ネタ帳vol.3
2023ネタ帳19:三國とあと田中
01/14 16:56
父親の職場が曹操様達の職場で、なおかつ私がこちらで名乗る姓を理解はしたのであるがどう言うことだろうか?と首をかしげる。そもそも父も母もそれぞれの国で似たような役職にもともとついていたから出会い、結婚。何やら実地側に振り分けられた父が私達の安全を考えた結果一人単身赴任していたらしい、のであるが。なら、思い出したと言うか体験した感覚になっている私にある記憶の時代と、父親がいた時代には約四百年ほどの開きがある。親子なのに?と首をかしげていたが、たまたま会った伏犠殿や女媧殿、太公望殿にそれとなく聞けば、縁が結びついたのだろうのと言われた。同性(姓ではない)似た名であればたまにそう言うことが起こるらしい。それか、当時の仙人が連れて行って時間を超えたか。ふむ。とりあえず母はなんとなく知っていることを改めて父に説明しなければならない。ということで、父親に説明したらめちゃくちゃ心配された。この父、過保護な面がある。いや、軍略とか戦術とか剣術とかは母親の子だからと諦めてるけど。どうも父の前世では父親が戦で転戦中に幼い私殺されたらしい。だから、仕事に巻き込みたくないのだろう。が。
「あまり目のつかないところで無茶をしてほしくない」
それは相反しているお願いではなかろうか。ちなみにそう言われた晩、兵に追われる夢を見たのだが。ふむ。やっぱり私時代超えてないか、これ。私三国時代というか後漢では両親不在の孤児だし。
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並べられた品を見て悩む。毎年父親の誕生日は万年筆やらなんやらをバイト代でプレゼントをしていたが、今年は仕事を知ってしまったが故に迷うというものだ。
「うーん」
「ナマエの父上は何を使いそう?」
そう言ったのは隣で同じように棚をみている元直である。元直や孔明くん、士元と伯寧殿と法正殿(何故かまとめて士元以外は同学年である。士元は少しだけ年上だ)は私とは違ってもう実地調査にでているはずだ。月英殿はサポート業務に合っているようだし、そちらで必要なものもわかるだろう。とりあえず、首を傾げて口を開く。
「逆に実地調査とかって何使う?」
「うーん、時代によるかな。俺たちは後漢末期だから薬入れとか筆とかをよく持っていくけれど」
「うーん、持ち運びできて時代考証に合うもの……資料を読み足りないのでいまいちよくわかっていないんでよね」
そう言ってまた二人で棚を眺めた。話を聞いていた周りが顔を見合わせて、問いかけた。
「ナマエのお父上は我々と同じ職場にお勤めに?」
「いや、それがね、孔明くん。私もこっちに引っ越してきてはじめて知りました」
「ということは曹操達と同じくらいの年代……それ以上か」
「でも、李子というのは君が咄嗟に名乗った偽名だったよね」
伯寧殿の言葉に、そのはずだったのですが、と言いつつ。立ち上がる。
「昔の父の娘の名前が李子だったようなのです」
「では、貴方はそれを覚えていたのですね」
「しかし、父と私の時代はあまりにも離れているため、結びついたのかもしれないと教えていただきましたが」
そう説明すれば、知っている元直(この前父と会った)が「でも」と口を開いた。
「ナマエ、父上にも似ているし仙術も使えるから仙界に迷い込んで出たら時間超えてましたっていうのもあり得そうだけど」
「うーーん、その件も少し考えたのですが。父の話を聞いた後追われる夢を見るようになって」
「盗賊になら、昔からうなされてただろう?」
「いえ、あの時の野党ではなくどこかの兵です。なので水郷先生に私を保護した当時の話をお伺いしたいとは思っているのですが」
「先生は忙しいからなぁ」
そう二人でうーんと考えていたら法正殿にいちゃつくのは辞めろと怒られた。いちゃついてはいない。この二人はこの距離感ですよと孔明くんがさらりと告げたが。ちなみに伯寧殿もこの距離感である。
「おや、ナマエと元直くんじゃないか。友達と学校帰りかい?」
噂をすればなんとやらである。ひらりと手を振った父親はスーツを少し着崩している。隣の長身の人が驚いているが。
「こんにちは」
「父さん、ちゃんとネクタイしめなきゃだめだよ」
「あぁ、すまない、助かるよ」
とりあえずネクタイをちゃんとしめる。うむ、これでよし。名無さんに似たね、と笑った父親に首をかしげる。
「父さんは……休憩時間?」
その問いに彼は数秒だまった。なんだ?と首を傾げれば、父親はキリッとした顔で答える。
「……いや、終業時間ーー」
「違います、ただの移動時間です。今から貴方は会議でしょう」
「司馬欣殿で事足りるだろう?私は子供と直帰するからうまくいっておいてくれ」
「それは許しませぬぞ。ただでさえ仕事が立て込んでいるのです」
