2022/12/31
2022年度没ネタ整理93
まーたよくわからないことが起こって保護者と別世界にきたわけである。まぁぶっちゃけ、母親を妬んだ人物により母親が行方不明になり、それを調査していたらたどりついたわけであるが。イコール、母親はこの世界にいるらしい。父親はというと
なんだか懐かしい風景だね、と余裕かまして言っていた。
「このような服は浮いてしまいますね」
「西から来たと言って適当に持っているものと交換して服を買おうか」
「それがいいかもしれませんね。奇異な目は避けたいものです」
淡々と決定していくのがすごいよなぁ、と魏軍師勢をみる。隣にいる元直さんもちょっと困ったようにそれを見ていた。
「ナマエが無事だといいんだけど」
「ナマエは赤壁以外はなんやかんや運がいいからね、恐らくは無事だと思うよ」
サラッと告げた満寵さんに笑ってしまったの許して欲しい。確かに母親は赤壁と相性が悪すぎる。今回も赤壁だし。と思っていたら、軍が通りかかる。先頭にいるのは俺と同い年ぐらいの人物である。彼は馬を止めると、は?と声を上げた。なんだ?と首をかしげる俺たち、向こうにいる女の子もどうしたの?だなんて言いながらかれをみた。
「何か?」
「……なぁ、アンタ達李子さんって知ってる?」
馬にもたれながらそう尋ねた彼に、俺は目をぱちくりする。まぁ、軍師勢は顔に出さないが。
「あーー、違う違う、敵意はない。俺はアンタ達と同郷だよ、同郷」
「同郷?」
「説明ややこしいだろ」
そう言った彼に、確かにややこしいよな、と頷く。
「お兄ちゃんの知り合い?」
「いや俺の知り合いじゃないけど、多分李子さんの知り合いだと思う。あの人がこっそり持ってる姿絵に似てるから」
「……君のいう李子殿が、私たちの探している李子かどうかはわからないけれど、確かめてみる価値はありそうだね」
そう言った父親に女の子がグイッと同い年くらいの男子に近づいた。小さい女の子が、あやしい!ぜーーったいあやしい!と発言している。怪しくないって、という男子の発言に、主さんは黙ってて!と怒られていて笑う。主頑張れよ。進軍が止まったからだろう。馬に乗った男性がやってきた。緑の装束に身を包んだ彼は纏うものがなんだか劉備さんに似ている。
「寵沙殿?どうされましたか?」
「劉備おじさん聞いてよ!この怪しい人達、李子おねぇちゃんを探してるんだって!」
女の子の発言にこっちはこっちで時代を理解した。まぁ、劉備おじさんと呼ばれた人物は李子殿を?とこちらを怪しんで見せたが。押さえつけられていた男子が復活した。
「だーかーらー!俺たちと同郷なの、この人らは!怪しくない!怪しくないですって!」
「……寵沙殿と同郷ということは、李子殿とも同郷の方ですね。私は劉備と申します。遠いところからはるばるとよくおいでくださいました」
大人の対応である。父親が笑顔を浮かべながら、いいえ?と口を開いた。
「私たちも運がいい。そんなにも時間をかけずに李子を知る方々と会うことができるとは。私の名は李嘉と申します」
いけいけしゃあしゃあと嘘の名を名乗ったな。男子がなんかハワワってなってるが。
「李嘉殿ですね。我々も今、天刑宗から離れ李子殿がいる清河城へ向かっているところなのです」
「清河城……?」
時代が噛み合ってないな。後漢時代はまだ清河城と呼ばれていないはずである。そもそもその前身である武城県もないはずなのだ。
「申し訳ない、遠方から来た身でして時事には疎く……」
「移動しながら説明いたしましょう」
「馬乗れます?」
「方角さえ教えていただければ自分達で移動できます。馬は貴重な物資では?」
「それが色々あって馬が余ってるんですよ。あと、ちょっと急いでるので」
そんな話をしていたら後ろが見るからに混乱しだした。やっちまった、と呟いた男子が後ろをみる。
「悪いけどこの人達に馬あてがってくれ、劉備さん俺が後ろ回りますんで先導お願いします」
「わかりました、天刑宗にはそちらの方が良いでしょう」
「星辰とぎんぺーちゃんは防衛の為に前!呂武姫、一緒に殴りに殿いくぞ」
「わかった」
そう言って馬をかけさせていった二人に、もーー!と星辰ちゃん(仮)が起こった。
