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外が、騒々しい。


誰かの悲鳴、怒号、断末魔の声が聞こえる。近くで物音が聞こえる度に、身を凍らせた。小さく非力な自分は膝を抱えてうずくまるだけだった。暗い小さな部屋に一人でいるのがどうしようもなく怖くて、いっそのこと外へ飛び出してしまいたくなるけれど、それは出来なかった。そう約束させられたからだ。

ただひたすらに自分は待ち続ける。この騒動の終息を。この部屋を出ていったきり戻ってこない者達を。そして――この夢の終わりを。


闇の中で自分を抱え込むように体を縮こまらせ、両手で耳をふさいで、待っている。
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