ネタ帳vol.3
2023ネタ帳30:三界の首枷2(三國とあと田中)
01/14 17:10
==「……」
「おや?徐庶殿、いつからここに?」
「……いえ、……先程です」
「そういうことにしておこう。徐庶殿、悪いのだけれど、私は曹操殿に呼ばれたから私は席を外すから、ナマエを見ていてあげてほしいな。あの状態だと起きた時に誰もいないと不安がるだろうから」
「……それなら、俺がいるよりも貴方がいた方がいいのでは?」
「私は曹操殿に呼ばれていてね。それにここは人払いするように告げているんだ。貴方がここに来たということは、李子付きの侍女達や兵士達は貴方をここに通してもいいと判断した。まぁ、今は蜀にいるけれど、貴方はナマエの幼馴染なわけであるしそばにいても問題はないと私は思うよ。じゃあね」
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まて。郭嘉さん、さっき、曹操様が来てるって言わなかったか。パチリと目を開く。開いた視界に映ったのは郭嘉さんではなく元直である。よかった、目が覚めた、とほっとしたように笑った彼にあれ?と首を傾げる。
「……元直?」
さて、じゃあさっきの郭嘉さんとのやりとりは夢だったんだろうか。そう不思議に思ったいたら、元直は目を泳がせた。
「ああ、えっと、郭嘉殿が用事で席を外しているから……」
「ああ、なるほど、元直が入れ替わりに来たんですね」
「うん、まぁ、そういうこと」
歯切れが悪い。ということは入れ替わりじゃない。じっと元直を見れば、元直は目線を泳がせて、泳がせて、肩を落とした。
「わかった、白状するよ。郭嘉殿の少しあとに来たんだけど、そばに郭嘉殿がいたから」
「……会話聞いてました?」
「聞こえた」
その言葉に戦慄する。ということは、だ。元直はちょっと拗ねたように口を開く。
「まるでーー」
「嘉兄様と呼んだのは昔の名残ですからね!?」
そう言ってわたわたと起き上がる。とりあえず元直と向き合う形で寝台に座った。
「今はもう呼んでないというか、嘉兄様呼びだって、あの人が昔呼んで欲しいなっで言われてそう呼び出しただけです!いや確かに手のかかる兄だなみたいなことは今も思ってますけど、もうお兄様呼びするほど子供じゃないというか……!」
ワタワタとそう弁明すれば、元直は目を瞬いて、本当に?と少し意地悪く笑った。
「隠れて呼んでるんじゃないか?」
「貴方はまたそうからかう!」
そう言って彼の両頬を引っ張る。痛くもないのにいてててと告げる元直はあざといのだまぁ向こうもほおを引っ張ってくるし、お互い何を言ってるかわからないから笑いながら報復合戦をする。まぁ、バランスを崩して床ドンというのか寝台に押し倒される形になったのだが。わぁ、顔が近い。というか、本当に整った顔をしている。彼は少し迷ったようだが、一度目を伏せるとまっすぐな目でこちらを見た。
「……俺にとって、ナマエはナマエしかいない。どこの誰であろうと、君は俺の大切な人だ。たとえ、昔から来ていても、姓が何であっても、男でも、女のでも、俺だけが年を重ねることになっても、それは変わらない」
うっわ、心臓がうるさい。どくどくする。そう言えば、この元直は私が死んだあとに来たんだった。私は彼を見上げながら口を開く。きっと残酷な言葉だ。
「……別の人を探せばよかったのに」
「……」
「だって、貴方、私が赤壁に落ちてから何年生きてるんです?広元に聞きましたよ。貴方はずっと私を探していたと。それこそ、元直なら引くて数多でしょうに」
そう笑かければ元直が泣きそうに表情を歪めた。
「君がよかった。でも、それを本当に理解したのは君がいなくなってからだった。俺がナマエを殺したようなものだ」
「勝手に殺さないでくれます?私今は生きてますよ」
「……だけど、」
「そもそも、あれは私の参陣が遅れたことが原因です。貴方のせいではなく、川に落ちたのは私の意志です。私はどうであれ川に落ちて命を落とす運命なのでしょう」
そう言って彼の頬を撫でる。彼はそんなことは、と否定したがそうじゃない。
「夢を見ました」
「夢?」
「昔からたまに見ては元直が気づいていたでしょう?」
「盗賊の?」
「今まではそこからしか見ませんでしたが、その前の話です。私は大きな都からこっそり逃がされて、兵士から逃げて、崖から川に飛び込んだのです。そうして、仙の方に会いました」
「仙に?」
「はい、彼は私に何かを飲まし……意識を失ったようですがそのあとはいつもと同じ夢でした」
そう言って目を伏せる。
「きっと彼は私を憐れんで死を少し伸ばしてくれたのでしょう。因果はいつも同じ場所にたどり着きます。本来であれば、私は川に身を投げて死ぬはずだった。だから、そうなった。この世界に平穏が続くのであれば、その先に私は同じように川にみを投げるのです」
だから、だ。だから私とどうこうしたって幸せは長く続かないのだ。
「君は孔明ほどじゃないけど、意地が悪い。俺に諦めろと言いたいんだろうけど」
ぐっと手に力を入れられる。
「そんなことで諦めれたなら俺は苦労しないんだ。言っただろう?俺にとって、ナマエはナマエしかいないんだって。勝手に死んだ気にならないでくれ。君は俺が守る。絶対に。川に落ちたって、助け出してみせる。だから」
だから、俺のそばで生きてくれ。
そう真っ直ぐに言いきった元直に馬鹿な人と微笑む。本当に元直は軍師からぬ軍師だ。まっすぐな。彼は愛おしそうに私の頬を撫でる。
「馬鹿な人でいい、それで許されるなら」
顔の距離が近くなる。私は目を伏せる。が、唇が触れるか触れないかぐらいで、がん!と入り口が開く音がして彼は飛び退いたが。私がそちらを伺えば賈詡さんと荀攸さんである。
「おっとっと……この扉は随分と建て付けが悪いようだ。あっはっはー、何か邪魔してしまったかな?」
