ネタ帳vol.3
2023ネタ帳46:杯に映るは逆さ月(李子とちょっと違う世界)
01/14 17:18
よくわからないがちょっと違う世界に飛ばされた、らしい。はぁ、とため息をついてしまうのは仕方がない。先にいたというのか同時に来ている知らない人に何もできない人やらなんやら言われて端に追いやられてる現状だ。しかも慣れている魏ではなく蜀である。危険なことをしなくていいということは理解しているのだが、蜀は魏より人が足りていないようなのてわなんとか手助けをしたいとは思う。ので、あるが。
半ば部屋に閉じ込められている。見張り以外の将にも滅多に会えないので、親睦を深めることもできずにやることがない。煌びやかな服はいらないから蜀の風土くれと言ったら読めないでしょ的な感じで官僚に笑われたのは腹が立ったが、あとで一応侍女が持ってきてくれた。もうそれも読んでしまったけれど。というわけで、手持ち無沙汰この上ない。これならいっそ農作業を手伝ったほうが良いのではないだろうか。思い立ったが吉日。準備をしよう。そう思って簡素な服で外に出る準備をしていれば、私の見張りである馬岱殿がやってきた。
「李子殿ー、どうしたの?おでかけ?」
「えぇ。今ちょうど苗植えの時期でしょう?民のお手伝いしようかと」
「えっ、苗植えを?」
「はい」
「やったことあるの?」
「何度かは。民が働いてるのに私だけ何もせず食事にありつけるのは心苦しく……」
「ん〜、そうなんだけど、俺的には李子殿はここから出ないでほしいのよ」
「あーー、馬岱殿のお手数をかけてしまいますもんね」
納得していれば、お手数?と馬岱殿に首を傾げられたが。私はもう色々と面倒なので頷く。
「はい。馬岱殿は私の見張りでしょう?」
「え?」
「こちらに来た時あさ、青い国のお嬢さんにあることないこと色々言われましたもんね。警戒されるのはもっともだと私は思うので気にしませんが」
そう返せば馬岱殿がめちゃくちゃ困惑した表情を浮かべた。
「あのね、李子殿、見張りが素直にはいそうですっていうと思う?」
「表だって頼まれた方は案外言いますよ。貴方が言わないとなれば、秘密裏に頼まれたのだと思っているのですが」
そう言えば馬岱殿が眉間に皺を寄せた。私はにっこり笑っておいた。ここで武力的に出られたらとりあえず外に出るきっかけにはなる気はする。抑え込めるかは謎だが。しばらく見つめあったあと馬岱殿はわざとらしくため息をついた。
「はーあ。李子殿って、結構するどいよね。そうだからここで大人しくしててちょうだい。いなくなると見張りの俺が大変なの」
馬岱殿は認めた。うーん、認められると大人しくするしかない。が。
「しかし、馬岱殿、暇です。暇すぎて気が狂います」
頭の中で寵沙がそれ李子さんワーカーホリックなだけと突っ込まれたが無視である。
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口を出したい。口を出したいが口を出せない立場である。絶対郭嘉さんと荀攸さんはあそこに伏兵置くと思う。模擬戦だろうがなんだろうが。と、軍議を見聞きしつつ渋い顔をしていれば、李子殿?と馬岱さんが見下ろしたが。
「どうしたの?やっぱり意味わからない?」
「いえ、南西」
コソッと尋ねた馬岱殿に私は口を開く。変に言うと孔明くん達のプライドを刺激すると思うから変にも言わないが。
「南西?」
「あそこすごい嫌な気がするんで、馬岱さんが赴かれるなら一度見た方がいいですよ」
そうコソッと返しておく。これくらいなら許されるだろう。まぁ馬岱殿が詳しくこちらに尋ねる前に関羽殿に睨まれたのでニコリと笑っておいたが。法正殿が鼻で笑いながらこちらを見たが。
「関羽殿に睨まれて笑顔を浮かべるとは。肝がすわってますね。それで?コソコソ馬岱殿と何を話していたんです?」
