2022/12/31
2022年度没ネタ整理134
「特技は水の上を歩くことです」
そうニコリと笑う。「ンマー、採用!」と無事に採用された……わけであるが。
「よりによって人外めいてると噂の一番ドッグねぇ」
そう苦笑いしつつ資材を運ぶ。いや、元の世界に戻るにも色々な島を巡った方がいいのか思った末の行動である。いろんな島でバイトをしつつ色んな船にお世話になってこの島に来たわけであるが、この大きめの島でちょっと腰を落ち着けようと思って就職したらこうなった。いや、水の上歩けるってだけでこうだからな。おーい、新人とかけられた声に返事をしてそちらに向かう。肉体労働はまだ得意だぞ。造船に関してはど素人だけども、そこは知識を補うしかないだろう。まぁ、チマチマとした細工は好きであるし木工や建築も嫌いじゃない。手に職がついてもいいと思うし。まぁ、そんなこんな私はガレーラカンパニーで働くことになったのである。
キャラが濃い。働き始めて一週間で感じたのはただただそれだ。周りの、キャラが、とても濃い。ピノキオ、腹話術、借金エクセトラ。あと秘書さんもキャラが濃い。二週間たてば慣れたが、治安がいいのか悪いのかわからなくなった。いや、だいたい職長がわがままな客をのしているのだけども。
「こいつがどうなってもいいのか!?」
三週間目にして人質である。そういや今日の占い最下位だった。通りで手順間違えてカクさんに怒られたりパウリーさんに借金取り押し付けられたりしたんだろう。ついてない。ついてなさすぎる。はぁ、とため息をつけば職長だけを警戒する海賊たちは私を見た。
「あの、非常に申し訳ないんですが、僕、今日ちょっと機嫌が悪いんです」
「はぁ?」
「手順間違えるのはまぁ僕の確認ミスなのでいいんですけど、借金取り押し付けられたあげくお昼ご飯がおじゃんになるとか、フランキー一家云々で干してた洗濯物がおじゃんになるとか、仕事押し付けられるのはまぁいいですけど、ちょっと色々あってですね」
もう一度ため息をついてから、海賊の腕を掴み合気道の要領で転がす。え、と目を見開いた海賊から銃を押収し、そのまま私を人質にしていた人物を人質にしておいた。
「いい大人なんですから、わがまま言ってないでさっさと出すもの出してくれません?」
ニコリと笑いながらそう告げてみる。怪しい動きをした下っ端に、星がつきそうな感じで「おっとー手が滑ったー」と持ってた銃を撃った私は悪くない、し、その瞬間職長達がフルボッコし出したので私は大人しく船長っぽい人を海に蹴り入れといた。いやぁ、スッキリ。
「ナマエ、無事かの」
「あー、カクさん、無事です、無事。カクさんにお怪我は?」
「ない。しっかし、災難じゃったが……対処に慣れとったのう」
ははは。笑うしかないため笑っておく。
「まぁ、旅してるとたまぁにああいうことがあるので」
「旅?」
「あれ、言ってませんでした?というか、社長に聞きませんでした?僕、色んな島を旅して回ってるんです」
「ほぉ、初耳じゃ。じゃが、なんでガレーラに?」
「2、3年w7でお金を貯めてから旅に行こうと思いまして。この島は大きいですし、働き口もありますから。旅の道すがらいろんな船にのったり、色々あったのでまぁ自衛程度はできますよ」
「そりゃあ頼もしいのう!」
「談笑してる場合かっ!右みろ右!」
そう突っ込んだパウリーさんの言葉に右をみる。銃の引き金を引いた彼に、カクさんを引き寄せて避けさせ、釘をクナイよろしく投げれば半ば海賊が張り付けになった。
「大丈夫です?」
「なんとかのう……」
「大丈夫かお前ら!」
「ははは、間一髪。勘だけはいいんですよ」
ヘラっと笑って頭をかいておく。いやぁ、やってしまった。この人達の一部多分キャラが濃いだけじゃないからちょっとな。
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「ナマエ、水の上を歩けるって社長に聞いたっぽー」
