ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳112:隠れ里の人、fgにいくver3

08/12 16:03 
「あぁ、それは違うかなぁ」
そう言って苦笑いをする。これは真似だ。みんなに愛された初代のマネだ。そうしなければ遠縁である私に周りはついてきてくれなかっただろうから、必然的にするしかないロールプレイの延長線上だ。だから私はみんなが思うような人間じゃない。
「私はもっと面倒くさい人間ですよ」
卑劣かもしれない。冷酷かもしれない。戻らない日々は私を形作る大切な思い出だと分かっている反面、今もあの日々の続きを願っている。願いが叶うと言う聖杯。それに願いを託せば、あの世界は元に戻るのだろうか。でも、そんなことをしたとしても私はあの頃の私じゃなくて、あの頃の私しかいない彼らは違和感を抱くのだ。
「ありもしない夢の続きをまだ恋焦がれてるし、私はとある人間をずっと許せてない」
藤丸にはこんな面は見せないが、綺麗事を嫌うこの妖精には見せてもいいだろう。
「多分その人間は魂的には死んだ。それでも、私はその人が許せない」
そう言って目を伏せる。向こうから他の人がくる、から、私は笑って彼の背中を叩いた。
「なんてね!」
結局は私は英雄じゃないのだ。ナルトくんならきっとこんなことはなっていない。どこまでいっても人造的なモノだからこうなっている。やってきたビーマさんに私は笑いながら手伝いますよ、と告げた。彼は助かるとだけ告げたが。

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陽のようなわけがない。それはただの模倣だ。私はそこまでできた人間ではない。崇められる人間でもない。
聖杯を手にしたら願いが叶うけど、ナマエならどうする?と言われて、微かに私は目を見開いてーー息を詰めた。バカバカしいと、出来損ないと、私は自分を嘲笑ってから答える。
「みんなの幸せとか願っちゃう?」
「なんかこう模範的な答えだなぁ。なんかこう自分のことのお願いとかないの?」
そう言った藤丸に、私は大切な人達と会いたいにしようかな、と告げる。彼は素敵な願いだね、と告げた。元の世界に帰れたらきっと会えるよ、と続けた彼に私はそうだね、と笑う。まぁ、すぐに藤丸は呼ばれてかけていった。私はそれを見送って目を伏せる。会いたい。会えるなら。もう一度だけでもいい。私を覚えている彼と会いたい。
「何かあったのか」
その言葉に私は顔を跳ね上げた。たまたま近くにいたインドラ神である。当たり前だ。もう、先生は私を気にかけることもない。
「いやあなた様に聞かせるようなことはないですね」
彼にとってただの苦行カウントだろこれは。そう思って私はへらりと笑った。彼は酒を飲みつつ私を見下ろす。
「いや待てよ……インドラ神に頭撫でられて頑張ったな、って言われるだけで結構報われる気がする」
そう言って私は頬杖をついて見上げる。彼は真意を探るように私を見た。
「元の世界に戻っても会えない大切な人が、あなたに似た声だったので」
私はそう言って苦笑いをする。彼は一瞬目を瞬いた。
「……死んだか?」
「うーーん、似たり寄ったりですかね。私が最初に暮らしてた場所があって、ある日まぁ色んなことが起こって私はそこにいられなくなったんですけど、また違うタイミングで戻ったらみんな寝てた」
私は手持ち無沙汰に手を動かす。寝てた?と繰り返した彼に、私は手元を見る。
あぁ、今でも覚えている。巻き戻った世界は失敗した。大きく聳えたチャクラの実のための木。その養分にみんななっていた。彼女は失敗したのだ。もっといい未来になるはずが、最悪の未来を踏んだのである。
巻き戻ったくせに、みんなにいい夢を見せた状態で、あの世界は停滞した。もう進まない。世界はあのまま終わりへと向かい、全員ゼツになる未来しかない。私一人では解除もできない。頑張った。ウツシくんに支えられて、いつかあの里に帰るのだと。でも、でも、だ。
「誰かの願いで崩れ去る世界なら、願いなんて持たない方がいいのかもしれません」
私はそう言って嘲笑う。自分を。願いなんて持つモノじゃないと。
「マスターやカルデアの面々には話しているのか?」
「……こんな話、頑張っているあの子達やカルデアの面々にしたくないですね。こんな報われない話」
目を伏せてから、ふは、といきをはいて、ケラケラ笑って。
「ま!私のモットーは笑ってりゃそのうち笑い事なんでね」
あぁ、バカバカしい。自分が過去に幸せを求めて。隙あれば後ろばっかみて。
「人間目は二つしかなくて、一つの方向しかみえないなら前を向かない勿体無いでしょ」
言い聞かせるようにそう告げる。いたずらっ子のように彼を見上げる。
「だから、その声で、頑張ったな、と褒めてくださってもいいんですよ」
まぁ彼は気が向いたらな、とだけ告げたが。残念、と笑って、私は立ち上がる。そろそろ手伝いをしないといけない時間である。
いつでも気が向いてくださいね!とだけ言っておいたが。