「貴方達も早く馬に」
「ありがとうございます。……元直殿、公達殿、悪いけど君たちも後ろに加勢してほしい。桃李、伯寧殿、文若殿、真ん中を奇襲されては意味がない。真ん中へ、お嬢さん達も腕が立ちそうだから真ん中へ移動してくれると未然に防げることが増えるのだけれど」
「星辰、ぎんぺい、私からも頼みます」
「劉備おじさんがいうなら……」
渋々と二人が向かうのを見て俺も父親を見てから中間あたりに向かう。まーー、最後尾も大丈夫だろ。
しばらくすれば、清河城から来たらしい援軍が蹴散らしていくと、そのまま流れるように城内にはいる。保護やらトリアージしろやら声がかけられ、兵にも民にも白湯や茶粥が振る舞われていく。見るからに栄えた城下であることはわかる。人々が温かく迎え入れるあたり、治安も良く穏やかなのだろう。後ろからやってきた寵沙と呼ばれた青年をみて、寵沙様、寵沙様と呼びかけられるのを見ると青年も地位が高いとわかる。本人はひらひらと手を振って、ただいまーなどとフランクに声をかけているが。
「おいこら、寵沙様ー、さっさと仕事しねぇと李子殿が過労死すんぞ、ハンコ押しに行け、ハンコ!!あの人ほとんど全部やってんだからな、お前ができるようになる前に過労死すんぞ」
「あーー」
そう言って頭を抱える。あの人基本ワーカーホリックなんだよな。誰かが止めないとぶっ倒れるのだ。青年と一緒に追いついた荀攸さんが口を開く。
「……李子殿の悪い癖がでていますね。支給李嘉殿か桃李を合流させるべきでは」
その言葉に男性は俺たちをみる。おっ、その服装は同郷といった彼もまた同じ時代あたりから来たのだろうか。と思っていたら、周りが急にザワザワし出した。なんだ?と思えば、李子様だ、李子様がおいでくださった、と聞こえてくる。人の海が割れてその先には母親がいた。憂を帯びた顔、とかいってるが違うぞ。あれは母さんがすっっげーー疲れている時の顔である。
「長沙様、星辰ちゃん、ぎんぺーちゃん、おかえりなさいま、せ……」
はたりと、母さんが俺たちをみて目をパチパチ瞬いた。驚いてる驚いてる。ぎんぺーちゃんが李子おねーちゃん!と抱きつきに向かって気を取り直したらしいが。
「劉備殿、趙雲殿、長旅お疲れ様でした。そちらでお休みください。毒に侵された蜀の皆さんにも部屋をご用意しております。治療を」
「ありがとうございます。急に押しかけるようになってしまい、援軍まで……」
「いいえ、お気になさらず。困った時はお互い様です。戦に出たくて仕方のない方もいらっしゃいましたし」
「李子、お兄様たちは!?」
「尚香殿、貴方のお兄様達はご無事です。孫権殿や小喬殿、大喬殿は毒を免れてらっしゃいます。他の方々も動いたり体を動かす程度には回復されていますよ」
「よかった……!」
「練師殿が迎え来られると聞いていますから、もうしばらくお待ちくださいませ……皆さんもお疲れでしょう。急拵えではありますが、部屋を準備しておりますのでそちらへ」
そう言って母親は周りの使いに案内やらなんやらを支持する。
「北里殿、申し訳ありませんがもう少し頑張っていただいても?」
「まー俺も休む時は休んでたからな、大丈夫だ」
「寵沙様は仕事が溜まっています。急ぎのものはわかるように してあります。星辰殿と確認をお願いします。至急のものが終わり次第お休みください」
「りょーかい」
「わかった!」
「呂武姫殿、申し訳ありませんがお疲れがなければ練兵場にて王異殿とお手合わせをお願いします。貴方の部屋はいつもの場所です」
「わかった」
「ぎんぺーちゃんは、書類仕事が嫌いでしょうから北里殿のお手伝いをお願いします。力持ちは助かります」
「おー、助かるわー、物資運んでくれる力持ちはー」
「鐘が三つなったらおやつにしましょう」
「……がんばる!」
「おー、がんばってくれー」
このオッさん子供の扱いになれてんな。母親は俺たちをみる。
「同郷の方々のご来賓、お待ちしておりました。まずは色々ご説明がございます」
「李子殿、私が同席しましょうか?」
「趙雲殿、ご心配には及びません。全員私の親族です」