「お気にせず。私が無学でしたのでわからないところを馬岱様にお聞きしただけですよ。声を大にして尋ねるとみなさまの邪魔になりましょう」
そう言えば納得されたが。馬岱殿がなんとも言えない顔でこちらを見たが、後で教えておくから気にしないでと告げる彼も彼である。
「で、李子殿、南西はなに?」
「私ならあの場所に伏兵を置きます」
私の過ごす場所に戻ってからそう告げる。彼は目を瞬いた。私はさっさと寝る準備をする。馬岱殿は不思議そうにこちらを見下ろした。
「根拠は?」
「あそこに伏兵を置くと相手の撤退時にも自分たちの撤退時にもある程度融通が聞く場所だからですよ。相手が撤退するなら追い討ち、自分が撤退するのであれば時間稼ぎですね。まぁ、ただの小娘の言うことですからお気にせず」
おやすみなさい、馬岱殿。
そう言ってにっこり笑う。馬岱殿がちょっと頭を抱えたが知らないふりだ。
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「それで、その実なにをはなしてたんです?」
戻ってきた馬岱に法正がそう尋ねる。先程の軍議のことだろう。渋い顔をしているかと思えば、馬岱に何か告げた後はそうでもなかった。まぁ、関羽に睨まれて笑顔で返したので以降はニコニコと笑っていたのだが。
あの娘はある意味蜀において目下の問題だった。魏にいる娘と同じように異世界から来たらしい。彼女が来訪した際、魏にいる娘がそれはもう騒ぎ立てていた。内容をまとめると、わがままで何もできないお姫様のような存在もしくは女版董卓だから追い出してしまえと言うのだ。それを聞いた彼女は否定をするわけでもなく困った顔をしていただけである。劉備があわれんで蜀にやってきた、ので、あるが。なんというか、魏にいる娘の言うような人物とは思いがたいのである。
馬岱は困った顔をして口を開く。
「南西が気になるって言われたのよ」
「南西?」
話を近くで聞いていた徐庶が首を傾げた。
「何か根拠が?」
「私だったら伏兵おくだって」
そう、根拠という根拠ではないのだ。いや、去り際に並べられた根拠は確かに筋は通っているのだが、それを知らない人物が信じるかと言えばそうではない。恐らくあの李子という人物は、自分の立場も理解した上で馬岱に判断を委ねたのだろう。徐庶が少し考えて、口を開く。
「気になるから一応調べておこうかな」
「本気ですか」
「あの娘、書を読めるんだよ」
徐庶の言葉に法正が目を瞬く。馬岱はあーと納得した。
「李子殿の部屋にあった書は徐庶殿のものだったのね。会ったの?」
「いや、ほら、馬岱殿とは別に見張りの官僚がいるだろう?彼に何か風土に関する書物はないかと聞いたらしくて。その官僚が俺に笑いながら話したから試しに持っていってもらったんだ。そしたら次から次へと要求されたから……」
「馬鹿ではないと」
「あぁ。それに、確かに南西の森に兵を置けば相手からしたら都合が良い、そう思わないかい?」
徐庶の言葉に法正が少し考える。
「わかりました、調整しましょう」
「えっ、ほんとに信じるの?」
「何もなければそれまでですよ」
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「李子殿ー、お客さん連れてきた、よ」
とやってきたのは馬岱殿である。しまった予定より戻るのが早い。隙を見て苗植えに行ったから泥だらけである。
「李子殿ー?出かけないでっていったよね?」
「侍女の親御さんの畑ですので近所です」
「そういう話じゃないのよ。なんかもらってるし」
馬岱殿の言葉に私は軒先に置いたものを見る。
「畑を掘っていたら出てきたものですね。磨けば良い暇つぶしだろうと頂いてきました」
馬岱殿がため息をつく。それでお客様とは?と思えば元直と法正殿である。なるほど。二人がなんか驚いて固まっているが。
「馬岱殿、二人に言いました?」
「李子殿が泥だらけで驚いてるのよ」
