「あ、いた」
クラブのロッカールームあたりを歩いていると、背の高い、あの後ろ姿を見つけた。
「おーい、杉江もん!」
「! ナツちゃん」
「やっぱり、浮かない顔してますねー」
そう言ってケラケラと笑えば、杉江もんは少し驚いたような顔をした。
クロロンはもっと不機嫌なんだろうなぁ、別にいいんだけど。
「なんで、」
「え? あぁ、監督のお手伝いをサボってるんです。最近気づいたんですけど、アイス一個じゃ分にあわないじゃないですか」
「そういう事じゃないんだけど……まぁ、確かにアイス一個じゃ分にあわないな」
「でしょー」
バシバシと杉江もんの背中を叩いてから、顔をのぞき込んで笑みを浮かべる。
「はやく、黒田さんを説得しないとスタメン枠とられちゃいますよ」
「!!」
「タッツは多分、わかってやってるからネ」
「わかって?」
「あなた達が期限内に気がつくか、それともgameoverか。アドバイスとかならドリさんに聞けばいいと思いますよ」
そろそろタッツがこっちに来そうな気がするな……
杉江もんの背中を叩き、また口を開く。
「まぁ、私はアナタのプレーがなかなか好きなので、スタメン枠にいてほしいですが、」
頑張ってくださいね、
と杉江もんに告げてクラブハウスを出ると、タッツに会った。
「……ナツ、杉江に何か言った?」
「言ったよ。頑張ってくださいねって」
「それ以外は?」
「言ったよ」
そう言えば、タッツの顔がムッスーとした顔になった。
……なんか年上には感じないなぁ。
「こんなハードワーク、アイス一個じゃ分にあわないって。タッツが想像してることは言ってないよ」
肝心なラインが下がってるという事は私は言ってない。うん、言ってない。
村越さんには言ったけど。
タッツはムッスーとした顔から、何時もの表情に変わった。
「確かに分にあわないなー、」
「でしょー、」
「けどその代わりに、データやってるようなもんだからいいじゃん」
そう言われればそうだね。
「うん、そうだネ」と答えると、タッツに頭をワシャワシャとされた。
赤崎妹と、杉江
きっと杉江もんが軌道修正してくれるよ。
クロロンの。
その後、二人はちゃんとピッチに戻ってきてくれた。
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SQUELCH!!