礼してそこを後にする。館長に電話で報告すれば、部屋を用意してくれるみたいである。さっそくトランクに荷物をつめて帝劇を後にしようとしたら、司馬くんに見つかって「おい!」と手を引いて止められた。バランス崩したけど踏ん張って転倒しない私すごい。
「トランクなんて持ってどこ行くんだ。神山は知ってんのか」
「あー、」
花組にバレると面倒だから行きたい。と、思っていれば神山さんwith花組がやってきた。マジかよ。
「司馬?ナマエ?なにしてるんだ?」
「神山、苗字がトランクを持って帝劇をあとにしようと……」
「えっ!?」
「ナマエさん!?」
「ナマエ!?どういうことだ!?まさか、帝劇をやめるんじゃ……」
ほーらこうなるー、と死んだ目をする。良きライバル兼相棒(私のガバ認定)のアナスタシアに助けを求めてみたが、ため息をつかれただけだった。助けてくれないらしい。
「やめないやめない。スミレさんから説明があると思うんですけど……社会見学みたいな感じで図書館の仕事を手伝うことになったんですよ」
「社会見学?」
「まぁ詳しいことは支配人に聞いてほしい。じゃ!」
そう手をあげて去ろうとすれば、神山さんが「荷物重そうだしもとうか?」と尋ねられた。が。
「いや私そこまでヤワじゃないので。じゃ!!」
テイク2。そう手をあげてその場所を後にする。神山さんと二人きりダメ絶対。

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「猫がしゃべった……でも悪い感覚はしないから別の原因か……これも錬金術ですか?」
「まぁ、みたいなものかもしれないな」
苦笑いをしてみせた館長になんだ?と首を傾げる。にゃんこの足を掴みつつよろしくにゃんこと言えばそっぽをむかれたが。
「まず錬金術のいろはもよくわかってないので、基本的なことも含めてご教授いただけると幸いです」
「まかしとけ!」
そう私の背中を叩いたアカくんの方を見れば、書籍を山積みにしているアオくんが見えた。うーん、もしや、参考書類では。館長は苦笑いをして私をみた。
「……しかし、本当に良かったのか?」
「上司の許可取りましたし大丈夫です。こなしますとも。ただし、緊急時には戻らなければならないんですが」
「それはこちらも了承済みだ。色々と紹介する人は多いんだが、まずは館内の案内だな。荷物を置く部屋も案内しよう」
そう言った館長に続いて館内をめぐる。ちなみに部屋は帝劇の部屋と同じくらいのスペースだった。今は簡素なテーブルとかベッドとかが置かれているだけだが、好きに家具を増やしてもいいらしい。やったぜ!

「ということは、同姓同名そっくりさんではなく」
「あぁ、一応本人だ」
まぁ心血注いで魂を削って書いたものなのだから、魂が宿るのは納得する気はする。しかも大事にされているんだろう。まるメガネをかけた男性が口を開く。
「おや?彼は……もしや、その人が噂の?」
「あぁ」
「苗字ナマエです。手伝いをすることになりました。よろしくお願いします」
「坪内逍遥です。こちらが二葉亭四迷」
私は館長をみる。本物!?みたいな反応すれば彼は笑いながら「本人だ」と頷いた。
「えっ、なんかやっぱり色々すごいな!?錬金術すごいですね!」
「……錬金術師じゃないのか?」
「あぁ、彼女は確かに才能があるんだが、錬金術を学んだわけではないんだ。困っていたら手助けしてもらえないだろうか」
「……彼女?」
「館長、普通初見わかりませんからね!予備知識ないと!」
はっはっは、と笑いながら言えば二葉亭四迷先生が微妙な顔をしたので、ロシア語で「人は秘密を着飾るものですよ、特に女性はね」とウィンクしながら言っておく。彼は目を瞬いたのだが。
「驚いた、苗字さんはロシア語も話せたのか」
「少しだけですけどね!」
ケラケラ笑いながら、冗談ですよ!と言えばまたなんとも言えない顔をされたのだが。

