2021/12/30
2021年オフラインネタ帳大放出祭7
フランクフルトFCにいる
「ハナちゃん選手だーー!!」
見かけた背中にそう声をかければ、ハナちゃん選手こと花森圭悟が肩を揺らした。ハナちゃん選手、と彼を見つめた周りを気にせず私はぴょこぴょこと彼に近づけば彼は私を見下ろしたが。
「ナマエ、そ、その呼び方はどうにかならないのか……」
「えー、可愛いのに。ケーゴ選手より断然ハナちゃん選手がいい。これもハナちゃん選手が天才だから仕方ないね!」
先回りしてそういえば彼は自分に酔い始めたので気にしない。私とハナちゃん選手を見比べていたアレックス選手が「あぁ」と頷いた。
「どっかで見たことあるなぁって思ったら女子代表の最年少の苗字さんやっけ。ハナ、えらい可愛いあだ名つけてもらってるけど、いつの間に知り合ったん?」
「同じドイツだ……しかも俺が移籍した時ヘルタのスクールにいた……今はフランクフルトだ」
「フランクフルトだよ」
「まだ十番じゃない」
「まだ七番なんだよー。私一番得点決めてるから十番くれてもいいと思わない?」
「……じ、時期になる。ナマエは俺に及ばずとも天才」
「ぶっちゃけハナちゃん選手と今の私の差って年齢による経験差と体格差だから同い年の頃に比べたら及んでると思う」
曇りなき眼でハナちゃん選手を見上げる。いつものやりとりではあるが、彼はふふふと笑うだけだ。
「それなら、一生ナマエは俺に追いつけまい……」
「えー、でもさでもさ、私が28になった時ハナちゃん選手39とか40だよ。その時は流石に私がハナちゃん選手より上手くなってると思うんだよねー」
「それはない……何故なら」
「ハナちゃん選手天才だからね」
あーはいはい、と頷く。そう、天才だからだ、と頷いてふふふふと笑った彼の真似をしてふふふふと笑えばハナの扱い慣れてんなと言われたのだが。
「女子代表最年少ってことは……何歳だ?」
「そこまでは知らんなぁ」
「16歳だ」
「今年で17歳だよ」
「ドイツの女子ユース?」
「いやプロだよ。こう見えても。ビューンって飛び級した!」
ケラケラ笑いながらそう言う。そうかそうかぁと頭を撫でたあれっ君改めアレックス選手はオニイチャンみたいで好きだぞ。
「あ!いた!ナマエー!!アンタそっちじゃなくてアンダー世代の方でしょ!」
「えー、最年少だし、こっちがいい!私ハンデ扱いでよくない!?ハナちゃん選手いるし、アレックス選手いるし、ジョーさん選手いるし、キリュ選手いるし、なにより姉御と持田蓮がいる!」
「可愛い顔してもダメ!ダメダメ!アンタがハンデ扱いでそっち行くとバランスブレイクすんの!持田と組ませたらただの凶悪犯だわ」
そう言ったナナノン選手に私はメソメソしながらハナちゃん選手の服をつかむ。
「酷い……じゃあせめてハナちゃん選手連れて行くね……」
「拉致るな拉致るな。あっちは椿くんと窪田くんいるよ」
「……もう一声!」
「もう一声じゃないの!」
ガシッと私の首根っこを掴んだ広報さんに私は大人しくズルズル引きずられる。
「ハナちゃん選手ー、持田蓮のサイン貰ってきてー」
何故俺が……とかいう台詞は知らない。代表の顔をパシるな!と怒られたが知らん。
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うーん、楽しい。窪田椿組が噛み合うので楽しい他、あんまり関わりがなかった女子アンダー世代とか男子アンダー世代とサッカーできるのが楽しい気がする。開幕すぐにゴール決めて悪いけども、そうしないと向こうは私に対して真面目に取り合ってくれなかろうと言う判断である。一瞬の静寂、のちにワッと湧いた観客と仲間に私は息を吐いたが。
「今の、すごいね!えっと……」
「うーん、ありがとう!椿選手!でもぶっちゃけあれ向こうに本気出させる為のパフォーマンスだから。巻き込んでごめんね!」
そう言えば目をパチパチと瞬かれた。
