2022/12/31
2022年度没ネタ整理13
ここがかの有名な婆娑羅学園か、と学校を見上げる。ホームスクリーニング制度を利用している私にはあまり関わりがない場所で間違いないのではあるが。それにしても参った。叔父さんが書類を忘れたのに気がついた三淵さんにより急いで持って行くように頼まれたのではあるが、生徒ではない私は場違いなのである。
「む?ナマエか」
「叔父さん……」
連れ回されたあげく、ようやく会えたその人にホッと息を吐く。理事長室と書かれたそこにいた彼は私を見て少し驚いたように目を瞬いた。大事な書類をお忘れのようでしたので、とカバンから書類を取り出す。叔父さん?と首を傾げた周り(最終的に連れてきてくれた家康さんを含む)には悪いが、私はただただ叔父に会いにきただけである。
「あぁ、すまないな。三淵と話をした後、机に置いたままだったか」
助かった、とかいぐりかいぐり私の頭を撫でた彼に私はちょっとホッとする。
「おや?ナマエがいるとは」
「こんにちは、久秀先生」
「こんにちは。珍しいな、君がこんな場所にいるとは。いつもは家で勉強している時間ではないかね?」
「予が書類を忘れてな。三淵に届けるように言われたらしい」
「勉強は昨日終わらせてしまったので、今日からは剣術でも学ぼうかと……」
そう言えば、叔父さんが「ならばナマエよ」と口を開く。
「今日はこの学園で過ごせば良い。何、予も久秀もいるから大丈夫だ」
「お仕事や学業の邪魔では」
困った顔をする。まさか、と二人は否定したが。
「問題児ばかりでね、君一人増えようが変わりはない。しかし、疲れただろう。隣の部屋で茶を淹れてあげよう」
「久秀先生の手を煩わせてしまうのは、私が淹れます」
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「絆の朋よ、連れてきてくれて助かった。ナマエは少々人見知りが激しくてな」
「理事長の……姪ですか?」
「あぁ、親類だな。わけあって予と暮らしている」
「ご両親は?」
「……育ての親はナマエを捨てたようだな」
「!……それは、婆娑羅者だから、ですか」
「いかにも。まぁ、予がここにくる前にいた場所が場所だ。久秀に行儀を教えさせつつ、家で勉学をさせていたのだがな、三淵はどうも学校に通わせたいらしい。予や久秀も特に反対するつもりはないが、どうも本人が他人と関わるのが嫌みたいでな。制御はできているんだが……」
「……」
「そんなわけで数週間程、体験入学としてナマエを学園に連れてこようと思う。絆の朋なれば上手くナマエを扱えるだろう。予やマリア、久秀がそばにいても良かったが三淵が家と変わらぬと怒ってな」
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