ネタ帳vol.3

2023ネタ帳76:中華組とOA

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こちらの荀攸殿はなんというか可愛らしい。いや向こうもそうだったのかもしれないが、こちらの荀攸殿はより小柄であるし、表情豊かなのだ。今もぽこぽこと怒ってはいるが菓子を差し出せばそれをもっもっとハムスターのように食べる。それが可愛らしくて私はニコニコしてしまうのだ。
「李子殿、僕が怒っていることを理解されています?」
そうムッとしながら告げた荀攸殿に、私ははいと頷く。まぁ、魏領に天刑宗の残党が来るようになって彼らは忙しいらしい。天刑宗の大元はたたいたが、それでも少しの残党はいるものだ。とりあえずまた小言が続きそうなので荀攸殿の口にお菓子を運ぶ。育ちがいいので無言でもぐもぐしている。私はその間に話す。
「今こちらでも水鏡先生とともに天刑宗の残党を調べています。被害を出さない術もね。わかればすぐに魏領にも使いを出しましょう」
「……李子殿?何を?」
そうやってきた郭嘉殿と荀攸殿にふむ?と首をかしげる。
「荀攸殿と少し天刑宗についておしゃべりを」
「賢甥ちゃんを餌付けしているようにしか見えませんでしたが」
「は!?餌付け!?」
反応した荀攸殿の口元にまた菓子を放り込む。もぐもぐする彼は怒っているが私はニコニコしてしまう。飲み込んだ彼は怒った表情でこちらをみた。
「李子殿、まさか僕を侮辱しているのではありませんか?」
「まさか。疲れていらっしゃるようなので、甘いものを差し入れているだけです」
「では荀ケや郭嘉殿にも同じことをするのですか?」
「いいえ?荀ケ殿も郭嘉殿も気分転換は他にしてらっしゃるようですので。張郃殿にはたまにします」
私の返答に彼はなんとも言えない顔をする。
「貴方ね、それが諍いのもとになるんですよ。僕を巻き込まないでいただきたい。僕にするなら他にもする。他にしないなら僕にもしない」
「ええ……荀攸殿にこうやって菓子を与えることが最近の癒しだったんですが……」
そうちょっと困惑する。まぁ荀攸殿が癒し?とちょっと怪訝な顔をした。
「じゃあ今からちょっと菓子を皆さんの口に放り込んできますね」
そう言いつつ何か言いかけた荀ケ殿と郭嘉殿の口にお菓子を入れる。もぐもぐする荀ケ殿と郭嘉殿は可愛らしい反応よりも先に若干固まったが。おやぁと首を傾げて荀攸殿をみる。
「このお菓子あまりおいしくないのですか?」
「美味しいですが理由は別ですよ」

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李子さんが菓子配りテロを起こしていると聞いた。なんでも会ったら口の中にお菓子を放り込まれるらしい。いわゆる「あーん」というやつだ。なにしてんだ?と聞いたら荀攸が口を開く。そういや荀攸と話していると李子さんは話を途切れさすために菓子を彼の口に放り込むのだ。もっもっと食べるのが小動物みたいで可愛いと李子さんの癒しになっていることは俺と陸治さんは知っていることであるが。今も犠牲者が出た。口にお菓子を放り込まれた于禁殿が固まっている。
「僕にああやって菓子を与えるでしょう」
「うん」
「他にしないことを僕にするな、僕にするなら他にもしろと言いました」
そう言った荀攸にお前が犯人かと思う。こいつ死屍累々見て面白がってんな。まぁーー、荀攸と李子さんは結構仲がいい。でも様子を見るに二人とも恋愛という雰囲気はまっったくない。ただただ仲がいい男女みたいな。というかそんな気がない二人だからあれは成立したことだろう。あと李子さんが疲れていて判断力が鈍っている。最近は天刑宗騒ぎが多々ありその調査にも李子さんが時間を割いているからだ。まぁ陸治さんは普通に李子さんが口に放り込む前に菓子を取り自分で食べると李子さんを捕まえる。
「寵沙、李子殿を休ませる手配をしろ。早急にだ。死屍累々になるか勘違い野郎が増える」
念のため、だろう。陸治さんが李子三の額に手を当てると、陸治さんは顔を顰めた。
「熱ある人間がおいそれであるいてんじゃねぇよ」
「すこぶる元気です。これくらい誤差です」
「阿呆。荀攸、こいつがお前の突飛でもない発言に乗ったら大体疲れてて体調崩す前だから面白がるのもほどほどにしておけ」
「はいはい、わかりましたよ」
「私としてはなかなか面白いのでまたやりたいですね」
「やらなくていいんだよ阿呆」
いかん、これは李子さんガチでぶっ倒れる前では??