「嫌だって、男女混合でやる気ないかもだし、アンダー世代だから余計にやる気ないかもじゃん。舐められてるの腹立つからああいうのうっておけば本気出すでしょ?」
ケラケラ笑いながらそう言えば固まってしまった。なんでだ。
「日本最高峰クラスの選手とやるなら本気出してもらいたいじゃん?お祭り騒ぎでま、本気出して負けるならまだしも、本気も出されてないのに負けるのは絶対嫌だ」
「たしかにそれはちょっと嫌だねー」
「ハナちゃん選手と姉御が怖い顔して私みてるからまたね!」
そう言って周りと分かれて、ハナちゃん選手に手をふっておく。あともう一回したら本気出してくれるだろうか。
修正を重ねていくが、流石にプロの中のプロというかやっぱり彼らも修正がはやい。目の前にいる持田蓮とかね。ガシガシ本気で潰しにくるからね。こっちも本気でやり返すけど、やはり年齢による経験差がものをいう気はするのだ。悔しいからしがみつくけど。攻撃の起点が私ってバレてら、と思うので綿谷選手にボールを渡しておく。
「キミ女子にしては上手いねー、しかも最年少なんでしょ?」
「最年少ですねー」
「何歳?」
「今年で17歳」
そう言った瞬間爆笑された。まぁ、すると思った。
「わかっ!!まだガキじゃん!!何処のチーム?ウチの女子じゃないでしょ?」
「FCフランクフルト」
「ふーん……海外なのね。通りで見かけたことないと思った」
「親が日本に住んでたら多分ベレーザのユースに入ってるけど、親が海外なので」
「親は何してんの?」
「f1のピットクルーですね。私が4、5歳の時はトータにいたんですけど、引っこ抜かれました」
うーんそろそろ攻撃に転じたいんだよなぁと思いながら周りを見る。あっちに行った方がいいか、と走り出せば一瞬の好きにボールがくるのだが、持田蓮がきてるわけでして。奪われたくないんだよなぁと耐えてたら複数で来るとかやめて欲しい。やまなりのボールを椿君の前のあたりに飛ばしたけどハナちゃん選手に取られた。ということはカウンターくるじゃん。持田花森間を断つために持田蓮を抑えなければならないわけでして。しかし向こうが一枚上手なわけでして。
「まぁせいぜい頑張れ、ガキンチョ」
「腹立つ!!!」
そう言ってボール奪還に向かう。まぁもうちょっとで行けたのに無理でしたけどね!綺麗に向こうのカウンター決まりました!!腹立つ!!
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「もーーー!!」
「なになにどうしたのナマエ。珍しいね」
「楽しい!めちゃくちゃ楽しいんだけど、持田花森コンビが腹立つから出し抜きたい!」
タオルに顔を押し付けながらそう喚く。いやごめん無視してくださいね!と男子側に行ってから、何に腹立ててんの、と女子選手をみた。
「持田花森間の連携取らせたくないから足掻くけど、あの二人の方が上手だから一歩及ばないのが腹立つ!」
「自分に怒ってんのね」
「そうだよ!他人に押し付けるものじゃないから自分に怒ってる!嫌がらせみたいにマークされてるし!」
「苗字さん、たしかに前半の最後のあたりは持田選手にびっしりマークされてたねー」
窪田君の言葉に私は頷く。
「カモにされてる気がする。悔しい。どうやったら裏書けるんだ……」
「えっと、苗字さんは怖くないの?」
首を傾げた椿くんに首をかしげる。
「うーん、そんなに?」
「えっ……すごいね」
「そもそも私はサッカー選手は全員サッカーに人生をかけてもいいと思えるくらいサッカー馬鹿だったからサッカー選手してると思ってるので、この人こんな発言するくらいサッカー好きなんだなーしか考えてないです。サッカーが嫌になった人はいつかいなくなるし」
私の言葉に椿君が目をパチパチ瞬いて、窪田君が頷いた。
「あー、たしかにそれ言えてるねー。そう思うと怖くないかも」
「暴言を吐くほどサッカーが好きなんだよ結局みんな」
「苗字さんも好きなの?」
