2021/12/31
2021年オフラインネタ帳大放出祭63
「あれ、今日はアカカゲくんなんだ」
そういったカカシ先生に苦笑いをする。なんとなくというより、任務でついアカカゲになってしまいそのまま終わったからである。おかえりなさい、父さんとちょっと恥ずかしい気持ちも混ぜて言えば彼は目をパチパチと瞬いて、ただいま、と、頭をぐしゃりと撫でたのである。もうちょっと撫でてほしいなと思いながら見上げてしまったのが運のつきというか。カカシ先生はぐしゃぐしゃと私の頭を撫で始めるのだが。途中でこれはいけないと元の姿に戻ったのだが。パチクリと目を瞬いて彼を見上げる。あ、お父さんだ、とニコリと笑う。
「アカカゲは?」
「満足したんじゃないかなぁ」
「そうなの?」
「うん。夜ご飯はね、アカカゲが作ってたみたいだし、なんだろう」
と言いつつ下されたカカシ先生の手を頭の上に持ってくる。私も褒めてほしい。ぐしゃぐしゃと撫でたカカシ先生に、花を飛ばす感じでほっこりしていれば彼は「ナマエ」と屈んで私に視線を合わせた。
「アカカゲもだけど、あんまりそういうこと他の大人にしないでちょうだい」
「?お父さん達にしかしませんよ?」
「そう、ならいいんだけど。ナマエ達もロリコンさんやショタコンさんが寄ってきたら嫌でしょ?」
その発言に刻々頷いておく。いや、アカカゲも結構ショタコンホイホイだから。しかしながら、ナマエ的にはショタコンが何か聞いておくしかない。明後日の方を見て、ショタコン?とちょっと首を傾げれば、アカカゲぐらいの男の子が大好きな人のことだよ、と言われたが。ほほう、と手を叩いてから、マチちゃんみたいな!といっておいた。いやあの子はオタク拗らせてるからだとおもうが、どうも身振り手振りがやばい時があるのだ。マチちゃん?と首を傾げたカカシ先生に、同じ班の人!と言えばなんとも言えない顔をされたが。
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何度か簡単な任務したり、難しい任務もサクサクこなしたりする。里外の任務あるし意外とこの班は忙しいのでは?と思っていれば、シカダイくんを見つけた。
「あ、シカダイくん」
「あぁ?ナマエじゃねぇか」
そう振り返ったシカダイくんに、久しぶり〜と手を振る。同じく手を振った彼は立ち止まってくれてるので小走りでおいついた。
「久しぶりだな」
「うん、里外の任務が多くて、私もマゴもあんまり里の中いないんだ」
「通りで掴まんねぇはずだよ。そういや、先生入れて三人でやってんのか?」
「ううん、前年度の卒業生の子が一人いるから四人だよ」
ほわほわしながらそういえば、「先輩ってことか?」と返されたので、頷いておいたが。
「糸織マーー」
「あーー!いけません!!ナマエちゃん!!マゴイチくんに黙って、おデートですか!!」
「おい、うるせーぞ」
「……糸織マチちゃんっていってあのちょっと変わってる子だよ」
そう言えば、シカダイくんは見るからに変な顔をした。うん、キャラ濃い。マゴイチがやれやれしながらやってくる。
「久しぶりだな、シカダイ」
「マゴイチ、久しぶりだな」
「デートか?」
「さっきそこであったの」
シカダイくんに、いらぬ言葉をかけるんじゃない。マゴイチに無言の圧をかける。向こうはひらひらと手を振ったが。マチちゃんが興奮冷めやらぬというふうにしているので口を開く。
「マチちゃん、紹介するね。奈良シカダイくんだよ」
「糸織マチです。よろしくお願い申し上げます。お友達になってください」
そう手を差し出しながら頭を下げたマチちゃんに、シカダイくんは、奈良シカダイだ、といいながら握手に応じた。
「マチ先輩と三人ってことか」
「先輩呼びじゃなくていいよ!!実力私の方が下だかんね!」
「こら、マチちゃん、それは言わないって約束したでしょ!」
めっ!と子供を叱るように言えば鼻を押さえたマチちゃんに、マゴイチが「逆効果だぞソレ」と突っぱねたが。
「えっと、二人はデート?」
