きみがぼくを好きになるまで
狂ってるけどまだ普通?だと思う。
病んでるけど異常性癖ではないからいいかなとか何とか。
無理矢理だけど愛はあるけど狂ってる。
ベッドに繋がれてどれだけ経っただろう。
黒い手枷と足枷は長い鎖でベッドと繋がっている。
「ただいま!」
「おかえりなさい」
ドアを開けて入ってきた白い人は私に飛びつく。私を抱き締めて「今日も疲れた」「早くきみに会いたかった」といったことを言う。
「うん、お疲れ様。クダリは毎日偉いね」
「……うん!」
彼の頭を撫でると彼は嬉しそうに笑った。この笑みは本物だろう、目も口もちゃんと笑っている。
彼の手が頬を撫でた。目を閉じれば唇を彼のそれで塞がれる。
「……ん、ぅ」
入ってきた舌に自分の舌を絡ませた。まだ慣れていないから上手く出来ないけれど彼は満足なのだろう、頭を撫でてくれた。
「ぅ、あ」
するりと服を脱がされて彼の手と唇が肌を滑る。早くそういう気分にならないといけないのになかなか心はついていかない。
彼の指先が足の間に触れて、彼は笑みを消した。
「何でまだ濡れてないの」
「っ、あ、の……っ」
「ねぇ、何で?きみはぼくのこと好きじゃないの?好きならもう濡れてるよね、キスも愛撫もしたのにどうして?」
「それ、は……」
「ああ、やっぱりきみはぼくのことが好きじゃないんだ、だからぼくとはしたくないんだ」
「そ、そんなことないよ、好きだよクダリ」
「嘘。ぼくを騙してる。……ぼくはきみが好きなのに」
「好き、好き、だから、落ち着いて……っ!」
「ねえ、演技やめて」
「っ……!」
冷たい声に喉が鳴る。だって、じゃあどうすればいいの。好きって言わないと彼はおかしくなる、だけどそれは演技でしかなくて。
「待っ、て、待ってください……!」
制止も聞かず彼はベッドサイドにあるチェストからローションのボトルを取り出してそれを私に垂らした。
「どうしてぼくのこと好きになってくれないの。ぼくはこんなにきみのことが好きなのに」
彼の指が突き立てられて乱雑にかき回される。ローションのおかげでそこまでの痛みは無いが異物感がひどい。
「嫌だよ、きみはぼくの。ぼくだけのもの」
「――――!!」
熱い彼自身を捻じ込まれ、強い圧迫感に息を飲んだ。
「……ぅ、……ううっ」
思い切り足を開かされて、中心を何度も穿たれる。泣きそうな彼に見下ろされて、泣きたいのはこっちだと唇を噛んだ。
そんな行為でも時間が経てば身体は慣れていく。殆ど呻くようだった私の声にも多少の色が混じり、快楽を得始める。
「あ、ふぁ、あっ」
「ん、気持ちいい?……ぼくも、気持ちいい」
「ひぁっ、あ……っ!」
絶頂に達すれば彼も動きを止めて私の中に熱を注ぐ。何度もされているけど未だに気色が悪くて涙が流れた。
彼は舌先でそれを舐め取ると「好きだよ」と囁く。泣きながら「私も好き」と彼の首に腕を回した。演技ではない。只の嘘だ。
顔が見えないようきつく抱きついて、好きと愛してるを繰り返す。
体内に埋まったままの彼自身が固くなって、彼の動きが再開した。
三角に吊り上がった唇から呪文のように囁かれる愛の言葉。それに私も、と同じ言葉を返して応える。
好きだからもうお家に返して。
彼に揺さぶられながら何度も呟く。枷すら外してくれない男がそんな願い聞いてくれるわけないのに。
end.
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