「うん、好き。大好き。大好きだから今ここにいて、大好きだから楽しいし、大好きだから負けたくない。年齢の差、経験の差、技術の差、体格の差、そんなものがたくさんあるのはわかってるけど、勝った方が楽しいから勝ちたい」
そう言いつつムッとする。
「……いやこれマジで私が持田蓮にかもられてるのをどうにかするしかなくないか……?」
ハテナをたくさん飛ばす。近くにいたナナノン選手が「ナマエが考えすぎておかしくなってる」と言ったが、いや私が持田蓮にかもられてるの事実だしな。まぁ監督入ってきたからやめたけど。
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細見椿窪田間の連携が素晴らしかったというか、回ってきたボールがとてもよかったというか。一瞬の隙があったから抜きでてそのまま流れるようにシュートを打つ。吸い込まれるようにゴールネットを揺らしたそれが本当に嬉しくて、やったー!と飛び上がれば周りにぐしゃぐしゃと頭を撫でられたというか押し込まれた。いててて、チビになる!!全員で潰しにきやがって。
「ぎゃーー!チビになる!!もっとチビになる!!」
まぁ押し潰されてから監督に交代指示出されるんですけどね。くっそー解せぬ。まぁ時間決まってるらしいし仕方ない。でもまぁ一度は突き破れたのだから私個人的には掴んだものはあった。やったぜ!とベンチ陣とグータッチしてまたぐしゃぐしゃと押し潰され、女子選手とハグをする。めちゃくちゃハッピーなんだな。ハナちゃん選手がじとっとした目で見てくるのでめちゃくちゃ笑顔で手を振っといたが。
日本女子キャプテンの赤澤の姉御にむにっと頬を引っ張られる。いひゃいー、といっても解放してくれなさそうである。
「こんのー、二点も決めてから勝ち逃げしよって!ほっぺたむにむにしてやろうかー!」
「だってー」
「だってもクソもないかなーー??」
「あ、赤澤……ナマエが泣いてしまう……離してやれ……」
そう言ったハナちゃん選手に私はハナちゃん選手ーと助けを求めてみる。まぁ、持田蓮に爆笑されたけど。いじめられている。助けて良心と思っていれば、ハナちゃん選手はまた自分の世界に入ってしまった。助けてくれ。まぁ城西さんに救助されたのだが。ほっぺをさすりながら戻っていればとなりにきた椿くんと窪田くんにハイタッチする。
「苗字さん、すごいいね」
「えっ、なんで?」
「だってあの場面で決めて……俺だったら絶対外してたよ」
「隙間が見えたから、それに沿うようにボール蹴っただけだよ。でも、私が凄いんじゃなくて、それまでの動きが完璧だったと思うんだよね」
「?」
「綿谷選手がガッチャン選手達からボール奪ったのもすごいし、男子選手をかわしつつ細見選手から窪田選手、窪田選手から椿選手へのボールの運び方もよかったし、私はこの辺りにボール来たら嬉しいなーと思っていたからそれを見つけた椿選手も凄い。ということは私含め全員天才!!」
そうバシバシと椿選手の背中を叩く。
「お、おれはなんてまだ全然……」
「窪田選手ー、椿選手がまたなんか言ってるー」
「わはっ、椿くんだいたいそんな感じだから気にしなくていいよー。きっと二重人格なんだ」
「窪ちゃん……!」
「大変だねー」
「ちがう違う!」
そうブンブン首を振った椿選手に私はケラケラ笑っといたが。
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女子mvpもらいました。やったぜ。インタビュー受けるのがちょっとネックだが。
「いや、一点めは向こうが私を舐めてくるってわかってたというか」
ゴールについて聞かれたのでそう答える。
「いや、だって普通に考えてわたしは16歳の女子選手なわけですよ。絶対心の中に油断があったと思うんですよね。だってそんな女子の試合みないでしょ。だから、ああいうの決めたら本気で向かい合ってくれるかなって思って。その点本気かどうかわかんないですけど、こじあけた二点目は最高でした。というか綿谷選手がボール奪ってからの動きやばかったと思うんで帰って録画をみます!」
