2022/12/31

2022年度没ネタ整理150


「ナマエが真面目にすると、ただの郭嘉さんになるからなぁ」
「……??」
「荀攸さんと悠さんが理解できないみたいな顔してるの笑う」
「いや、多分お前しか理解してないぞ、それ」

==



==

「私としては貴方と悠仁殿の秘密の話の内容が気になるところだけれど」
そう告げた郭嘉殿に、勘がいいなと思うわけで。まぁ、秘密の話というよりは秘密裏に状況確認をお願いしている状態なのだが。私はそうですか?と首を傾げて彼の杯に酒を注ぐ。
「ただの個人的な話ですよ」
「おや、二人っきりの秘密ほど甘美なものはないけれど」
「それもそうだ」
クスクスと笑えば彼はそうだろうだなんて言いながら私の杯に酒を満たす。
「でも、まだ貴方に教えることではありませんよ」
そう言って目を伏せる。まだ、だ。まだ確定していない。その未来はまだ。

==

「あの女は何を考えているかわからん」
それはそうだ。彼女は何を考えているかなど、周りにはわかりっこない。それが周りにとっては不気味なのだろう。彼女はいつも飄々としている。掴みどころがないのだ。掴ませてくれない、だというのに、掴んでいないと消えていきそうな。そんな繊細さや儚さを彼女は持っている。まるで、雪の結晶のような。本当に信頼に足るのか。そう尋ねた時に、俺やナナシは頷くし、魏と掲げる彼らも頷くだろう。しかし、他はどうだろうか。俺たちも信に足りないという話になる。
ーー彼女の努力も知らないで。彼女がいたから回避できたことはあまりにも多い。だというのに。
手のひらに爪を立てる。口がきけないことがどれだけ。
「ナマエさんは信頼できるよ」
そう言ったナナシに、俺は頷く。あの人は絶対俺たちを裏切らない。


ひやり、と、冷たい空気が漂った気がしたのだ。
どうして自分がついて行ってはいけないと言われたのか。その答えは彼女以外が帰ってきて理解することになるのだけれど。

どうして。彼女が殿に行くと言ったから。そんなことは理由にならない。



「悠仁さん、無謀ですって!」
珍しい。彼が感情を露わにすることなんて珍しい。彼は何か持っていたものを郭嘉殿に投げつけた。うわ、めちゃおこじゃん。全員が唖然としたその隙に近くにいた馬を奪って彼は駆けていったのだが。

==

常夏であった南郡に雪が降っていた。
雪、氷、そんなものの中、妖魔が凍え死んでいるのがわかる。逃げようとした姿のまま凍りついて、まるで彫刻のようだった。
そうしてたどり着いたそこには高い塀が築かれていた。そのあまりにも静かな世界に彼女はただ佇んでいる。その姿に駆け出した。彼女を揺する。彼女の服は凍ってしまっていて、音を立てて割れた。肌も凍りかけている。まだ呼吸はかすかにあった。ただ、人形のような彼女は死にかけている。体温を分け合う為に彼女を抱き寄せた。

「悠仁殿!!」
そう言ってやってきたのは俺を監視している荀攸殿である。これは一体、とつげた彼は俺の腕の中にいる彼女を見下ろした。



「アレの二つ名は、冬の魔女だ」
「冬の魔女?」
「生まれた街を氷漬けにしたと俺は聞いたがな。どうやらそれで家や街に厄介払いされたらしい。恐らく、ナマエがああしたんだろう」
「……些か恐ろしいほどだな」
「でも、ナマエさんは制御できてるしなぁ」
「ああ、そうだな」

「力があれだけ強いと、何か弊害が現れる」
「弊害、ですか?」
「詳しくは知らんがな。昔、アレがまだ子供の時に当時の上層部にこう言ったことがある。三組が力を合わせなければ、このままでは、国が焼けてしまうってな。当時の上層部はどこも笑って一蹴した」
「ーーえ?」
「待ってください、彼女はあの事態を予測していたと?」
「どういうことだ?」
「俺たちの世界でのこの前の危機だ。ナナシが隊を束ねていなければ、確かに国は焼けていただろうよ」
「ーー」
「それだけじゃない。調べてみれば、ナナシの隊の設立に関しても、動向に関しても全てにあの女は噛んでいた」
「ーー彼女は未来が見えると?」
「さぁな。それは悠仁しかわからん。が、悠仁は生まれつき口がきけん」
「しかし、なぜそれならば彼女は他に言わない?」
「決まっているだろう。アレは悠仁以外を信じていない。話しても無駄なんだと思っている。信じられないとな」

==11/10



 Comment(0)
未分類 

次の日 top 前の日