2022/12/31

2022年度没ネタ整理80


「郭子殿は郭嘉殿が苦手とみた」
そう言った賈詡さんは多分あれだ探って欲しいとか言われたとみた。賈詡さんに飲みに誘われてご飯をつついている。名無くんは満寵さんとワクワク自転車量産をしている。やめなさい。目の前の杯には並々のお酒3杯目だ。そろそろ酔ってしまうというか多分酔っている。避けてるだろう?と聞いた彼に、まぁ避けているのは正しいので頷く。
「苦手というかですかね」
「苦手というか?」
「元の世界にいる夫に似てるのであまり会いたくないというか」
そう言えば「おっとこれはまさかだった」と告げられた。
「そんな理由だったとは。不仲だった?」
「いえ、仲は良いです。なんと言うか、私が寂しくなるので……」
ちなみに多分これ背後に荀家二人と郭嘉殿がいるのだけどもな。そう言う理由だったなんて、と言いながら隣の席に移動してきた郭嘉さんに、盗み聞きは趣味が悪いですよ、と告げる。理由がわかった瞬間距離を積めるな。
「たまたま近くで飲んでいて、聞こえてしまったんだ」
「どうせ賈詡さんに尋ねるようにして近くで聞いてたんでしょう。貴方の行動はだいたいわかるんですよ、夫と似てるのでね!」
「おっとそれは困ったな。私の全てが筒抜けとは。貴女への好意もバレてしまうかな?」
「何から何まで夫の真似しないでください」
そう言ってぽこぽこと隣にいる郭嘉殿の腕を叩く。開き直りである。嬉しそうな顔を!するな!
「私が貴方の夫の代わりに添い寝してあげようか?」
「いいです」
「遠慮しなくてもいいんだよ、ナマエ」
くっっそ、覗き込んでくる顔がいい。声が若干違うのが救いであるが、私はめぇめぇ泣いてしまう。




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「貴方の自己満足の為に私は存在するわけではございません」
あー、結構腹たってるんだなぁ、と自分の声色で察する。トリップ特典!と言われてもそんな力などないのであるが。怒るぞ私は。トリップ特典でこうなった、貴方はそうじゃないはず、と繰り返す彼女をみる。
「そもそもあなたの指す前の世界とはどちらのことでしょう。貴方達と同じ、現代の世界ですか。それとも私が赤壁で沈んだ世界ですか」
そう淡々とつげる。あの子たちがえっ?と小さく声を上げる。目の前の彼女も目を見開いた。
「は?」
「貴方はよかったですね、そのような年で一人でこのような世界に来ることもなければ、最初から身の安全を保証されていたのですから。私は、もっと幼い頃でしたよ。もっとおさない頃に、漢の時代に放り込まれました。山賊から命からがら逃げました。作物を盗んだこともあります。世が乱れ始め、孤児なんて珍しくない。そうして一人で親を探して彷徨っているところを、司馬徽先生に拾われたのです。礼儀、学、知識。彼は私にそれを惜しみなく授けてくれました。私は死に物狂いで覚えましたよ。それらを身につけなければ異民族として殺される可能性があったからです。貴方が妬む知識は私が努力して手にしたものです」
そう言って彼女を見つめる。
「それとも、トリップ特典とは武力のことでしょうか。同い年の青年が役人に追われてましてね、私は偶々その人を助けました。話を伺うと、私の先生の元に行きたいということでしたので、私はご案内を。彼のわからないところを教える代わりに、私は彼に武力を学びました。これもまた努力したものです」
息を吐く。落ち着けと。
「世界を超えることで、何かの力が簡単につくなら羨ましい限りですが、対価もなしに力を得ることなどできません」
「じゃあ、なに、赤壁で沈んだってことは、貴方戦場にいたの?女の癖に?」
「生憎、私は男として仕官していたので」
「へえ、見る目ないのね、見抜けるでしょ、普通、どの陣営か知らないけど。そもそもどこの誰かもわからない貴方みたいな人を雇うって、どんな神経してるの?」
ダメだなー、と思うが、これが腑が煮え繰り返るというものなんだろう。
「貴方は勘違いしてらっしゃる。私は私の世界では曹魏の人間です」
「えっ」
「先程の罵倒は、私の世界の曹操様への罵倒でしょうか。それとも殿へ私を推挙した郭嘉殿への?よく褒めてくださった荀ケ殿や荀攸殿への?心配してくださった賈詡殿への?分け隔てなかった満寵殿への?私を信頼してくださった魏の将兵への?」
怒っている。怒っているからか、飛翔剣のように周りにあった剣がうかぶ。
「それとも、長年私を男だと扱ってくれた私の世界の友人の、孔明や士元、元直への罵倒ですか?どちらにしろいい度胸ですね、貴方は今曹魏にお世話になっているのに」
「ちょっと待ちなさいよ。貴方、曹魏人間なのに蜀にいてもいいの!情報でも持ち帰りたいの?」
「貴方は私を馬鹿にしすぎです。この世界の劉備様や孔明様、蜀の皆様には恩義しかありません。そもそも、この世界の曹魏と私は関係ありません。この世界において私は蜀の人間です」

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