「んなわけあるか。俺は親父の夜飯つくりに病院行くんだよ。コイツはただのお使い」
「またバンサイ先生泊まりがけなのかぁ。ほどほどにしないとダメなのにね」
「ホントにな、年なんだから辞めとけっつってんのにな。アイツ若くねぇんだよ」
やれやれしているマゴイチの背後にクマがやばい仁王立ちバンサイ先生がいるのだが。
「マゴ、マゴ、後ろ」
「あ?……親父じゃねぇか」
「誰が、年だと?」
そう言って拳骨を落としたバンサイ先生に、マゴイチがいてっと大人しく殴られている。それを見たマチちゃんが「ひぎゃ!?」と叫んだ。私はそれをスルーしつつ口を開く。
「バンサイせんせ、ちゃんとおやすみしなきゃダメですよ」
「わかってるんだがな……」
目頭をほぐしたバンサイさんには恐らく色々仕事があるんだろう。なるほど疲れている。
「親父また連続勤務やってんだって?そろそろやめろよな、六代目と年近いんだから若くねぇんだぞお前。お前の部下からお前を休ませろって言われる息子の俺の身にもなれ。帰るぞオラ」
パシパシ殴るマゴイチをかわすバンサイさんは大人しく帰るらしい。じゃあなー、と手を振った二人に手を振っておく。
「アイツの親父さんも忙しいのか」
「うん、医療忍者としても医者としても忍者としても腕が立つから、なまじ難しいのはバンサイ先生に行くみたい」
「ふーん、そうなのか……で、マチさん?は大丈夫なのか?」
「らいじょうぶ、らいじょうぶ……私もお暇するね」
鼻血を根性で止めたマチちゃんはそのまま走って消えた。
「うーん、マチちゃんは今日も元気だなぁ」
「そういう問題か?」
「うん」
そう言いつつシカダイくんを見上げた。
「シカダイくんは今日休みなの?」
「休みっつーか、任務終わったあとだな。ナマエは?」
「今日は任務も修行もおやすみ。今からお茶するんだけど、一緒にどう?試しにお茶菓子作ったから、試食して欲しいな」
そういえば彼はしばらく考えたのちに、行く、と返したのだが。ちなみにワンコだったり鮫っぽい生き物にしたのは仕方ない。まぁそのあと、シカダイくんとカカシ先生と三人でほっこりお茶して作りすぎたお菓子を持って帰ってもらったのだが。まだ余ってるんだよなぁ、と残ってるお菓子を見る。
「それにしてもたくさん作ったね」
「お菓子屋さんの任務で、教えてもらって、つい……あ、蝶々ちゃんとかアンコ先生にあげたらいっかぁ」
「ナマエ、その気はないんだろうけどあんまりたぶらかしちゃダメだよ」
「……?」
そう首を傾げる。いや、私としてはお菓子を作りすぎた故に誰かに食べにきてもらいたかったし、マチちゃんもマゴイチ達も帰ったからシカダイくんしかいないというか、と思っていたが、そういやデートデート言われたな、と手を叩く。
「あぁ!デート!」
カカシ先生がめちゃくちゃ苦笑いしたけど、私も苦笑いする。いやこれは、うん。ちなみにお菓子は近くを通りかかった七代目に渡した。ちょっとした時間にぜひ一家で食べるといいよ。
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砂隠れとの合同任務である。まぁ、下忍同士であるし、国境付近の盗賊云々だから合同で任務するらしい。問題児が少ないというか、まぁ他の里に失礼はないだろうし優等生な方で任務達成率がいいから(意訳)で白羽の矢がたったのがこの班だったというわけである。ついでに言えば、風影の養子がいるところに連れて行くには七代目の実子であるボルトくんか、六代目養子になった私かという二択もあったみたいであるが。
「シンキくん、大丈夫?」
そしてついでに分断されて風影養子なシンキくんと一緒である。まぁこれで彼も敵ならと思ったが、多分そうではない。大丈夫だ、と答えた彼に一応医療忍術を施しておく。我愛羅くんとよく似た術を使うが、分断される時にちょっと傷ができたのだ。よし、これでオッケーだ。周りを警戒しつつ彼を引っ張り起こす。
「ナマエと言ったか。ありがとう、助かった」
「どういたしまして。シンキくんはどう思う?」
「どう思うとは?」