「こんにちは、ルッチさん。今日もハットリさん可愛いですね」
「照れるっぽー」
真っ白な鳩をウリウリする。動物は好きだ。ブルも可愛いし。一緒に休憩していたカクさんが首をかしげる。
「は?水の上を歩ける?」
「歩けますよ」
「悪魔の実を食べんか?」
「いや、そんな変なもの食べた記憶はないです」
「無自覚に食べたっポー?」
「いや、泳げるぞ、ソイツ。この前水路に落ちた子供助けてたしな」
おっとルルさんに見られていたらしい。まぁ水の上を歩けるのはこの世界にはない忍術なので一族的なモノですよ、と言っておく。
「聞いたことがないが」
「マイナーですから」
「水の上……ということは海の上も歩けるんか」
「歩けますよ」
ははは、とわらっていればやってみろと言われたのでそのまま近くの水面に立つ。
「こりゃあ、驚いた。本当に立ってやがる」
「徒歩で島から島へ行けそうだっぽー」
「疲れるからやりません」
そう言いつつ水の上から陸地に戻る。ちなみに旅費がない時はそうしていたのは秘密である。そしてたまに会うクザンさんの後ろに乗せてもらったりもしたし。
「どうなっとる?」
「右足が沈む前に左足を出すのか」
「いや、そんな理論ではないです。なんていうか……生まれつきです、生まれつき」
「変な一族もいるもんだなぁ」
納得したようなルルさん達に私はとりあえず苦笑いを続行する。いやぁ、探られてる。
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カクさん達が休みの時に限って料金踏み倒した人がいるので私が駆り出される話をしよう。まぁ、普通に水面走って船長っぽい人の首根っこを掴んで戻るだけの話なのだが、街の人はそれをお気に召したらしい。まぁカクさんの移動の仕方も人気だからな……そんなこんな、ブルで移動していたら突っ込まれるようになったのがここ最近である。そして今日もブルで酒屋に行けば突っ込まれた。
「いやだってブル可愛いじゃないですか」
「もはやナマエの場合、移動手段じゃなくペットじゃな」
「移動手段です、何回も言いますけど」
「でもナマエくんは水の上歩けるそうじゃないか」
ブルーノさんに差し出された琥珀色のお酒を見つめる。そういう問題じゃないんですよ、とむくれながら言っておいた。慣れてるから私はどうってことはないが、慣れないときついのだ。
「ナマエくんは旅をしてるんだろう?何処から来たんだい?」
「この直近だとロングアイランドですね」
「出身は?」
「……新世界の方ですよ。ちょっと色々あってこちら側のイーストブルーにきたのでまたそっちに戻ろうとしてます」
「色々?」
「そう、色々」
そう言ってお酒を飲む。この感覚結構度がきついな。……本当か嘘かわからない話を織り混ぜておくとしよう。
「まぁ、ぶっちゃけると貴族関係で色々ありまして」
「奴隷にもされたのかい?」
「まぁ……ははは、僕こう見えて男にも女にもモテますからね」
「……なら故郷に戻るんか」
「そうですね、いつかは……」
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そもそも隠し事をしてるのはお互いである。恐らくはこの世界において似たような職業をしているんだろうということはなんとなく察するが、あまりこの漫画を読んでいなかった故にどういうものかわからない。なんせ麦わらの一味さえもぼんやりと覚えている程度なのだ。だから、何が起こるか全然知らないに等しい。この世界にきたのだって不本意である。
「ナマエはなんとも思わないのか!?」
「僕かい?僕はカリファさんがにあってるからいいと思うけど。洋服に着られてるわけでもなく、着こなしてるし僕はとても素敵だと思うよ」
