ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳103:特異点なのか揺らぎの先なのかにいる妹

08/12 15:56 
「どうかされましたか?」
そう言ってアルジュナさんを見上げる。どこか一点を見つめていた彼は、私をみおろした。
「いえ、カルデアの服を着た人が見えた気がしたのですが……」
「シャドウボーダーなど、ではなくて?」
「はい。カルデア服でしたね。しかし、マシュを見るとシャドウボーダーの可能性も捨て難いですが」
その言葉に、りつかちゃんかな?と思っていれば、彼はそれを読んだかのように口を開く。
「男でした」
「うーーん、揺らぎのせい、なのか、なんらかの特異点になってしまった、のか、わかりませんね……」
「まぁ、しばし様子見でいいでしょう。みつはが危険を犯す必要はありません」
サラッと告げた彼は、戻りますよ、と私の手を引いた。私はそのまま彼とシャノワールに戻った、のであるが。


「お腹が空いているんですか?」
そう言って私は少年と少女をみる。まぁ、答えるより早くグウとお腹がなったようだったが。苦笑いした彼らに、私はふむと考える。確か、露銀の調達は難しいし、そもそも彼の服はともかくサーヴァントの彼女はパリの街では確かに浮いてしまうだろう。
「ふふ、何かご事情があるのでしょう?ついてきてください。ご馳走しましょう」
と、彼らをシャノワールに連れて行くのだが。
「……支配人、彼らは……」
そう言ったオルタさんに対し、アルジュナさんが内心怒っていそうな表情を浮かべている。お腹を空かせていたので、としょんぼりしながら言えば彼はため息をついた。ちなみに少年少女……多分カルデアから来た二人は、アルジュナ……?えっ?みたいな顔をしていた。
「食事の手配をします。運良く今日は休みですから、席はある」
「ジュナさん、では食事の手配をお願いします。ジュオさん、彼らをそちらにご案内していただけますか?」
わたしが困り顔で言えば、アルジュナさんが逆の方がいいでしょう、と告げる。まぁー、探り合いがあるからだろうか。では、それで、と言えば彼らは頷いた。まぁ、ジュオさんと移動していれば、振り返ってジュオさんが眉間に皺を寄せた。私はそれをぐりぐりと人差し指でほぐす。まぁ彼は目をぱちぱち瞬いたのだが。うーん。可愛い。
「はやく食事を手配しましょうか」
「はい、支配人」


