ネタ帳vol.3

2023ネタ帳125:君僕主if

01/14 17:58 


「私のそっくりさんがいる?」
アメリカに留学したサチからの連絡に?を浮かべる。なんでも、外見は違うらしいが私だと名乗って軍だかCIAだかにいるらしい。よくもまぁそんなことを試みたものだなぁと思いながら私は妹達の勉強をみる。ここが間違ってると言えば、消しゴムで消した妹であるライクが私の方を見上げた。
「ライク達じゃなくて?」
「いや、違うみたいだ」
「ふーん、シャラシャーシカにバレなきゃいいねぇ」
ニッシッシ、と笑った妹に、そうだな、と頷く。末の子が、大変ですねぇと他人事のように呟いた。サチは恐らく聞こえてはいないが。
「でもジョン達がそれを信じてるならそれでいいんじゃないか?私が渡航することもないし」
「いや、たぶんアレ泳がせてる気がする」
「まぁ自業自得というやつだし、ジョンはなんやかんや見捨てないとは思うが」
「そうなんだけどさぁ」
不満そうに告げられた言葉だ。納得していないような。
「それで、サニーの母親は見つかったか?」
「多分この国じゃなさそうなんだよね。デイヴィッド達に聞いてみるにも、その人が絡んでるから話しかけ辛い」
「まぁタイミングはあるだろう。今のところ、容態も安定してる。焦らなくてもいい」
「うん、わかった」
「じゃあしっかり勉学に励め」
「はーい、先生」
そう言って電話をきる。サニーちゃんのマム見つかった?と尋ねたアマナに首を左右に振った。でもきっとサチが見つけてくるさ,と頭を撫でておいた。

==

だって本人日本で小児科医というかdmh専属の小児カウンセラーしてるし。そうは思うが口に出さない方がいいだろうそれである。しかしながらどうオルガちゃんのことを聞けと。唯一彼女が周りにいなくて、私が話しやすいメリルさんは知らないと思うし。そう思いつつEEとメイリンと楽しく学生しているのだが、目の前でデイヴィッドとジョンさん、ついでにオセロットさんがナマエちゃんと同じ記憶がある人のことを話している。あああー,と思いながら私は顔を伏せた。ナマエちゃんは気にせずやること(勉強)をやれというけど、私としてはかなりもやっとするのだ。とりあえず、サニーちゃんを優先しろと言われているからそちらから尋ねるけども。よくよく考えてみればデイヴィッド、ではなくオセロットさんの方がオルガちゃんの行方を知っている気がする。事情をある程度知っているEEとメイリンが今行けって目で訴えてくる。話に割り込むのはよくないが、今しかチャンスはない。関わりがなかったので私はガチガチに緊張する。
「あのぅ、オセロットさん」
そう呼びかければ、彼らは私を見た。
「どうかしたか?ナナシ博士」
「私は博士と呼ばれるような人じゃないので……呼び捨てで大丈夫です」
「ではそうしよう。どうかしたか?」
「オルガさんって今どこにいるかわかります?」
そう尋ねれば、オルガ・ゴルゴビッチか?と尋ねられて私は頷く。モニタに向かっていたオタコンがこちらをみた。まぁサニーの養父だしそうなる。
「今はロシアの手は離れていたとは思うが」
「オルガ・ゴルゴビッチ?」
ひぇ、ジョンさんがはいった。彼はデイヴィッドとよく似た顔に不思議そうな表情を浮かべて首をかしげる。オセロットさんがセルゲイ・ゴルゴビッチの娘です、と返した。
「セルゲイなら今PMCじゃなかったか」
「ええ」
「何かあったのか?」
そう尋ねたデイヴィッドに私は口を開く。
「私、NGOが運営する日本のdmh達が集まる小児病院というか、そういうちょっとした施設にいたんですけど、そこにサニーちゃんそっくりな子がきたから」
そう説明すればオタコンがキャスターつきの椅子でやってくる。
「本当かい?でも、どうして日本に?」
「カウンセラーの先生がなまじ人望があつくて、ちょっとやんちゃな子でも相手ができるから内紛国とかの難民とか、パニックになりやすいdmhの子たちが国内外から集まるの。その中にいつの間にかいて、私、ほら、サニーちゃんの小さい頃知ってるでしょ?そっくりだなぁって思って」
そう思っていたら、あのアマナちゃんがこの子サニーだよと告げたのだがそれは伏せる。いらない情報すぎる。そこからナマエちゃんに繋がりかねない。
「多分、どこかの国で保護されたんだと思う。オルガちゃんに会ったら何かはわかるでしょ?」