そうさらりといえば周りが固まった。おや、私にもとめられたのはパウリーみたいな感じだろうか。カリファさんは目を瞬いてから「ありがとう」とつげた。
「お礼を言われることは言ってないんだけどな……あぁ、そうか、パウリー達はこの前のをみてたのか」
「この前の?」
「逆ナンされたから断ったんですよ。その時の女性が露出が高かったので、いただけないなぁと注意しただけなんですけどね」
まぁ、ベタベタ触ってくるのでやんわりお断りしつつ、寒くなるから上着を着た方がいいよ、と促したのだ。まぁ、カリファさんみたいな品のある露出ではなかったとも言えるが。
「いや、は、おまえこのまえ、女に破廉恥っつってたろ!」
「あの服はあんまり品がよく感じられなかったからね」
「露出に品もクソもあるか!!」
カッカッと怒る彼に、いや、品もクソもあるんだよなぁ、と頭をかく。行動もだけど。
「色気と破廉恥は違うって言っても納得されなさそうだな……」
「納得以前の問題じゃのう」
ですよねー、ははは。
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「あれ、かげーー」
カゲマルさん!と言いかけたその子の口を塞ぐ。いやぁ、久しぶりだね、ナナシちゃん、といいつつナマエと呼ぶように言えば彼女は刻々と頷いた。
「ナマエの知り合いか?」
「ええ。この子とは同郷なんだ」
「ということは」
カクさんの視線が彼女にむく。私は肩をすくめておく。
「残念ながら、彼女は水の上は歩けない」
「それ、ナマエさんがおかしいだけじゃないですか」
そのツッコミに私は彼女の頬をむにむにしておく。相変わらずよく伸びるほっぺだ。
「ナマエさんはなんでガレーラに?」
「故郷に戻る路銀を稼いでいてね。……でも、ナナシちゃん、感心しないなぁ、海賊船にいるのは」
「成り行きですけど本望です!」
「また困った表現をするなぁ」
そう頭をぽんぽんと叩いておく。あんまり身内同士敵対はしたくないのだけど。様子を見ていたカクさんが口を開く。
「まぁ、ナマエの知り合いなら手を抜くわけにはいかんのう。一走り査定にいってくるわい」
そう言って水の都に消えたカクさんを見送る。後ろから現れたアイスバーグさんと海賊の会話を見守っていればナナシちゃんがボソリと尋ねた。
「……ナマエさん、あの人と親しいの?」
「うーん、まぁね、ここに来てから知り合って……ガレーラでの上司なんだ」
なるほど、やっぱり何かあるらしい。何かあるのかい?と聞けば、仲良さそうだったからという返答が来たけれど。
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「いや、僕は別に君たちが嫌いではないけど貴方は嫌いだな」
いやぁ、こいつ見てると色々思い出すんだよなぁ、と頭をかく。あんまり調子乗ってると首落とすぞー、とは思うけど、ルッチさんあたりが結構邪魔なんだよなぁ。爆笑してるとこ悪いが、「おっと手が滑った」で殺せる気がする。とりあえず、ルッチさん達をみて、「部下はいつでも大変ですね」と言われたら一部になんとも言えない顔をされた。余裕かっ!とはフランキーさんの言葉である。いやでも私の場合パンダ(仮)さんになかば勧誘みたいな感じだしな。コイツの部下になるなら命云々と言われたって、困る。
「僕は別に彼らの仲間になるのはいいんだけどさ。お前のような権力を履き違えた馬鹿の部下になることは嫌だね」
この際だからはっきり言っておく。ぶっちゃけこの人の部下になるなら七武海なり海軍なりの仲間になるし、天竜人に召抱えられた方がマシである。いや、最後のは待った。あれは僕があった人達が正常だっただけで他はそうじゃない。相手が激昂しかけてるが無視だ。
「どこにでもいるんだよ、父親が、家族が、一族の一部が多く偉いだけなのに自分が偉いと履き違えてる馬鹿が。馬鹿とハサミは使いようだなんていうけれど、僕はお前の部下としてお前を傀儡にするくらいなら普通に他に属すから」
