僕とみんなとあの子



 頭が砕けそうにいたかった。グチャグチャと掻き回されるようだ。久しぶりに会った母さんと父さんは僕の姿を見て悲しんだ。母親はヒステリックに叫び、父親は酷く怒った。なにがなんだかわからない。どうして怒られているのか。よく、わからない。戻って、と叫ぶ母親は滑稽に見えた。僕は僕なのに。
 だから、家を出た。ヒルに相談すれば、居場所をくれた。ヒルが与えてくれた場所はとても過ごしやすい。大きなベットもたくさんの本もある。大好きなチェスの盤もある。説法を説かれるけれど、そのときは眠っといていいとノノに言われた。

「ヌル、ヒルが呼んでる」
「ん、今いくよ。ノノ」

 そう返事をして、自分に与えられた部屋を後にしようと立ち上がる。さて、これからどうするか作戦会議をするんだろう。

 ――ヌル。

  聞こえてきた声に振り返る。鏡の中には、みんながいる。ヒルが言ってた。鏡の先は冥府に繋がってると。だから僕は鏡の中に「みんな」を見いだすことができるんだと。

「いってきます」

 そう笑って、部屋を出た。僕はまだ元気だ。でも、「あの子」が泣いている気はする。どうしてだろう。





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