私の問いかけに、それもそうだね、とオタコンがつげる。
「でも、サチ、もっと早くに聞いてくれたらよかったのに」
「無理無理」
「無理よ」
私が答える前にEEとメイリンが即答した。無理と目を瞬いたオタコンに、「あの人がいるから無理!」とEEが口を開く。あの人で大体合点がいったのか、オセロットさんとジョンさんはため息をつき、デイヴィッドはジョンさんをみた。オタコンだけが首を傾げたが。
「ジョンさんと知り合いのあの人が、四六時中お兄ちゃん達のそばにいるし、私達が貴方達と話したら睨まれるもの。無理!」
「だ、そうだぞ、長男。知り合いだろ、どうにかしろ」
デイヴィッドの言葉に、ジョンさんが眉間に皺をよせた。そうして口を開く。
「いや、アレは……俺の知るアイツじゃない」
キッパリ言ったなと思う。はわわ、と私は口を覆う。知るアイツじゃない?とデイヴィッドが繰り返した。オセロットさんが口を開く。
「恐らく記憶を移植したかトレースした他人だ。人造的に作り出したヘイティ。たまにジョンの周りに現れる」
たまに現れる、の、パワーワードである。
「なんのために?」
「だいたいが俺やザボス、アダムスカ達に近づくためだ。だが、今回はお前たちに絡んでいるのをみると違うようにも思う」
「お嬢さん達には悪いが泳がせてるんだ」
「え、これ最終的に他人じゃんってなったらどうなるんです?」
私の問いかけにオセロットさんがいい笑顔で知りたいか?と聞いた。それが怖すぎる。この人のいい笑顔でその台詞は怖い。私は固まる。
「キスorデスすぎません?」
「安心しろ、丁重におもてなしして丁重に帰国してもらうだけだ」
オセロットさんの言葉に、ジョンさんが口を開く。
「言い当て妙だが、違う」
「え?殺すの?」
「いや,そっちじゃない。別に、俺はアイツが……」
「え?好きじゃないんです?」
私は目を瞬いて口を開く。デイヴィッドが笑いを堪えている。嫌だってそのあとに続く文脈的にはそうじゃないか。私の言葉に彼は視線を泳がせた。
「……そう言った感情じゃない」
まぁ、それ多分本編でも言ってたやつだし。私は首をかしげる。
「でも、一応記憶があるっていうなら会いに行くし、そのままそばに置いたりするって言うことは、他人に取られたら嫌なんですよね?」
私はそう首をかしげる。それは、と言った彼は案外とっつきやすいのだ。
「……それはそうだが……」
ちなみにナマエちゃんは彼氏がいたりしたが、ナマエちゃんがスーパーガールすぎて信者になったり、別れを切り出されたりするので恋人はいない。私が留学する前も、本人がなんでだ……とちょっと悲痛そうに顔を覆っていた。まぁ彼女はそろそろ結婚とかを口うるさく祖父母に言われてる可能性はある。あまりにも苦々しい顔をして、ああだとかどうだとか言う彼に不思議そうな顔をしていれば、ちょっと可愛い拗ねたような表情をして彼は口を開く。
「第一、あえてないんだ。記憶がない可能性もあるし、他人と結婚してる可能性もあるだろう」
「それはないですよ」
と、つい口を出た言葉に私はしまったと思う。視線がこちらに向いたので、私は椅子から立ち上がりデイヴィッドの後ろに逃げる。まぁ、ジョンさんは目を瞬いただけだし、オセロットさんも不思議そうにしたが。
「何故言い切れる?」
「いや、あのですね、」
私は冷や汗ダラダラである。デイヴィッドの後ろから動かないことにする。デイヴィッドが口を開く。
「サチ、吐いた方が今後のためだぞ」
「いや,だってさ、デイヴィッド、記憶持ってますって言う人が複数いるならその人もそうかもしれないし……」
「サチ、墓穴掘ってるわよ」
メイリンの言葉に私はがっくしと肩を落とす。ジョンさんが私が使っていたキャスター付きの椅子に座り、オセロットさんが近くの机に軽くもたれた。
「お二人とも忙しいんじゃあ……」
「彼女はリキッド達といるからな。今日は穏やかだ。それで?」
私はがっくしと肩を落とし、両手を上げる。降参ポーズである。
「わかりました、私のいる施設には、そっくりな三姉妹がいます。一番下は6歳の元気っ子アマナちゃん。2番目が12歳いたずらっ子ライクちゃん。一番上が、先程言った小児カウンセラーのナマエ先生です」
そう言えばジョンさんが目をまんまるにした。オセロットさんも驚いている。デイヴィッドだけが「先生?」と首を傾げた。
