お菓子のお返し
※学パロ設定
※悟空・悟浄・八戒が3つ子で劉備君・うちの子燐玲ちゃんの弟です。
お菓子を作るのも、食べるのも好きな燐玲にとって家庭科部の活動でお菓子を作る日はその日1番のメインイベントで、朝から鼻歌交じりで登校する。
いつも自分の胸のことでからかう趙雲や張飛の言葉を軽くデコピンするくらいで済ませるほどにご機嫌になるのだ。
ちなみに通常時のテンションだともれなく拳1発をお見舞いする。
活動で作ったお菓子は部員の人達と一緒に食べて、残りの分を食いしん坊な兄弟達に取り分けてそれぞれラッピングしておく。
以前はタッパにひとまとめにして持ち帰ってたけど、先に帰って来た劉備が全部食べちゃったり、その逆で3つ子達に食べ尽くされたり、最後の1枚でケンカになったり…とにかくお菓子が原因で普段ニコニコしてるお母さんに叱られる兄弟達が可哀想(特に悟空。しっぽがしゅん、と垂れてた)なので事前に1人分として分けておくようになった。
たまに劉備のお腹が限界の時、家庭科室に食べ物をせびりに来るので自分の分のお菓子を渡すこともあるから、燐玲が食べられない時もある。
燐玲の分をもらってバツの悪そうな劉備にまた作るからと部活に送り出して、後片付けに専念する燐玲。
そんな話を、家庭科室の隣の理科室でよく研究していてちゃっかり家庭科部のお茶会に理事長共々参加している諸葛亮から聞いた悟空。
いつも美味しいお菓子を作ってくれる燐玲ちゃんにお返しがしたい3つ子ちゃん。
悟浄
「何にするん?」
八戒
「どうしたらよかと?」
悟空
「んー…!そうだ!オレ達でクッキー作ろう!」
ということで、甘い物大好きな燐玲ちゃんにクッキーを作ることに。
最初は自分達だけでやろうとして戸棚にある小麦粉を3人で肩車して取ろうとしたところをたまたまコーヒーを飲みに来たお父さんに見つかってしまい、バランスを崩してキッチンを真っ白に染め上げて早速やらかす。
幸い燐玲ちゃんは外出中だったので3つ子の計画はバレずに済みました。
ちゃんと燐玲ちゃんに作ってあげたいことを伝えてお母さんと劉備に手伝ってもらいながら改めてクッキー作り。
お父さんは撮影係です。
お母さん
「お父さんに料理させると何故かキッチンが爆発しちゃうのよね」
劉備
「父ちゃん何やったんだよっ!?てかオレも作んの!?」
悟空
「劉備兄ちゃんはこの前燐玲姉ちゃんの分のおやつ食っただろ」
悟浄
「そーやん。姉ちゃんまだ食べてへんかったのに」
八戒
「兄ちゃんもしっかり手伝うたい」
劉備
「う…何でお前達がそのこと知ってんだよ」
悟空
「諸葛亮から聞いた」
劉備
「あいつ…!自分だって食ってたくせに!」
羽扇を手にふふ、とニヤける諸葛亮が恨めしい…。
それぞれの工程を分担して作ることにした3つ子ちゃん。
悟空はバターと砂糖をクリーム状になるまで練る係。
悟浄と八戒は小麦粉を振るう係。
お母さんと劉備君がそれぞれ様子を見ながら手伝います。
小麦粉を早く振るい過ぎて小麦粉をモロに顔に被ってケホって咳き込む八戒。
それを笑ってたら一気に入れ過ぎて同じく真っ白い顔になる悟浄。
八戒と悟浄の間で見てた為、2人の小麦粉攻撃でおしろいを塗りたくったような白い顔になった劉備。
お父さんがしっかり写真と動画に収めてます。
そんな3人に目もくれず、バターをひたすらねり続ける悟空。
姉ちゃんにおいしいクッキーを作ってあげたい。
その一心でねりねり、しっぽもふりふり。
お母さんが卵の黄身を練ったバターに入れてまたまぜまぜしたら、悟浄と八戒の振るった小麦粉を入れてしっかり混ぜる。
生地を半分に分けて片方にはココアパウダーを入れて2種類の生地を作って冷蔵庫へ。
