2022/12/31
2022年度没ネタ整理148
「ふふ」
「……何か?」
「いいえ?貴方は貴方なのだと思っただけです」
そう言ってクスクス笑う。いやぁ、見た目は全く違うものの、荀攸さんは荀攸さんである。どうやら彼は碁が大好きなようであるが。口をへの字にしている彼は向こうの荀攸さんよりは表情が出やすいようであるが。
「貴方の思い描く策はとても緻密でいて大胆、とても面白いものなのですね。それが碁にも表れているような気がします」
そう言えば少し驚かれたが。ちなみに、彼は荀ケ殿がこちらにいるから付き添ってここにいてくれるだけであり、特に私や長沙に忠誠を誓った人でもない。いわば客将である。
えい、と彼の意に反する場所に碁石をおく。そこから攻めに転じれば、彼は次第に顔を曇らせ、考え込んだが。私は時間をかけようが気にしていないので外の景色をみる。飛んできた小鳥を手の先に乗せて遊ばせていれば、ドタドタと足音が聞こえてきて鳥は飛んでいったが。
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「李子殿は時々本当に人間であるのか疑いたくなります」
そう言った荀攸さんに、おれは目を瞬く。それよく李子さんが思われる感想である。半分以上仙人化が進んでるのだから、恐らく人間ではないのだと思われる。
「李子さん、どっちかというと仙人だしな」
違う世界から迷い込んだなんて言えば、恐らく彼らは理解しないだろうが。郭嘉さんなんかも、そういえば李子さんはどこからきたのかみたいな話をしていた気もするが。仙人、と繰り返した荀攸さんに、俺たちの師匠は仙人だったから、と告げる。
「おれが拾われる前に、遠い場所からここに迷い込んで師匠に拾われたって話は聞いたことがある」
「遠い場所?」
「まーな。郭嘉さんなんかは冗談で月や天上から来たんじゃないかとか言ってたけど、蓬莱とか桜蘭とかそんな世界じゃないっぽい」
そう言ってお酒を飲む。
「では、ずっと元の世界に戻れずに」
「まぁな。おれが一人前になってから探すって言ってたし、ここが嫌いではないみたいだし」
でも、時たまに、何かを思って月を見上げる姿をみる。それをみて、郭嘉さんは月から来たんじゃないかと思っている可能性があるが。
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「また見上げている」
そう言った郭嘉殿の視線を辿る。その先には窓から月を見上げる彼女がいた。月に照らされたその表情は憂を帯びている。そこだけがまるで絵のような。美しい何かがある。郭嘉殿はそっと近くと、李子殿、と声をかけた。
「李子殿、私たちもご相席しても?」
私たち、ということは私も換算されているらしい。
「ええ、どうぞ。と言っても、少しのお酒を手に月を見ているだけですが」
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李子さんが張郃の無茶に怒って、メルヘンな髪型(某髪の長いお姫様がしてたお花ヘアアレンジ)に仕上げてて笑った。暗殺偵察にむかねぇ〜!と思って笑ってたら張郃におれが怒られたけど。
「も〜!どうするんすか!目立って仕方がないっす!」
と怒っているわりにこいつは多分内心まんざらでもない。
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「李子くん!久しぶり〜」
「李子じゃねぇか、久しぶりだな」
と、天刑宗にいる割に李子さんを見かけた瞬間、人懐っこい顔をした2人に李子さんはなんともいえない顔をした。知り合い?と星辰が聞けば、彼女は同郷です、と珍しく苦々しい顔をした。おれは2人を見て、目を爛々と輝かせた自信がある。蜀と呉がきた!あとは郡と晋陣営がきてほしい。
「お二人がいる勢力は妖魔勢力のようなものなので、あまり長居はしない方がいいと思います。こちらに迷い込んだ際に拾われたのかもしれませんが」
「うげげ、マジで。李子くんの方行きたい。隣のがバーサクする前に」
そう言ってちょこちょこかけてきたのは呉のだな、尚香姫の友人である朱花ではないだろうか。
「俺は折角ならお前と一戦交えてからそっち行きたいね、お前が沈んでから何十年たったことか……」
その言葉にうむうむ頷く。蜀の宋連は李子さんと同い年ぐらいで、滅亡まで駆け抜けてる人物だからだ。
「私は貴方のお相手をするのは気が引けますので、何もせずにいたいものです」
「李子くん、女の子の格好してる!え、まさか、李子くん女の子だったの!?」
「嫌だね、俺は戦ってしか仲間になる気はねぇよ」
「まさかすぎる……美丈夫と美少女のセットだったのか……ええ……それはそれでおいしい……」
そう言った朱花に、お前はだまれという宋連さんである。お前ら夫婦だもんな……
「そのような物言いはどうかと思います」
「あぁ?妻になんで言おうが俺の勝手だろうがよ」
「……妻?」
李子さんが朱花を見下ろす。朱花は「李子くんがいないからーー!」と発言した。俺はうむうむと頷く。この三人の関係性はこうだ。晋と郡が増えても似たようなものである。
「私は李子くんが良かったのにー!李子くんが長江に沈んじゃうからーー!」
「あぁ??それはこっちの台詞だおい」
「私は国の為に命を捧げる覚悟であり誰とも添い遂げる気はありませんので、良かったのになどと言われても困ります。貴方達には素敵な方が現れるはずだと再三言っ……た結果こうなのですね」
ふむ、と考えた李子さんに、宋連さんが弧刀を抜く。その瞬間、李子さんが朱花さんの扇で止めたけど。つよっ。
「考える暇があれば戦おうぜ、李子さんよォ」
「仕方ありません。貴方は武力で黙らせた方が早い方です。お相手いたしましょう」
李子さんがそう言って巻物広げた瞬間、飛翔剣がカチャカチャでてきてめちゃくちゃかっこよかったのはいうまでもない。
まぁ、第三者の割り込みで共闘パターンになったのだが。
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「あぁ、あれは……私が故郷でとある方にお仕えしたく、男装をして紛れ込んでいましたので」
さらっと李子さんが告げる。男装。男装。と、話を聞いていた君主軍師陣が動きを止めてて笑う。
「孤児であった際に盗賊に襲われたところをその方に助けていただき、恩を返す為に勉学などに励んでお仕えしました。男として生きた方が都合が良かったので」
そのセリフに王元姫たちが頷いていたのが印象的である。荀家が口を開く。
「無謀すぎるのではありませんか」
「ばれなかったのですか」
「直属の上司と年上の部下の1人にはばれていたかもしれませんね。面と向かっては言われてませんが、度々手助けいただきました。まぁ、ばれたところで君主様は私の才を認めてくださっていましたから、変わらなかったと思いますが」
そうざっくりと告げた李子さんに、宋連さんが苦々しい顔をした。
「お前が女ってばれたら君主の後宮入りもしくは名家の年上の方の嫁もしくは罠馬鹿の嫁、またはお前の上司の側室的な位置に収まるに決まってんだろ。塾生時代にバレてたらお前は絶対塾先生の息子の嫁もしくは三馬鹿のうちの誰かの嫁だよ」
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10/30
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