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うーん、なかなか色々な人がいるなぁ、と思いながら館長についていく。あと図書館が広い。蔵書も日本一らしいし、併設施設もあるのだからそりゃあ広い。あと、一定数子供の姿で現れる人もいるらしい。ふむふむと頷いていれば、なにやら一人でぶすったれている少年をみつけた。
「彼は?」
「あぁ、あの子は……前にいた司書の置き土産、といえばいいのか……」
困った顔をした館長に「前の司書?」と聞けば、なにやら文豪と揉めたとかで愛人さんと子供を置いていってしまったらしい。おいおい。
「クラーラと同い年くらいかな?」
「ちょっと気難しいやつなんだかま、悪い子ではないよ」
ふーん、と思いながら少年に近づく。やぁ、と声をかければ睨まれたけど。うーん、敵意。特務司書は父さんなんだからな!と言われて逃げられてしまった。
「逃げられたら追いかけたくなるものだけど、今はやめておこう」
「すまない……」
「いや、お気にせず。あれくらいの年の子の相手には慣れてますしね!」
ケラケラ笑いながらそういえば館長はホッと息を吐いた。


「苗字クンって人たらしって言われへん?」
オダサクさんに、いや、私よりエグいのが世の中いるからね、と言えばなんともいえない顔をされた。なんでだ。図書館にきて何日目だったけな。わからないが、まぁ、何日か経ったくらいである。通りかかったフィッツジェラルドさんに手を挙げる。向こうも同時に手をあげた。
「よー!親友!」
ハモった言葉に、「ハッピーアイスクリーム!」と言えばそれも同時である。
「やるな、友よ……」
「次こそ決着つけようぜ!」
そう握手してから別れた。なんなんあれ、と零したオダサクさんに首を傾げる。
「言葉が不意に被る時あるでしょ?」
「あー、あるなぁ」
「その時に先にハッピーアイスクリームって言った方がアイス奢って貰えるっていうゲームをフィッツジェラルドさんとずっとしてる。今のところ勝率は同じくらい」
そう言いながらコーヒーを口に含む。太宰くんが拗ねる気配を察知したのでぐしゃぐしゃ撫でておいだ。はっ!?みたいな反応されたが、気にしない。寂しそうだから、と言えばなんとも言えない顔をされたが。
「ミョージ、ここにいたのか」
ひょっこりと顔を出したのはドエフスキーさんである。
「どうしました?」
「お前に客だ」
客?と首を傾げれば、クラーラがいた。おっ、と声をかければ、クラーラがホッとしたように私をみる。ありがとう、とロシア語でドエフスキーさんに告げたクラーラに、どういたしましてと返すあたり悪い人ではない。
「やぁ、クラーラ、何日ぶりだったかな?こっちにおいでよ。お菓子があるよ」
そう手招けば彼女は周りを伺う。大丈夫、と繰り返せば、彼女は可愛らしくちょこちょこかけてやってきたのだが。とりあえず隣に座らせて、ティーカップなどを普通に準備しようとしてやめる。クラーラにとって私は魔法使いなのだ。とりあえずハンカチを机におき、少し浮かせる。指を鳴らしてティーカップを取り出せば周りが変な声を上げた。わぁ、と声を上げたクラーラは可愛い。ロシア語で話し出しそうな彼女にそっと唇に指をおく。
「クラーラ、この国にはこんな言葉がある。郷に入っては郷に従え。私達は日本にいるのだから、この国の言葉を恐れず喋ろう。練習にもなるしね」
「うん……」
「クラーラ、今日はどうしたんだい?」
「ナマエが、戻ってこないから……」
そう俯いたクラーラの頭を撫でる。
「大丈夫、戻るさ。私が嘘をついたことがあったかな?」
「ううん」
「でしょう?……でもそうだな、知らないことに面するとのめり込んでしまう私の悪い癖がでたね。たまにはそちらにも顔を出すよ」
「うん」
こくこくと頷いた彼女に私は彼女の頭を撫でておく。ドエフスキーさんがこちらを見下ろす。
「ミョージの妹かなんかか」
「みたいなものだね!彼女はクラーラ。クラーラ、彼らは……この図書館にいる作家さん達だ」
「作家?」
「そう、ここにはたくさんの作家がいてね。話を聞くだけで面白いよ。まぁ、みんながみんなハッピーエンドを書くとは限らないけれど」
「ナマエは好きだもんね、ハッピーエンド」
クスクスと笑いながら告げたクラーラに「そんなことはないさ!」と笑う。
「私はどんな形であれ好きだよ。喜劇であれ悲劇であれ、物語であるなら好きさ。でも、現実では私が関わった人は幸せであってほしいとは自分勝手に願っているよ。まぁ、願うだけだから叶わないこともおおいけどね」
ヴァレリーとかな。アイツ私と似たような感じのいい友人だったのに、どこでどうねじ曲がったんだろうな。人間良い人もあれば悪い人もいるのが普通だ。それを私達は受け入れないといけない。こちらを見上げたクラーラに私は肩をすくめてカップをてにとった。
「ところでクラーラ、きちんとみんなには説明してきたのかい?」
「神山さんと、サクラさんには話したよ」
「そうかいそうかい。ということはキミの手元にあるのは神山さん達からの贈り物かな?」
「うん。ナマエに渡すように言われたよ」
そう言ってクラーラは大きな封筒を私に渡す。中にあるのは台本である。次はどんな役だろう、といっても私はよくアナスタシアの対比で悪役またはトリックスター、はたまた魔法使いの役をよくするのだ。
「おや。……これは困ったな」
「どうしたの?」
「いや……キミにぴったりだと思ってね」
「そうかな……」
「あぁ、そうだよ」
彼女の頭を撫でて、もう一度原稿と楽譜に目を落とす。不思議の国のアリス。ルイス先生が書き上げた話をクラリスが戯曲に編じたんだろう。部屋に戻ったら読み込もう。しばらく談笑していればまたノックの音がする。苗字いるか?と顔を覗かせた佐藤先生の後ろにいるのは神山さんである。私が手をあげれば神山さんも手を振ったのだが。
「ありがとうございます」
「いや」
「やぁ、神山さん。クラーラのお迎えかな?」
「あとはキミの様子を伺いにね。みんな寂しがっているよ」
「私は賑やかし担当だからね。私はすこぶる元気さ」
ふふ、と笑いながら言えば、神山さんは「元気そうでよかったよ」と笑ったのだが。
「明後日ぐらいに一度戻って来れるかい?司馬が一度キミと話しておきたいそうだ」
「わかった。明後日は丁度休みの予定だから、一度戻るよ……そんなに私が心配かな?」
「まぁね、君は何も言わずに立ち去りそうだから」
「ははは、まぁ、所属してしまった以上は別れの言葉くらいは告げるさ」
「置き手紙なんてよしてくれよ……」
うーん、先に釘を刺されてしまったか。湿っぽいのがどうも苦手なのだ。気をつけるよ、と言えば彼は困った顔をしたのだが。
「クラーラ、そろそろ戻ろうか」
神山さんの言葉にクラーラが頷いたので、せめて玄関へと送るよ、と声をかけて玄関まで送る。封筒を談話室に置いたままにしていることに気づいてちょっと慌てて帰ったが、誰も読まなかったらしい。いや、多分読むか読まないかという話をしていたと思われる。ぎくり、と動きを止めるあたり。