「ああー、たいへんだ、医者!医者呼んでくる!」
「そうしてくれ」

ちなみに寝込んだ李子さんは元気になっても一定の人に餌付けしていた。まぁ李子さんの息抜きでなにより。

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「あの二人ほぼ互角だからなぁ」
そう言いながら手合わせをする陸治さんと李子さんをみる。まぁ武力的にはやっぱり陸治さんの方が強いのだが、李子さんはやはり流れを考えて対応していったり情報を組み込んでいくのだ。互角、と繰り返した幸村さん達に、俺は口を開く。
「武力的には陸治さんが強いけど、李子さんは周りの情報組み込んで徐々に有利な方に寄せていくから」
「李子は文官じゃないのか?」
「文官だけど、あの人戦場にたって指揮もできてある程度は戦力削げる文官だから」
「それは武官ではないのか」
そう突っ込んだ司馬懿にいや李子さん文官という。いや、本当は文官はあまり現場に来ないんだろう。いや、郭嘉さん達出陣してんじゃん、と思ったが確かにあまり前線にはいないかもしれない。郭嘉さんははらはらして見ているが。そういう面みてこなかったもんなぁ。周瑜がちょっと困った顔をしながら口を開いた。
「というかあれくらいの芸当ができるなら戦場に立たせたほうが良いのではないか?」
「まぁ、あれくらいできるのと好きと嫌いはまた違うからなぁ。多分、事務仕事してる方が好きなんだとは思う」
陸治さんが火の粉を撒き散らしながら戟に炎を纏う。それは炎の竜のようにもみえる。無双乱舞きたー!と思ったが、多分これ陸治さんの気力攻撃扱いになるんかもしれん。
「邪魔をするな、!」
我が道は貫く!と言った瞬間李子さんに炎の龍のように陸治さんの鋭い戟が入る。まぁ、李子さんはそれをうまく飛び上がって避けたが。多分あれくらったら燃焼継続ダメージはいる。
「ご覚悟ください」
李子さんの空中乱舞が来た、と思うのは周りに氷の剣が現れたからだ。郭嘉の模倣きたこれ、と思ったが李子さん7出身なので模倣ではないかもしれない。陸治さんが舌打ちしたけど。李子さんが手を振り下ろせば氷の剣は陸治さんを襲い、それを制御している間に李子さんが一気に間合いを詰めたが。まぁ陸治さんが弾いたが。
「お前の間合いなんざ何戦もやってたらいい加減わかるんだよ!」
と言った陸治さんには悪いが李子さんの手に持っているのは氷の剣である。それを一瞬で見抜いた陸治さんが李子さんの剣を弾いた。流石すぎる。その勢いのまま陸治さんが王手をかけたが。李子さんが争うかと思ったら素直に負けを認める。
「むぅ……たまには体を動かさないとダメですね。飛翔剣達も手入れしてあげないと」
李子さんが指をクイっと曲げると飛翔剣が手元にくる。そのまま李子さんは巻物の中に戻すとその巻物も水のエフェクトと一緒に消えた。陸治さんも戟を炎のエフェクトと一緒に消す。
「部屋にこもってないで動け、太るぞ」
「気をつけてはいるのですが……戻った際に動けなければ、役に立てませんからね、もう少し運動するようには心がけます」
そんな会話しつつ戻ってきた二人に郭嘉さんがお怪我は?と心配そうに聞いた。張郃がとんできて怪我したらどうするんすか!と怒っている。李子さんは心配ありませんよと笑っていたが。
「大丈夫じゃないっすよ!嫁入り前の体に傷がついたらどうするんスか!」
「お嫁に行く気はありません」
李子さんはそう言って張郃の頭をぽんぽんすると、張郃がも〜っ!というのが聞こえた。
「俺はガキじゃないっス!」
うーんこいつ結構殺伐してるのにまぁ。


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「私の昔話など聞いても面白くありませんよ」