周りが目をパチパチする。親族の方だったとは、と劉備殿がこちらをみた。全員李姓を名乗れ、というわけだ。こちらの世界でも活発そうな孫尚香が疑わしげに俺たちをみたが。
「嘘でしょ?李子の親類なの?」
「大雑把に李福と桃李以外は私の兄みたいな感じですかね。私より頭いいですよ」
「李子さんより、頭いいって凄いっスねー」
急に降って沸いた声にそちらをみれば、長髪を束ねた男がいた。周りは張郃殿、と声をかけた。うそだろ。雰囲気凌統さんじゃないかこの人。
「たまに李子さん騙されてないか心配になるッスよ。主さんと一緒でお人好しすぎるっス。俺みたいな奴が他にいたなら殺されてますよ」
サラッと物騒なことを言った張郃殿に、母親と長沙と呼ばれた城主は小首を傾げた。
「張郃殿が守ってくださるのでその心配はないかと」
「張郃みたいなやつが他にいるわけないだろ。お前味方だし」
「あーあーあー、でたでた、そういうところッス。調子狂うんスよ」
耳を塞いだ張郃殿は、やれお人好しだの、俺は殺し屋だの、物騒な言葉を告げる。
「まー、敵だったら俺が始末するだけなんスけど」
「こまったね、私たちには敵意はないよ」
「まぁ今はそれでいいッス」
嫌だから物騒である。報告に?と尋ねた母親に、張郃はそうだったと頷いた。うそだろおい。どう考えても前置き長すぎじゃないか。
「蜀を追っている陰兵と陰姫がこっちに向かってるッス。李子さんが張った一次結界が突破されるのも時間の問題ッスよ」
そこからめちゃくちゃ話が軍事的なものに変わる。陰兵ってなんだ??
「急ぎ、隊の編成を組みます……が、時間の猶予はまだありますね」
「あの速度ならもうちょっとかかるッスね」
「わかりました、手も打ちます」
「……アンタホントいい加減にしないと倒れるぞ。たかだか一次防衛線だろ?」
北里と言われた人がそう告げる。たかだかということはいくつかはってあるらしい。
「仕事量は親族が来たので、少しは楽になりますよ。一次防衛線を突破されてしまえば、この辺りを守る私の結界をどうにかする好機を与えてしまいかねます。それは止めたいことです」
「はーー、防衛戦終わったら休めよ。アンタに必要なのは休息なんだからな」
「わかりました」
そう承諾した周りに、母親は仕事に向かうように、あるいは部屋に案内するように告げる。それを聞いてわらわらと周りは解散していった。
「張郃殿、徐晃殿と曹仁殿に出陣になる可能性をお伝えいただきませんか?」
「わかったス。何かあれば犬笛で呼ぶっスよ」
そう言った張郃殿はこちらを睨んでから消えた。うっわ、怖っ。
「……またたぶらかしたようだね?」
「そのような記憶はありませんが……彼は働き者です。皆さんはこちらに」
母親はそう言ってきた道を戻る。とりあえず俺たちはそれを追いかけた。
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漢服久しぶりすぎてわかんねーー、と思ったら父親がスーツの上に漢服きていてそれありかー、と思ってしまった。とりあえず荀家に着せてもらったが。この時代にしては中々上質な布ですね、とは荀ケ殿の言葉だ。まぁ母さんの地位が地位だからその親族とあれば上質なものを切る他ないだろう。
「もう入っても?」
「大丈夫ですよ」
荀ケ殿の言葉に母親は扉を開けて入ってくる。その後ろには男性が四人いる。青い服を着た男性が母親を見下ろした。
「こちらが李子殿の?」
「はい、以前よりお話している私の親族です」
「即戦力と見込んでいいのだな?」
「はい」
「貴方に全く似てませんね」
「いや?そうでもないぞ、色男が多い」
「李子さんの親族がみれると聞いて!」
ひょこりと顔を覗かせた茶髪の男に李子さんが口を開いた。
「徐庶殿、貴方は昨日まで毒に侵され高熱でうなされてらっしゃいました。お休みくださいと伝えたはずでは?」
「俺はもう元気なんだけどなぁ」
「それは結構、元直、私を手伝いなさい。諸葛亮が毒で伏せた今、蜀の軍師は私達だけですので」
「それが助かります。劉備殿も到着されていますからご挨拶に向かっても構いません」
「本当か!?じゃあお言葉に甘えて!」
「私も行きますよ。李子殿、今回の編成は合流したばかりの蜀軍抜きということでよろしかったですか?」