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「ルイス先生、こんにちは」
「ミョージ?どうかしたの?」
夜ご飯の時である。私はとりあえずルイス先生の隣を陣取り、封筒から原稿を取り出して彼に渡す。まぁ私は読み込んだし、渡しても大丈夫だろう。賄賂みたいとか言わない。
「これは?」
「まぁ、私実は歌劇団に顔を出しているんですけど、そこの脚本家が戯曲に編じた貴方の作品です。貴方がいると知った以上、無断でやるのはどうかと思って」
そう言いながら彼をみる。彼は目をパチクリと瞬いた。
「日本語は読めますか?」
「なんとかね。わかった、読んでおくよ」
「お願いします」
「でも不思議だね。自分の作品が他の人の手によって違う形態になるなんて」
「そうかもしれませんね」
ふふ、と笑いながら私は夕食を食べるとする。今日は好きな唐揚げである。

==

「その時はそういう感情に支配されているからね、困ったことに本気でそう考えているんだよ」
佐藤先生の肩を叩く。彼は胃が痛いというような顔をしている。苦労人だな。
「私が気を逸らしてくるよ。傘と散歩、どちらがいいだろうか」
「あのな、苗字……」
「よし、散歩にしよう」
そう思いながら階段を上がる。まぁ、私は人間じゃない感じなので超常を操れるわけだが、だからみんな魔法使いというのだ。屋上について、やぁ太宰くん、と声を上げる。振り向いた彼は私に止めにきたのか?と尋ねた。
「止めないよ。私も一緒に行こうかと思って」
そう言って彼に近づく。一緒に死んでくれるのか?と聞いた彼に私は笑顔で隣に並んで手を伸ばす。
「君が許してくれるならね」
手を取った彼に私は隣に並んだ。では、一緒に、と背中に手を回す。馬鹿なことはやめろ、と言う周りに、私は躊躇なく足を踏み出す。彼はそんなつもりなどなかったのだろう。目を見開いた。
「うわぁぁぁ!!」
と目を瞑った彼に私は太宰くんと声をかける。がくん、と少し落ちたが、そのまま私は宙を歩くようにける。ふわりと浮き上がった体に太宰君に口を開く。
「太宰くん、目を開いてごらん」
「っ……えっ、はっ!?」

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