ぷちたま☆パニック
※ブレソルネタです。※ぷちたま姿のグリムジョーを各自ご確認の上、ご覧ください。
※独自解釈含んでいます。
※時間軸は小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」後、二人が再び交流を始めた頃です。
グリムジョー・ジャガージャックはいまだかつてこんなにも気を失いたい気分になったことはなかった。だがそれ以上に、やはり性質というべきか、怒りがむくむくと膨れ上がる。
そう、目の前で笑い転げている黒崎一護と浦原喜助に対して。
「だはははははは!!!めっちゃ似合ってんぞ!!!」
「やっぱり猫科の破面ですからね!ぶ、っくく…!ちゃんと猫っぽいっスよ!」
―――シャッ!!
舐めた口を利く二人の顔を鋭い爪で引っ掻いた。
「いっっでえ!!何しやがんだテメー!!」
「ウルセエ!おれに舐めたクチきくやつは…………ッ!!??!?!」
「ほほ〜、個体の大きさに合わせて声も高くなってるんスね」
「どうなってんだコレ!!なおせ!!!」
―――シャシャシャシャ!!!!!
「ぎゃーーーー!!!」
「何で俺まで??!!」
グリムジョーは百八十六センチの長身だ。にも関わらず今は三十センチにも満たない身体で、手は丸っこく猫のように爪が伸びている。大きさを除き身体自体はどうやら帰刃状態のようだ。だが自覚できるくらい、霊圧が収縮している。おそらく今の状態ではまともに戦えないだろう。
「推測ですが体の小ささに引っ張られて霊圧も萎んでしまってるんでしょう……いてて」
「もしかしてネルみたいな感じか?」
「それに近いと思うっス」
見下されているのがムカつくので取り敢えず棚の上にひょいと登る。「ホントに猫じゃねえか」と呟いた一護の頭を尻尾で思い切りぶん殴った。
その時だった。
「店長〜芦屋殿がご来店されましたぞ」
―――まずい。
今この姿を見られるわけにはいかない。だというのに「どうぞ入ってきてくださーい」などと呑気に宣う浦原の言葉通り和室に入る錦。見つからないようにもっと高い棚へ登ろうとジャンプするが、(やべえ…!)目測を誤って落下する身体。丁度その瞬間、気配に気付いて顔を上げた錦と目が合った。
「えっ」
反射的に受け止めようと腕を伸ばした錦の胸にダイブする形でグリムジョーは落下を防いだ。
「「………」」
そのまま見つめ合う二人。
「か……」
「?」
「可愛い〜〜〜っ!!!!!」
ぎゅむ〜と効果音がつきそうなほど強く抱き締められ、柔らかな膨らみに顔を埋める。
「んぶっっオイこら!はにゃせ!!」
流石に錦の顔に爪は立てられないので尻尾で彼女の背中をぺしぺしと叩くが、聞き入れられる様子は皆無だ。むしろ頬づりされる始末。気恥ずかしさで体が熱くなるが生憎抜け出すすべはない。ふと一護たちに目をやると、うずくまって体を震わせながら畳を叩いていた。
―――コイツらぜってぇ殺す。
「喜助さん!これは一体…?」
「ん、んふ、順を追って…ふふ、説明しましょう」
「いいカゲン笑うな!」
「声も高くなってる!」
そう、事の発端は至ってシンプル。棚に置いてあった液体入りの小瓶が落ち、割れた衝撃でグリムジョーの足元に少しかかった。瞬間、ボフンという軽い音と白煙ののち、このような小さい姿になってしまったのだ。
「アタシが研究の一環で保有していた液体でして、まあ無害っちゃ無害なんで心配ご無用っス!」
「どこがだ!ヒガイ出てるだろーが!」
「ところで錦さんは何のご用で?」
「ムシするな!!」
このまま飛びかかろうとしたその時、錦の手がグリムジョーの顎下を撫で始めた。さわさわ、さわさわ。攻撃に入ろうと身構えていた身体が、予期せぬ感覚にへにゃりと崩れる。力を入れようとしても上手くいかず錦の膝に完全に身体を預けるかたちとなった。そのまま髪も優しく撫でられ、容赦ない眠気に襲われる。
「空座町転移の事後処理を八番隊が担っていたのですが伊勢副隊長が一番隊へ異動になり、私が現場指揮の後任を拝しましたのでご挨拶を」
「そういえばそうでしたね!いや〜!遂に錦さんも副隊長ですか!」
「いえ、この仕事の時だけ私が指揮をするだけで副隊長はいまだ不在です」
「なあ、事後処理って何だよ」
ここで不思議そうな顔をして口を挟む一護。
「藍染との空座町決戦の際、空座町を尸魂界の一角に転移させただろう。それが原因で空間に歪みが起こらないように、八番隊が定期的に術式をかけて巡回してるんだ」
「へ〜全然知らなかった………もう三年以上前のことなのにまだやってるんだな」
「現世の町を尸魂界に移すなんてかなり無理やりな計画だったし、影響は計り知れないから」
「ふーん……ところでよぉ」
そこでグリムジョーは自分に視線が集まっていることに気づいた。
「めちゃくちゃ寛いでるじゃねえか。え?グリムジョー」
「そりゃ好きなコの膝で寛ぎたくなるのは当然っスよ!かくいう黒崎サンだってそうでしょ?」
「お、俺は別に……」
「シャーーーーーーーーーーッッッ!!!!」
「だぁああああ何で!?!?」
ガリガリガリ!と音がつくレベルで激しく一護の顔を引っ掻いた。努力の甲斐あって彼の顔は真っ赤な線でいっぱいだ。
「あ、丁度良かった!錦サンどうせこれから術式の確認に行くんスよね?折角なんでグリムジョーサン連れて行ってあげてください」
その一言に全員の動きが止まった。