そういう意味ではなく、軍師二人がやってくるとなれば伏兵の件かと思ったのだが。侍女の一人が湯浴みの準備をもってきて私達を伺う。
「あらあらまあまあ、間に合いませんでしたわね。馬岱様、申し訳ありませんが、李子様はこれから湯浴みをされます。半刻後にお越しくださいませ」
「待ってちゃダメ?」
「かまいませんが……」
「馬岱様、李子さまを叱らないでくださいまし。私の老齢の両親を手伝ってくださっただけでございます」
女官達がワァワァと庇ってくれるが特に怒られても気にしていないのであるが。
「あぁ、なるほど。書簡を貸していただけたのは貴方様の指示でしたか。最初に話した方が否定的でしたので、貸していただけないかと思っていたのですがお持ちいただけたので驚いておりました。その節はありがとうございます」
そうお礼を言えば、元直改め徐庶殿が「いや」と首を左右に振った。どうやら徐庶殿が書簡を手配するように指示してくれたらしい。結構なペースで要求したが、許可を下してくれていたのを考えるとなかなかに優しいというか図られているというのか。
「……ええと、君は文字が読めるんだね?」
「隠しても仕方がありませんので認めます。読めますね。父や師にあたる方に教わったことがございますので」
そう素直に返せば、ほう?と面白そうに法正殿が笑った。
「他には?」
「他には、と言われましても。詩のことでしょうか、九章算術のことでしょうか?」
そう揶揄うように告げる。まぁ、徐庶殿がけろっとしながら、兵法は?と聞いてきたが。
「兵法にも色々ございましょう?」
「あぁ、うん、そうだね、でもそれを知ってるってことは君は兵法の心得が多少なりともある。違うかい?」
「ふふ、それも否定はしません」
緩やか笑いながらそう答えれば、法正殿がほーう?と口を開く。
「それはそれは。まさか『わがままなおひめ様』だと聞かされていたた貴方がそのようなことができるとは思いませんでしたよ」
嫌味だなぁ、と思う。まぁ、私はにっこり笑うが。
「その前提に誤りがあるのですが、訂正も難しそうでしたので。あの方は私の何をご存知なのでしょうか」
「えっ、魏の波黄殿の知り合いじゃないの?」
「私は全く存じ上げません。もしかしたら向こうが一方的に私を知るのかもしれませんが。あることないことさまざまなことを仰られていました。私は貴方達を知りませんし違うと言ったところで彼女の方が信頼されているため訂正するのは難しいと思い黙っていたのです」
あちゃあ、と頭を抱えたのは徐庶殿である。
「ええっと、君の名前が違うのもそういうことかい?」
「名前?」
「君の名前は苗字ナマエだと聞いていたんだけど、君は李子と名乗るだろう?」
「あぁ、母方の祖父が倭の国の人間なので、普段はそちらに住んでいるのですが……その国の流儀で名乗ると苗字ナマエです。しかし、貴方達の文化と似た方と話をするときは合わせて李子と名乗っています。父の知り合いからは李子や阿李と呼ばれます」
そう説明すれば、彼らは首を傾げた。まぁ子供は本来父親の姓を名乗る文化だ。色々事情があるんですと言えば、それ以上は突っ込まれなかったが。父親が死亡扱いになっている可能性はある。が、何もいうまい。
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徐庶殿の手伝いをすることになった。することになったのであるが、この徐庶殿は知らないので説明しておかないといけないことは山ほどある。とりあえず、だ。
「あのですね、徐庶殿」
「なんだい?」
「私は友人曰く馬車馬のように働く癖がありまして」
「えっ?」
「知らないうちに自分の限界突破してるなどザラにあるのですが、大変申し訳ないのですが徐庶殿が休憩される時や帰られるときに止めてください。倒れて寝込むよりはマシだと思いますので」
「わかった」
