365


▼022.声が聞きたい/赤也

20140324 022. 声が聞きたい
真っ暗なワンルーム。真夜中の締め切った窓に遮光カーテンの重装備。ごろりと横になる私だけの空間。誰もいないそこは、安心できると同時に脳が自動的に物事を巡らせる。考えたくももないのに、勝手に動く脳は、いつだって最終的にひとつの結論へと達するのだ。ほらまた、指が勝手にスライドした。ひとつの名前へむけて迷いもなく。
こんな時間のコールなんて、とんだ非常識もいいとこ。だけど『はい』と聞こえた、いつもよりずっと低く掠れていて、それでいて緊張感のない寝ぼけた声に、息が漏れた。暖かいものが流れ枕に落ちた。『なんだよ』という優しい声に、声が震える。理由なんて単純だ。『こんな時間に起こしやがって、寝られねーじゃんか』明日朝練の時間起こしにこいよ、と。茶化してくれるいつもの彼が理由だった。
(2018/01/02)
←prev | next→