李子さんがそう言って困った顔をする。いや、李子さんの話は結構物語としては面白い気がするが。何故なら楚漢戦争飛んで三國っぽいし。こちらにきて記憶が安定したのか楚漢戦争あたりの記憶が李子さんにも陸治さんにもある。が、仲が悪いというわけもなくあの頃は若かった的な話でまとまったのだと思われる。いやぁ、陸治さんがあの項陸さんだった話とかな。李子さんは特に驚かないのだが。銀屏が首をかしげる。
「李子お姉ちゃんの家族はどんな人?」
「私の家族ですか?私の父は私が元いた国の文官になりますね。母は有名な武官一族の出でした」
李子さんがそう返すものだから周りが気になったらしい。諸葛亮さんが首をかしげる。
「では、あなたは父上から手解きを?」
「いえ、そういうことはなくただただ甘やかされた記憶はあります。覚え差しの舞を待っても褒めてくださいましたから……」
「ではどこで勉学を覚えたんです?」
荀攸が不思議そうに尋ねる。確かにそれだけ聞けば何処で覚えたか気になるのだろう。
「最初に教えてくださったのは祖父や従軍されていた軍師の方ですね。もっぱらそちらは兵法関係でした。他のことはその後性別を偽って学舎に通った時と別の場所で兄のような方々に会った際に教わりました」
「……女性が従軍ですか?」
「諸事情で私が性別を偽っていました。なので私は二度性別を偽っていますし、元の世界の方の多くは私を男だと思っています」
さらっと告げた李子さんに、周りが李子さんを凝視する。李子さんを?と女子はふしぎそうにしているがこの人男装したらただの美男子である。
「李子の男装……興味あるわね」
「陸治兄とは何処であったの?」
「彼はずっと違う国ですね。敵になることもしばしばあります。時々共闘するくらいでまぁ似たような経験をしているので仲はいいです」
「思ってるより李子のいた場所も物騒なのね」
「そうですね。否定はできかねます。今は同盟を組んで仲良くはしているでしょうが、まぁ国が多いので」
肩をすくめた李子さんにふぅんと返す。荀攸が口を開く。
「あぁ、なるほど、あなたがそんな年なのに旦那の話が出ないのはそういうことですか」
「そうですね、男として生きていたので行き遅れです」
あっさりと李子さんが告げる。まぁばっさりと荀攸が続いて口を開くが。
「結婚する気もないでしょう」
「ないですね。このまま私は国に骨を埋め、主君に仕えます。それが私の幸せです」
クスクス笑いながら李子さんが告げた。荀攸が「でしょうね」と頷いた。何人かの淡い恋心ばっさりしてないか?なんと、と誰かが口を開いた。
「女としての私は、一族の多くと一緒にあの日に死にました。残ったのは男として生きる私ですから」
李子さんが珍しく闇を出している。王異が、李子殿、わかるぞ、と頷いたが。まぁ近しいのは王異かもしれないなぁ。二人で意気投合してほしい。そう思っていれば、李子さんが首を左右にふった。
「貴方の憎しみは他者に向けられるもの、私の憎しみは無力な私に向けられるもの」
そうぼやいた李子さんに「どういう意味?」と銀屏が首をかしげる。まぁ、答える前に李子さんは寝息を立てたが。すぅすぅと寝息を立てて荀攸にもたれたが。
「李子さん最近酔ったらすぐ寝る。張郃ー、李子さん部屋に連れてって」
「はぁー、またッスか?仕方ないっすね!」
と言いつつウキウキしている張郃に王元姫がすぐさまついていくと宣言したが。張郃はたぶん既成事実は作らないだろうし女官がいるから大丈夫だろうけど、そうしてくれ。


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「なんかイケメンがいると思ったら李子さんで笑った」