「私はこれ身内争いさせる気満々な作戦だと思うんだよね」
こう困ったように言えば、彼は少し考える。
「お互いの立場が立場だからか」
「そう。私達からしたら砂隠が怪しく見えるし、砂隠からしたら私達が怪しく見えちゃう。木の葉隠れの任務はただの盗賊云々だよ」
「こちらもだ。お互いの立場が立場なだけに二人で分断されたのは困ったな」
「ついでに盗賊だか他の里だか抜け忍狙うなら私達かなぁ」
そう言いつつちらりと視線をずらして背後を見る。背後に一人。シンキくんも同じくそちらではない方向をみた。右斜めに一人。
「背後は任せていいかな?」
「わかった。右斜めは任せる」
「一二の三でいこう」
そう言えば彼は微かに頷いた。いち、にの、さん、で私は右斜めの人を、シンキくんは私の背後にいた人を捕まえたというか、気絶させたというか。ずるずると引きずって合流する。我愛羅くんみたくシンキくんもそう言う感じか。砂鉄か何かだろうか。
「すごいな、初めて見る類だ。風影様は砂を操るときいたことがあるけれど、その類?」
捕まえた人をきつく縛りつつ、親指を結束バンドで固定しつつそう尋ねる。彼は「まぁ」と言ったが。
「うーん、特殊だから、今の時代に一方的に知るのはよくないか」
そう言いつつ縄を凍らせる。
「氷遁?」
「うん、僕も内緒にしとくし、内緒にしておいてほしい」
ぽん、とアカカゲスタイルに変化しておく。
「男だったのか?」
「いや、僕らは多重人格でね。僕とナマエの人格がこの体にはいるんだ。あの子は争いがあまり好きではないから、こう言う場面は僕がでる。僕はアカカゲだ」
そう言って握手を求める。彼はシンキだと名乗って握手をしてくれるあたりいい子である。
「さて、シンキくん、これからどうする?二人でこの二人に変化するのもあり、一人が変化して一人を仲間の元に連れ帰って油断を誘うのもありだけど」
「……では、どちらも分身した上で変化して二人とも連れ帰るのはどうだ」
「天才。それが一番いい」
ぽん、と分身を組む。ナマエの姿で現れたその分身に、私は男に変化した。ついでに綺麗すぎるので、ちょっとよれっとした感じにしておく。あとは土遁で敵を野獣に襲われても対処できるくらいに埋めておいた。
二人して合流してほら見ろ的な感じになった敵には悪いが、先生に手を振って合図しておく。シンキくんも同じように合図していたが。ということで、全員で油断した相手を容赦なく撃退する運びになり、任務は結構早く終わったとだけ。
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「シンキくん、またいつか」
そうひらひらと手を振っておく。彼はフッと笑うと小さく手を振った。
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「うーーん」
そう言いつつ困り顔をする。なんで決勝は四人でバトルロイヤル形式なんだ。どうせならもう一回一人同士で戦って決勝も一対一にしてほしかった。はぁ、とため息をつく。こんなことならマゴイチに大人しく負けておけておけばよかった。いや、それはそれでちょっと気に入らないと言うか。まぁ恐らく彼は中忍になるだろうが。
「ナマエは確か争いは好まないんだったな」
そう言ったシンキくんに目をパチパチ瞬く。アカカゲから聞いたの?と尋ねておけば、彼は頷いた。
「性格の主導権はお前だろう。何故忍びに?」
「うーん、私はこの里に拾われたし、色々よくしてもらってるし、この里に恩返ししたいからかなぁ。あ、でも、そのうちアカデミーの先生になるつもりだよ」
ほわほわしながらそう言えば、アカデミーの先生?と返した彼に「うん」と頷く。
「自分がしてもらったことを、してあげれればいいなって」
「……そうか」
彼はそう頷いて、それも大事なことだな、とだけ返したのだけど。
「シンキくんは?」
「義父上の率いる砂隠れが一番強い。それを体現するためには俺は一番でなくてはならない」
たしかに風影様は強いね、と頷いておく。
「でも、強さには色々あるよ」