「だが、私達の管轄ではないだろう?」
父親はなんというか、ちょっとサボり癖があるようなのは察している。力を抜くのがうまいのだ。……というより、司馬欣殿ということは三秦の一人ではなかろうか。そう思ってじっと見れば司馬欣殿はこちらをみたが。
「章邯殿のご子息も何か言ってくだされ。貴方の父上はすぐサボろうとする」
司馬欣殿はそう言って顔を近づけてきた。ご子息と言ったが、私のことだろう。制服のスカートが間に合わず、スラックス履いてるから余計わかりにくんだろう。まぁ父親が間に割り込んだが。
「人聞きの悪い。私は貴方を信頼して任せているんですよ。あと私の子供に近寄りすぎない」
「おっと失礼」
「父さん、私も早く帰ってきて欲しいけど、仕事ちゃんとしないと母さん怒るよ」
「……わかった。ナマエもはやく帰るんだよ」
そう言った父親は、他に子供をよろしくと告げると司馬欣殿と戻っていった。董翳殿と思われる人がその後に続いたので頭を下げておく。まぁ向こうも頭を下げたが。伯寧殿が見送ってから口を開く。
「なんというか、ナマエ殿がいなくなった後の徐庶殿みたいな人だね!」
「えっ」
「あぁ、うまく仕事の手を抜く的な面ではそうかもしれませんね。話を伺うに、戦地に出るまで手を抜いてたっぽいので」
私の納得に伯寧殿が頷いて、元直ががっくりと肩を落とした。
「……ナマエ、私達の時代もそうですが飴などの人工的な甘味はいかがでしょうか」
「なるほど、それはいいかもしれません。長らくあちらに滞在するとどうしても甘味が欲しくなりますから」
「雍王のことを考えるとあまり派手でない装飾のものが良いかと思いますが」
「ふむ、ならば、木で作られた日本の印籠のようなものの方がいいのか……」
ふーむと気を取り直して品を選ぶ。しかしまさか父親が秦の章邯とはみたいな会話をされているが気にしない。高祖にあったら教えてほしいと。まぁ、飴玉選びはちょっとふざけたやつを入れたのは仕方がないし、余ったやつは私のケースに入れておいた。渡せば喜ばれたのでよしとする。
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「章邯殿の御令息を見習ってはいかがか」
貴方の御令息はいかにも真面目そうなのに。
とは司馬欣の台詞である。章邯はその言葉に若干怒ったように彼を見た。司馬欣がそれをみてちょっと戸惑う。章邯に息子がいたっけな?と首をかしげる。それは他も同じだったのか、不思議そうな顔をした。劉邦が問いかける。
「お前に息子がいたとは知らなかった」
「昔は私が転戦中に夭逝しましたからご存知ないのは当たり前かと思いますが」
転戦中に、ということは劉邦達や項羽達云々ではなさそうだ。どちらかというと病や趙高によるものだろう。
「なので、この時代には関係ありませんよ。あの子を巻き込むつもりはありません」
「何歳で夭逝と?」
「今でいう幼児期です」
幼児期ならば可愛い盛りではないだろうか。
「私の子供の話は置いておいて、議題に移りましょう。早く終わらせて帰宅したいのですが」
「ご子息がまっておられますからな」
司馬欣の言葉に、悪かったね、と章邯が口を開く。
「子供が私の話を聞きたがるもので」
溺愛してんなぁ。
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完璧に巻き込まれたなぁと息を吐く。元直達も郭嘉さんたちもいないのがまだよかったというか。たまたま一緒にいた一学年下で同じ委員会の田広くんがぺこぺこと頭を下げた。気にしないでください、とは言ってみたがこの子は気にするタチだろう。郭嘉さんからもらった端末をみれば、時代が秦あたりだとはわかる。
「ーーナマエ?」
その声に振り返る。なるほど父親である。父さん?と首を傾げれば、彼は武装したままこちらにきて私の肩を掴んだ。
「どうしてここに!?」
「わかりません。学内にいたはずなのですが……」
「あわわ、章邯殿、恐らく私のせいです。いきなり端末が作動し、私がたまたま委員会でそばにいたので、巻き込まれて……」
「……いきなり端末が作動した?」
「はい……」
しょんぼりしている彼に気にしていませんよと頭を撫でておく。何か考えていた父はこちらを見て口を開いたが。
「田広殿、とりあえず貴方の父上達と合流しましょう。幸い彼らは近くにいますから」
「はい、お手数をおかけします」
「ナマエは馬には……」
「乗れます。……鞍はないのですね。なるほど、頑張ります」
馬に手の甲をむけて近づけば、馬はスンスンと匂いを嗅いで受け入れた。馬を触れば嫌がられていない。それどころか甘えられたうえにべろりと舐められた。なるほど。
「人懐っこいいいこですね」
と和んでいたら田家が遡行軍に急襲されていると伝令がきた。