そう言って李子さんをみる。尚香達に男装してくれと頼まれたらしい。通りで朝から女官がキャアキャアいうはずである。俺としては無双の服装なのでテンションがあがる。
「ふむ?そうしていると本当に美男子よな」
そう言って曹操さんが李子さんをみた。俺は頷く。絶対向こうの魏軍顔採用してるだろ。曹操さんは胸元を見たが。胸元にある膨らみがないのはわかる。いや、わかりにくいたまけだが。李子さんがため息をついて口を開く。
「曹操殿」
「いや、なに、わかりにくいものだなと思っただけだ」
「まぁわかりにくい工夫をこなした服ですので」
そう言った李子さんに曹操さんが脱がすのも一興かとサラッとつげる。せくはらやめい。李子さんはもう一度曹操殿、と釘を刺す。丁夫人に怒られるようなことはおやめください、と告げた李子さんに、お主が言わなければいいことなのだがな、とつっこんだ。いやそうじゃないだろう。
「しかし、その装束の色を見れば我が軍に混じっても違和感はないな」
「私は清河に属しておりますので。寵沙様も頑張っておいでですが、清河はまだ落ち着いておりませんよ」
「……さっさと姉離れせぬか」
そう言って曹操さんは俺をみる。俺は首を左右にふった。絶対やだ。
「そちらにいるのはもしや李子殿……?」
うーん、荀家が並ぶと余計に違和感がない。荀攸がちょっと苦々しい顔をした。李子さんの方が高いからだろうか。
「貴方、身長伸びてませんか?」
「靴の底を上げていますので」
李子さんがそう言って荀攸を見下ろす。可愛いって顔をしている。李子さんは荀攸と張郃を小動物(ハムスターとりす)みたいに思っているが実際はそうではない。いや、李子さんが口に菓子入れたら黙々と食べるけども。

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あちゃぁ、と頭を抱える。そりゃあただただ俺は他ジャンルを知っているから二人の正体に勘づいて聞けただけでそうでなければわからないだろう。同じように異世界に渡ったからついた力だと思ってしまうかもしれない。しかしそれは向こうも同じじゃないかとは思うのだが。騙してるわけないじゃない!と怒った星辰に、俺は苦笑いをする。確かに騙してはいない。黙っているだけで。李子さんは涼しい顔をして仰りたいのはそれだけですか?と尋ねた。
「人には一つや二つ、どういうものであれ、秘密があるものですよ。私は特に騙しているつもりはありません」
「右に同じく。さっさとその陣営から離れな、嬢ちゃん。陰兵にされてもしらねぇぞ」
さらっと流す二人であるが、恐らく火に油を注ぐだけである。李子さんガチ恋勢な張郃がギリギリしてるからやめておけ。
「普通に二人とも強いからやめとけって。李子さんくらいならいけるって思ってるかもだけどこの人普通に強いから」
そう言ってみても鼻で笑うだけだが。
「知ってるのよ!私は!」
「ほう?面白いな、何をだ?」
あ、これダメだ。もう陸治さんは戦闘やる気なしである。揶揄うというかそっちに傾いてる。李子さんも特に警戒、は、恐らく正面でなく付近にむけている。
「貴方達は死にかけてここに来たんでしょ!」
「それはそう」
「それはそうですね、素晴らしい洞察力です」
「そこで神様に特殊な力をもらって」
「神様とやらにお会いしましたか?私は仙の方に会ったことはあえど、神を名乗る方にお会いしたことはないのですが……」
「俺もない。仙人だけだな」
「……仙人に特殊な力をもらって!今まで敵なしできたんでしょ!」
「仙人に特殊な力もらってたら今まで死にかけてないんだわ」
「同じくですね」
ふむ、と考えた二人は、もしや、と口を開く。
「その神様とやらに会えば元いた場所に戻れるんじゃねぇか?」