型抜き用の抜き型を戸棚から取り出して微笑むお母さん。
お母さん
「懐かしいわぁ。劉備と燐玲が悟空達くらいの時も一緒にクッキーを作って、型の取り合いをよくしてたのよねぇ」
劉備
「そうだったっけ…?」
お母さん
「星型なんて特に人気だったんだから」
出来上がった生地を薄く伸ばして、3つ子思い思いの型を生地に押し付ける。
大人気だった星型やハート型などをスタンプを押すみたいに抜いていく悟空、悟浄、八戒。
ポンポン出来るクッキーが面白くて楽しくて、もう夢中になって色んな形を作っていく。
ちょっと懐かしくて楽しいと3つ子の横で型抜きする劉備。
ちゃっかり星型使ってる。
お母さんはもうひと手間、余ったココアパウダーでチェック模様を入れたり可愛いマークでおめかし。
天板に綺麗に並べたら、熱々のオーブンにin。
甘くて香ばしい香りがキッチンで広がった頃に、友達と出掛けていた燐玲が帰って来た。
燐玲
「ただいまー」
悟空
「!姉ちゃんお帰りっ」
トタトタと真っ先に燐玲に駆け寄る悟空。
燐玲
「悟空、ただいま。何かいい匂いするけど…」
悟空
「来て!」
燐玲
「え、あ、ちょっと悟空っ?」
悟空が燐玲の手を引いて、甘い香りの漂うリビングへ連れて行く。
キッチンではオーブンから焼き上がった力作が勢揃いしていた。
ハートやお星様、乗り物に動物、模様付きまで。
ちょっといびつなのもあるけど、それは手作りならではのもので、どれも可愛くて美味しそうなクッキーだった。
燐玲
「これ、悟空達が作ったの?」
悟浄
「あんな、姉ちゃんいつもお菓子くれるやん?」
八戒
「おいら達もクッキー作って、姉ちゃんにあげようと思ったとー」
悟空
「オレ!オレが作ろうって言った!」
燐玲
「悟空、悟浄、八戒…ありがとう」
劉備
「ま、キッチン真っ白にして大変だったけどな」
お母さん
「劉備も手伝ってくれたけど、1番真っ白けっけだったわねぇ」
劉備
「母さん!」
お父さん
「ちゃんとカメラ回してたから後で見ようなー」
劉備
「父ちゃん!!」
燐玲
「あははっ何やってんだか」
悟空
「姉ちゃん、あの…」
燐玲
「ん?」
八戒
「いつもうまかお菓子ありがとう!」
悟浄
「オレ達が作ったクッキー、姉ちゃんにプレゼントな!」
悟空
「これっ!オレが作ったっ!」
得意げにクッキーを燐玲に見て見てする悟空。
クッキーは形こそちょっと変わってるけど、悟空の気持ちが込められていて、胸が温かくなる。
ありがとう、と悟空からのクッキーを受け取ろうとしたら、ぐるるるるるぅ〜と悟空の元気なお腹が鳴った。
つられて悟浄と八戒のお腹も鳴った。
一生懸命になりすぎてお腹が減るのも忘れていた3つ子ちゃん。
そんな愛しい弟達に燐玲は。
燐玲
「ね、みんなで食べよっか。焼きたてみたいだしあったかいうちに、ね?」
悟空
「え、でも全部姉ちゃんのために…」
燐玲
「みんなで食べた方がおいしいよ。はい」
星の形をしたクッキーを取って、悟空に渡す燐玲。
自分達の作ったクッキー…いい匂いがしてておいしそう。
クッキーを見つめる悟空とその両脇から覗き込む悟浄と八戒のお腹がまたぐるぐる鳴り出した。
燐玲
「ふふっお腹は正直だね!」
劉備
「オレも腹減ったなー」
お母さん
「じゃあおやつの時間にしましょうか。みんなで作ったクッキー、楽しみだわ」
お父さん
「僕はお皿を用意するよ。確かこの辺りに…」
いっぱい作ったクッキーは燐玲はもちろん、家族全員に大好評で、山盛りあったクッキーはあっという間になくなったけど、燐玲にありがとうの気持ちを伝えられた悟空達は大満足。
また姉ちゃんに作ってあげたいと心の中で誓った悟空は最後のクッキーをぱくりと食べた。