「?」
「……まぁ、とりあえず、勝者は一人だけど、お互いに頑張ろう!」
そうにっこり笑ってハイタッチを求める。彼はまたフッと笑って一応ハイタッチしてくれるあたり優しい気はするんだよな。
私が人数の関係でシンキくんと同じ方向から現れたし、喋ってだのが見えたのか裏切り者ー!と言われてしまった。
「いやー、でもね、入場同じ場所だし……」
「ナマエは下がっていろ。先にこの二人を片付ける」
「えぇ……?」
シンキくんの言葉に困った顔をする。いや、それはそれで困るというか。このこと一対一は結構辛いぞ。お前と手合わせがしたいと言われた上に、本格的にぼっちになる。えー。ボルトくんサラダちゃん連合vsシンキくんになりそうな感じなので、これはため息をつくしかない。守られるのは癪だしなぁ、と思いながらまぁ大丈夫だろうけどシンキくん側でサポートしておく。
「ナマエ!なんでそっちについてるんだってばさ!」
「いやだって、うーん、こうなったら二対二の方がいいかなって。シンキくんの邪魔にならない程度にフォローするだけだし……」
と言ってもやることほぼないんだけどな。血継限界は五大要素の合わせ技なので、恐らく磁遁は雷遁と土遁の合わせ技だろうか。それを利用して我愛羅くんと同じことをしてるんだろう。あとは、砂隠れと言えば傀儡の術も興味あるんだよな。そちらはなんとなくカラクリはわかってるのだが。飛んできたボルトくんの分身にチャクラの糸をつける。くるりと回って別の場所に移動して、忍具のポーチから笛を取り出した。彼の近くを通る時一応は協力関係なので、ボソッと口を開いておく。
「シンキくん、幻術じゃないから安心してね」
「わかった」
彼の後ろに着地して笛を鳴らす。ひゅるりとならせば、ボルトくんの分身のうち二つが動きをとめた。
「ちょっとボルト!」
「俺たちのせいじゃないってばさ!」
ひゅるり、ひゅるりと笛を奏でれば相手は意に反して味方側に攻撃を出すのだが。まぁサラダちゃんの写輪眼ですぐわかるだろうが、目眩しにはいいだろう。というか、若干のパニックにはもってこいだというか。その隙にまぁシンキくんの攻撃が入りますよね。ひゅるり、ひゅるりと鳴らしていれば幻術を警戒したサラダちゃんが写輪眼をしてチャクラの糸が見えたんだろう。
「チャクラの糸……!?じゃあ、これって……」
ひゅるりと鳴らしながらボルトくんに向かわせたら、サラダちゃんがチャクラの糸を突っ切ったが。そのまま自由になった体でこちらにきたボルトくんに手裏剣を叩き込みつつ、にっこり笑う。
「でも、敵は私一人じゃないよ」
「なっ、」
「きゃあ!」
「サラダ!」
こういうことになるんだよなぁ、と笛をなおしながら思う。
「うーん、傀儡の術って難しいや」
「……生身の人間でやるのは砂隠れの忍でも難しい」
「無理矢理って感じだったからなぁ」
雷遁雷弾と手裏剣の合わせ技は土遁で相殺しようとしたら磁遁で止めてくれた。軽く近くに落ちた砂鉄にチャクラを馴染ませてみる。雷遁を使えば少し操れる。なるほど、やはり雷遁で磁力を作り出している。
「さっさとこいつらを片付けてお前と戦う。そして砂隠れが一番だと証明する」
「そうなると先代火影の子供として負けられなくなっちゃうなぁ」
まぁ、もう一度起こった爆発の隙に私はシンキくんに化けておくのだが。そうしてチャクラを馴染ませさせてもらった砂鉄を操ってみる。これにはあまり磁力は関係ないかもしれないが、威力は恐らく弱いし。伊達に先代の子供をしてないんだよなぁ。
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「いやぁ、ナマエってすごい飲み込み早いのよ。俺が教えた忍術、全部どうしてそうなるか術の仕組みを理解して覚えるの。そして、そのスピードが尋常じゃない」
「えっじゃあ、」
「多分、砂隠れの子をみて、考えて、どうすれば似たものができるか理解したんじゃない?傀儡の術だって俺は教えてないよ。親バカだって言われるかもしれないけど、ナマエはアカカゲの面も含めて天才だよ。ホント」