「あぁん!?こっちが譲歩してやってんだぞ!!」
「じゃあ僕も譲歩しよう。その席寄越せよ、君より上手にーー」
『いや、お前に上手になりかわってやるさ』
そうパンダ(仮)の声色を真似して告げてみる。ガタリと立ち上がって下がった彼はルッチさん達を盾にした。まぁそういう奴だろう。
「馬鹿馬鹿しい。他人を盾にしないとなんにもできないんだ。そんなやつになり変わるくらいならほかになり変わるんだけど」
「いいのか?アイツ結構な権力者だぞ。つーかお前がなり変わればもうおおよそ解決じゃねぇの」
「権力者って結構面倒くさいんだよ。本来ならその権力に付随して責任がくる。この馬鹿と一部の貴族はわからないだろうけど、本来なら無茶な指揮をすればするほど反動がくる。権力は大きく慣ればなるほど責任もまた大きくなる」
「馬鹿馬鹿しいのはお前だろ!責任だと!?んなもん、やった本人達がかぶるもんだ!」
「見ろフランキー、あれが正真正銘のバカだ。一番上にたってはいけないタイプのどがつく馬鹿だ。放っておいてもそのうち責任と重圧に気付いて死ぬか権力が覆ってだいたいは死ぬ。気づけるといいな、父親が死ぬ前に」
もう猫をかぶる必要もないか、と淡々と彼をみる。
「黙ってりゃしゃあしゃあと……有能な奴だときいてたが……こうなりゃどうでもいい!反逆者として裁判にかけてやる!」
ぎゃあぎゃあ騒がしいやつだ。ひっとらえろ!と言った彼であるが、ルッチさんが「もう海楼石の手錠でつないであります」と静かに告げる。それを聞いて彼は達の悪い笑顔を浮かべると剣をぬいた。まぁ殴る蹴る剣できりつけぐらいなら甘んじてうけいれるし、なんならちょっと急所をはずす。象がかわいそうだ。よし、これで私が攻撃してもいい理由ができたな。私はヘラリと笑って彼をみる。
「仕返しは半殺しぐらいでいいかい?」
「能力者が仕返しなんざできるわけねぇだろ、ばぁぁか!」
ということらしい。ははぁ、能力者だと思ってるのか。じゃあ大人しくそれに準じておこう。最終的に転がせばいい話だ。連れて行け!と言われてカクさん腕を掴まれる。ひきずられるように廊下に出たところで彼は口を開いた。
「……はぁ、なんで口答えしたんじゃ」
「あの手のタイプ、どうも嫌いで。泳がせてもいいんですけど、そうするのも面倒だなって」
「そのせいでいらん暴行を受け取る」
「いやこれわざとです。やり返すきっかけになるし。というか、なんで能力者って報告を?」
そう尋ねれば彼はキョトンとした。
「わしらはナマエについて報告してない」
「ん?」
「長官が政府から命令を聞いて連れてくるようにわしらは言われただけでのう。ルッチもナマエを泳がせとるだけじゃろ」
ほう。そう相槌を打ちながらそろそろ立ち上がるか、ときちんと歩く。やっぱり効いとらんのか、とカクさんは私をみた。
「効いてませんよ」
「の、わりには大人しいのう」
「まぁ、あの馬鹿ならともかくカクさんに対抗してもって話ですしね。与えられたお部屋で大人しくしてますよ」
一応は。そんなことは口からとても出さないが。そうしてくれ、とつげた彼は部屋の扉をあけたので私はそこにはいる。さて、どうしたものかね。
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どうやら麦わらが乗り込んできたらしい。僕はと言えばその隙にさっさと手錠を外して閉じ込められていた部屋を出てしまった。まぁ、主要人物がいるからと様子を見てみたのだけども。ボロボロな状態で倒れ込んでいるカクさんを見つけて近づく。気を失っているらしい。とりあえず医療忍術でも使うかと彼に手をかざす。あんまり治しすぎてもだめだろうから本当に必要最低限であるが。ふと感じた気配に手をのかす。周りを見渡せば、空間が切り取られる。切り取られる??