「うん、ジョンさんと同い年なんだよね。小児科医の免許持ちだから「先生」って基本呼ばれてる。まぁあの人たまに違うやつのオペにも駆り出されてるけど。私が会った時はまだ学生だったから、ちゃん呼びしてる」
ジョンさんはオセロットさんをみる。彼は首を左右にふった。恐らく情報がきてないんだろう。
「たぶんですけど、ジョンさん達、ナマエちゃんのこと、ナマエ・クラウディアで探しませんでした?」
「ああ」
「クラウディアさんはナマエちゃんの養父だから、多分それじゃ出てこないと思います。今も三人ともお母さんの苗字名乗ってますもん。……ああ、でも、ナマエちゃん昔はショックでその辺りの記憶なくしてたって言ってたしジョンさんに会った時は両親のファミリーネーム覚えてなかったのはあり得るのか……」
「調べよう。彼女の正しいファミリーネームは?」
オタコンがそう言って口を開く。
「ナマエ・苗字」
オタコンが恐らくwebを漁ったんだろう。施設のスタッフ紹介には彼女は乗っているはずだ。これかな?と告げたオタコンに、画面を見たジョンさんが嬉しそうに口を開いた。
「みろ、アダムスカ。ナマエだ」
そう言ったジョンさんに、見かけだけでわかるものなのか、とデイヴィッドが尋ねる。
「わかる。わざと伏せていたが彼女の瞳の色を見てみろ」
その言葉に、ああ確かに彼女は日本人ではあるが目の色は灰色だと思う。あの頃の私が聞かされていた情報は日系人ということだけで詳しいことはわかりかねたのだ。ナマエちゃんを名乗っている彼女も東洋人の顔立ちをしているが、目の色はブラウンなのである。まぁたまに記憶持ちも違った姿で現れるためそうとは言えないようだが。
「日本……日本か」
「そこまで行ってよかったのか?こないということは長男に会いたくないんじゃないか」
デイヴィッドがそう告げる。私はたぶんそれはないという。
「来る人拒まず去る人追わずだから。仕事が忙しすぎて海外には行けないって言ってたし」
そう言ってたら私のスマホがなる。誰からかと見れば、話題の本人、なんてことなくアマナちゃんである。もしもし?とオープンボイスではなせば、サチちゃーん!と声を出した。
「げんき!?アマナはー、げんき!」
「元気だよ。みんなは?」
「ライク姉はー、げんき!
「サニーちゃんのママみつかった!?」
「まだかなぁ」
「アマナのー、ダディは!?」
その言葉にどれだ,と私は固まる。1.今の実の父親、2.昔の血縁上の父親ことジョンさん、3.父親のふりをしていたソリダスこと今は大学生のジョージさん、もしくは4.なんやかんや面倒を見たデイヴィッドである。どれだ、と同じくデイヴィッドがぼやく。
「アマナちゃんが来たらわかるかなぁ」
私がそう言えば、それもそう!と言われたが。それもそう!はわらってしまう。
「アメリカにくる?」
「おねーちゃんタボーにつき、アマナはにほん!最近はねー、新しいお友達もふえた!!」
叫ぶように告げた声に、元気だなぁとおもっていれば、誰かが彼女をよんだ。こら、アマナ、と。その声はアマナちゃんのタブレットに近づいたのだろう。足音と一緒に声が聞こえる。
「お熱があるんだ。大人しく寝てなきゃダメだろう」
「ないよ!アマナはーとってもげんき!」
「夜にはコンコンさんになる。……ほら、また熱があがってる。早くよくならないとサニーや新しいお友達と遊べなくなる」
「それはヤダ!」
「じゃあ、すやすやしないと」
「ねる!!じゃーねー、サチちゃん!!」
そこでようやくナマエちゃんは通話に気づいたらしい。
「悪いサチ、この時間は勉強中だろうに」
「ううん、気にしないで。アマナちゃん体調悪いの?」
「ああ、風邪をひいてる。ライクの風邪がうつったらしい。解熱剤で熱が下がって元気だが、夜には恐らくしんどくなる」
「あー、ナマエちゃんが大変な連鎖だ」
ライクちゃんは熱が出るとナマエちゃんにべったりになるし、アマナちゃんは落差がすごい。ナマエちゃんは慣れたものだがな、と告げたが、ナマエちゃんもたまにそのまま体調が崩れる。
「まぁちょうどよかった。私もサチに聞きたいことがあって」
「ジョンさんに恋人がいるかどうか?」
「違う。なんでそうなるんだ」
「知りたいかなって」
私の言葉に彼女はため息をつく。
「サチ、私を名乗る人に刺青がある?」
ナマエちゃんの言葉に目を瞬く。刺青は見たことない。というか、彼女は大体袖が長い服を着ている。