そう宣言したらアナウンサー苦笑いである。しらん。
「夢のような舞台、いかがでしたか?」
「……自分の能力的に不利な相手とどう相対して行くかを考えるいい機会になりました。普段同じチームで試合してる女子代表を外側から見る機会でしたし、男子選手のテクニックをみたりとか、個人的には持田選手相手に当たって砕けてトライアンドエラーして見て色々つかめたのでよかったです」
そう言ってから、優等生しすぎたな、と思うわけで。観客が戸惑っている。ごめん。
「以上が大人向けの優等生コメントなんで、記事にはそれつかってください。本音としてはすっごい楽しかったんですけど、すっごい悔しいです!!次は絶対持田選手やハナちゃん選手を抜かせるように頑張ります!次は絶対勝つ!!」
宣言すればワッと湧いた観客に、アナウンサーが口を開く。
「では、苗字選手、ファンの方に一言」
「オリンピック期待していいよ。女子も、男子も!」
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「ナマエ、みんなでご飯食べに行くけど来る?」
「行きたい!でも保護者に聞く……」
「保護者ってことはお父さんじゃないの?」
「お父さん仕事の関係で明日日本につくよ。だから今日日本で仕事があったプーニャンときた」
そう言いながらいそいそとスマホを取り出す。プーニャン?と首をかしげる一部をみるに男女合わせての飲み会らしい。みんなオフシーズンだもんな。とりあえず私は日本での仕事をしているプーニャンにラインでみんなとご飯食べに行くことを伝えた。いいけど何処でごはん食べるか教えて。ふむ、保護者である。
「姉御、許可でたよ。何処でご飯食べるか教えてって」
「ナマエのラインに店のアドレス送っとくね」
「ありがとう!」
「あぁ、そうか最年少ということは未成年か。酒は飲むなよ」
「私飲んじゃうとみんな犯罪者ですもんね。飲みません」
城西さんの言葉に頷く。未成年かー、と言った周りにあとからハナちゃん選手ときた持田蓮が私の年齢をばらすのはすぐで、騒ぎになるのもすぐである。
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椿窪田コンビの近くなおかつハナちゃん選手の隣、その斜めぐらいに志村さんとお世話係がいるの笑えるなこれ。しばらくすれば周りが好きなように席を立って騒ぎになってきた周りに私はカバンの中からキーホルダーの大きさのぬいぐるみを取り出して机に並べた。ふふん、ヌイが勢揃いである。サッカーボールを近くにおいて完成である。席に戻ってきたハナちゃん選手と話した。
「ナマエ、何してる」
「ヌイ達の記念撮影してる」
「……もっと大きくなかったか」
「旧モチヌイハナヌイは私の家で今留守番してるよ。これは持ち運び用の新ヌイ!」
何枚か撮影したあとカバンの中になおそうとして、ハナちゃんとハナヌイをとるか、とハナヌイを持って振り返ったら近くの席が私の奇行を見ていた。気にしない。
「わー、よく見たら花森さんそっくりだね」
「……。……は、ハナヌイに俺が似たんだ……」
「ハナちゃん選手私のSNS見てるな?というかヌイまとめ見てるな??」
「ヌイまとめ?」
「ある映画の真似して私が旅先でこのぬいぐるみを写真で撮ってるんだよ。写真みる??」
そう言いつつスマホを出す。わー、と覗き込む二人に私はツバヌイクボヌイを取り出し、ハナちゃん選手のスマホを借りて撮影する。
「あれー?なんかちっさいくぼたんとツバキンいる」
「あ、ヌイ連れてきたの?持ってる姿写真撮ってもらったら?」
「わー、ぜ、贅沢だ……そんなことが許される……??」
「アンタ最年少だから多分大丈夫」
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「ばっかじゃないの」
そう言ってしまったのを後悔する。こら、ナマエと嗜めた姉御に私はオレンジジュースを見つめた。馬鹿みたいだと、思った。天才は孤独だと言うが、そんなわけがない。できないと決めつけてせんを引くのだ。
