2022/12/31

2022年度没ネタ整理1

・むそばさ

「公方さ……」
「しーっ、久秀、私のことは適当に……そうだな、元信とでも呼んでくれ」
「……何してるんです」
「田植えだ」
「田植え」
「なかなか大変だが、色々と民の話が聞ける」
「元信さん、隣の息子さんが咳をしていてねぇ、いい薬はな……」
「咳か。ちょうど持ってる薬で足りるだろう」
「元信さん、隣の方は」
「あぁ、どうやら武家の方が迷い込んだらしくてな。道を説明していたんだ。お武家様、もう道は大丈夫でしょうか?」

・みたいな感じで無双世界の足利になってる元信
・最後暗殺されるからな

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「何やら愉快なことになってるな」
そう言って顔を覗かせたら一部が固まった。なんでだ。こちらの松永久秀殿がピシリと固まっている。私はそれを気にせず、あたりを見る。見たことない人ばかりだ。まぁ一部時間が被っている人はいるのはいるのだが、見た事がない人の方が多い。
「公方殿……?」
「久しいな、久秀」
「公方殿が何故こちらに?」
「いや、いつのまにかこのような場所に迷い込んだようだ」
「また、貴殿は付き人を剥がして一人で外を?」
「あぁ、そうだ」
「公方殿、そんなことをしてたのかい?」
「む、元就、久しいな。元気にしていただろうか。安芸に是非とも行きたいんだが時間が取れなくてな……おっと話が逸れた。結構やっていたぞ」
「遊びで?」
「うむ。民に混じって田畑を耕してみたり、田植えや稲を刈り取ったり、商人と語らったり、町民と盃を交わしたりなんぞしている」
ケラケラ笑いながらそう言って馬を撫でる。
「そうでもしないと私は民の暮らしがわからないからな。この世界はあまりに広いのに、私のいるあの世界はあまりにも狭い。其の方らと文をかわして領土の様子を見るもいいが、実際に見聞きした方が好きだからな」
ははは、と笑ってそう言えば久秀がめちゃくちゃ微妙な顔をしている。まぁ、彼の上司と共にその時その時に騒動になってるからだろうけど。一部がなんとも言えない顔をしてるのは私が死んだ後から来たからだろうか。私は暗殺されたがまぁ二条の城なおかつ部下がいるところで迎え撃ったあとに暗殺されてるからな。あんまり関係ない。
「ふふっ、久秀も元就もそんな顔をするな。もしも、私が死んだとて、それはただ私は日の本の歴史に殉じただけのこと。私が朝廷よりその任を下された際から、いや、生まれた時から決まっていたことだ。私は別に誰を恨むこともない。始まりがあるのであれば終わりがあり、栄えがあるのであれば衰えはある。そうしてこの国は先に進むのだ」
「……何をおっしゃいますか」
「ふむ?私が知らない将もいるから、てっきり先の世か何かなのかと思ったのだが……まぁ、そんなことはいいか。人は必ず死ぬだなんてものは誰でも理解はしていよう。其の方、少々弓を借りる」
そう言って近くにいた兵から弓を借り、飛んで来た矢を掴む。そのまま素早く飛んで来た方向に放てば呻き声がした。驚いたようにこちらをみた妖に元就から矢を三本借りる。そうしてそのまままたその背に向かって三本射る。全部に突き刺さったそれを見つめた。それをみて蜘蛛の子を散らすように逃げる。
「お見事!やっぱり公方様の武勇は些か恐ろしい程だね」
「飾り物だから意味はないがな。しかし、なるほど、アレらは人ではないのか」
「妖魔というものだよ」
「ふむ、妖魔か……あちらは?魏蜀呉と言えば三国史ではあるが」
「あぁ、そうだよ。彼らはそうだ。色々あって三国時代と混ざったんだ」
「ほう……私の直接の臣はいないんだな」
「?いないね」
「なりません!!なりませんぞ!!また貴殿はそのようなことをする!!」
「久秀、何も言ってないぞ」
「吾輩はわかっている!どうせ公方殿は『じゃあ私が流浪しようが誰かに仕えようが自由だな!』とかなんとか言って適当な三国のどこかに仕える気でしょう!!」
「ははは、松永殿、さすがに公方殿もそんなことするわけが……」
「あっはっはっ!なんでわかるんだ、久秀」
そうわりかと本気で返す。彼ははぁぁとため息をついて肩を落とした。他が二度見したけど。