「刺青?」
「あぁ。男が左腕、女が右腕に、地球儀に十字架が組み合わさったような……リサイクルマークのような刺青だ」
「どうして?」
私の問いかけに、新しい子供や大人が最近増えたんだが、とナマエちゃんは言葉を続けた。
「どうも、新興宗教なのかどこかの組織がやっているのかわからないが、他者の記憶を無理矢理インプットされた普通の人がいる。その人達に刺青があるんだ」
ナマエちゃんはそう言って
「ナマエちゃんのお父さん達は知ってるの?」
「それどころか父さんからの引き受け時に教わったことだ。また詳しくわかれば連絡はする。が、気をつけてくれ。刺青の写真はおくる」
私はジョンさんとオセロットさん、デイヴィッド達をみる。頷いた彼らに、私はわかったと返事をする。
「それとなく確認してみる」
まぁたぶんジョンさん達がしてくれるだろうが。ナマエちゃんはその言葉にありがとうと告げた。そうして少しだけ黙って口を開いた。
「……ジョンの記憶を持つ人……とそれに繋がる人達は元気か?」
「うん。みんな元気。誰かに変わろうか?」
「いや、元気なのがわかったらいい。そのまま元気でいるよう私は願ってるだけだ。じゃあな、勉強がんばれ」
そう言ってナマエちゃんは通話をきった。うーーん、このツンデレめ。
「なんだか穏やかな人みたいでびっくりしちゃった。あの人と全然違うわね」
メイリンはそう言って背もたれにもたれる。ジョンさんが口を開いた。
「日本に行ってくる」
「おい待て、お前がおいそれと行けるわけないだろう」
「行く。さっきの台詞を聞くに俺が会いに行かないと、アイツは完璧に俺に会いにこないつもりだ」
まぁそれはあり得るなぁと私は思う。アマナちゃんやライクちゃんがアメリカに来ることはあれど、ナマエちゃんはあの国から恐らく出ない。スマホが音を立てて、刺青の写真が送られてくる。なるほど、確かに地球儀を真っ二つにするように十字架が刺さっている。リサイクルマークのような矢印が周りに書かれていた。それを見ていれば、まぁ、本人がジョンと甘い声を出してやってきたが。そうして、デイヴィッドとオセロットもオタコンのラボにいたのね、と彼とオセロットさんに絡みにいきーー私たちをみて少し蔑んだような笑みを浮かべたがーー恐らく,私のスマホの画像が目に入ったんだろう。目を見開いた彼女に、私は追撃する。
「ヘイティさん、この刺青しってるんですか!?実はこれ、国連にいる知り合いと日本政府がですね、この刺青を持ってる人に注意しなさいって連絡がきてて……!」
そう言えば彼女は見るからに動揺した。あとはプロに任せたいところである。オセロットさんが逃げ場をなくすように彼女の後ろ側をとった。もう一度私のスマホがなる。ライクちゃんからである。
「サチちゃん、シャラシャーシカにー、伝えて欲しい!」
そうライクちゃんはそう言ってロシア語っぽい言葉を告げた。それを聞いたシャラシャーシカことオセロットさんが、彼女をみて口を開く。
「Who are you?」
「何言ってるの?オセロット」
目線を逸らした彼女の視線を無理矢理合わせて、オセロットさんは尋ねる。
「Who the heck are you? 」
「違う、私はヘイティよ」
彼女がしどろもどろになる。
「Who the hell are you? 」
「私は、」
「What the heck are you doing?(お前は一体何をしてるんだ?)」
そう告げたオセロットさんに彼女は正しく発狂した。ああああ、と頭を抱えた彼女はその辺りにあるものを投げ飛ばそうとしてジョンさんとデイヴィッドが確保した。
「タイミングが良い。いい子だ、助かった」
そう言って端末に投げかけたオセロットさんに、ライクちゃんが興奮気味にロシア語で何か告げた。私にはなんて言ってるかわからないが。この良すぎるタイミングをみるに、たぶんアマナちゃんがライクちゃんに何か言った可能性はある。アマナちゃんは何故かとても勘というのか、未来が見えているというのか,そう言った言動をとる不思議な子なのである。なんでなんでなんでどうして。落ち着け,と言われてはいるが、落ち着きそうもなく、叫んだり何かを譫言のように繰り返している彼女は正しく発狂しているようだった。通りがかったイーライさんとジョージさんがそれを見て口を開く。
「なんだ長男。やっと尻尾をだしたのか?今回はまぁそこそこ長かったな」
