ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳95:大神妹と大空の神様
08/12 15:37
「令呪を持って命令します。アルジュナ、貴方はリツカとマシュを守り、ここから逃げなさい」
そう言って彼を見る。目を見開いた彼は、リツカちゃん達を彼らは姫だきにする。リツカちゃんとマシュは目を見開く。彼は何か言葉を飲み込んでーー、すぐに、戻ります、と彼は告げた。
「必ずすぐに」
と言われても、私は持たなかったし、元の世界で目を覚ますのだが。見下ろしたのは心配そうな家族だ。よかった、と彼彼女らは私を抱きしめる。ああ、よかった、と。夢だったのだろうか、と、某と考える。でも、左手に宿ったマークはそのままだった。
==
「あれ、りっかちゃん、お母さんと同じだねぇ!」
そう言ったのは(恐らく異世界だからか)誰であろうとなんであろうと恐れていない女の子の台詞である。同じとは?と聞けば、いろはのお母さんも手の甲にそんな模様がある!らしい。それって令呪では?と思う。敵対マスターだろうか、とヒヤリとしたが、その叔父であるらしい大神さんが「あぁホントだ」と私の手の甲を見て口を開いた。
「妹と同じだね」
「大神さんの妹……は、いろはちゃんのお母さん?」
そう尋ねれば、彼は頷いた。
「いろははねー、大災害のあとにお母さんに拾われたよ!だからおじさん達とは血が繋がってないけど家族!」
ニコニコと笑ったいろはちゃんに、そうなんだ、と告げる。大神さんが何かを察して口を開く。
「心配しなくても、妹は君たちと敵対するつもりはないと思うよ。まぁ、この揺らぎの対処で今は忙しい立場だから走り回ってるんだけど……」
そう言った大神さんに、いろはちゃんはいろはもそう思う!とぴょんと跳ねたのだが。
==
「いえ、手ならあります」
そう言った女性には見覚えがあった。靴音を鳴らしてやってきた彼女は、茶色がかった長い髪を揺らして、私たちの前に立つ。そうしてまっすぐに彼らを見ていた。彼女は白い手袋をはめた手を天に翳す。
「困った時は頼るようにお優しい空の神様に以前怒られてしまったので。このような閉鎖的な空間であれば、かの方が来ることにより出口の穴が生じるでしょう」
空に急速に雷雲が集まってくる。嫌な予感がする、と、引いた敵の一部、残る敵。雲の切れ間に赤と青、金属の破片のようなものがみえる。ゴロゴロと雷の音がする。それをみて、理解した。ああ、きっと、彼女は。
「私と彼の危機なれば、助けてくださるでしょう。これは最終警告です。命が惜しければ引くべきです」
「強がりを……」
「こっちは全員下がって!!はやく!!」
そう声をかける。周りがなんだ?と見たが、私が急かせば退避する。敵が彼女に攻撃をしようとする。それよりも早く、彼女が手を動かした。それはやはり、見たことがある。
「空を司る偉大な神の恩恵に触れなさい。これはかの方が下す神罰です」
そのあとに、空が砕けるような音と、稲妻が落ちる。さにま轟音である。雷光がおさまる、敵は消えーー穴が空いた空だけがのこった。そうして煙がおさまり、現れたのはやはりインドラ神とヴァジュラ達である。ホッと息を吐いた彼女は、助かりました、と彼らに声をかけた。インドラ神はツカツカと寄ってくる。
「頼るのが遅すぎる!!人間の苦行など見たくもない!!お前は現代の神の巫なのだ、それくらい把握しておけ!」
「そうだぞーー!すっごくハラハラしたんだから!」
「はい、危機一発です。貴方の呼びかけがなければ我らは手を貸せません」
そう言った三人に、彼女は口を開く。
「なんとかなるかなって……」
「前になんとかならなかったの覚えてないのー?」
「そうです。無茶無謀はやめるべきです」
そう叱った三人に女性はしゅんとした。それをみて、見るからにインドラ神が固まっている。
「マスター……?」
そう声をかけたのはアルジュナさんである。女性はその言葉に彼女はアルジュナさんをみて、頷いた。
「お久しぶりですね、アルジュナさん。リツカちゃんも、マシュちゃんも。貴方達が無事でよかった」
そう言って彼女に、私達は息を詰めた。駆け出したかった。でも、それをするのは誰よりも彼女を心配して無事を祈り再会を願い、葛藤したアルジュナさんの仕事である。彼女を抱きしめた彼に、周りは驚いている。よかった、貴方がご無事で、本当に、と告げた彼はきっと色々押さえ込んでいたに違いないのだ。ナマエちゃんと契約していた彼はナマエちゃんがいなくなっても消えなかった。それは彼女が死んでいないことを指してはいた。でも、敵として現れたら?私にも他のサーヴァント達にもそんな不安が一部にはあったのだ。彼の不安は測りきれない。そっと彼の背を叩いた彼女は、アルジュナさんの手を取って、少し笑みを浮かべた。
「色々と話さなければいけませんね」
「えぇ、本当に」
category:大神妹(桜/+twst/+fg)