と頷いてくれたのであるが。数日立てば、李子殿、無茶は良くないよ、と徐庶殿に怒られる羽目になった。まぁ、法正殿が仕事持ってきたりいつの間にか諸葛亮殿に仕事振られたりするようになったから忙しいのもある。
「もう少しで終わるので」
「具体的には?」
「後半刻です。徐庶殿は先にお帰りください。徐庶殿こそ忙しいでしょう、休まれるべきです」
と言えばため息をつかれた。まぁそのまま担がれたけど。は??と固まれば、彼は部下に私の机の上を片付けるように命じてそのままである。
「あらー?徐庶殿、李子殿が驚いた猫みたいに固まっちゃってるよ」
「仕事をやめないからこうするしかないんだ。孔明だって言ったろ。急ぎじゃないって。君が頑張りすぎると姜維も頑張りすぎるんだよ」
ああー、それは考えていなかった。私の評価が上がるたびに姜維くんが頑張りすぎてしまうのか。闇堕ちされたら困る。すれ違い様に張苞殿が「李子、何やってんだ?」と聞いてきたので答える。
「仕事をしすぎて徐庶殿に強制的に帰されてます」
「あー、お前話聞いてるとずっと仕事してるもんな。星彩達が手合わせしたがってたぜ」
「また休みの日にでも」
「お前の休みっていつだよ。ここずっと忙しそうじゃん」
張苞殿のツッコミに「はて?」と惚ける。まぁ、徐庶殿が担いだ手に力を入れたが。
「李子?俺はこの前君に暇を出したはずだけれど」
「この前っていつです?」
「……三日前だよ」
「その日法正殿の仕事手伝ってなかったか」
関興殿の裏切りである。さらに力をいれられる。あちゃあと馬岱殿が頭を抱える。ちなみに、外見同い年組は呼び捨てだが、基本的に徐庶殿が私を呼び捨てるのは怒っているときである。
「李子、何かいうことはあるかい?」
「助けて馬岱殿」
「俺に助けを求めるあたり悪いとは思ってるんだねぇ。まぁまぁ、徐庶殿、李子殿もきっと不安を忙しさで紛らわしたいんだよ。ねぇ、李子殿」
「そうです」
はー、とため息をついた徐庶殿は多分渋い顔をしている。
「李子殿、今度の休みは俺とすごそう。君を休ませるには誰かがついていたほうがよさそうだ」
やれやれしている徐庶殿に、徐庶殿とんでもない台詞はいてる覚えあります?と尋ねてみる。馬岱殿と張苞関興コンビが刻々頷いた。
「君が休まないから仕方ないんだよ」
正論である。
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徐庶殿が休みの日に龐統殿にあい、休みの日はとりあえず龐統殿の元を訪ねるようになった。嫌だってのんびりさせてくれるし。私は士元もとい龐統という人物が纏う空気が好きなのである。ということで釣りをしている。
「お前さんは変わってるねぇ」
「そうです?」
「あっしなんかといるより、若い子と遊んだらどうだい?つまらないだろうに」
「私は龐統殿の物腰や雰囲気が好きなので楽しいですよ。それに」
「それに」
「休みはゆっくりしたい性格なのですが、こう、いまいち噛み合わないと言いますか」
「あれだけ働くのにかい?」
「働くのは癖のようなものですね。働いていると考えなくていいこともたくさんあるでしょう?自分自身のこととか」
そう言って水面を見つめる。
「昔はわざと忙しくして何も考えないようにしていたんですよ。考えるとキリがないので。それにみなさんのお役に立てるのもやぶさかではないので
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「李子が男を誑かせてるって魏の子が言ってたし、あたし賛同しといた!」
「なぜ」
鮑三娘の言葉に私は彼女をみる。だってさー、ある意味たぶらかしてるじゃん、という彼女に星彩ちゃんは頷いた。私は考えてみる。いつの間にかすっかり徐庶殿はオカン属性、馬岱殿からはほんのりうすら暗いものを向けられ、法正殿に関しては完璧に貸し借りする仲である。劉備殿や諸葛亮殿は上司であるし、龐統殿は私の癒しである。休みの日に伺っては一緒に釣りしたり休ませてもらっている。将の方とも結構仲良くなれた。……。
