2022/12/31
2022年度没ネタ整理149
「李子殿!?」
李子さんなんで男装してんの?と思っていたが、こういうことらしい。李子さんの名前を呼んだのは見るからに無双の荀攸です、ありがとうございます。李子さんのところに駆け出そうとした荀攸殿を周りが止めかけた為に、俺はその刃を下げさせる。ざわざわと騒ぐ周りだが、いつもどこか憂いを帯びている李子さんが少し嬉しそうな顔をしたからか、黙った。
「ご無事でした、貴方が行方をくらまして……皆で探しておりました。殿も、郭嘉殿も、俺たちも」
「ありがとうございます、荀攸殿。私も目を覚ましたら他の世界に飛ばされており……」
「周りの彼らは」
そう言って荀攸が眉間に皺を寄せて周りを伺う。李子さんが首を左右に振った。
「同じ旗を掲げていらっしゃいますが、味方です」
「……何かご理由がありそうですね。詳しい話は陣にて伺いましょう」
荀攸殿がそう言って李子さんを連れて行こうとすると、荀ケ殿がわって入ったが。
「申し訳わけありませんが、李子殿は今や清河国の城主補佐であらせられます。こちらの総意なしで連れて行かれるのは、我らに対しての宣戦布告と受け取りますが」
うわー、これはあまりにも泥沼である。軍師系とか一部武将とかほぼ全員李子さんに重い感情抱きすぎなんだよな。李子さんがちょっと困った顔してる。荀攸殿が、李子殿、となんとも言えない顔をした。
「野心などなく他人に尽くし、他人を思いやることを善しとする貴方のことです。その立場にいらっしゃるのは恐らく成り行きでしょう」
バレている。荀攸殿は言葉を続ける。
「しかし、貴方はこの世界では曹魏の臣。軍師祭酒補佐、すなわち郭嘉殿の補佐です。それをお忘れだというのであれば、貴方が連れ去られたものであると我々も手を打たなければなりません」
周りに困惑が広がる。それはそうだ。多分一部は李子さんは伝えているようだったが、知らない人の方が多すぎる。現に星辰は李子さん曹魏えっ!?と口に出して驚いている。天尊が口を開く。
「ここが李子の故郷か」
「そういうこった」
俺はそう言ってため息をつく。穏便に済ませるには、李子さんを無双曹魏に渡した方が早い。俺はとりあえず馬から降りて李子さん達のとこに向かう。荀攸殿は礼儀正しくすれば礼儀正しく返してくれるはずである。
「はじめまして、李子殿の兄代わり……曹魏の荀攸殿。俺は寵沙と申します」
「……これはご丁寧に。俺の名は荀攸と申します」
「先程こちらの臣がご無礼を」
「いえ、こちらも焦りがありましたから」
「しかし、こちらの申し伝えた通り李子殿は今城主補佐ーーすなわち俺の補佐をしていて頂いています」
「……貴方の?」
「はい、始まりはまぁ色々ありまして……もとより俺が立派な城主として立てるまで李子殿には補佐をしていただく約束をしているのです。そのあとは故郷に帰る手段を探すのだとも聞いています。なかなか俺がそれに至らず、いまだに李子殿の手を煩わせる次第でして……」
「ふむ……」
「今、李子殿に抜けられると大変俺たちは困ります。この変な世界に飛ばされた民や兵にとっても李子殿がいなくなると不安に陥るでしょう。どうか李子殿をお借りできないでしょうか」
「それは俺の判断では決めかねます。俺は李子殿の兄代わりかもしれませんが、立場では部下にあたりますから。殿にはご報告いたします。李子殿にも一度殿への御目通りをしていただきます。皆心配されてますから」
「わかりました。ただ、こちらも不安がりますので、こちらからも臣をおつけしても?」
「それは構いません」
そう言ってくるりと振り返る。
「ということで、郭嘉さんと、法正さんと、呂蒙さん、李子さんについて行って。張郃達はステイ」
「なんでッスか!」
「身を守る将を連れて行った方がいいんじゃないの?」
「呂蒙さんいるし。お前は有事に必要だから、ステイ」
主に李子さん取り返す用の。
「そもそも、向こうに郭嘉さん並みに頭いい人いるの確定してる上に下手したら諸葛亮さん並みに頭いい人いる可能性もあるんだわ。対郭嘉、対諸葛亮対策。あとは武力かつ頭がいい呂蒙さん」
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