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ボルトくんの術に結構ガチなスピードで印を組んでしまったというか。印を組むところが見えなかったし、タイムブランクがない上にボルトくんの今のレベルを考慮すると片手印でここまで威力が出るとは思えない。水遁同士で相殺したのはいいが、水の上にいると雷遁が危ないため、ぴょんとシンキくんを連れて壁に張り付いておく。なんだろうか。砂鉄で足場を作った彼に手を離す。
「……今の、印を組むの見えました?」
「……いや」
「おかしいな……」
なんだ、とじっと彼を見る。影分身、は、彼の手元が動く。が、違う術をする時、は。何かカプセルのようなものが手に落ちる。その瞬間、現れた雷遁に私は変わり身を利用してまた距離をとった。高い塀のへりに立って見下ろす。うーん、もう一度きた攻撃にシンキくんが吹っ飛んだ。制御ができないという感じでもない。シンキくんに油断した彼に一気に距離を詰めて例の腕を捻りあげる。なおかつ周りに見えないようにその部位を見る。まるで機械のようだ。ふむ、なるほど。
「わ、なんだこれ見たことないや。すごいね、どうなってるの?」
そう言えば、影分身が攻撃にきたのでもう一度距離を取る。
「さっきの術、それでやったんでしょ?チャクラを増幅って感じじゃないな。忍術を召喚してるみたいだった。面白いね、その機械。もうちょっと色々みたいな」
「……ナマエは怒んねーのか?」
「道具に使われるならともかく、使いこなせるなら僕はいいと思うけれどね。それ込みで君の実力ってことで」
「僕?」
「おっと……」
そう言って口を両手で塞ぐ。素でカゲマルモードを出してしまった。
「まぁ、優勝にはぶっちゃけ興味がないけれど、ボルトくんのそれには興味があるな……」
さてここからはナマエの外見でやらない方がいい。フードを被る。そうして男の子バージョンにかわっておいた。
「これでよし、やろう」
そう言ってフードを外す。誰だお前と言われたのでにっこり笑っておく。
「僕はアカカゲ。ナマエの中にいるもう一人の人格さ。よろしくね」
「はぁ!?んな話聞いたことねーぞ!」
「ナマエも僕もあまり言わないからね。僕はあまり表に出ないから。あぁ、でもシカダイくんとシンキくんは知っているけれどね。じゃあ、そういうことで」
ぱんっと手を叩き彼を見る。
「君はそれ込みでいい。僕も結構本気でいくよ」
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いやー、面白いなぁ、と思ってボルトくんの機械(仮)と手合わせしていたら私が吹っ飛んだ。空中で体勢を整えて反撃しようとしたら影分身七代目が飛んできて私をキャッチしたて客席に降りたが。本体はボルトくんの腕を掴んでた。
「さすがアカカゲだってばよ」
「七代目、それはボルトくんに言ってあげたほうがいいですよ。ちなみにやりすぎた僕は後で父さんによる説教があります」
そう言ってちらりとカカシ先生をみる。うーむ、にっこり笑ってらっしゃる。
「どうであれ僕は場外に出たわけですし、負けですかね」
「いや……アカカゲは気付いてたろ?」
「ボルトくんの機械みたいなものですか?いろんな道具があるんだなと思って見てましたが。とても興味深いものでした」
「あれは科学忍具だってばよ」
「へぇー、すごいな。科学で忍術を分析した人がいるのか……忍具に使われるのではなく彼は扱えていたからいいのでは?」
「ダメだ。あれはボルトの実力じゃない。此処はあくまで実力を見せる場だ。失格にする」
私を塀の上に下ろした七代目の分身が消える。私はそれを見送る。見下ろせば七代目とボルトくんが何か話してるのが見えた。
「おつかれさま、アカカゲ」
「父さん。申し訳ありません、少しやりすぎてしまいました。あの機械みたいなものが面白くって」
「やっぱり気付いてたのね。気付いてるならはやくに申告すればよかったのに」
