ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳144:君僕主たちと指揮官たちと

08/12 16:32 
あ、だめだこれ、またナマエちゃん朴念仁発揮して誰かを落としてる気がする。
久しぶりに目が覚めた彼女(と言っても2ヶ月程度だが)の話をきいて、私はそう思う。多分そう。きっとそう。ジョンさんがすごい顔してる。いやこの人マジで心配してマジでナマエちゃんをそうした人殺そうとまでしたからな。目を覚ましたナマエちゃんの話をまとめるとこうだ。
・女の子が兵器のデストピアっぽい世界。
・ヘイティさんに似てる人がいた
・カズと同じ声の人がいた
・皆木くんっぽい人がいた
である。それを聞いて、セツくんがああああと頭を抱えた。
「姉御多分それ……」
と、いいかけたところに外から騒ぎが聞こえる。病室の個室の扉が開き現れたのは先程彼女の言葉に上がった皆木くんと知らない女の子と知らない男の人だ。ナマエちゃんはひらりと手を振る。
「早い到着だな」
「早い到着だな、じゃない!」
そう言った皆木くんは近づくと怒る。あ、これナマエちゃん何かやったな。
「文句か?」
「……文句だよ!文句!あんなやり方はない!!」
「だが、ニケではあそこにはいけないわけだ。他を決める猶予もこうして論ずる時間もなかった」
「それは……」
「君達に隠していたが、シュエンが計算すると入れる人間の重量が決まってた。ニケはもちろん、大人の男はまず無理だ。幅も私が通ったのでギリギリだった。途中にラプチャーもいた。同じくらいの体型・大樹であっても、普通の指揮官やアウターリムの人間なら死んでる。交代を送る時間もない。できないものを排除して、最善の手を打った。それだけの話だ」
ナマエちゃんはそう言った。皆木くん達は言い籠る。多分そうなんだろう。黙ってみていたジョンさんな口を開く。
「お前の最善はたまにずれてる自覚を持て」
重すぎる言葉である。
「君に言われると何も言えなくなる」
ナマエちゃんが渋い顔をした。
「悪いな、若いの。コイツの最善にはたまに自己犠牲があがる」
「もっと近未来なら遠隔操作できる空飛ぶロボットあるんじゃないの?」
私の言葉にナマエちゃんは少し考えて、そうかもな、と告げた。そうかもな、ではない。それを聞いたジョンさんがナマエちゃんを締めたが。
「お前はそういう癖を治せ!今すぐにだ!」
「そうだそうだー!」
「何処にいても何をしても、自分ができるからと言って自分だけに無茶をかすのよせ!」
「そうだそうだー!」
「だいたいお前は周りを拗らせすぎだ!報復に舵を切りかけたんだぞ!」
「いやそれはジョンさんが言っていい台詞ではないと思う」
私はノーと言える女に進化したわけだから、周りが言わないことをいう。スネーク一族全員そう。ナマエちゃんがぺちぺちとジョンさんの腕をたたく。
「悪いな、コイツは昔からこうだ。一度自分の意志を決めると考えを改めにくい」
「……いえ、彼女の言う通り、その時に取れる我々の最善はそれだった。彼女の話は伝説的になった」
うわ、カズさんの声がする。カズさんが面食らってる。
「実際は違うだろう。コイツの死体を求めて派遣されていた。政府は悔しいだろう。何よりも兵器にしたかった女がただ死にだ」
「ヨハン、言い方……」
「事実だろう。あれはお前を殺すために仕組まれた罠だ。新しく神話を作ろうとした成れの果てだ。死体は拾えず失敗してるがな」
ヘイティさんっぽい人がそう告げる。ナマエちゃんは肩をすくめた。
「おおかた、隣のやつではない誰かに仕組まれたものだろう。心あたりは?」
「……まぁあの時何人かが擦り寄ってきてたからな。それはあり得る」
「すり寄る?」
「あぁ」
「……まってほしい。たまにアークに行ってたのは」
「まぁ、どうせならと情報を抜いてた」
サラッと告げたナマエちゃんに、皆木くん達一部が戦慄している他、ヘイティさんっぽい人が眉間に皺をよせーーカズさんと同じボイスの人がなんとも言えない顔をした。
「待って待って、ナマエちゃん!!ハニトラ仕掛けたってこと!?」
「言い方が悪い。数回食事を共にしただけ。それで『勝手に』『あっちが』『善意で』情報を開示しただけ。教えてとは一言も言ってない」
「それをハニートラップというのでは」
オセロットさんの発言はもっともである。ジョンさんが止めたが。
「待て、お前……できたのか?」
「ボスに教わってないと思っていたのか?」
ジョンさんの問いかけにナマエちゃんはそう返す。ジョンさんは目を瞬きーー口を開く。
「俺にしかけてみろ」
あ、コミカルな会話がはじまる。私は持っていたリンゴを剥いてお皿におくと、皆木くんの近くにいた女の子に渡した。話が長くなるから食べていいよ、と言えば、ありがとうございます、と可愛い声で返されたが。
「君に?」
「あぁ」
「どうして?」
「気になるからだ」
「気になるから?」
「あぁ、ボスがどう教えてお前がどう使うのか気になる」
「嫌だよ、なんでジャックにしないといけないんだ。そもそも教わったのは教わったが、戦闘員の私は実施なんてする必要がない」
「だがやったんだろう?」
「本気で仕掛けてない。相手の顔をある程度立てないと面倒なことになるのはわかっていたから食事に行ったら、違う派閥同士が躍起になっただけだ」
ナマエちゃんの台詞にジョンさんは渋い顔をした。
