ネタ帳vol.3

2023ネタ帳59:蛇一家末っ子は日本人

01/14 17:26 

いやいやいや、なんでこうなってるんだ??
はーーとため息をついてみる。まぁそれさえも相手にとってはいらただしいものなのだろうからこっそりと、であるが。
さて、どうしたものか。そうぼんやりしながら様子を伺う。いるであろう他の兄弟と比べて私は穏やかな生活を送っていると思われる。何故なら私は廃棄されたはずの子供なのだ。間引かれたそれを子供ができない親にうつされたという。そもそもどの時点で雌雄の判別がつくのかはわかりかねるが、出来上がった2人の兄弟は男であるのに対し私は普通の女の子(仮)だ。容姿だって母親として使われた遺伝子の方に似たらしい。瞳の色だけが父親の方だが。
さてさて、前世で事故死した私はかの有名人ビッグボスと呼ばれる男の子供として出来上がった。生まれたのではなく、ただしい意味で出来上がった。私は彼の意思に反して作られた子供なのだ。亡くなった両親が例の研究に噛んでいたのかと思ったがそういうわけでない。日本では認められないそれができたのが彼のもともといた国で、自分たちと血が繋がっていなくても良いとおもった両親は渡航しかるべき機関を経て私は母親の腹に宿されて生まれたというわけだ。絶対に他の兄弟よりも穏やかな日本での生活、の、はずなのだが。
これは予想外だった。場所はアメリカ。穏やかな修学旅行だったはずなのに、テロに巻き込まれた挙句人質になったのだ。まぁ周りはパニックだ。そりゃあそうだ。自分たちのこれからの生死がわかりかねるからだ。私は困った。これで他の部隊がきた場合、万が一にもフォックスファウンドという部隊がきた場合、私はぬくぬくと生活できなくなる気がするのである。いや、本当に。私のメンタル的にも軍事的なことはできかねる。戦場とか無理無理。あとこれ多分しばらくしたら閉じこもってる相手と仲良くなりだすきがするんだよなぁ。なんとか症候群ってやつである。こちらに対して今の見張りの人が友好的すぎるのだ。
そう思いながらぼんやり見張りを見てたら友好的だった人が入れ替わり、その人が天井に向かって発砲したためにみんな怯えることになった。解放まではまだまだ長そうである。サバゲー好きな同級生が床をコツコツ叩いてるが、見張りがその音の意味を理解していないのだろう。SOSをきちんとする彼は偉い。とりあえず私もコツコツする。多分そのうち介入するでしょ、と床をコツコツすれば、彼はだよなぁとコツコツした。つよ。まぁしばらく2人でコツコツして話していたら第三者が加わった。内部はどうだ?と聞かれたので貴方は誰だ?と尋ねる。誰かは助けに来たと言われた。これ罠の可能性あるよなぁと思う。が、本当の可能性もある。所属部隊は?と聞けばアンサーが狐狩りだ、だった。うわーー。さらば私の穏やかな生活。
とりあえずまぁわかるように答える。学生が何人、見張りが交代制で何人、交代は約何時間交代とコツコツしたら何やら焦っている連中に連れていかれることになりましたとさ。
ーーそして今である。人質だ。目の前にいるコートきた人はもしかしなくてもビッグボスでは??顔がいい〜〜!と前世の私が騒ぐのを抑える。まぁこっちの人はびっくりしてるけどな。とりあえずビッグボスの登場に驚いたその隙に腕を外して一本背負い決めた私は悪くない。驚いたわりに周りが取り押さえてくれた。ありがとう警察の叔父さん……護身術教えてくれて……感謝、と、叔父がいるだろう方向に手を合わせる。伝われこの感謝!
「驚いた、ジュードーで投げるとは」
日本語で話してくれるビッグボスは神。こちらを見下ろした彼は一瞬動きを止めたが。私は気にしないふりをして口を開く。
「この間、警察の叔父に痴漢はこう締める!って言われて習ったんですよね」
「……優秀な叔父だな」
「そうですね、なんかよく柔道の大会に出てます」
はーー怖かった、と漏らせば彼はポンポンと私の頭を撫でた。は??前世の推しかっこよすぎん??心臓あたりを抑える。どうした?と聞いた彼に私は口を開く。
「おじさん、かっこよ……初恋盗まれる」
その言葉にまたくしゃくしゃ頭を撫でられるが。
「お前は今ハイになってるだけだ。後でフラッシュバックするから気をつけろ。何かあればすぐに医者に言え」
「しんせつにありがとうございます」
そう言って頭を下げて先生と合流する。先生にはちゃめちゃに怒られたり泣かれたりしたけど。いやー、多分このままもう実父に会うことはあるまい。