「うわ、どうなってるんだろう」
「……ナマエくんか」
「ブルーノさんもボロボロですね。大丈夫ですか?どうなってるんです?何かの術ですか?それとも悪魔の実ってやつですか」
興味津々である。まぁそんなことをしている暇はない。そっと彼の頬に手を当てようとすれば避けられたため、腕に軽く医療忍術を施しておく。
「本当に能力者じゃないのか」
「生まれつきですよ。それは空間を繋げられると仮定しても?」
「あぁ」
ポケットから特殊なコンパスの予備を渡す。
「エターナルポース?」
「春島、セントポプラに向かうものです。僕の知り合いだと言えば悪くはされないはずですから。……僕を信じるのなら、という話ですが」
そう言いつつ時空間忍術用のキーを渡す。何かあれば呼んでください、とだけつげて、私はナナシちゃんの元へ消えたのだが。
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「な、ナマエさぁぁぁん!!」
そう言って私に抱きついてきたのはナナシちゃんである。パウリーさん達が「お前無事だったのか!?」と駆け寄ってきた。ナナシちゃんが「ほら、ナマエさんは常識人のふりした人外って言ったから無事って言ったじゃん!」と主張している。……それはそれでどうなんだろう。
「いやぁ、手錠はめられて閉じ込められてて……君たちの暴動で抜け出たんだよ。ナナシちゃん達が無事でよかった」
「ゔん!」
でもパンダ(仮)を殴るの忘れてるんだよなぁ、ということであたまをかく。
「ナマエさん?」
「馬鹿を殴るの忘れてたから殴ってくるかなって思ったんだけど指名手配されても面倒だなって……」
「馬鹿?」
「まぁ、いいか、売られた喧嘩は買うしあいつ腹立つから殴ってくるし、これ持ってて」
「いや、は?」
「じゃ、すぐ戻るし」
ひらりと手を上げる。いやいや、と突っ込んだが時空間忍術使えると知ってるナナシちゃんは「いってらっしゃい!」と見送った。
そうして、馬鹿の後ろである。なっ、と息を飲んだ周りに、理解していない馬鹿に、殺さない程度に思いっきり殴る。髪を掴んで、これでおあいこだよ、と感情を灯さず告げた。そうして耳元で、げんきだといいね、お父上、と告げれば彼は震え上がった。周りは唖然とするばかりで何もない。ので5分ぐらいで解ける幻術をかけてーー絶賛逃亡中の船へと戻ったのだが。
「あれ、さっきの船じゃなくガレーラの船だ」
「ナマエ!?無事だったのか!?」
「デジャヴ」
ははは、とわらいながらそう告げてみる。アイスバーグさんが知らないうちにひどい怪我なんだけどどういうことだ。
「は?パウリーさん、なんでアイスバーグさんがひどい怪我をおってるんです?」
「そういやお前そん時にはいなかったな。そん時には連れさらわれてたのか」
「ンマー、ナマエも災難だったな」
「……あのパンダのせいか。やっぱりもっとぶん殴るべきだった……」
そうぽつりと呟けば、ナナシちゃんが伺うように私を見上げた。
「ナマエさん、まさかとは思うけど」
「あぁ、っと誤解だ。一発殴っただけ。馬鹿をどうこうするより権力があるアイツの父親をどうこうしたほうがはやい。権力を失ったとたん、今までのしっぺ返しが来るだろうから」
さらりと笑顔でいう。我ながら物騒なことを言ってしまった。お口にチャック、としようとすれば、そもそも、とアイスバーグさんが口を開く。
「なんでお前は政府に追われてる?」
「元は海軍にしろ政府にしろ追われるというよりかは仲間にならないかの勧誘だったはずなんですけどね。まぁ、今回の件で反逆罪がついちゃったかな」
殴ったし。そう思っていれば、「そういやアイツそんなこと言ってたな」とフランキーさんが告げる。
「まぁ今回の件で僕は政府につく気が無くなったし……でもガレーラにもいられなくなる」
「……だろうな」
アイスバーグさんが困った顔をする。僕も困った顔をする。なんで?と首を傾げたナナシちゃんに、「僕がガレーラにいると、ガレーラが反逆組織になるからね」と言えば理解したらしい。
「でも、ナマエさんの手配書でないかも」
「そうであって欲しいんだけどなぁ」
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「次はどこの島に行くんだ?」