「ちょっと自嘲しよう……」
「なんで?李子はそういうのじゃないんでしょ?」
「はい……しかし、そう見えるのが問題というか……」
そう少し考える。いや、誰それ構わずそれをしたら多分最近やたらと阻止してくる軍師とイコールで結ばれないな??孔明さんが郭嘉殿が探ってきてる的な事言ってたし。私はあいかわらずわがままなお姫様タイプだと思われてるらしいし。よし、それで行こう。
ということで宴お呼ばれした時に最初にもらった煌びやかな服きてむすっとしておく。ちなみに蜀軍には事前に許可を得た。尚香姫と鮑三娘が笑いながら協力してくれた。ほらだとかなんだとか騒いでるのは無視である。郭嘉殿が人の良さそうな笑顔を浮かべてやってくる。わー、素敵なキラキラスマイルである。
「こんにちは、ナマエちゃん、だったかな?」
「あたしを知ってるの?」
とわざと礼儀知らずに返す。荀家が眉間に皺を寄せたが知らない。
「勿論知っているよ。蜀での生活はどうかな?」
「あたしの表情見てわからない?」
「不服そうだ」
「やりたいことできないんだもん」
などと問答をかわす。いやほら軍師と結びついたらやばいからな。かわい子ぶってベタベタしとこう。教育なってないふうにしといたら万事オッケーでは。わかりませんとさしすせそ使っておく。まぁ魏の女の子がキレて割り込んできたので蜀に徐庶殿に回収された。とりあえず礼儀知らずは閉じ込めますと諸葛亮殿が返してくれたので私は嬉々と部屋に籠る。ちなみに尚香姫達に送られたのだが、始終みんなで笑っていた。自分でもないわぁと思う。ちなみに徐庶殿と馬岱殿にやりすぎだと叱られた。次は怒られたという理由がつくのでもうやらない。
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「あのですね、姜維殿」
「なんです?」
「
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流石にぎんぺーちゃんの手合わせはやばいと言いますか。打撃がやばいから力を流すしかないのだ。尚香姫、合わせて星彩さんがちょっと申し訳なさそうにしている。鮑三娘?がんばれーって他人事ですね。関家ー、申し訳なさそうにするくらいなら止めてくれ。とりあえず剣が吹っ飛ばされたので飛翔剣の扱いとして呼び寄せて手元に戻して距離を取る。まぁ、ぎんぺーちゃんに目をぱちぱち瞬かれたが。
「えー!今のは一体……!」
「異世界人なので……」
「異世界人の人はみんなできるんですか!?」
「できたりできなかったりしますね。魏にいらっしゃる方ができるかは知りません」
と言えば興味が多分飛翔剣の方に移った。まぁ私が扱えるのは仙術の類なので説明しろと言われても困るのだが。
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「違うわよ、李子は全然そんなのじゃないわ。魏にいるあの子が決めつけたからあの宴だってそれに倣ってみただけよ」
呉軍が来たと思えば尚香姫が呉軍にそう説明したので、呉軍からの評価はそこまで低くない。あとは寵沙が何故か呉にいたので、寵沙を通して私の立ち位置を言ってもらった。なので魏軍からの評価はものすごく低いわけであるが。関わりがないので気にしてはいない。が。陸治殿が魏にいるって聞いてないんだよなあ。ツボにはまってケタケタ笑う陸治殿に、陸治くんひどいともう使い古されたぴえんっぽい顔をしておく。また笑われたが。寵沙がやってきて、陸治さん、仕方ないんだよと伝えたが。
「だいたいはわかる。魏にいる勘違い女がこうって言ったんだろ」
はー、とこちらをみおろした彼にかわいこぶる。またツボにハマったのかケタケタ笑われたけど。寵沙にも吹き出された。失礼じゃないか??