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「私は貴方達みたいにできた人間じゃないんですよね」

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ケラケラと笑う。ケラケラと笑ってから、あー、と息を整えて、私はその人を見た。殺気を込めて、真顔で。
「余計なこと言わないでくれますか?」
ビビるならそんなことしなくていいのに。
「えぇ、そうです。仮初です。本家筋ではなく、里から出た遠縁の人間にあたる私は、初代の真似をするしかなかった。みんなに愛された初代の、神とも呼ばれた方の真似をして、どんな不出来でも笑って許して、自分がどんな目に遭おうと笑って、周りを従えていくしかなかった」
そう言ってただその人を見る。あぁ、いけない。誰かがいう。私は初代の生まれ変わりだと。
「生まれ変わり?そんなわけがない。私の血は彼じゃない。冷酷だと、卑劣だと他に言われた弟の方だ」
それでも、私は。私は頑張れたのだ。だって先生がいた。六代目はどんな私でも受け入れてくれて、頑張ったね、と言ってくれた。無理なんてしなくていいんだよって。でも、そこは無くなった。この人みたいな人のせいで。
「私はお前みたいな人が許せない。私の居場所はお前みたいな人の身勝手な人間の願いで時間が遡って、最後には全滅だ。みんな目覚めない。他の世界に流された私だけが起きてる。私がどう頑張っても真に生まれ変わりじゃない私には彼らを目覚めさせることはできない」
私はそう言って目を伏せた。
「お前が藤丸の代わりに最善を選ぶ?そんなことできるわけがないだろう」
「ーー」
「藤丸が、カルデアが、特異点の人達が、異聞帯の人たちが、ここまで関わっている全ての人が、その時選べる最善の選択肢を取ったから今があるんだ。それを理解していないお前は途中で離脱する。こんなはずはないんだと嘆きながら」
藤丸は誰でもない誰かだったかもしれない。一般人だったかもしれない。しかしながら、誰もが誰かに成り代われることなどできやしないのだ。そうしてできなくなってーー食べられる。願いを叶えた化け物に。あの時食べられたあの子のように。
「第一色欲に強欲なお前が、元の世界に戻したいと一心に願っている藤丸に成り代われるはずがないじゃないか。お前はただ藤丸の立ち位置に立ってチヤホヤされたいだけじゃない?」
そう言って私は彼女を見た。彼女は貴方もじゃないの、と告げた。私はまた笑顔を浮かべる。そんなわけないじゃないか。私も私を覚えている大切な人の元に戻りたいよ。いつもいつもいつも。死にたくなるくらいに。たった一言でもいい。私は彼らに私の名前を呼んでほしいよ。笑いかけてほしいよ。過ごせるのであれば、隣で眠るように息を引き取りたいよ。でも無理だし、ソレをしてはいけないのだ。
「そんなわけないじゃん。とりあえず貴方は確保。後ろのは封印してお焚き上げしてもらう」
そう言って私は肩を回した。藤丸とマシュにサポートよろしく!と笑っといたが。

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ふわり、と銅色の粒子がまって、私は子供の姿になる。次、銀色の粒子がまって、いつもの姿になる。金色の粒子が待って、カムラにいた頃の服装にかわる。そうして最後に虹色の綺麗な粒子が舞ってーーー恐らくは木の葉にいた頃の姿に変わった。元に戻せなんていう無茶な願いを叶えたからだろうか。私は手を見る。
「懐かしいな」
「なに、なんで、」
そう言って息を詰めた相手を見る。神を名乗るナニカは、贄、といった。
「あいつを食べてよ!」
「アレはまずい」
そう言って口を開く。そうして一口でその人は食べられた。藤丸達の目を隠せばよかった、と今更ながらに思う。もぐもぐしたそれは人の姿に変わる。先程までいた人に。こうなったらコレは恐らく無害だ。
「さっさといた場所に戻ってくれませんかゆに。そうなったら私たちも手出しはあんまりしないので」
そう言えばソレは私を見る。
「願いを叶えてやろうか。アイツの嬢ちゃんのひがいになったんだろう?」
「いい。貴方達に食べられたくないですから」


category:隠れ里の人たち(nrt/MHR)