「知り合いが長期間シャボンシティにいるからそっちに行きます」
船を整備しながら告げる。なら麦わらに連れて行ってもらえばいいんじゃらいかい?とはココロさんの言葉だ。どうやらログホースが魚人島を指しているらしく、そのためにはシャボンシティで船の加工が必要らしい。なるほど。
「頼もうかな」
「海賊船なのはいいのか」
「よく乗らせてもらってたよ。シャンクスの船とか白ひげさんの船とか……鷹の目さんの船とか」
「お前の人選どうなってんだ」
「海軍に追われないのか」
「海軍にも乗せてもらうしね。理由を話せば理解してくれる」
まぁ、たまにちょっと幻術をかけたり変化したり変化といたりして他人のフリして乗るけど。
「……ということで、目覚め一番悪いけど、ついでにシャボンシティまで乗せて行ってくれないかな?」
そう伺えば船長からは一発で「いいぞ」と返事がきた。流石にそれはどうなんだ、と思えば、ナナシの兄貴だろ?という言葉が続く。兄貴?と首を傾げたけども、ナナシちゃんは「大賛成!」と手を伸ばしていた。
「そういやナナシの知り合いだったのよね」
「うん!」
「貴方達、どこから来たの?」
「僕かい?あぁ……うーん、その答えは二通りあるね」
「二通り?」
「僕はナナシちゃんと確かに同じ場所からきたけれど、最初にいた場所が違う。でも、彼女といた場所を説明しようにも理解はされないだろうから、最初にいた場所から来たってよく言ってる」
「最初にいた場所?」
「僕はワの国っていう場所に最初はいたよ。まぁ成り行きでそこで暮らしてたんだけど、色々あってね」
「貴方新世界の方からきたの?」
「政府のルートをとおって……まぁ、不本意でね」
「なんだ、ならワノ国まで一緒に来たらいいじゃねぇか」
そう告げた彼に肩を竦める。
「君達のログポーズが和の国を指すとは限らないし、何より僕はあの国に戻らない方がいいからね」
そう困ったように笑っておく。彼は不思議そうに首を傾げたが。
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「それで君が同じ場所に飛ばされるのは最もだとは思うのだけれど、ここは生憎君がくるような場所では……」
「カゲマル?帰ったのか?」
「イリア」
「あ?女の子??」
「君と魂は同郷の子だよ」
「麦わらにいる子か。ということは、カゲマル修行パート。いいよいいよ、俺の住居貸す。同郷のよしみだしね」
「君って基本優男なんだよなぁ」
「ひぎゃあ、カゲマルさんとはどういう関係で!?」
「恋人」
「えっ!?」
「主従の間違いだろ。名無、彼はあくまで天竜人だ。気をつけた方がいい」
「えっ、!?」
「カゲマル、警戒されるような文言はよせ。俺には敵意はないし、お前一人で十分だ」
「はいはい」
「と、この屋敷においてもいいんだが……バレたら面倒なんだよな。隠れ家をかすからそちらに行っておいで。カゲマル、送ってきて」
「はいはい」
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あぁーなるほど、そういうことか。とは、最近見かけるようになった彼らをみて思うことだ。恐らくは彼女の言っていた二十年後に云々といいたことはこういうことなのだろう。恐らく彼らは私があの時いた忍びの少年だとは気づいていなさそうである。ということは仇討ちもしくは維新戦争に似たものになることは間違いない。さてはて、そろそろイリア聖から分身か本体かをよこせという連絡も入っていることだ。成り行きでついていってはいるが。
「ナマエ?どうしたんだ?」
そう尋ねたチョッパーに、少し考えごとをね、と答える。相変わらずモフモフである。
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「本体か、分身か」
「本体だよ。この件が終わったら交換するけれど」