「お前それは……それは逆にあんまりだろ。逆に仕掛けたと言った方が相手は気が楽だ」
「そんなものか?」
「あぁ、そんなものだ。最大の慈悲としてハニートラップを仕掛けたと言ってやれ」
「いいえ、馬鹿が自滅しただけです。ナマエにそんなものができるとなると、それはそれで問題です」
「それはそう」
私とセツくんが思わず頷く。私はまたリンゴを剥いて、皆木くんに渡す。彼は受け取った。
「苗字さん宛じゃないのか?」
「いいんだよ、本人そんなに食べないし。セツくん丸齧りしてるし」
そんな会話をしていれば、オセロットさんが説教モードになった。
「それはそれとして、我々の目が届かない位置で危険なこともおやめください」
咳払いをしてそう告げたオセロットさんに、ナマエちゃんは「気をつける」とだけ告げた。まぁ、すぐにナマエちゃんのスマホが鳴って、説教が止まるが。すぐに出たナマエちゃんを他所に、セツくんがひらりと手を振った。
「久しぶりだなー、皆木。なんか色々あったっぽいじゃん」
「七篠久しぶりだな……まぁ……色々あった」
「そかそかー、まぁ、世界は不思議で満ちてるし、不思議なこともいっぱいあるよな」
うむうむと頷いたセツくんに、私は口を開く。
「それにしても飛ぶ条件ってなんだろうね。飛ばされる条件もよくわかんないけど」
「飛ぶ条件……飛ばされる条件?」
そう首を傾げたCVカズヒラ・ミラーの男性に、私は口を開く。
「この世界にいる人が違う世界に精神だけ転移することが飛ぶって私たちは言ってるの。そこで死んだり何かをやりきったあと、大体は元の世界に戻ってくると思われるんだよね」
「飛ばされる条件は?」
「その時に関わった人達が、この世界に現れる。それが飛ばされるってこと。でも全員じゃなくて一部だし、その一部も同時じゃなかったりする」
私の説明に彼は目を瞬いた。
「そんなの知らないんだが……」
「そりゃみんな黙ってるもんなー。頭がおかしいと思われるから」
セツくんがうむうむと頷いた。皆木くんが「それはそう」と頷いた。
「ぶっちゃけ皆木くんは幸運だよ。別の場所から来た人って国籍も何にもないから捕まるとアウト』
「あっ……」
「そのあたり、お前が姉御に押しかけて正解。嬢ちゃんと姉御がいたらなんとかなるからなぁ」
そう言ってセツくんに私はブイをする。私を褒めていい。
「あとで名前教えてね。こっそり正式に作るから」
「違法じゃないのか?」
「ギリギリ違法じゃないよ」
そんな会話をしていれば、誰かと通話していたナマエちゃんが渋い顔をして手を動かした。それをみたオセロットさんがカーテンをひく。ジョンさんが眉間に皺を寄せた。
「いや、ココ、ありがとう。いい退院祝いになった」
おっと、退院となると風向きが怪しい。彼女はハンドサインでなんらしか連絡をとる。オセロットさんが同じく何か連絡をとり始めた。
「何かあるんですか?」
「あぁ、ありそうだ。恐らく高跳びだろう」
ナマエちゃんは通話を切ると、また違うスマホを取り出して口を開く。
「もしもし、父さん?……えぇ、はい、つい数時間前に。はい。いえ、今からそちらに……数人連れて戻ります。はい。はい。いいえ、アメリカ側です。……いいえ、イタチではありません……はい、イカれたストーカー野郎が差し向けた誰かでしょう」
ナマエちゃんの発言をきいて、ジョンさんがため息をついた。セツくんも座っていた椅子から起き上がると、ぐるりと肩をまわしーー他も武装をナマエちゃんがジェスチャーをして、仕方ないと言うふうにジョンさんが注射を渡しーーナマエちゃんはそれを自分にうった。強心剤だろうか。
「いいえ、一緒にいるのは民間人です。はい。はい。私に巻き込まれただけです。はい。迎えは……」
「ナマエ、ちょうど近くに海外にいた引き上げ部隊が横須賀にいる」
「誰だ?」
「ヘイティとカゲツが率いている部隊だ。ヘリを飛ばしてもらうよう手配しました」
「わかった。ありがとう……迎えはヘイティとカゲツが来てくれるようです。はい、海路です。ええ、それを含めて。いいえ。いえ、お手数をおかけします」
そう言ってナマエちゃんは通話を切ったらしい。はーーと頭を抱えた。
「いい加減にしてくれ……日本だぞここは……」
「えっと苗字、何かある……?」
「悪いなー、皆木ぃ、姉御たまに命狙われるんだけど、それが今まさに起こりそうなんだわ」
「は?」
「本当にすまない。リカバリーは入るし、短期間の海外留学またはバカンスだと思って割り切ってくれ」
ナマエちゃんはそう言って謝る。
「姉御、皆木達どうする?」
「病院の中で仕掛ける馬鹿はいないと思うが、持たせるな。彼らはこちらの一般人だ。デイヴィッド、サチはたのむ」
「わかった」
ナマエちゃんはそう言って立ち上がるがふらつく。まだ聞いてないな、と告げたジョンさんはナマエちゃんを担いだ。


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いや、片っ端から銃なしでのしたけど!!来ないっていったじゃん!と言えば、ナマエちゃんが渋い顔で「やっぱり頭がおかしい奴が雇う奴はおかしい」と告げた。
「なんで苗字は命狙われるんだ……」
「いや、ちょっとな、色々ある」
ナマエちゃんはそう言って皆木くんに、悪いと頭を下げた。
「これはどこに行くの?」



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