ネタ帳vol.3

2023ネタ帳29:李子たちの家族うんぬん

01/14 17:02 



やってしまったと思ったら。歴史を変えるのは禁忌である。それはわかっている。わかっているのだが、助けてしまった、が正しい。目の前にいるその人は私を見て驚いている。彼は自決する。ここで。ならば、私が連れ去ってしまっても良いと思ったのだ。
「将軍、私と共に行きましょう」
そう言って彼の手を握る。この国ではないどこかへ、行きましょう、と。完全なエゴである。平和な世界は彼には合わないかもしれない。目を少し見開いた彼を抱き寄せる。そうして、私は元の時代に戻ったのだ。まぁ、その世界との架け橋は落ち、父親にコッテリ怒られることになるのだが。


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・李子祖父
審神者。堅物。

・李子祖母
もう亡くなっている。浮気していたとかしてないとか。

・李子ママ(李嘉)
名前は氏名。七人兄弟の次女。武力強強。楚漢戦争あたりに迷い込んで後述李子パパに助けられて一緒に行動、李子パパを連れて現代に戻ってきた。働いている。娘がいなくなったのは同じ経験してるんだろうなと思っていた。無意識に歴史を正した人。ちなみに李家に保護されていた。

・李子パパ
章邯その人。自死しようとしたら李子ママに現代に連れてこられた。ちょっとズレた世界の人である。娘がいなくなってめちゃくちゃ焦った。

・李子
三國時代前半に幼児トリップして赤壁で川に落ちて戻ってきた。盗賊に襲われたところを曹操に助けられたあと司馬徽に男として拾われた。徐庶、石韜とは親友、龐統諸葛亮とも仲の良い友人。郭嘉に誘われて曹操に魏軍師の一人支えていた。ちなみに遠呂智で法正や馬岱とも仲良くなっている。ちなみにオリアカ世界にも出向いて父親の胃を痛くさせた。無意識に歴史を正した人。

・陸治
日本語で読むとりくおさむ。三國時代中盤〜後半にトリップし、晋との国境あたりで仲良くしてた。無意識に歴史を正した人。李子とは遠呂智世界で知り合った。オリアカ世界にも行った。

・陸治パパ
のほほんしてる弓道者バーサカー。李子ママとは先輩後輩なので陸治パパが一方的に知っている。なんか知らんけど、前漢あたりにいた。苗字で完璧勘違いされて劉邦陣営にいたけど、無事に元の世界に戻れた。

・寵沙
オリアカ世界主人公。補佐の李子さんと陸治さんのおかげで当社比平和だった人。オリアカ世界は歴史から外れてるので正したとかそういう話ではない。

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「父親が過保護なんですよね」
「李子さんパパが?」
「そりゃあ娘が二回も行方不明になってたら過保護になるだろうよ」

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ぴえぴえないているのは李子さんである。妖魔の力により幼児化した彼女はわけがわかっていないのだろう。まわりが知らない人ばかりで、なおかつ知らない場所なんだから泣いても仕方がない。となりでむすっとしているのは幼児化した陸治さんであるが。ちちうえ、ははうえ、とぴえぴえないている李子さんに周りは顔を見合わせた。何故なら李子さんは孤児であるとはもう周りには理解されていることである。郭嘉さんが李子さんの目線に合わせて、驚かせてごめんね、と背をさすって謝れば李子さんはちょっと泣き止んだが。
「おにいさんはだれですか……?」
「……私は郭嘉。君の父上や母上に頼まれて君の面倒をみることになっているんだ」
まぁすんなりと嘘をつく。ぐすぐすと鼻を鳴らした彼女は、それを信じたのだろう。
「母上様と、父上様は……?」
「お仕事でね、今はここにはいないんだ。ナマエは良い子で二人を待てるかな?」
そう尋ねれば李子さんはこくんと頷いた。まてます、とぐすぐすしながら頷いた李子さんに、荀ケさんが寄っていく。
「……さぁ、ナマエ殿。こちらにいては危ないですよ。私と一緒に下がりましょう。私は荀ケといいます。こちらは荀攸。共にあなたの世話を任されています」
「はい、こちらは危険です。俺たちに任せて貴方は下がりましょうか」
李子さんはいい子だなぁと思うのはその言葉に頷くと荀ケさんの手をちょんと繋いだからだ。それを見て、陸治さんが騙されてるじゃないか?みたいな怪訝な顔をしているが、こちらも呉に引き取られた。郭嘉さんがそれを見送って口を開く。
「些かナマエが心配になるね。まさかここまで疑うことを知らないとは」
「騙しにかかった人がなんか言ってる」
「ふふ、信じてくれたならそれでいいだろう?」
郭嘉さんはそう言ってにっこり笑った。まぁそれを信じて泣き止んだから確かにそれでいいのだが。
ちなみに李子さんが女の子だとバレるのは少ししてからであるし、あまりの疑いのなさに法正殿と郭嘉殿に騙されまくってぴえぴえ泣きながら二人をぽこぽこ殴るのを目撃するのももう少し先である。