「自分でいうのも何ですが可愛くみえません?笑われるとはショックですね……一部の受けはいいんですよ。いらないヘイトを買いますが」
「いや、可愛い。可愛いんだけど。俺たちは李子さんがそんなことしないってわかってるから面白い」
「おや?楽しそうに話ているね。何の話かな?」
そう言ってやってきた郭嘉さんに、またぴえんとしておく。
「陸治くんがひどいんです……私が面白いってずっと笑って」
「それは酷いね。貴方はこんなにも可愛らしいのに」
うーん。この人は今のところ上部の言葉を並べていると思われる。内心どうでもいいと思っている。まぁ無価値というやつだ。この前賈詡さんに釘刺されたしな。長安の方の言葉で釘差し返したけど。まぁ、ナマエ殿と馬岱殿が迎えにきたが。
「他所に迷惑かけちゃダメだよー」
「友達とかかっこいいお兄さんとお話ししたい」
「そんな顔してもダメ。ほら、怒られる前に戻る」
「私は気にしないけれど」
郭嘉殿が馬岱殿をみる。馬岱殿が郭嘉殿がよくても他がそうじゃないでしょと言ったが。まぁー、怖い顔をされている。
「預かったからにはせめて周りに迷惑をかけないよう面倒をみないとね」
「お兄さんまたね、寵沙くんも陸治くんも」
そう馬岱殿の後ろから言えば二人はひらりと手を振り、馬岱殿には叱られた。いや割り込んできたのあっち……
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うーん騒いでらっしゃるなぁと思う。まぁ、陸治さんはスルーしているが。何でもきた当初も騒がれたが、陸治さんが睨んで黙らせたらしい。まぁ相手の保身を考えて否定も肯定もしていないようではある。この人は項羽の従兄弟だった時代があるからか凄むと怖いんだよな。そりゃ黙る。そして今も睨んで黙らせた。
「意外だな。陸治殿はああいった女性は嫌いかと思ったけれど」
「アイツは昔馴染みだからな。あっちの方が嫌いだ」
そう言って容赦なく親指であの子をさす陸治さんに俺は苦笑いをする。まぁ確かに二人の付き合いはながい。
「しばらく思い出し笑いしそうだな」
「そんなに?可愛いのに?」
「二喬あたりや蔡文姫殿がやれば可愛いがアイツはああいうタイプの顔じゃないだろ。歳が歳だしな。この世界じゃ普通にアイツは行き遅れ」
「陸治さん、言っていいこと悪いことある。後で李子さんに怒られる」
「怖かねぇな」
まぁ今だとぽこぽこ怒るに止まるだろうし、怖くないと言えば怖くないのだが。
「まぁ、大人しくしてんならそれはそれでいいんじゃねぇか」
陸治さんはそう言ってざっくりまとめた。まぁ確かにそうだろう。まぁ、一部が大人しくと繰り返したのであるが、まぁ意味合いが違うだろう。陸治殿もそれを感じ取ったのか、あれでも大人しくしてる方と言って思い出し笑いをしていた。めちゃくちゃツボだったんだなぁ。
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「さっきの人、李子殿の知り合い?」
「彼は友人というか、悪友というか、腐れ縁と言いますか……」
馬岱殿と喋りながら戻る。まぁ数奇な運命を辿る間柄というのか。説明が難しい人物である。良い人とか?と聞いた彼にそれはないですねと即答してしまう。
「まぁ、お互い色恋ごとがめんどうなときに、そういうことを否定も肯定もしない時期はありましたが、彼には奥様がいらっしゃいますよ」
まぁ三国時代には、という答えにはなるのだが。彼は一途なので他人をそこにいれこまないし、何というか悪友だとか相棒としか言えない仲である。ふぅん、と馬岱殿は返事をする。
「釘刺さなくて良かったの?」
「笑ってたので放置すると思いますね。有事の際に連携が取れる相手ができて良かったです」
「有事」
「何があるかわかりませんから。妖魔によって馬岱殿達と分散されたりもするかもしれませんし」
「それもそうだけど、魏に行っちゃわない?」
「行きませんね、私がお世話になっているのは蜀ですしよくしていただいてるのも蜀です。法正殿ではありませんが、恩は返します。万が一にでも離れるならそのあとです」
