ネタ帳vol.3

2023ネタ帳29:李子たちの家族うんぬん2

01/14 17:03 
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男性の声で歌を紡いでいるのが聞こえる。聞いたことがある歌だなぁ、と思っていたら昔李子さんが春先に舞うときに歌っていた歌だ。となりにいた徐庶さんが、ああこの歌は、とそちらをみた。同じく孔明さんが頷いて、龐統さんが口を開く。
「ナマエが酔っている時に歌う歌だねぇ」
そう言いながら視線を木陰に向ければ、李子さんは章邯さんの膝の上でうとうとしているようである。というか寝てそうだが。李嘉さんは武装系女子と手合わせしに行った。あの子は父上大好きっ子なのよ、と今でいうガッツポーズをしながら言ったが、母親がいないのをみて泣いたあたりそういうわけではない。まぁ、でもこの時代以前にも関わらず、章邯さんは子供の面倒をよく見る人だ。
「聞き馴染みのない歌だとは思っていましたが……」
「そもそも本人も何処で覚えたのかわかっていなかったけど……」
「父上や母上が歌っているのを覚えたんだろうねぇ」
と納得する三人に、俺は首をかしげる。
「……やっぱり秦のそういうものは残ってないんです?」
「高祖が統一するにあたり、秦のものはあまり好まれたものではなかったのかもしれません。今はほとんど残っていません」
孔明さんの言葉にそんなものかぁと頷く。まぁ、それ以前の悪性で色々あったのかもしれないが。

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「昼間に歌われていたのは」
そう尋ねた徐庶さんに、章邯さんは苦笑いをした。聞かれていましたか、と言いながら彼は武器を持ち直す。
「秦に伝わる歌ですか?」
「そうです。秦に伝わる歌です。もとは祓い歌だったようですが、私が育った頃には子守唄として使われていましたね」
「祓い歌?」
「魔を祓い、国の安泰であったり誰かの安泰を願う歌です。それがいつしか子の成長を願う歌に変わったのでしょう」
彼の説明に、徐庶さんがなるほどと頷いた。俺もまたなるほどと思う。だから李子さんはあの幻想世界で舞ったのだ。
「まぁ、もしかしたら貴方達にとっては縁起が悪い歌かもしれませんが」
おっとそれは漢に秦が滅ぼされたことに対するブラックジョークの類では。まぁ徐庶さんがそんなことはないと思いますと返したが。
「素敵な歌です。俺はナマエと同じ場所で学びましたが、恥ずかしながら意味がわからなくて……ナマエも詳細を覚えていませんでしたから」
「……そうですか」


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「ぶっちゃけて」
李嘉さん達と一緒に出陣することになったので口を開く。移動中にコソッと告げる。
「李子さん俺と同じ現代から来たと思ってたんだけど、もしや違う?」
その言葉に三人ともびっくりするんだもんな。そして李嘉さんが口を開く。
「あらあら、よくみたらナマエの後輩くんじゃないかしら?父が世話になったわね」
「……ということは」
俺は苦笑いをする。章邯さんもまた苦笑いしたが。

はーー、そういうことね、と理解する。なるほど。李嘉さん(本名は苗字リカさんである)が時代を超えて幼児化トリップしてしまい、名前を勘違いされたまま李家に世話になっていたらしい。で、章邯さんに出会い、なんと李嘉さんが自死をしようてした章邯さんを現代に連れ帰ってしまったらしい。だから、ある意味章邯の娘というのは正しいのだ。ふむふむと頷いていれば、陸統もそうよと李嘉さんが告げた。
「あれも同じ感じらしいわ。綺麗なお嫁さん連れて帰ったのよ」
「元から知り合い?」
「後輩見たいね。私は全く記憶にないけど」
「章邯さん大変じゃなかった?」
「大変だったが、慣れるしか無かなかった」
まぁそりゃそうか。


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あと田中では??と首を傾げる。次は田家の田横と田広、田中達がやってきたのだ。どうやら利害の一致から共闘したらしい。見たかった。帰陣の途中で俺は会ったから見れなかったが、あとで毛利元就公がまとめてくれるだろう。帰陣した彼らに徐庶さんといたらしい李子さんがにっこり笑って、父上、母上と言ってかけていく。章邯さんが李子さんを抱き上げた。それを見て三人はピシリと固まったが。
「父上と、母上……?」
「あら、私は女よ」
「じょ、女性がいくさばになど……!」
「腕が立つからいいじゃない。私より弱い男よりは役に立つわよ」
サラッとそう告げた李嘉さんに、田中が撃沈した。恐らく蒙恬がいいのか嫁を戦場にだしてと章邯さんに聞けば、章邯さんは苦笑いした。
「そもそも、男と偽り私の率いた隊に紛れ込んでいましたからね。些か心配ではありますが、確かに妻はとても腕が立ちます」
「あぁ、だから力が弱いんだな。剣筋はいいが、力が弱いから子供が紛れ込んでいるのかと……」
田横さんの言葉に、章邯さんが李嘉さんをみた。李嘉さんはそっと目をはずす。李子さんは何か感じたのかぴょんと章邯さんから降りた。
「君は何処で田横殿と?」
「忘れたわよ」
「その様子は嘘だ。無茶はしないと約束しただろう」
「無茶はしてないわよ」
「剣に誓って?」
「……」
李嘉さんがムッとした。ちょっとしたやんちゃよ、と告げた言葉に周りは田黄をみる。彼は少し迷った後、そうだな、ちょっとしたやんちゃだな、と頷き章邯さんに詰めよられていた。蒙恬が相変わらずの娘だなと苦々しく告げる。田中が首を傾げた。
「相変わらず?」
「あれは李信の親類だ。李信に娘として育てられたようだがな、どうも男まさりで剣術や馬術を好む。章邯の元にも兄の服を着て紛れたのだろう。子供がいるとは知らなんだが」
「こんにちは」
ニコッと笑った李子さんに、田中がデレっとしながら口を開く。
「こんにちは」
「李子といいます、父上様や母上様がお世話になっています」
「李姓を名乗ってるのか」
「時勢が時勢だから野合だし、そっちの方がこの子には都合が良かったのよ」
ばっさりと李嘉さんが告げる。野合はいかんという話をされたが、どう考えても陣中で結婚してるっぽいから仕方がない。

田中が百面相してるのでとりあえず助け舟をだしておいた。恩は返して欲しい。


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