ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳149:君僕主と理想郷の指揮官
08/12 16:35
「いやぁ、食べた食べた」
「アンタは馬鹿か!!!」
そう言って叱ってきたのは金髪の少女である。
「いや、人間には食事が必要だとわすれてたアタシが言うのもなんだが!アンタは馬鹿か!!」
そう言ってドスドスと殴られる。痛い。もう一人に至ってはハグしたままだ。
「いや、自分で言うのもなんだが、私は人間を辞めてる節があるからな。晴れていたらなんとかなると思った」
そう言って伸びをする。そう言って二人の頭を撫でて伸びをする。
「晴れていたら……?」
「あぁいや、いい。気にしないでください。助かりました、ありがとうございます」
「……いえ」
私にご飯を持ってきた女性は首を振る。美人と変な機械ばっかりだな、この世界。
「貴方は何者ですか?」
「単に言うと迷子ですかね」
はっきりと言えば彼女は私を見る。
「……指揮官、と言うことでしょうか」
「いや……ピースとコーカサス達の話を聞くに、君たちのいう指揮官と私の思う指揮官の話がずれている気がします」
「……?」
「そもそも貴方は今は西暦何年かわかりますか?」
そう尋ねれば、彼女は、西暦……?と返される。もしや全く存在しないところに来ているんだろうか。私はそう思いながら彼女をみる。
「人類が地上にいた頃に使われたものですね」
おっと、そう来たか。通りでピースやコーカサス達に似た戦闘に特化した人は見るが、その辺で暮らしている普通の人がいないらしい。
「……いなくなって何年かわかりますか?」
「約120年ほどでしょうか」
恐らくあの機械みたいなものがウヨウヨいると考えれば、あの機械みたいなものと戦ってそうなったと考えるのが妥当だろう。さて、私たちの世界の未来やmgs(最初のあの世界)の未来とイコールかと思ったが、決してイコールではない。が、私の体のそれは恐らくパラサイトセラピーを受けたことになっていることがわかる。そういう世界線に前に何故か言ってしまった記憶がある。ということは、どっちにしろ私たちの世界ではない。
「貴方の質問は意味がわかりません」
「あぁ、失礼。私の名前はナマエ・クラウディアと言います」
「ファミリーネームあったのか?」
「まぁ、今までの経験上名乗ると色々ややこしいことがあったから黙ってたんだ。悪いな、私の立場は年代によって評価が変わるから……」
「……?」
「アメリカ中央情報局出身……と、言っても貴方達には通じないでしょうね」
そう言って私は困った顔をする。アメリカ?みたいな顔をした彼女達にまぁそうなるかと頷いた。まぁ、外からイケメンが入ってきたけど。やっぱり監視はあるか。軍服を着ているあたり、恐らくは軍人だ。ただ慕われているあたり途中で遭遇した人達とは違いそうだ。
「お前の話が正しければ120歳を超えることになるが」
「そうか。恐らくは私の出自自体はそれよりも前ですよ。まぁ、たまにあります。何年も眠ることがね。120年以上眠っていたかーーはたまた、違う世界から来たのかはわかりかねますが」
「人間が120年も眠り続けているなんて、そんなことをできるわけがない」
「私の検査をされました?」
「……治療はしていない」
「あぁ、別にいいですが。私は人間を辞めている節があるので」
「ナマエさんはニケ?」
「ニケは確か君たちみたいなものだったかな?私はそれとも違うよ」
私はそう言って肩をすくめた。
「生ける屍、と呼ばれることもある」
「生ける屍……死んでいるのか」
「体の……検査の数値的にはね」
「なら、何故生きている?」
「実験に知らないうちに参加させられたから。まぁ、裏で行っていた実験だ。恐らくは記録もない。いやあの状態なら残っていない可能性もあるか。まぁ、普通の人間には非推奨には変わりない」
そう言えば彼はニケを説明する。人間の脳を持つ兵器。あぁ、やっぱり目前の勝利に駆られた人間は馬鹿なことをするんだな。兵器の扱いなんてその後どうなるか考えていない、とこぼせば、彼はなんとも言わなかったが。まぁ暗い話はなしだ。私はぱん、と手を叩く。
「まぁあまり言いたくないが、彼女達が科学で作られた兵器だとすれば、私は生物兵器ですかね」
「生物兵器……」
「パラサイトセラピーと呼ばれます。私の先人に五人受けた方がいらっしゃいましたが……私はそのうち何人かのものをまるっと受け継いでます。まぁ気持ち悪く思う人もいるので詳しくは言いませんが、私は老けない!死なない!光合成できる!視認されにくきなる!人間の力を超えた力がある!みたいな……」
ははは、と笑いながら言えばなんとも言えない顔をする。私はピースとコーカサスをみる。
「幻滅した?」
「まさか!!だからニケの武器を使っても反動がないのかと納得しただけです」
「恨まないのか、そうした人間を」
「恨めるわけがないじゃないか。私も彼を愛していたし、彼は私を愛していたから私をそうしたんだ」
そう言って彼を見て困った笑みを浮かべる。
「時政に奔走された彼は、時政に殺されるはずの私に、永遠に生きてそばにいて欲しかった。ただそれだけのことです」
生きて欲しい、とその世界のジョンに言われた。恐らくは記憶がある彼は色々と手を回したのかもしれない。
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