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目の前にいるのはアルジュナのそっくりさんである。もう一人いたけど。まぁ、ジュナ、と先程の女性に呼ばれた彼は俺たちを席に案内する。なかなか広い施設である。通された場所はステージがある劇場のようで、ジュナさんは、ここで待つように、と告げた。それを見送ってから通信がつく。サーヴァントの反応ではなく彼は人間の反応とのことだ。
「彼らが親切なのか何か思惑があってかは計り知れないが、事態が飲み込めない今は厄介になるしかない」
ホームズの言葉に俺は頷く。まぁとりあえず運ばれてきた料理に舌鼓をうっていれば、少しだけ複雑そうな顔で、毒が入っているとか考えないのか……と言われた。えっ。
「入ってる?」
「いいや、入れていない。が、知らない人間に出されたものをおいそれと警戒なく食べるのはいかがなものか」
アルジュナそっくり(以下略)のジュナさんがそう告げる。
「貴方達は運が良かった。みつは……支配人はお人好しの人好きだから、こうして路銀も持たずにやってきた人に施しを与えることもある。が、この街は治安がいいとは言い切れない都市だ。少しは警戒した方がいい」
そう忠告してくれた彼は、いやほんとに、アルジュナにしか見えないなー。フォウさんも首を傾げている。まぁ、敬語はないけど。しばらくして支配人と呼ばれた彼女がやってくる。
「ふふ、お腹いっぱいになりそうですか?」
「はい!」
「それは良かった。私はみつは・ライラックと申します。このキャバレー・テアトルシャノワールの支配人代理です。こちらはジュナ・ライラックとジュオ・ライラック。私の秘書をしてくださっています」
そう名乗った彼女に、彼らは一礼をする。同じファミリーネームということは、家族か一族か何かなのだろうか。俺は慌てて自己紹介をする。
「あ、っと、藤丸立花です」
「私はマシュ・キリエライトと申します。こちらはフォウさん」
その言葉に彼女は藤丸くんとキリエライトさんとフォウさんですね、と確認する。フォウがみつはさんに飛び移り、みつはさんはそれを慣れたように撫でた。そうして、困ったような顔をする。
「この街では見かけない服装の方を保護した際に、確認しているのですが……」
彼女はそうワンクッションおいて口を開く。
「霧に囲まれたり、何かに吸い込まれたりしましたか?」
その問いかけに俺たちは目を瞬いた。その言葉はイエスであるが。と、言ってもシャドウボーダー……というよりはノウムカルデアごと、が正しい。変な穴に吸い込まれーーセーヌ川っぽい場所についた、が正しい。マシュが頷く。
「はい、別の場所にいたのですが、巨大な穴に吸い込まれてしまい……」
「やはり……」
そう言って彼女は顔を顰めた。他の二人も同じだ。俺は首を傾げる。
「あれが何かわかるんですか?」
「はい、おそらくは揺らぎというものに巻き込まれたのでしょう」
「揺らぎ?」
「はい……もう少しだけお腹を割って話しましょうか」
彼女はそう言って困った顔をした。そうして、口を開く。
「貴方達はカルデアから来られたのでしょうか。それとも、その後裔組織でしょうか」
その問いかけに俺もマシュも目を瞬く。霊体化していたサーヴァントが現れ俺たちの前に立つのと同時に、ジュナとジュオと呼ばれた二人もみつはさんを庇うように立つ。
「みつは、距離をいきなり詰めすぎです」
「うーーん、話がはやいかと思って。ただ、彼らが単発レイシフトなのか、シャドウボーダーできたのか、ノウムカルデアできたかによって格納する格納しないがあるから……」
あっさりと告げた彼女に、ジュオさんが口を開く。
「あなた方がみつはに敵意を見せない限り、我々も敵意は向けません」
そんな話をしていれば、通信がピピっとはいる。
「失礼、マダム・ライラック。私はシャーロック・ホームズと申します」
「はい、存じ上げています」
「それはどういう意味だろうか」
「今から10年ほど前、でしょうか。私も揺らぎに巻き込まれ、貴方達ではない貴方達と一緒にいたことがあります」
「俺たちじゃない俺たち?」
「はい。女の子の藤丸立花とそのマブなマシュ・キリエライトは私のお友達で、ホームズさんやダヴィンチちゃん、新所長やムニエルさん、ネモさんという方は私の知り合いの方になります、が、貴方達にその記憶はないでしょう?」
そう言って困った顔をした彼女に、マシュは目を瞬いて先輩が女性ですか、と告げた。
「まぁ……藤丸くんに極端にわかりやすくいうと……サポートの英霊さんがいるでしょう?」
そう尋ねた彼女に、俺とマシュは頷く。
「そのサポートと契約されてる別世界の貴方ということ、でしょうか。ただし、それは異聞帯でもなければ特異点でもない。似たような旅路を歩めど、全く同じではない旅路を歩んでる」
「俺が女だったら、の世界?」
「そうですね」
彼女はそう言って困った顔をする。
「で、藤丸くんにわかりやすく貴方達の今の状況をいうと、他社製品のクロスオーバー作品に出演してる、みたいな状況です。別の貴方が言ってました」
めちゃくちゃわかりやすいなその例え。
そう目を瞬く。
「我々は揺らぎを介して、全く別の世界に来てしまった、と」
「そうです。そもそも、世界と世界は嵐の壁より強靭な壁が存在しているん、ですが。どこかの世界の誰かが数年に一度その壁を除去しようとする、と言いますか。壁が不安定になってしまうんです。その際に揺らぎと呼ばれる現象がおき、貴方達のように世界的迷子が生まれます」
彼女の言葉に、キャプテンが、では、と口を開く。
「貴方は世界のデータを持っている?」
「いいえ、残念ながら。もとよりこちらは貴方達の世界とはまた違った成り立ちの世界。根本的な技術などが違います。ただ、この世界にそぐわないものを隠すための格納庫やドッグはあります。まぁ、前に立花ちゃん達もこちらに来ましたが、帰れていますので何か騒動が終われば戻れるでしょう。作戦タイムをしてくださって大丈夫ですよ」
彼女はそう言ってまた困った顔をした。じゃあ、作戦タイム〜と言って彼女のいうドッグに案内してもらうのだが。

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「ねぇ、マダム・ライラックって劇場の支配人代理、なんだよね」
「みつはで構いませんよ。そうですね、支配人代理です」
ふふ、と彼女は笑う。ダヴィンチちゃんが口を開く。
「なんで巴里の地下に格納庫があるの!?」
いや助かってるけど……!!と告げたダヴィンチちゃんに彼女はニコニコしている。
「それは後で話すとして……さて、働かざるもの、食うべからず、と言いますね?」
そう言ってみつはさんは手を叩く。えっと俺たちは目を瞬く。
「路銀がないと困りますね?」
「それは……そうですが……」
「なら、お手伝いしていただいても?管理費住居費込みで良いですよ」
彼女はそう言って麗らかに笑う。えっと俺たちは目を瞬く。
「キャバレーで働く?」
「あぁいえ、まぁそうと言えばそうですが、我がキャバレーは主にレビューショーをする劇場なんです。貴方達にはチケットのもぎりなどをして頂こうかと」
そう言った彼女に俺たちは目を瞬く。チケットのもぎり、と言えば彼女は頷く。
「まぁ、ダヴィンチちゃんやキャプテンの問いかけに答えるならば私達シャノワールは貴方達のような方々を保護をしますが、巴里を中心に出没する魔物や世界を超えてきた魔物から巴里、強いではフランスを守る秘密部隊的な役割もあるのです。最近やたらと魔物が増えていたので忙しかったのですが、カルデアとしてはそちらを手伝っていただければ。貴方達は自由に過ごすお小遣い稼ぎに。当劇場に出入りするのは貴族の方ですから、なんらかの情報も得ることができるかもしれません」
彼女はそう言ってニコニコと笑う。まぁ仕方ないと協力するのだが。ホームズがみつはさんをみる。
「もしかしなくとも、ミスタージュナとミスタージュオは……」
「ふふふ」
あ、みつはさんがニコニコしてる。これ以上は教えてくれないやつだ。ホームズが困った顔をしてる。



