ネタ帳vol.3

2023ネタ帳75:中華組とあと田中

01/14 17:35 


「推しに幸せに生きて欲しい……」
そう言って顔を覆う。フードを被った推しは今日も今日とて生きづらい毎日を過ごしている。いや、共闘じゃん?共闘してるんだからさぁ、親子仲良くしてくれたらいいじゃん。なんで?なんで章邯将軍ちょっと冷たいの?つらい。ということを、同じく現代人の田中さんに言ってみる。蒙琳さんと幸せに生きろ。私は元の時代にかえる。
「なんで?」
「おそらく元は秦所属ではないかと」
章邯将軍も元々秦所属で、国に家族を奪われていますから。
苦笑いしながら告げた田中さんに、唯一生き残った家族が推しなのに?という。えっ?と声を上げた田中さん達に私は机に崩れ落ちた。
「ひどい、ひどいよ、推しは父親に会いたいだけなのに……」
「ええっと……苗字殿のいう推しは李章殿です、よね?」
「李章が章邯の子供……?」
そう尋ねた田横さんと蒙毅さんが李章さんをみる。あやつは李信の家系ではないのか、と尋ねた蒙毅さんに私は両手で顔面を覆った。
「そこには谷により深く山より高い理由があるんです」
「なんだそれは」
と、言われてもそう返すしかないんだよぉ。ちなみに李章さんは今日も喧嘩を売りに行った項陸をかわしていた。仲良しか。

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「ええと、確か章邯殿のご家族は」
「……妻と娘がいたが、みな国に処断されてしまった」
そう返した章邯におれは理解する。ああー!なるほどな!なるほど!そういうことね!同じ現代から来た苗字の顔を思い浮かべて俺は顔を覆った。ということは、李章と名乗る彼は女だということになる。劉邦や張良たち以外に気味が悪いと言われている、フードというか頭巾のようなもので顔を隠しているのも、あまり喋らないのも喋る際に喉を抑えるのもそういう理由だろう。蒙毅殿が一瞬動きを止めた。が、持ち直して口を開く。
「時に聞くが、李信と関わりがあると聞いたが?」
「妻がその縁者の者でした」
「では、李章とは知り合いか?」
「いいえ。私は彼を見たこともなければ彼の存在も知りかねます」
あーーだからこれ奇妙に思っているのでは。
怪しんでます?とぼそっと聞けば、困った顔をされたが。
「態度に出ていましたか?」
「少しな。お主は李章に少しばかり冷たい」
「娘さんは生きていれば何歳です?」
きっと可愛らしい娘さんだったのでしょうね、といえば、生きてても嫁には出しません、と言われた。おやばか……、と思っていれば、今年で13になります、と返された。13、と繰り返す。どちらにしろ成人してなくないか……?
「しかし、どうして?」
「いえ、斎の国で李章どのの顔を見たものが貴方に似ていると漏らした者ですから……」
嘘である。
「……私に?」
「私はまだ見ていないのですが、貴方の縁者の方かと……」
「弟にも聞いてみましょう」
そう返した章邯に、ええと頷く。まぁこれで少しは動くだろう。

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「なぜ貴方は顔を隠して?」
そう尋ねた叔父にあたる人物に、貴方の姪だからといえたらどれほど楽だろうか。
「李章という名も怪しいものです、兄は李家から嫁をいただきましたが、貴方を知りません。それどころか、秦に昔から続く将家のものは貴方を知りません。貴方は一体どこの誰だ」
叔父の言葉に何も返さない。何も返せない。泣くのを耐えて唇を噛み締める。
「んなこと、どうでもいいだろ。李章はおれの部下だ。できるやつだから別にどこの誰でもいいんだよ」
あっけらかんと言った劉邦さんに、いいえ、と叔父は告げる。
「貴方の素顔は兄に似ていると噂を聞きました」
誰がそんなことを、と思う。そうなのか?と尋ねた劉邦殿にも答えない。叔父は私をみて口を開く。
「その頭巾を外せばわかる話ですが」
伸ばされた手を止める。
「章平。嫌がることをあまりするな」
そう告げた父親に、叔父はなんともいえない顔をした。
「李章殿、申し訳ございません。不快な真似を」
「否……」
「しかし、共に戦う仲間として、その顔を見せないのは周りの将の不審を買います。見せていただけると……」
それはそうだ。わかっている。父の言い分は正しいのだ。でも。
「……お祖父様より見せてはならぬと言伝を……」
そう告げれば、司馬欣殿がしゃべった、と告げた。いつもの声色ではなく地声に近かったからか、父親は少し目を見開いた。劉邦殿が私を見下ろした。
「何故李信はお主にそう告げた?」
蒙毅殿の言葉に私は何も言えなくなる。どうすればいいかわからない。目の前の人にとっての「私」は死んでいる。他の人達と一緒に。だから私も「私」を殺した。望んでは行けないのだ。
「……李家を危険に晒す……これ以上は言えない……」
小さくそう告げてその場を後にする。きっと、いけない。望んでは、いけない。

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category:中華組関連(msu・oa)