「ありえますね。しかし、私は歳を重ねてしまいました。みなさん気づいてくださるでしょうか」
少し心配そうにした李子さんに俺は納得すり。
「あー、李子さんこっちだとそれなりに年重ねて大人だけど、元の世界にいくと俺と同じくらいの外見なのか」
無双の李子及び李章は幼顔である。満寵と同い年ぐらいだというのに並ぶと一人年下に見えるのだ。それは水鏡門下で並んでも言えることなのだが。
「久しぶりに兄さま達にお会いしたいものです」
ほう、といきをはいた李子さんに対し、「兄さま」と、俺と周りは繰り返す。兄さま呼び可愛くないか?いや、遠呂智の会話で昔は兄さまって呼んでたのに……みたいな会話確かにあるけど。
「俺も嫁に会いたい」
嫁。周りは繰り返す。そこで俺は首をかしげる。
「あれ?結局二人は何処から来たんだっけ?正史?混ざってる方?」
「正史がどれだよ。俺の答えは混ざってる方だな。恐らく李子殿もそうだろうよ」
「はい、私もそちらです。こちらにきたのは妖魔のせいだとは思っていますが」
さらっと答えた二人に俺は固まる。
「はぁ!?はぁー!?それ聞いたらずっとここにいて!ができないじゃん!李子さんの保護者と幼馴染、陸治さんの嫁とか同僚が探し回ってるだろ!!」
「そらそうだろ」
「お身体が心配です。みなさん無理をしていなければ良いのですが」
サラッと肯定した陸治さんと、少し心配している李子さんに俺は「でも、やだ!」とくちをひらく。
「二人とも俺が独り立ちするまでいてくれなきゃやだ!楽土安定するまで!というか!色んな人看取ってから元の世界戻って!!」
じゃないと二人に向いてる思い感情捌ききれないのだ。
「ちょっと!何内輪で話してるのよ!!」
忘れてた。そう思ってそちらを見ればプンスカしながら相手が地団駄を踏んでいる。見守っていれば、お望み通り、合わせてあげるわ!!敵としてね!!と何かを召喚した。光が引いてみればそこには確かに二人いる。意外な人選である。二人が驚いた隙に相手が何かしようとしたが、李子さんが間髪入れずに珍しく飛翔剣で弾く。どうなってんだ?
「この飛翔剣はーー」
「文和殿!」
「文嚮!こっちに来い!」
そう言えば二人とも何か攻撃を避けてこちらにき、入れ違いに陸治さんが戟に炎をまとって攻撃した。ら、逃げたが。それを見送ってから李子殿は飛翔剣を巻物にしまうと李子さんをみている無双賈詡をみた。嬉しそうである。
「文和殿!!」
「あっははー、やはりナマエ殿かな?」
「はい、ナマエです。ご無事でよかった」
「それはこちらの台詞だ。しばらく見ない間に随分と大人っぽくなったようだが……」
「色々ありました。詳しくお話を……」
「李子殿の知り合い、でしょうか?」
そう尋ねた劉備さんに李子さんは頷く。
「はい、劉備殿。この方は兄のような父のような方です」
「まぁ実際はナマエ殿の部下だがな」
さらっとそういうが、多分仲がいいのは李子さんの表情からも見て取れるのだろう。若干劉備殿がムッとしたし。一瞬驚いた表情をした無双賈詡はやれやれと息を吐く。
「それで?ナマエ殿、色々と話が聞きたいんだが。こっちではナマエ殿がいなくなって大体三週間ほどと言ったところか」
「ああ、よかったそれほどしか時間はたっていないのですね」
ホッと息を吐いた李子さんに無双賈詡と無双徐盛が首をかしげる。
「ねぇ、李子お姉ちゃん、この人達ほんとに李子お姉ちゃんの知り合い?」
「おねえ……??」
無双徐盛が李子さんをみる。李子さん向こうでは男装してるもんな。まぁ徐盛が変なことをいう前に陸治さんが口を覆ったが。李子さんは「怪しく見えますが」と口を開く。
「文和殿はただの世話焼き体質な方なので。まぁ離間の計が得意だったりはしますね」