そう言ってやれやれと息をはく。彼は相変わらずだ。マリージョアで行われる会議で何か起こるらしいから呼び出されたわけであるが、恐らくこれを止めたかったのだろう。天竜人をどうこうするのはできかねるが、奴隷はどうこうできるので、周りが彼を襲う前にしらほし姫を抑え込んだ男を蹴飛ばした。チャクラをめちゃくちゃ込めたわけではないが吹っ飛んだ彼らにいよいよ人外染みてきたなと内心乾いた笑いが浮かんだ。そばにいた天竜人は騒いだが、睨めばヒッと息を呑んだ。チャルロス聖だっけな、この人の名前覚えてない。周りがザワッてしたし、CP0というかルッチさんが攻撃してきたので軽くいなしたが。仮面をつけていてもバレる時はバレると思うが。
「カゲマル、やめろ。CP0、うちの奴隷が迷惑をかけた」
そう言ったイリア聖に、距離をとって彼の近くで首を垂れる。近くにはミョスガルド聖がいるのだが。
「が、お前たちは天竜人同士の争いに関与できる権利があるのか?」
ケラケラ笑いながらそう尋ねた彼に、ルッチさんはいえと断った。チャルロス聖がイリア聖と言葉を言葉をこぼす。
「チャルロス、お前こんな場所でこういうことはマナーが少々悪いと思うが?」
「こんな下々にマナーも何もないえ!」
「あっはっはっはっ、下々が集まるこんな場所だ。俺たちがマナーを合わすしかねぇよ。まぁお前さんはしないだろうが。あぁ、無性にだが腹が立つな。お前を殴るか、お前のコレクションにウチの奴隷放り込んで皆殺しにしていいか?それがさっさと失せろ。俺の気が変わらないうちにな」
ケラケラ笑いながらいうことではなさそうだ。チャルロス聖は私がやったことを知っているので後ずさったが。まぁ実際は殺したように見せかけて反乱軍に天下りしたり色々なんだが。まぁ瞬間イリアがぶん投げたが。チャルロス聖ー!と叫んだ彼の取り巻きに対し、こちらの取り巻きはやれやれしている。私もやれやれしている。これは意識ないなこいつ。
「すまん、過剰防衛かもしれん」
「主、次からは僕にお任せください」
「いや、天竜人相手なら俺の方がいいだろ」
「何してるんです」
「お肉タプタプしてる」
「おやめください」
そう言ってため息を吐く。つれていけ、と殺気をこめた目線を送れば彼らはチャルロス聖を連れて行ったが。
「CP0も引け。お前ら今度頼みたいことあるしまた声かけるわ」
「かしこまりました」
「ミョスガルド聖、義理立てはしたぞ。カゲマル、帰るぞ。いいもんは見た」
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「あと一人は?」
「あと一人はカゲマルという少年の忍び。……ももの助様やひより様つきの忍びでな。あやつは時を超えなんだ。話によれば、妹君を庇い、磔になり処刑にされもうした、と」
わぁ、号泣してくれている。驚愕と共に泣いている周り、だが、名無ちゃんは私を凝視している。私は縁側にて鳥と戯れているのだが。ちょんちょんと寄ってくる鳥にしろ狛犬にしろ人懐っこいものだ。トラファルガーがこっち見ているが気にしないことにする。まぁ、名無ちゃんが寄ってきたので鳥は飛んでいってしまったが。
「ナマエさん?聞いてました?」
そう尋ねた名無ちゃんに、聞いてたよ、と答える。成り行きであれ、私がここにきたのはやはりよろしくなかったのではなかろうか。
「苗字屋、何かあるのか?」
「そういや、ナマエはこの国出身じゃなかったか?」
チョッパー君の言葉に周りがああそう言えば、みたいな感じになる。錦えもんたちの視線がこちらに向いた。
「なんと、それは誠か!?」
その言葉に目を伏せる。仕方ない。ここは話しておいた方がいい。運良くあの人はいない。我らと同じような、とつげた周りに息を吐く。
「……あまりそちらの名前は名乗りたくないのだけど」
「え?」
ぽん、と少年時代の自分に変化をする。こうすればわかりやすいだろう。
「お主はまさか……」
「お久しぶりでございます、ももの助様。錦えもん様。菊之丞様」
「カゲマル……!?お主、生きておったのか!!」
そう言ったももの助様に頷く。まさか幽霊みたいな感じの周りに元の姿に戻ったが。
「失礼だな、生きているよ。磔になった時に少し細工をしてね。姫御前のところに戻る予定だったのだけれど、オロチは誤魔化せたけど少しミスをしてカイドウにはバレてね。ついでだし首を落とすかとちょっと競り合ったら海に落ちて離れてしまった」
そう言って困った顔をする。
「そうか
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