365
▼017. 乱暴/侑士
20170130 017. 乱暴見下ろす眼鏡の奥は見えない。
ひょろりとした長身がかがんで、両腕が私の顔の横に付けばもう逃げられない。
冷静なように見える外見は中身そのまま。
何を言っても理詰めで返されて唇はただ翻弄させる。
特徴的な低い声は、行為の時ほど効果をもたらす場はないだろう。
かじりつきたくなる白い首筋に両手を伸ばす。テニスとは似ても似つかない白い肌。
強い圧迫感に爪を立てそうになって、慌ててその先を自分の掌へ向ける。
鼻に抜ける堪えられない呼吸。
どんなにひどくされても、彼の背中に跡は残らない。
掌からも流血することはない。
爪の跡が残ってもすぐさま消えてしまう。
まるで何もなかったかのように忍足はシャツにそでを通す。
私も同じようにソックスを上げる。
何も残らないように。
なんにも。
(2018/01/02)