ネタ帳vol.3

2023ネタ帳19:三國とあと田中2

01/14 16:57 


ちょっとまて、李子くん有能すぎないか。ちょっとの説明でああなるほどと理解するが最後まできくし、確認事項はほぼあっている。なにより、兵法系と政系完備なのがまた。しかもあの武力にあの顔面。めちゃくちゃ完璧じゃん。すすすと張良が李子くんに近づくのが見える。合流した劉邦もめちゃくちゃ興味持ってるしな。
「李子殿は独学で?」
「いえ、先生に教わったり兄のような方々に教えていただきました。といっても、私の知識は秦代ではなく後の世の知識なのでこの時代に擦り合わせるのに時間がかかります」
「そこは気にしなくていい。どうせここは分岐体だろうからな」
「分岐隊?」
「改変された世界ということだね」
章邯の台詞に李子くんは改変された世界?と首をかしげる。
「向こうに先手を打たれまくった結果、歴史がずれた世界だな。正史とはかけ離れてる」
その言葉にふむ?と李子くんは考えた。
「劉邦様が統一されてないと?」
「それどころかここの俺は殺されてるらしい」
「……では項羽殿が?」
「項羽は子供の頃に殺されてる」
「…………では斉が一番強い勢力では」
「我々も徹底的に叩かれていますね」
「ん……?では趙や魏が?」
「そこもない」
「父上はでは少府のままですか」
「いや、私も北方討伐に向かわされて援軍を絶たれて死んでいる。秦代の悪政が続いてるんだ」
「後の時代がぐちゃぐちゃになるのでは」
彼はそう言って頭を抱えた。俺が口を開く。
「救いなのが分岐帯だということです。正史とは分岐した世界なのでまだ……」
なるほど、と、彼はいいかけて少し黙った。考えこむように。なんだ?何かあるのだろうか。田広が李子くんに尋ねる。
「李子殿は確か他の時代に出入りされていますよね?違う色の端末をお持ちでした」
違う色の端末ということは、違う時代なんだろう。章邯の息子が万が一匈奴に逃げて生き延びていたとしたら前漢あたりに現れるのではないだろうか。確か後の時代には縁者と名乗る人物が存在するのである。だから兵法をしる。だから、騎馬で戦える。彼はその言葉に少し困った顔をした。
「はい、この時代とは違う時代なのですが、知り合いの伝手で……今日から本格的な説明を受ける予定だったのですが……」
章邯がちょっと頭を抱えた。ああ、なるほど彼の予定はそれだったのか。
「こちらの不手際だから、戻ったら謝りに行くよ」
「いえ、アクシデントですので仕方ありません。話せば理解してくださいます」
「そちらで何か?」
そう尋ねた張良に彼はまた困ったような顔をした。
「今はとても忙しいから私が来るととても助かると言われていて。それも同じ国の方だけではなく他の国の方からも言われて……」
「偶然では?」
「……詳しく聞けば、高祖の血縁が途絶えかけてるから存在の証明?が働いているうちに対処するしかないとか言われていて。なんのことやらと思っていたのですが」
「えっ、もしかしてここが正史扱いになってる!?」
俺はそう言って端末をみる。
「簡単に正史にできるんですか?」
「いや、できない。しかし、後の時代に狂いが生じた時に稀にそうなる」
章邯の言葉に彼は頭を抱えたらしい。端末のログをみれば、確かに変わり始めている。漢が統一したという記録がすり替わり始めているのだ。
「ついさっきまで分岐点扱いだったはず……」
「こちらの記載だけ改変されていた可能性はありますね」
ふむふむと張良が俺の端末を見ながら口を開く。章邯が口を開いた。
「ナマエ、その上司の人やお友達と連絡は取れそうかな?」
「連絡……この端末で、ですか?」
「使い方を教えます!」
田広がそう言ってここがこうでああでと説明する。彼はそれを理解して、画面を見て迷うと通信を起動させたらしい。しばらくピリリと音が鳴ったと思うと画面が起動した。映ったのは眉間に皺を寄せた男性の顔である。
「ナマエ殿、今どちらに?もう真夜中です。学生が歩き回っていい時間ではありません。我々は親御さんから未成年である貴方を預かる身ですので、行き先も告げずに出歩かれるのは感心できません」
ま、まともだ。李子くんの身をきちんと案じている。まるで親のようではあるが。李子くんは「申し訳ございません、公達さん」と素直に謝ると、彼はまた口を開く。
「今どちらに?迎えに向かいましょうか?」
「ええっと、私もよくわかっておらず……何かに巻き込まれていることは確かなのですが……」
そういった李子くんに彼は目を見開いた。
「ご無事ですか!?」
「はい、無事です」
「貴方の身が無事でよかった……」
ホッと息を吐いた彼に、近くにいた章邯が口を開く。
「李子の上司かな?」
「父さん、こちらの方は兄代わりみたいな方のひとりです。公達さん、こちらは私の父です」
「いつも李子が世話になっています」
「いえ、お世話になっているのはこちらの方です。李子殿の慧眼、聡明さには頭が上がりません」
「私の名は章邯。今世では秦時代の文化調整を担っております」
その言葉に画面越しの彼は小さく「えっ?」と声をあげた。そうして少し考えてから口を開く。
「なるほど、こちらではナマエ殿は生まれは孤児でしたから、結びついたのですね」
「恐らくはそうでしょう」
「俺の名前は荀公達……荀攸と申します。後漢から三國にかけて遡行軍の戦域分析をしております」
荀攸。ピシリとかたまる。荀攸って三國史にでてくる荀攸だよな。ご丁寧に時代もいってくれたし。荀攸が上司ということは、李子くんは三國乱世のあたりで働くんだろう。結びついたと荀攸はいっているから、同名のだれかと同じだったから章邯のもとに生まれたっていうことだ。三國の李子。三國史に李子って確か、あれだよな。女性だけど、男性として、曹操に支えた……え、女の子では??
「それで、李子殿、今父上とどちらに?」
「秦時代です」
「秦?」
「はい、委員会の仕事を任され田広くんと処理していたのですが、あたりが光ったらここにいて……」
「お待ちください。田広ということは、斎王達がいるのですね」
「高祖や張良殿などの方々もいらっしゃいます。戻れないそうです」
その言葉に荀攸は考える。戻れない、ともう一度呟いた彼はまた口を開いた。
「わかりました、そちらを解析いたします。俺たちの時代や他の時代がぶれている原因の可能性があります」
「お手数をおかけいたします。……奉考さん怒っていましたか?」
「心配してらっしゃいましたよ」






category:中華組関連(msu・oa)