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騎馬隊を作りたいし、弓隊も作りたい。四百年の隔たりがあるから仕方ないのだが、基礎は同じでも色々戦術が違ってくるのである。私の発言を父親ができるできないという判断をし、父の兵力を分散したうえで私も率いて田家と劉邦殿を助けることはできた。が、色々といないものを考えると戦術が限られるわけで。とりあえず戦車の戦法や使い方を教わったことがないので戦車隊の人に話を伺ってみたりなんぞする。あとは兵達を労ったりするついでに色々話を聞いておく。なるほどなぁと色々納得しながら馬を撫でていたら、李子殿、と田広くんがやってきたが。
「李子殿、何をされているのですか?」
「私は色々と無知ですので、兵達を労わるのと同時にいろんな方のお話をお伺いしておりました。今は馬を愛でながら整理を少し。戦車の扱い方や戦車を用いた戦術などははじめてですので、興味深いことばかりなので」
「そうなのですか?李子殿の策は見事だとおもうのですが……」
「いいえ、私一人ではできるできないの判断がつきかねます。今回は父がいたためその判断ができただけです。自分で判断できなければ咄嵯の時に対応できかねます」
「李子殿は素晴らしい武もお持ちなのに、知も磨かれているのですね」
「はい。武に関しては必要最低限ですが……そうでなければ大切な方を守れませんから」
そう言えば、なぜか田広くんがはわわと口をふさぐ。近くにいた兵士もだ。なんでだ?と首を傾げていればお互いに父親に呼ばれたのでそちらに向かったが。
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ふむ、と考える。田広くんの従兄弟ーー田市殿に難癖つけられているのはわかる。が、その指摘は正しい。父の話もそうだが、騎馬戦というのはこの時代異民族の戦い方だ。
「そうですね。馬に乗り掛けながら戦うというのは異民族の戦い方かもしれません。あまり使わない方がいいですね。私も知識がまだ浅く、ご指摘ありがとうございました。以後気をつけます」
そう頷いておく。私に比べて貴方様はお詳しいのですね、と返せば、相手は毒気を抜かれたのか、ふん、と鼻を鳴らしたが。
「当たり前だ」
「では、また何か不備があればご指摘ください。善処はいたします」
そうにっこり笑えば彼は満足したようだ。これでおさまって何より。父親が若干怒っているが私は気にしていないので気にしていないので目配せしておく。父親はため息で怒りを逃す。
「ええっと、章邯殿のご子息、なんですよね?……」
「ああ、えっと、申し遅れ失礼いたしました。私は章李子と申します。どうぞ李子とお呼びください」
「女みたいな名前」
「田市」
「お気にせず。女性のような名は事実ですから」
そう笑ってかわせば、彼は眉間に皺を寄せたが。話出そうとしていた男性は口を開く。
「ええと、李子くんはなぜこちらに?」
「それが私にもわかりかねます。田広くんと委員会の仕事をしていたのですが、いきなり周りが光ってこちらでした。たまたま近くに父がいたのでことなきを得ましたが、いきなり戦場などでなくてよかったです」
「いきなり私の端末が起動してしまって……李子殿を巻き込んでしまいました」
しょんぼりしている彼は可愛いらしい。気にしていませんよ、と再度言っておいたが。ふむ、と考えている周りは何か心当たりがあるんだろうか。
「例のバグの一部か」
「そう考えるのが妥当でしょう」
バグとは。二人で不思議そうにしたが返答はなさそうだ。違うふうに探るしかない。
「それにしても、戻るにはどうすればよいのでしょうか。どれくらい時間が経ったかわかりかねますが、今日の放課後は予定が入っていて……」
といえば、周りが頭を抱えた。なるほど。
「……戻れないんですね」
「そういうことです。俺たちも戻れるか試しているんですけど、どうも弾かれてしまって」
ふーむ、と考える。端末は仙術やら道術やらと科学を駆使して作ってるという話はきいた。仙界にあたる仙術のことであれば私はわかるが冥界にあたる道術は陸治殿の分野だ。科学も最先端のものはわかりかねる。
「状況を差し支えない範囲でお伺いしても?」
そう困った顔で男性に尋ねれば、男性はいいですよと頷きかけた、が、先に田市殿が口を開く。
「興味本位で部外者が首を突っ込んでくるんじゃねぇよ」
「部外者だからこそ最低限の説明は必要かと思いますが……」
「移動しながら説明しよう。いつまた攻めてくるかわからないからね」
田中殿達もよろしければ我が子に教えてあげてほしい。
父親の言葉に田中殿と呼ばれた男性が頷いた。
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