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「元直さんや、士元さんは優しいので好きです。法正殿は、意地悪なので嫌いです」
「おやおやそんなことをいうのはこの口ですかね?」


「いくにいさまや、ゆうにいさまはすきです」
「私は?」
「おしごとされてる姿がすきです」
「何処でそんな口説き文句を覚えたんだろうな」

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「李子さんの母上と父上ってどんな人?」
そう尋ねれば、李子さんはうーーんと考える。えらく考えるなと思っていれば、元直さんとちょうりょうさまを合わせたような……とかえす。それって真反対では?と思わなくはない。一緒に聞いていた馬岱殿が想像つかないね、と返したが。
「普段は元直さんです、でも、たまに張遼さまになります」
「なるの?」
「はい。特に、李子と母上になにかあると、張遼さまのようになります」
怒ったら張遼さんになるってことだろうか。じゃあ、母上は?と聞けば、尚香さまと春華さまを合わせた感じ、と返されたが。そっちもそっちで想像はつかない。
「怖い母上なの?」
「李子には怖くありませんよ」


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合流した三人組のうちの二人が李子さんを見て、李子!と声を上げた。その声に魏軍師といた李子さんは振り返り、本当に嬉しそうな表情を浮かべたのだ。父上様、母上様!と駆け出した李子さんにまわりは目を瞬く。父上と母上ということは夫婦だろうか。男性と美青年の組み合わせにもみえるが。それにしたって現代の服ではなく、昔の服をきていた。どちらかというと三国時代にちかい。鎧だって古いものだ。そう観察するあいだに、父親と思われる人が李子さんを抱きしめる。
「良かった、無事だったか……」
「ほら、言ったでしょう?私達の子供がそう簡単には死なないのよ。ねぇ、李子?」
そう尋ねた一人に、李子さんは、はい、母上様とにっこり笑った。
「李子は、いいつけどおりに、かにいさまやいくにいさま達と二人のるすを待てました!」
「……いいつけ?」
二人は首をかしげる。そりゃそうだ。誰も予期しなかったまさかの両親の登場である。姿が戻るより先に両親が来るとは思うまい。李子さんが口を開いた。
「……?おふたりが、にいさまたちにるすをたのんだんじゃないのですか?」
不安気に見上げた李子さんに、父親と思われる男性が告げる。
「……いや、そうだよ。私達は書簡でそれを頼んでね。彼らにお礼の挨拶をしなければならないから、案内してくれるかな?」
「はい!」
「あれ?僕の息子もいるじゃん。やっほー、元気かい?」
後から合流した三人のうちの残りの一人がそうひらひらと手を振り、陸治さんに飛び蹴りされていた。まぁ陸治さんの蹴りは流されてたけど。おおっ。身のこなしがすごい。李子さんはニコニコしながら魏軍師や曹操さん達がいる場所に二人を連れていく。
「にいさまがた、そうそうさま、父上様と母上様です!父上さま、母上様、こちらはかにいさま、いくにいさま、ゆうにいさまに、かくどの、はくねいどの、そうそうさまとかこうとんさまです!他にもたくさんの方が李子の相手をしてくださいました!」
李子さんの言葉に、両親は顔を見合わせた。そして目線で何か合図をする。なんだ、と思っていれば、李子さんの父親が挙礼してから口を開く。
「我らの身だけでなく、我が子をお助けいただきありがとうございます」
「いや、李子にはいつもこちらが助けられている」
「魏を掲げていらっしゃいますが……そもそも、お助けいただいたご恩もあります。このような混沌の地、敵味方は関係ありますまい」
そう言った李子さんの父親に、周りは動きを止めた。敵味方関係ないというその意味を噛み砕いているからだろう。しかし、その問いの答えはすぐにでた。
「我が名は章邯」
そう言ってその人に俺たちは目を見開いた。は?章邯って。