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振り下ろされていた刃を止める。まぁ、掴んでそのまま弾き返したが。ふーむ、一撃がとんでもなく重い。かわさせるために咄嗟にこかしてしまった人を見下ろす。服装から見ても三国側だろうか。
「大丈夫だろうか?すまないな、こうするしか思いつかなかった」
「……えっと、助かりました」
「なに、間に合ってよかった」
ふっと笑ってから、攻撃をしてきた彼を見る。




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「そうだな、我らに出来ることはあまりにも少ない。我らは意志を持たぬ人形である方が都合が良いのだ。特に大人にとってはな」
そう言って肩を竦める。事実、私に権力を与えようとしなかった貴族側も、部下の一部もそうであったのだ。
「私が言えるのはまずは全てを飲み込むことだ。自分がどのような存在であるのか、期待も、失望も、周りの言葉。運命さえも。全てを飲み込み、受け入れ、」
盃から献帝をみる。彼はこちらをみたままだ。だから私は笑みを浮かべて口を開くのだ。
「ーー全ての民を愛せ」
「全ての民を?」
「悪人も善人も、貴族も農民も、富む者も貧しいものも、元気なものも病人も、己に仕えてくれるものも、己を殺そうとするものさえも。この世に生きる全てを、そして全ての起こりゆる物事を愛せ。自分の運命も。それは形だけであっても、頂点に立つ我らにしかできないことだ」
ケラケラと笑いながらそう告げて、もう一度盃をみる。
「そして、同時に特定の誰かを愛してはならない。それは不穏の種となり後に芽吹く」
そう言って盃に入った酒を飲む。私は特定の一と仲良くしてしまったから、後に臣下がその人物の暗殺を企て、その因果応報で殺された。
「それでは酷く孤独ではないか」
「そうとも言うな。だが、仕方あるまいよ。貴公も予もそう言う立場に生まれたのだから。まぁ、今は珍しく貴殿と言う同じような立場はいるがな」
ケラケラと笑いながら立ち上がる。
「献帝よ、愛せ。自らの運命を。自らの生を。自らの死を。我らは先の時代の土台にしかすぎない。先人たちがそうであったようにな」
「剣の帝よ、貴殿は殺されても、そのものを赦すのか」
「ああ、赦す」
「愛するのか」
「あぁ、そうだ。愛する。何故ならその人物もまた、私にとっては民だからだ」

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「私にはかつて友垣……そなたがいうダチがいた。年は親子ほど離れていたがな、大切な友だった。よく歌を詠んだり、お互い下手な茶を淹れて飲んだり、くだらないことを話したりした。大切なダチだった」
「ほむ?」
「……すまないな、十兵衛の娘よ。私は友垣を作ることはできない」
「何故じゃ?」
「私はそれで人を殺しうるのだ」
困ったように笑う。彼女はその意味は知らない。おそらく理解しているのは私を呼びに来た松永久秀と彼女を呼びに来た明智光秀である。
「ダチになるだけなのに?」
「あぁそうだ。困ったことだろう?」
「ほむ。それは困ったことじゃ」
「仕方あるまいよ」
「しかし、公方殿、松永殿はダチではないのか?」
「久秀か?久秀は……好きだぞ」


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いや、分家だとかは知らないが。目の前にいるのは私ではなく、私が知っていた帝なわけで。向こうも目をパチパチと瞬いて私を見下ろすわけで。
「ここにいたか!友よ!」
そう言ってハグをした義輝公に私はなすがままになる。親兄弟親類周りがえっ、みたいな顔をしている。義輝公は多分二十歳に行くか行かないかくらいで私は十五に行くか行かないかぐらいか。私は苦笑いしながら彼を見上げる。
「帝、痛い」
「む、すまぬ……つい嬉しくてな。しかし、そうか、ふむ……」
さわり、と腰元を触った帝の手を制す。いや、うん、そうなのだ。無双世界では男だったのだが、なんでか知らんが女になり、家系が家系なために男になっている今である。しかもこう、私のいる足利家と義輝公のいる足利家は仲がよろしくない。だいたいどこもそんな感じらしいが。
「……帝、色々思うことはあるだろうが、」
「よし、わかった。しかし、今の世の中、男同士でも婚約を結べよう」
「帝、それ以上はいけない。こちらが殺気だつ。というか、




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