沈んだ意識がまた浮上しはじめる。ゆっくりと目を開けば、窓から朝日が差し込んでいるのがわかった。
――あったかい。
気持ちが良いあたたかさに、もう一度眠りにつこうと怠い体はねがえりをうとうとする。が、何かに遮られてしまった。それはぐいっと私を引き寄せると、震える声で耳元でつぶやいた。
「夢じゃ、なかった」
痛いぐらいに抱きしめてくるジャックに私は顔だけ彼に向けて、彼の髪を撫でる。夢じゃなかった。私もそれを噛み締めて口を開く。
「ああ、これは現実だ」
「……今度は一緒にいれるのか?」
「……うん」
私は笑えば、彼も柔らかく笑った。
「……今日は何しようか」
一人暮らしで良かったと思う。ジャックはこのまま私の家で住むことになった。彼のための家具やら服やらを買いにいかないといけない。しばらくは大学を休もうか、なんて考えていると洗面所からジャックが慌てて私の元にやってきて、「ハル、俺、若返ってる!」と騒ぐので笑ってしまったのだけど。
それからまた遅い朝食を食べて――彼に似合う洋服を買って――二人で並んで歩く。きっと、これをしあわせと呼ぶのだろうと私は彼の手を握った。美しい夕日の中彼はこちらを見下ろした。
「ハル、これからはずっと一緒にいよう」
「もちろん……貴方が許してくれるなら」
私がしたことを。私がそばにいることを。
彼は私の言葉に嬉しそうに笑って、私にハグをした。
「許すに決まってるだろう!」
君と僕だけ、ハッピーエンド
15
← mokuji →