「雍……いえ……秦のしがない少府です。こちらは」
「李斯が娘、李嘉と申します。章邯の妻でございます」
名乗った二人に李子さんはニコニコしている。それを聞いて遅れながら加わった最後の一人はちょっと顔を顰めた。
「えっ、なに?二人とも名乗ったの?俺も名乗らなきゃじゃない?俺劉邦殿に世話にはなってるとはいえ、ただの一市民……」
「あら、一市民ならその弓矢はいらないわね?竹槍でも使う?」
「いります、はい、すいませんでした。沛の陸統です。将です、一応は」
そう陸治さんに殴られるのを手で受け止めながら告げる。待て。待ってほしい。確かに陸治さんは陸家の遠縁の子という設定になっている。が、二人の親がこんな感じだとは俺は知らない。そもそも二人が自覚していたかどうかは不明だ。郭嘉さんが李子さんに合わせて口を開く。
「李子は母上にそっくりだね」
「よくいわれます!」
「……私たちは父上たちと話すから、李子は満寵殿や許褚殿と遊んでおいで」
その言葉に李子さんは刻々と頷いて、満寵殿の手を引いて歩いていく。それを見送ってから郭嘉さんは三人を見た。
「……私の名は郭嘉。魏の軍師をしています。李子にはいつも助けてもらっています。非常によくできたお子様をお持ちだ」
彼はそう言ってから、二人に向かって口を開く。
「実のところ、李子は先程貴方達があったであろう妖魔の術に当てられて子供の姿になっているだけで本来ならば大人です」
「まぁ……」
「そして、生憎、私達が知る李子の出は孤児なのです」
「孤児?」
「はい、私が昔を訪ねてもよく覚えていないとのことでした。大人になれば貴方達を覚えていないでしょう。まぁ、李子のことなので今に関係のないことだからと故意に黙っているだけかもしれませんが……」
確かに李子さんはそうかわしている。この世界に来た時に、盗賊に襲われたとかそこから話ははじまるのだ。だから、孤児ということにしている。まぁ、故意に黙っているといえばそうかもしれない。
「貴方達は李子と何処で逸れたのですか?」
「いいえ、逸れたのではございません」
李嘉と名乗った李子さんの母親が首を左右に振った。
「情勢が情勢でしたので、私達は廃丘で奇襲を受けた際に秘密裏にあの子を逃しました」
地名までまでくると俺は専門外である。荀攸殿が少し考えて口を開く。
「……貴方達は何処から?」
「最後にいた記憶は桃林です。最後の抵抗として籠城をしていた、のですが……どうもこの男と発言が食い違います」
「俺はのんびり暮らしてたんですけどね、息子行方不明になって探しに出たら霧に包まれて、死んでる奴らいるからめちゃくちゃびっくりするわ人間じゃない相手に奇襲されるわで今ですね」
その言葉に、ふむと周りが考えこむ。李子さんや陸治さんが時代を超えて三国に来たことになるからだろう。まぁ、李子さんの母がふふっと笑いながら口を開いたが。
「あの子は不思議な運命を持つと生まれた時に占い師に言われています。もしかすると、仙人や会っただとか、仙郷に迷い混んで貴方達に会ったのかもしれませんね。まぁ、なんにしろ、娘が世話になっているのであれば私達はそのご恩を返さなければなりませんね。私達もお世話になれれば嬉しいのですが」
「それは歓迎しよう。しかし、やはり、娘か」
「……何か?」
「……性別を偽って仕官されていまして」
荀ケさんが困った顔をしてそう告げる。李子さんの父親と陸治さんの父親は李子さんの母親をみた。
「……いつかの君みたいなことを……」
「李嘉さんじゃん。なに?そういう教育してんの?」
「あら、文句あるなら二人まとめて相手になるわよ」
にっこり笑って言った李子さんの母親は強い。確かに尚香姫と春華さんを合わせた感じだろう。陸治さんの父親は顔を青くして首を左右にふり、李子さんの父親は苦笑いに似た表情を浮かべたが。そういう力関係なのか。ちなみに子供な李子さんに母親の方が強いのかと聞けばちゃんとしたら父親の方が強いとは言っていた。ちゃんとしたらというのがみそだろう。


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