Mimic what one says(3)

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 俺が父親や父親の知り合いの元から帰ってきた時、母親が家から飛び出してきたのが見えた。俺と一緒にいた父親に何かいうのも。子供が死んだかも。そう告げた母親に、俺は頭が真っ白になった。そんなバカな、と、俺は母親を押し除けて部屋の中に入る。
 ――妹が寝ている。普段見ないような寝相で、半目を開けて。俺は妹をゆすった。起きて欲しくてゆすった。後ろで父親がいう。どうするのだと。後ろで母親はいう。突き飛ばした時には動いていたと。そこから外に出て帰ってきたらこうなっていたのだと。父親は舌打ちをして、誰かを呼んだ。俺は妹をただただ揺する。そこで、俺は壊れたのだと思う。


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 高遠遙一。地獄の傀儡師。殺人だけでなく殺人教唆もする指名手配犯。そのくらいしか俺は彼に対する知識がない。ただ、彼はたくさんの人を唆していることは確かだろう。
 ――彼の計画はまるで探偵の欠けた推理小説のようだった。芸術犯罪というのもわかる。他人事のように映画みたいだと言えば、あなたがやるのだと言われたが。それもそうである。おれがするならば、不測の事態も考えるべきだろう。だから、俺は頭の中で計画を反芻しつつ尋ねるのだ。

「万が一うまくいかなかった時はどうしたらいい?」
「貴方なら可能かと思いますが。まぁ、不安が残るのもわかります。では、こうしましょう」

 彼はそう言って具体案を示す。俺はそれを頭に叩き込む。死んでいった妹のために。自分の憎む相手を殺す為に。


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 騒ぐ両親と、動かない妹。そのあとのことはよく覚えていない。ただ、父親の知り合いである医者と警察官、弁護士がやってきてあれよあれよと俺が妹を殺した犯人になっていた。猫撫で声をだして脱いだ俺の写真や行為中の写真を撮る医者が妹の死因を熱中症ときめ、俺を殴って嫌々抱くのが趣味な警察官が引き連れてきた警官は俺に詰め寄った。そうして始まった裁判で、俺の弁護を引き受けたのは首を絞めるのが好きな弁護士だった。俺は有罪を受けても笑っていた。何が起こっているのかよくわからなかったし、小さな世界で唯一の宝物が壊れた今、俺はもうどうにでもよくなっていたのだ。