「アレが違反だとは思わなかったし、興味の方が強かったので」
「なんでわかった?」
「バンサイ先生、気付いたのは僕ではなくナマエですよ。ボルトくんが印を組むのが確認できなかった。でも、彼の実力に似合う片手印の威力ではないし、そもそも印を組むタイムラグがなかった。だからあの子はこう考えた。口寄せのように忍術を召喚したんじゃないかって。だから僕は彼女の代わりに彼の術を扱う前の動きを注視した。結果、印を組む以外で発動したものは術の前に何かカプセルのようなものが袖から落ちていた」
「掴んでたのはだからか」
「クナイを構えず取り押さえたのはおかしいと思ったけど、ちょっとやりすぎかな」
それに目を泳がせれば、カカシ先生がデコピンした。痛い。
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大筒木一族の襲来に口寄せでカゲマル呼ぼうとしたらカカシ先生に担がれて外に出た。
「アカカゲ、本戦でチャクラ結構使ったから無理はよしたほうがいい」
「しかし、」
「優先事項、アカカゲとナマエならきちんとわかるね?」
そう真っ直ぐこちらを見たカカシ先生に私は変化をといてこくんと頷く。避難誘導しろということだろう。それでも、と、チョン、と彼の服をつまみ、口を開く。
「……お父さんも、バンサイ先生も、死なない?」
「大丈夫、俺も避難誘導するだけだから」
ポンと頭を撫でたカカシ先生に私はもう一度頷いて手を離す。そのままマゴイチやヤサカくん、マチちゃんと合流して避難誘導にあたるのだけども。
随分と、大切な人として分類してしまったなと思う。我ながら呆れてしまうのは確かだ。この世界には大切な人が多くて、みんな温かくて、みんな生きていて、みんなが笑っている。私が帰る世界には誰もいない。忍は私一人で、彼らも先生達もいない。
「……当たり前が変わってしまった」
そう小さくぼやいて民間人を助け出す。私はこの世界から帰るときにきっとこういう情も捨て置かなければならない。
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「父さん、一ついいだろうか」
「どうしたの?」
「カゲマルともう一人のナマエはこの里に来る前、忍は道具だと身をもって教わっていた。アイツらはそれ故に与えられたものに感情を抱くことはなく、任務を遂行できる。仲間でも、恋人でも殺せる、それがあの二人だ」
「……それは、どうしてかアカカゲは知ってるの?」
「最近よくあの二人の記憶を垣間見るからな。あの二人は僕と同い年だった時くらいか。七人の師がいたことを貴方は?」
「聞いたことあるよ。どうしてそうなったかは知らないけれど」
「まぁ、簡単な話、里を超えた忍びを作ろうという計画だったらしい。優秀な子供に各里から招いた優秀な師をつけて、優秀な忍を作ろうとした。その時選ばれたのがあの人、まぁ、もう一人のナマエだった」
「……」
「カゲマルは女は参加できなかったから、ナマエが変化してそれでまぁ選ばれたらしいんだけどな。あの人にとって彼らは家族も同然だった。でも、その提案をした人物が、師を殺せと命じた。ナマエは逃げようとした。でも、先生のうちの一人があの人に殺されたように見えるように首を貫いて死んだ。生きろと願われたからあの人は師を殺し、感情を捨て、生き残った」
そこで釘って私はカカシ先生をみる。
「だけれど、今の僕も、今のナマエもそれはできない。僕もナマエも貴方や仲間を殺せと言われても殺せない。それは、道具であるはずの忍のあり方としてきっと正しくない」
「……殺さなくていいよ」
くしゃりと撫でられた頭に手元をみる。そっと抱き寄せられた体に、彼の服を握る。
「そんなことしなくていい。殺さなくてもいい。忍は道具じゃない。忍だって、人間だから、感情を抱いたっていい。ナマエもアカカゲも、そうならなくていい」
「……っ」
ポンと変化をとく。
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