2021/12/31

2021年オフラインネタ帳大放出祭82




「四皇とはまた懐かしい呼び名だな。だが、残念なことに、今と昔では人が違うだろう。そなたがさすは今の四皇。久秀がさすは、昔の四皇よ」
そう言った帝に、ワシは目を伏せる。そうだ、自分ではない。三人に並び立つのは決して自分ではなかった。
「そうだ、天女よ。天女の力を持っても、あのモノは呼び寄せれなかったか……」
天女の背後から現れた松永はゆっくりと歩みを進める。
「さらばだ、天女よ、あのものを呼び寄せれぬならば貴殿には用がない」
そう言って、松永の手は指を鳴らすために伸ばされる。天女さま、と周りが駆け出す。間に合わない、と、誰もが思った。しかし、爆発より先に光が何かを型取り彼女を連れて下がった。
「危ないじゃないか、久秀殿。それはやはり、人に向けるものではないよ」
その声の持ち主を知っている。黄色い羽織をきて、フードで顔を隠したその人を知っている。天女に大丈夫か?と声をかけたその人、天女殿は誰?と震える声で聞いた。
「誰だろうな。私はこの世界では死んだんだ。率いるものも無くなった今、名乗る名前はない。死者は蘇ってはいけない」
そう言って天女殿を近くに下ろしたその人はフードを外す。
「貴殿の怖がるような呼びかけが聞こえてな。心配だからこの場所に戻って来てしまった。怖かったな、もう大丈夫だ」
そう言って天女殿の目線に合わせて屈んだその人は、ぽん、と彼女の頭を撫でる。そうして立ち上がると、周りを見渡して、そうして松永をみた。驚いているらしい。珍しく微かに目を見開いていた。
「久秀殿、まーた喧嘩をうったのか。信長公か、秀吉殿か、それとも帝か。全く、貴方はすぐそういうことをする」
「……これは恐れまいった。まさか本当に呼び寄せることができるとは」
「ふははは、菩薩の元より戻ったか。良い、良い、今宵は宴、ぞ」
「信長公、それは酒宴か?それとも戦か?後者なら遠慮するが」
「息災か、友よ。そなたが闇に討たれたときいた時は驚いたが」
「息災だから元の場所に戻っちゃダメか?」
「この世界に戻ったお前には寄る方がいないな。豊臣にくるがいい」
「だからこれが済んだら元の場所に戻ると言ってるだろう」
はー、とため息をついたあの人に、松永が口を開く。
「では、どうだ?私と共に津々浦々の旅をしては」
「あぁもう貴方達は話を聞く気はないな」
はーあ、とため息をついたその人は笑みを浮かべる。まったく、貴方達は、と目を伏せたあの人に、松永が口を開く。



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雑多 

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