「それは正しいが……こう警戒される文言をつけるのはやめてほしいね」
「ふふ、文和殿が信頼できる方だというのは私がよく知っていますから」
ニコニコ笑いながら告げた李子さんに、無双賈詡が兄に似たなとやれやれしたが。
「で?ナマエ殿、ここはどこだ?俺たちは対妖魔の戦場にいたはずだが……」
「ううん、楽土と呼ばれる場所としか言いようがありません。私や陸治殿も何かの拍子にこちらに飛ばされたのですが……あなた方は先程の彼女に飛ばされてきたようです」
李子さんの言葉に「ふむ?」と無双賈詡が考え、無双徐盛が口を開く。
「……陸治の不在は妖魔のせいじゃないのか?」
「いや、元は妖魔だとは思うが。たまたま俺たちの国境で共同戦線を張ったが、その時だ」
「筋は通るな。将兵が二人が門に吸い込まれたのを目撃してるから」
「門」
と李子さんが繰り返してから、まさか桜蘭の?と俺が尋ねれば李子さんは口を開く。
「伊達殿や真田殿と同じような感じかと考えていたのですが……椿姫殿に聞いた時も起動していないと聞いていましたし、実際ついこの間諸葛亮殿が結界をどうにかするまで動いていませんでしたし」
「混ざると面倒だな。こっちがちょっかいを出しても向こうがちょっかいをだしても」
そうため息をついた陸治さんに李子さんはそうですねと頷いた。李子さんの言葉を聞いて孫権が首をかしげる。
「李子や陸治の元の世界……?」
「そういや言ってなかったか。俺たちは他の世からこっちに迷い込んで左慈殿に拾われた身だ。この世界の住人じゃない。もとより楽土が落ち着いて坊主が一人前になったら帰る手段を探すつもりだった」
「あぁ、なるほど、それで先程の台詞ですか」
諸葛亮さんがそう納得する。納得せんでいい。諸葛果が口を開く。
「行き来できるようになったらいいのでは?」
「あーー、そうしてほしい!」
「ややこしいったらあらしねぇから嫌だな。それに天刑宗と妖魔のセットとか嫌すぎる」
陸治さんが苦々しい顔をしてバッサリそう告げる。
「まぁ、しかし、妲己と陰姫が手を組んだとしても思惑がお互いどこかでズレてくるとは思いますよ。似たもの同士ですが目的が違いますからね。仲良くはなるかもですが。それより清盛が陰兵を操り出しそうです」
それもそうだが。銀屏が首を傾げた。
「ややこしいの?」
「あぁ、ややこしい」
「どういうこと?」
「同じ国名で同じ名前のやつがいる」
陸治さんがバッサリとつげる。李子さんが頷いた。無双賈詡が口を開く。
「しっかし、李子殿、こちらではその格好なのか。アンタの兄代わりがさぞかし驚いたり、喜んだりしそうだ」
「はっきり申しますと、気づいていらっしゃる文和殿と黙ってくださる文嚮殿で良かったです」
李子さんはそう言って息を吐く。無双徐盛への信頼があつい。
「ま、バレたところで主君も追い出したりはしないと思うが。俺達にはアンタがいないと困るんでね。だが、口煩い兄には黙った方がいい。アンタ平気で一緒に仮眠しただろ」
仮眠、と周りが李子さんをみる。李子さんは首をかしげる。
「断る方が疑いを生むでしょう?」
「……いいか、ナマエ殿。ただでさえアンタは行方不明なんだ。しばらく周りは過保護になるぞ。その上その服だと余計に磨きがかかる」
「理解いたしました、私のためにも他者のためにもいつもの服装にしておきます」
「そうしてくれ。まぁ、たまにはいいだろう」
「文和殿の前だけですか?」
「それは俺に変な噂がつくからやめてくれ」
ああー!李子さんが年上と話すときにでるちょっと天然っぽい感じが再現されている!!たまにはとは……と考えた李子さんに、無双賈詡がため息をついたが。


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