「えらく発狂しているようだが。私の便利なコマ遣いもいなくなるわけだ」
この二人の反応を見ると何度かあったんだろう。まぁジョージさんの後ろに知ってる人がいて私は違う意味でびっくりしたが。
「え、ノルさんじゃん!」
「おや、ナマエの友達のお嬢さん、久しぶりだな」
そう言ったノルさん、正しくはヴォルフ・ノルンシュタインさんはナマエちゃんの元恋人である。国連にいる弁護士か何かだった気がする。ちなみに、確か昔はフィランソロピーを認めてくれた人の中にいたはずだ。
「こちらには研修で?」
「留学と研修を兼ねて!」
「そうか。君は優秀だからな……」
ノルさんは彼女に視線をうつす。
「ああ、なるほど、お嬢さんがナマエから聞いて、彼らに伝わったのか」
「そうです。まぁ今聞いたばっかりなんですけど」
彼は失礼と言いながら彼女に近づくと手刀をおとして意識をダウンさせた。つよすぎんよ。ジョージさんが「珍しく暴力的ですね」と彼に告げる。彼は口を開いた。
「意識を飛ばしてから起こした方が会話になるんです。彼女の身元をご確認ください」
「……ということは貴方が注意を促しにきた連中の一人ということですか」
「そういうことです」
「ノルおじ!!」
そんな声が聞こえてノルンシュタインさんがそちらをみる。失礼と断って、私のスマホの前に移動したが。
「ライク、日本は夜中じゃないか。寝なさい。風邪は良くなったのか?」
「アマナがひいてるよ、ライクはもう平気」
「そうか。ナマエに無理をしないように言ってくれ」
「うん!ノルおじはいつにほんにくる?」
「しばらくは無理そうだな……」
「なんでー?」
「困った人達が悪いことをしようとしてるから、その注意を色々な人にしなきゃいけないんだ。お土産はいつものチョコレートでいいか?」
「うん!」
「お姉ちゃんの言うことはちゃんと聞くんだぞ」
「はぁい!」
「Gute Nacht」
「Gute Nacht!」
そう言って切れた電話に、オセロットさんが私を見た。また後でかけよう。恐らくライクちゃんも話したいだろうし。
「ジョージが連れてきた、ということは国連の使者、か?」
「えぇ、国連のOCHA及びDPOに属するヴォルフ・ノルンシュタインと申します。貴方達の組織でもdmhを広く迎え入れていると政府より情報をいただき、注意喚起に参りました。が……ナマエ・苗字医師より話を聞いたようですね」
「いや……刺青が入った人間に気をつけろとそちらのお嬢さん越しに言われただけだ。udmaの指令のジョンだ」
ジョンさんのセリフに彼は目を瞬く。そして、お会いできて光栄です、ミスターと握手をした。
「こいつらは一体?」
「いえ、我々も我々も今各国と連携して調べている最中なのですが、彼女が告げたように刺青を入れた人には気をつけろとしか言えないのが現状です。刺青を入れた一般的な人物がdmhと偽る事例が若者を中心に増えています。そして今までの報告をきくにそれらには二種類のパターンがあるようです」
「二種類?」
「はい。無理矢理記憶をいれられた人間と、望んでいれた人間です。特に内紛国などの兵士や子供は無理矢理記憶を埋め込まれ、先進国の若者は望んでいれる傾向にあります」
「前者は恐怖を紛らわせるためだとして、後者は現実逃避的な?」
私の言葉に、ヴォルフさんはそれに近いねと頷く。
「望んだ彼らは皆こういう。私は生まれ変わったはずだったのに、どうしで元の自分に戻ったのか、と。与えられるのは俺たちからすれば記憶じゃなく上部だけの情報だが」
「上部だけの情報埋め込むだけなら害はないだろう」
「と,思うだろう?上もそう思って放置したんだが……たが、記憶を埋め込み無理矢理自我を消された人間の人権はといっても貴方達はあまり気にしないかもしれないな。だが、その情報の出所はどこだという話にもなるし、情報をもとに行動を起こそうともする」
ヴォルフさんはそう言ってすこしだけ眉間に皺をよせた。
「お嬢さん、実のところ、ナマエが襲撃されてね」
「え?」
「自分がビッグボスだと思い込んだ男が彼女を殺しにきた。しかも、彼女が大切にしていた花畑でね。彼女が抵抗したのと、彼女を慕った周りが動けたから彼女は助かった」






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