荀攸さんがやれやれしているあたり賈詡さんはわざとだな。徐庶殿、諸葛亮が探していたよ、と告げた賈詡さんに元直はまた来るとだけ告げて私の部屋からでていった。
「おー、こわっ。荀攸殿、みたか?徐庶殿のあの表情」
「自業自得かと。……ナマエ殿、ご加減はいかがですか?」
「はい、もう元気です」
とは言ったが荀攸さんが私の額に手を当てる。まだ熱っぽいですね、と告げられたが私はもう大丈夫だ。
「これくらいどおってことはありません。曹操様達がいらっしゃってると、郭嘉さんから聞きました。今からご挨拶に……」
「許可しかねます。体調を万全にしてからでも殿はお怒りになりません。はやく挨拶されたいのであれば、はやく体調を整えるべきです」
ぐう正論である。その発言に賈詡さんをみる。いつもより過保護じゃないですか?と目線で訴えたら、まぁ、目の前で倒れたから仕方ないと言われた。言い返せない。でも会いに行きたい。ぐぬぬぬ、と見上げていたが、荀攸殿はだめですしか言わなかった。ちなみに伝達事項を聞いたあと、二人が帰る時も荀攸殿はだめですよと念押ししていった。見抜かれている。
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「徐庶殿、少しよろしいですか」
「……はい、なんでしょうか荀攸殿」
「俺は貴方がたの仲をとやかくいうつもりはありません。ナマエが幸せであるならそれで良いとは俺は思っています」
「えっ」
「しかし、俺の私情はどうであれ、今の貴方は蜀の軍師であり、ナマエは魏の軍師です。そこはいつでも必要最低限頭に入れておかねばなりません。あらぬ疑いをかけられることもありますからね。連れ去るのも得策ではありません。簡単に我らが攻め込む理由になります」
「……わかっています」
「……ならばいいのです」
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章邯が足を止める。なんだ?と思ってそちらをみれば、李子さんがいた。チャプチャプと蓮が咲く池の水に足をつけて涼んでいるのがみえる。あの話し合いの後倒れて部屋に運ばれたのはもう数日前のことである。過労が祟ったのだろうとはこの時代の医者の話であるが、恐らく記憶がフラッシュバックする時に起こる気絶だろう。まぁその後は騒がしかった。李子さんが倒れたことにより、友好的な関係にヒビが入りかけた。医者が毒ですなとか言っていれば恐らくこの城にいることは許されないだろう。曹操や劉備、孫堅(孫権ではなく生存している父親の方)と俺たちが話し合い、所属は決まりつつある、のだが。章邯はそこに近づくと、一人で出歩いて大丈夫なのですか?と声をかける。肩を跳ねさせた彼女は固まったが。
「あぁ、えっと、散歩しているだけです」
「その様子を見るに黙って出てきているようですな」
その言葉に李子さんは眉尻をさげる。うーん、やはり李嘉さんに似ている。が、中身はどちらかというと章邯寄りなのだろう。李子さんが章邯の服を引く。
「……あの」
「どうかされましたか?」
「……、お父さん」
そう言った彼女に章邯をみた。
「貴方を見てると、父親とそっくりで、」
「李子殿はご両親を覚えてらっしゃるのですね」
「そのはずでした」
「そのはず?」
「私は小さい頃、盗賊に襲われて曹操様に助けていただきーーそのあと司馬徽という方に育てていただきました」
「……その前は?」
「問題はそちらなのです」
彼女がそう言ってまたちゃぷりと水を触れる。すると、薄い水のベールのようなものが貼られた。仙術の結界術のようなものだろう。
「元より私はこの時代のものではありません。しかし、あの時倒れたとき過去であろう夢を見ました。それは私が記憶している過去ではありませんが、でも過去なのだと理解できるものです。夢で見たのは貴方達の時代でしょう。しかし、推測にしか過ぎませんが、もう一つは田中殿の時代です」
そう言った彼女にどういうことだ?と一瞬考える。
「貴方は名無殿と同じ時代の方でしょう?」
「えっ、なんで」
「貴方だけです。名無殿の表現を初対面で理解するのは。あれは一種の篩です。私も名無殿とほとんど同じ時代のものです。理解されないものは異端として扱われ死を招くことにあなりますから。章邯殿は恐らくーー」
その言葉に俺は章邯をみる。彼は目を大きく見開いて、ナマエ!と日本語の名前で彼女を呼ぶと抱き寄せる。
「ああ、よかった、やっぱりナマエだった、心配した」
「はい?」
困惑たっぷりな表情である。これは説明するしかあるまい。
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「お待ちください、父さ、ま……」
そう言ってしまったことに顔を両手で顔を覆う。やってしまった。普段から父に似ているなと思っていたらこうだ。周りは私の発言に色々な表情をみせる。私は孤児の扱いだから余計だろう。言われた本人も目を瞬いたが。
「……申し訳ございません、うっすらとした記憶の中にいる父ににていたものですから……」
恥ずかしすぎる。とりあえず要点だけ告げて逃亡しようとしたら、章邯殿が口を開く。
「……私にも子供がいて、行方不明になって久しいのです。恥ずかしながら、私も貴方に我が子を重ねてしまうことはございます」
そう言った彼に目をパチパチさせる。章邯殿に子供がいたか?いや、もしかすると記述に残っていないだけかもしれない。
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李子が妖魔の術で幼い子供の姿になった。めえめえと泣いている中、連れてこられたのは章邯である。
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