最近見られている気がする。自意識過剰乙などと言われてしまったらそれまでだが、自意識過剰ではないと思う。確かに見られている感じがして少し気持ちが悪い。最初は病院で昼休憩の時に視線を感じた。入院患者辺りがが何かを訴えたくて見ているのかと思って周りを見渡してみたが誰もいなかった。気の所為と思ってその時は特に気にしなかったが、その後も度々視線を感じるようになった。病院でしか感じなかった視線は病院からの帰り道にも感じる様になり家に帰るまでそれは続いた。最初は疲れているのだろうか、とか気の所為だと気にしていなかったけどもこうも続けば気の所為だとは思えず気が滅入ってきた。毎日では無いことや家の中までその視線が無いのが唯一の救いかもしれない。巡回していた石田さんに出会った時立ち話ついでに相談してみたものの、この村にストーカーまがいの事する人はいないと思うと笑いながら言われそれもそうかと私も納得してしまった。いや納得してはいけないのだろうけども小さい頃からいるこの村にそういう事をする人は確かにいない。一応私の家の周りの巡回を強化しておくと石田さんが言ってくれたので少し安心した。けれども視線は一向に止む気配はない。もはや人ではなく幽霊等そういうオカルトの類いかとそんな馬鹿馬鹿しい事まで考えはじめた。いや、SIRENの世界だから有り得るのかもしれない。
そんなこんなで夜もあまり眠れなくなり気が弱るのに加えて寝不足になったのが顔にも表れていたみたいで宮田先生に心配をおかけしてしまった。何かあるのなら話してくれ、と言われたけどもこれ以上心配かけるのは嫌だったし、宮田先生とはできるだけ関わらない様にしなければ。感謝の言葉を返して大丈夫だと言うと宮田先生は眉間に皺を寄せて苦々しい顔をして無理はせず何かあったらすぐに言う様にと言われた。素直に心配してくれている先生に罪悪感がわくけどしょうがない。
その日の帰り教会の前でばったりと出くわした牧野さんに物凄く心配されて何があったんですかどうしたんですかと詰め寄られて、そこまで酷い顔になっているのかとか思っていたらずるずると中に入れられてあれよあれよという間に中の椅子に座らせられ温かいお茶をいただきながらここ最近起きていることを相談してしまった。どこか頭の隅の方で幽霊のせいなのねそうなのねとオカルト染みた考えを持っていたからか教会ならそういうことに強いだろうとか馬鹿なことを思ってしまったのかもしれない。牧野さんはとても親身になって聞いてくれたし、胸のうちにためてた不安を全て吐き出したからか随分と楽になった。それに1人で過ごすのは危ないからと教会ぐらしを勧められたけどそれは丁重に断った。
その後は何故だか視線のことはあまり気にならなくなった。気にしすぎるのもダメなのかもしれない。