「―――久しぶり、元気?」
<ええ、おかげさまで。貴女はお変わりありませんか?>
「うん元気だよ。弟も相変わらず」
<そうでしょうね。彼の元気がない姿なんて想像できませんし>
「ふてぶてしい弟で申し訳ありません」
<構いませんよ。彼らしいですし>
「もう学校始まってるよね?やっぱりそっちは暑いの?」
<年がら年中暑いわけじゃありませんよ…。普通です、普通>
「はは、そうなんだ」
<そちらはどうですか?>
「気持ち良い気候だよ。桜がまだ咲いてるし」
<おや羨ましいですね。こちらは殆ど散ってしまってます>
「そうなの?まあ桜は南から咲くってよく聞くし、早く散っちゃうのはしょうがないね」
<そうですね。まあ貴女と“アレ”が散るのは程遠いので気にしていませんよ>
「………そういう比喩やめてよね」
<済みませんね。面白くて>
「? 意外と冗談が好きなんだ」
<そんなに俺をカタい人間だと思っていましたか?>
「まあね」
<失礼ですね。ちゃんと柔軟性のある人間ですよ>
「確かに君がこうやって手を回してるなんてあの人が知ったらすごく驚くよ」
<気づいていないのが彼らしいっちゃ彼らしいですが…>
「まだまだだよね」
まだ、蕾


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