「どなたかに力はお借りするかもしれませんが、蜀軍を立て直すにはあまりに将兵の数が足りませんから。しかし工作員はお借りしたいところです」
「わかりました、それでこちらも準備しましょう」
「なんだ、珍しいな。戦か?」
「はい、司馬懿殿。一次防衛線を突破される可能性がございます。そこを守り、その勢いで各国攻勢に出れたらと思います」
「なるほどな」
「幸いまだ少し防備を整える時間があります」
「李子殿の親族となれば、各々に優れた方がいらっしゃると聞いています。お力になっていただけると?」
「はい、郭嘉殿。この事態を説明しなければなりませんが……」
郭嘉……?は?とこちらは困惑する。いや、元直さんと龐統さんもめちゃくちゃ内心ビビった。いやいるのはわかるんだけど。しかし、嘘だろ??この人が郭嘉??この遊ばなさそうな人が??儚さマックス、かつ、真面目そうな人が??俺たちの視線は父親にむく。向こうは向こうで郭嘉殿以外は首を傾げたが。
「李子殿、こちらには私からご説明しておきます。貴方は貴方の親族の方にご説明ください」
「そうだな、久しぶりに会えたのだから積もる話もあるだろう」
「相手は待ってくれぬがな」
「司馬懿殿」
「心配ありません、簡素に説明しすぐ皆様に合流いたします」
母親がそう笑って言えば、司馬懿殿はまだ余裕そうだな、と告げた。郭嘉殿の促して他も退席する。まぁ、郭嘉殿が振り向いて困った顔をしたが。
「李子殿、貴方が倒れられては元も子もございません。司馬懿殿を中心に軍の編成を、私は内政の報告を聞いておきます。少しでもお休みください」
「お気遣いありがとうございます。少し休んで合流いたします」
母親の言葉に頷いた彼はそのまま俺たちに礼をしてからその場を離れた。母親はそれを見送って、戸を閉めた。
「お久しぶりです、こちらから戻る術を探していたのですが見当たらず……」
「原因がこちらにあったからね、恐らく似た術はあれど違うものなんだろう。本来なら、ナマエを迎えに来たのだけど、無理そうだね」
「はい、色々と立場があるので」
「李子殿はよく巻き込まれるな。しかし、後漢または三國時代という認識でいいのか?清河城はこの時代なかったはずだが」
「そうなんです。私もそうだと思っていたのですが、ここは清河郡の清河城です。他にも知る歴史とはズレがありそのズレはかなり大きくなっている状態です」
「ずれ、ですか」
「まず、三国に分かれていますが勢力図は五つです」
「魏呉蜀……清河は単独か」
「はい」
「あと一つは?南蛮か?」
「いいえ、天刑宗という宗教集です。彼らは裏で暗躍します。いってみれば妖魔軍のようなもの、でしょうか。清河は城主である寵沙の意向で敵は天刑宗のみと決めています。天刑宗が手を貸した戦に参陣し、天刑宗の被害を抑える役目です。何処かが天下を取った暁にはそこに属するようですが」
「中立国みたいなものか」
「危険なかけすぎでは?天刑宗とやらが現れば、どの国でも加勢するならば、どの国でも敵対する可能性がったはずです。貴方が無事だったのが良かったものの」
「そこはうまくやったんじゃないか?李子殿はそのあたりの交渉がうまい」
「そもそも長沙殿は李子と同い年くらいだし、なんで李子殿は清河に?」
「元々私は左慈先生に見つけられ、そのまま師事しつつ戻る術を探していました。長沙は弟弟子にあたります。しかし、天刑宗に襲われ先生に逃されたので、そのまま左慈先生を探していれば、清河城の城主が悪政をひいていまして。長沙が追い出してしまったのです。地域の民が長沙を城主にたて……」
「内政ができない長沙殿に変わり李子殿が内政をしているのですね」
「できないというよりは知識が追いついていないのでしょう。きちんと自分がどうしていたいか軸がある方です。清河が病院のような組織を抱えているのは長沙様が考えたことですから」
「病院があるのか?」
「病院と医者を育てる組織がありますね。また、看護師のような侍女がいます。華佗先生や北里殿」
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