「こ…」
平古場の口から、無意識に言葉が漏れる。
「ここに、いろよ」
梨胡は驚いたように目を見開いた。ただそこには、少し期待したような色が見え隠れしていた。しかしその意味を汲み取ることなく平古場は言葉を続ける。
「わん、は…高等部に上がっても…お前に…梨胡に、会いたいし………だから…日本にいてほしい…」
「………ひ…平古場……」
梨胡の頬が桃色にほんのり色づいたのを見て―――平古場は漸く我に返った。
「あ゛っわ、わっさいびーん(ごめん)!わん、いい加減なこと言った!」
慌てて立ち上がれば梨胡がハッとして首を横に振ったが、平古場にそれを見る余裕などなく勢いよく頭を下げてから逃げるように部屋まで駆けた。
「ぬうあびてんだ(何言ってんだ)…わん」
誰もいない廊下の片隅でしゃがみこみ、頭を抱える。
こんなことを言ったって、迷惑なだけだ。結局は梨胡の意思に全てを委ねられる。自分の気持ちを押しつけたところで梨胡は困るだけだろう。
「わんぬふらー(俺のバカ)……ふらー…!!」
今なら、この気持ちに比べれば大嫌いなゴーヤだって平気な気がした。
リボンでも良いからその指に結いこんで
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