「私がいなくなって機能しなくなるシステムつくったってさ、私が怪我して離脱したらどうすんの。私抜きで機能するわけないでしょ。なんで年下がでかい顔してんだ、と怒らないの。なんで私が天才だからって諦めてんの。全員頼むから私レベルになってきて」
「さては、ナマエちゃんおねむだな??」
「……うん」
「迎えは?」
「プーニャンまだ仕事おわんない……」
「迎えくるまで端で寝てる?」
「うん……」
そうズルズルと端っこにいく。隅で三角座りすればハナちゃん選手が寄ってきたが。
「ナマエ、どうした」
「もっとサッカー上手くなりたい」
「あぁ」
「私はみんなでサッカー上手くなりたいのに、わかってくれない……」
そううじうじする。これは疲れと眠気のダブルパンチだろう。
「……眠たいからプーニャンくるまで寝る」
「横になるか?」
「いいの?」
「か、構わない。プルシェンコがきたら起こす」
その言葉に甘えてハナちゃん選手の膝に頭を乗せる。ぽん、と遠慮がちに撫でられた頭に目を伏せた。
==
「どう見ても事案じゃん」
「う、うるさい、ナマエが起きたらどうするんだ」
「まー、ナマエすやすや寝てるね。寝る子は育つけど」
「懐かれてんなー、ハナ」
「ドイツで隣に住んでいた」
「苗字ドイツなのか」
「フランクフルトfCだよ。ヘルタのスクールからフランクフルトのユースに行って一年できかくがいにプロに行ったの」
「通りでうまいわけだ」
「まー、ある種の天才だし、周りのメンタルとかモチベーションを上げるの得意だから花森もそのお世話になってるんでしょ」
「ぐ、そんなことは……」
「ハナの扱い上手かったもんなぁ」
「まーこの子人たらしだしモチベーション上げるの上手いからすぐ仲良くなるからね。遠征行っても目を離したら敵チームと友達になってる」
「コミュ力すごいな」
「やぁ!ハナモリ!アネゴ!ナマエはいるかな?」
「プルシェンコ……」
「ゴメンネー!ちょっとインタビューが長引いちゃって。ナマエ寝てるの?」
「……寝てる」
「わー、よく寝てるねー!ハナモリ、治安に見えるから気をつけなよ!僕たち側はもううるさくないけど、君たち側多分うるさいだろ?」
「……」
「プルシェンコさん珍しいですね」
「まーね!というより、ユウトクがついてこれないことが珍しいんだよね!」
「何かあったんですか?」
「ユウトクこの時期になると整備に力をとても入れるからね。調整が続いてるんだよ。偶然僕が日本に来る仕事があったからついてこれたけど。お腹減ってるんだ、つまんでいっていいかい?」
「どうぞどうぞ」
「ありがとう」
「おっ、誰だ?」
「苗字の保護者らしい」
「……プルシェンコ・ニャントリーニ?」
「おや?僕を知ってるのかい?珍しいね!」
「岩淵知ってんの?」
「前年度f1のドライバーズ2位だ」
「うーーん!!ナマエにメンタルヨイショされたウィルに最後の最後に抜かされたからね!!!腹立つよね!!この子メルセデス社の子なのに敵に塩を送るの辞めてほしいんだよね!!」
「メルセデス社?」
「日本じゃベンツって言ったほうが通じるんだっけ。この子のお父さんがf1でも腕利きのエンジニアなんだよ。僕の車体の整備もしてくれてる。だから僕はこの子が6歳くらいからの付き合い」
「なんでサッカーしてんの?コイツ」
「それ僕らが1番知りたいことなんだよねー。母親はレーサーだったし、血筋的にはいいとは思うけど。まぁ、僕が初めて見た時からサッカーボール持ってたし、僕もユウトク達も面倒を見れない時があったけど、地元の子や観客や別のチームの人とサッカーしてたし」
「母親の話初めて聞いた」
「そうだっけ?まぁ、ナマエの母親はナマエが小さい時にクラッシュで亡くなってるからね。本人も多分母親は覚えてないよ」
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