と、思ってたんだけどなぁ。
目の前にいる人はビッグボスである。まぁ簡単な巻き込まれた人向け事情聴取と診察である。何歳くらいかはわかりかねる。いや待てよ、原作軸だとこの人今ここにいなくないから?と思う。うーーん。
「めちゃくちゃ好みな顔してらっしゃる」
「ありがとうな」
日本語でそう言ってケラケラ笑った彼に、うーん、尊みが深いと両手を合わせる。ハテナを浮かべられたがしらん。
「おじさん偉い人でしょ?私に構ってていいの?」
「休憩中だ。お前は?」
「友達がパニック起こしたから置いてけぼりくらったし、時間潰しにスタバ行こうと思って」
閉所恐怖症が続出してるが帰国できるのかこれは。私といえば、現実感が相変わらず伴っていない。
「スタバ?」
「スターバックス。英語喋られんけどフラペチーノ買いたい」
「奢ってやろうか?」
そう尋ねた彼にえっ!?と二度見する。この人優しいな!?いやでも謙遜しておくかと最初は謙遜する。情報のお礼だと言われて首を傾げたが。
「情報?」
「モールス信号」
その言葉に目をパチパチ瞬く。
「ああー、もう1人の子に聞きました?」
「ああ。恐らくお前だと」
「あれ本当に通じるんですね」
「通じる。時々現役だ。どこで習った?」
「日本よくああいうのゲームに使う……謎解き要素で覚えた。あとタイタニック」
スタバに向かって歩き出す彼に並んでそう告げる。日本は全く見たいなセリフを言われたが、触れたのが貴方が出てくるゲームですとは言わない。まぁ事実この前やったゲームの謎解きの過程にはそれがあった。
とりあえずスタバに行けば(恐らく軍内もしくは軍事施設に近い場所にあるスタバ)店員さんにめちゃくちゃ驚かれた。友達に教わった呪文を見せたらちゃんとつくってくれた。ブラックコーヒー頼むボス(仮)は流石である。
「なんださっきのは」
「スタバのカスタムオーダーですね。日本より甘いけど美味しい」
ソウハッピーみたいな顔したら、彼は目を瞬いてフハッと笑ったが。可愛いとかっこいいが混ざってんなこの人。
「はーー、おじさんかっこよ」
「ありがとうな」


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「サムさんじゃん、なんでいんの??」
そう聞いたら彼は私を見下ろした。そういやお前は学生だったとか言われたが。剣術道場繋がりというか彼の父と私の叔父が知り合いである。
「それはこっちのセリフだな。お前なんで……あー、例のか」
そう言って頭をかいた彼にイエアとグッドサインを出した。
「同級生とか先生の一部が精神的に参っちゃって、帰国できなくて困ってる。私たちも親の迎え待ち、みたいな」
「普通はそうなる。お前が図太いだけ」
「酷くない?これくらいで怯えたら降谷零にはなれないから」
「OTAKU」
めちゃくちゃ海外な反応された。うるせーー。まぁ特に降谷零になる気もしないが。
「サムさんなんでいんの?」
「聞きたいか?」
「あ、聞いたら最後厄介なことに巻き込まれるから嫌だ」
そう言って距離を取る。まぁ遠慮すんなよと言われたが私は遠慮する。私は距離をとる。
「やだぁ、大人のそういう話聞いたら最後、日常に戻れなくなりそう」
「まぁまぁ聞け」
「やだぁ」
距離を詰めるサムに離れる。まぁ途中でヒステリックになってる先生に見つかってしこたま怒られたが。いいんだよ一部の生徒が私の奇行みて落ち着くんだから。暴言聞いてたらサムさんが英語で父親と私の叔父が知り合いみたいな話をまとめてくれた。
「サム?」
「よう金髪」
「はわわ、はわわわ、イケメンがいる」
そう言って口元を抑える。サムは私の頭に拳骨落としたが。痛い。
「例の学生じゃないのか?」
「こいつの叔父と俺の父親が知り合いだ」
「ということは剣術繋がりか」
「そういうことだ。筋がいい、というよりは同世代で一番強い」
「褒めてる気配を察知」
英語で交わされる会話なため日本語でそう言えばまた拳骨おとされたが。めちゃくちゃ痛い。大丈夫か?って聞いてくれるイケメンは雷電だと知ってるけどイケメンすぎんか??
「お前いつ帰国するんだ」
「なんか日本政府が専用チャーター飛ばすとか聞いた。それ待ちみたいな話は聞いた。多分みんなそれどころじゃない」
「ほう……?」
「や、やだー、サムと稽古はマジでやだ。私は警察官になるために軽く嗜み程度に身につけたいわけであってそんなことしたいわけじゃない」
そう首を左右に振ったが、何時集合みたいな話をされた。詰んだ。イケメンが可哀想にみたいな顔をされた。や、やだー。

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「やだーー」
そう言って逃げる。ギャラリーいるのウケるんだけど。完璧学生も娯楽じゃん。しかたねぇ。
「エビバリセイ頑張れ苗字!」
「頑張れー、苗字ー」
「きばれー」
「もっとこう……内申点プラスとかして欲しい」
「それはしない」
バッサリ言った先生に肩を落とす。まぁサムさん来たから避けるけど。とりあえず竹刀拾ってローリング回避する。
「サムさんこれジェダイごっこでよくない?」
「真面目にやれ」
「アッ、ハイ」
そう言って竹刀を構える。この人ガチでくるよなぁと思ったらガチできた。
「アップさせて、アップ!」
「言い訳はよしな」
そう言って避けたり色々する。反撃は流石に難しい。というか。
「あーー!この人バーサカーになってる!!やめろやめろ!!バーサカー怖いんよ!こちとら剣術は嗜み程度の学生じゃい!!」
防戦一方である。いや流石にサムさん相手は無理。嗤ってるし。無理。バーサカーじゃん。とりあえず弾かれたので片手をついてバランスをとる。もう一回攻撃はローリングで避け、納刀する形を取る。こちらに来た瞬間居合する、と見せかけて手が滑っちゃった⭐︎をする。飛んでた竹刀にサムさんたんま!と言いながら手を構えたらサムさんが止まった。あと頭に拳骨落とされた。痛くてゴロンゴロンする。彼はため息をついたが。
「真面目にやれ」
「私は至って真面目ですー」
そう言って不貞腐れながら立ち上がる。服を叩いていれば、同級生がワイワイ騒いでいる。周りの元気が出たようで何よりだ。竹刀を取りに行きちょっと息を吐く。まぁ、ボス(仮)とオセロットみたいな人にがっつり見られてるけどな。やっちまった感はするよな。

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