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目の前にいるのは藤丸くんのアルジュナさんとビーマさんだろうか。貴方は、と告げた彼に私はにこりと笑う。
「こちらの支配人代理のみつは・ライラックと申します」
と告げる。
「ライラック殿」
「みつはで構いません。ここにはライラック姓が多いですから」
「あの二人か」
「あの二人も、ですが、後3人いるんです」
私がそれをいうと彼らは目を瞬く。
「貴方やあの二人のご兄弟でしょうか」
「いいえ?義母にあたる方と、娘と息子です」
そう言えば彼らはまた驚いた。なぜ驚く?と思っていれば、藤丸くんのアルジュナさんが口を開く。
「失礼、マスター達と変わらないくらいのお年かと……」
「ふふ、いつまでも若く見えるように頑張ってはいますが、それは若く見え過ぎでは?」
幼く見えるんだろうか、と困り顔である。いや、花が綻ぶような、とビーマさんが告げたが。
「では、どちらかが貴殿の?」
「はい、ジュナさんが私の旦那です。ジュオは彼の弟ですね」
「我が弟のアルジュナにそっくりで驚いてしまった」
彼の言葉に私はアルジュナと繰り返す。私です、と告げた彼に私はふふふと笑った。
「そうですね、そっくりです。しかし、貴方には私といた思い出はないでしょうから、いくらそっくりでも違う方ですね」
まぁ答えのようなものだ。彼らが何か考えて口を開くより先に、「みつは」と私の知るアルジュナさんがやってくる。
「こちらにいたのか」
「はい、貴方のそっくりさん達とお話を」
「……」
「不服そうな顔をされても困ります。たまたま通りすがりにあって、話をしていただけです」
そう言って彼を見上げて困った顔をする。彼はそれをみて、そうか、と告げた。これは信じてないな……。私はさらに困った顔をする。
「信じてませんね?」
「……」
「本当にたまたまなんですよ。今からみんなに招集をかけようと移動していたらお二人がいて」
「二人がいて、目をとめた?」
「あちらから話しかけてくださいました。だから貴方が思うようなことは……」
「……ふふっ」
そう言って笑った彼に、私はむっとする。
「……その顔は……私を揶揄ってますね!?」
「いや?」
「いいえ、わかります。その笑い方は私を揶揄ってます。心配して損しました。……おふたがたもお騒がせしました」
「いえ……」
「ほら、お仕事しますよ、ジュナさん」
「ええ、支配人。今日は開店日ですからね」

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なるほど、本当にもぎりでショーがあるんだなぁと思う。大人のちょっとアレな感じだろかと思ったら普通に綺麗なお姉さんが綺麗なダンスとかをする感じだった。なるほど。

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「あ、父様……じゃ、ない!」
と告げたのは女の子である。アルジュナの服を握ってそう言った彼女は少しだけ距離をとった。なにやつ!と告げたこの子に若干のアルジュナを見る。後から来た男の子も父様といいかけてーー違う人だーー!と告げた。こっちもこっちだな。
「父様の親戚とか?」
「な、わけないでしょ!知らない人がたくさんいるから、多分また潜水艦がきてるんだろうけど、知らない人!なにやつ!」
そう言った彼女にビーマが笑いながら、ああ、お前たちがライラック夫人達の子供か!と笑った。
「えっ……みつはさん、子持ち人妻!?同い年かちょっと上かとおもってた!」
「ふふん、母様は若く見えるだけでテアとシュナのお母さんなんだから!」
そう言って胸を張った子はアルジュナというよりはインドラかもしれない。
「……僕はシュナ。こっちがお姉ちゃんのシュナだよ」
「藤丸立花って言うんだ」
「立花ちゃんと同じ名前!リッカくんでいいかぁ」
「リッカ!」
「二人も踊り子なのですか?」
「テアはそう!父様達に習って、人気!」
「でも男の人が触るとビリビリしちゃう」
「見られる分は平気だもーん!」
そう言った二人に、俺は首を傾げる。






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