「じゃあもっと恩を売りつけちゃお。そうしたらずっと蜀にいるってことでしょ?」
薄ら暗いものを向けるんじゃない。まぁ、しかし事実と言えば事実なのだが。ちなみに、翌日から何かと恩の強制売り付けが各自に始まったのはいうまでもない。
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「李子殿はどうしてあんな風にしていらっしゃるのですか?」
そうちょっと伺うように尋ねたのは井伊直虎である。私なんかが気にしてすいません!と謝る彼女に気にしていませんと答えた。そう言えば、昔はあまり三国以外に関わりは少なかった。半兵衛さんとか毛利殿あたりぐらいだった気がする。彼女と話すのは以前も含めて初めまして、だろう。
「魏にいる方があのように振る舞ってほしいようなので」
そういえば首を傾げられた。ちなみに近くにいた家臣ズもこちらを見たが。近くにいた鮑三娘もなんで?と聞いてきた。
「私は彼女を存じ上げませんが、彼女はどうやら私を知った気になっているようですね。あることないこと……というよりないことをたくさん言われました。なので、そのように接することで彼女の保身にもつながりますしまぁちょっとした揶揄いですよ」
「からかいはともかく、保身、ですか?」
「嘘の情報をもたらしたとなれば、酷い仕打ちをされる可能性もありますから。陸治殿が否定も肯定もしないのは同じ理由です。同じく異邦から迷い込んだ身であるなら、お互い無事に元の世界に帰りたいですからね」
私の説明に、周りは納得したらしい。まぁ最近のあの子の動向を見ていると、気にかけている人は気にかけているが当初よりはその人数が減っている。まぁ実力主義というか能力があるなら受け入れられるがそうでないのならばあまり好まれない。持っている情報がなくなったら最後、嘘とわかっても最後、かもしれない。
「李子殿……?」
「あぁ、いえ、何故彼女はあの国にいるのかと思いまして」
「そう言えば、李子は知らないんだっけ。あの子、何人かと一緒に保護されたんだけどその中でも代表みたいな感じだったのよ。持ってる情報も多いし結局魏軍が保護したんだよね」
まぁ、今となっては本当かどうか怪しいとこだけど。
鮑三娘の言葉に眉間に皺をよせる。恐らく彼女が待遇が徐々に悪くなってるのはそういうことだ。
さてはて、どうしたものかと考える。彼女はどうやって、私たちもどうやってここにきたのかを調べるべきだ。そもそも巻き込まれる前の記憶があやふやである。
「李子殿?」
「いえ、私はどうしてここに巻き込まれたかを調べるべきかと思っただけです。お気にせず」
そうにこりと笑っていれば、井伊直虎殿は首を傾げたが。
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「李子の家族はどんな人?」
そう尋ねた尚香姫に、私は動きを一瞬とめる。どんな人と言っても。とりあえず楚漢戦争あたりのはなしをしたらいいのか。甲斐姫達も近くにいるんだよなぁ。まぁいいのだが。
「……うーん……母は武芸に秀でた方で幼少の頃はそれはもうやれ剣術だの狩りだのと少年のようだったとは聞いたことがあります。父は文武両道でしたね。政務を務めてらっしゃいましたが、途中から軍務に駆り出されて家は不在がちでした」
そう返せば、寵沙が顔を覆った。感受性豊かなことで。
「じゃあ、李子はお母様に武芸を習ったの?」
「いえ、祖父ですね。母はもうずいぶんと落ち着いていたらしいですし、訳あって両親と暮らせなくなったので祖父の家に身を寄せていましたので」
「寂しくなかった?」
「寂しかったですよ。でも、いつか家族にもう一度会って一緒に暮らせるって信じてましたから耐えれたんですよ」
さらっとそう言って笑っておく。まぁ、甲斐姫も尚香姫他その近くにいた将たちも会えるといいわね/なといわれた。うん、それもそうだ。
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category:中華組関連(msu・oa)